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第7章:場違いな二人が加わるとより場違いに(シンクロイド視点)
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「ふふっ、面白い反応するんだね。コーヒーはホットもあるし、豆によって味が違うし、色々な飲み方があるんだよ。でも、この感じだと蘇芳は甘い飲み物の方が好みなのかな? 新たな発見でなんか嬉しい」
「貴様、俺様を揶揄っているのか? なんだか馬鹿にされているように思えるが?」
健人は微笑みながら、否定した。俺様はバツの悪い顔をして、コーヒーとクッキーを交互に味わった。健人は先程のセラピールームを指差し、植物や昆虫の話を楽しそうに聞かせてくれた。蘇芳が聞き入っていると、遠くから元気な男性の声が聞こえた。健人はその声に反応し、席を立ち上がって、声がする方へ手を振った。蘇芳は健人の目線の先を辿ると、髪の毛がもじゃもじゃしたモカブラウンの小さな男と銀髪で褐色肌の獣人みたいな男がこちらへ向かって来た。
「健人さん! ここにいたんだ! 探したよぉ」
「夏希君、あんまり大きな声を出すと、他の利用者に迷惑だよ」
「えへへっ、そうだった。ごめんなさぁい。でも、健人さんの姿が見えたから、つい興奮しちゃって。ねぇねぇ、もしかしてだけど、向かいにいるのって……健人さんのシンクロイド? ついにバディになったんだぁ! なんで教えてくれなかったの?」
もじゃもじゃ頭がはしゃぎながら、健人の横に座り、ズイズイと健人に迫る勢いで質問しまくっていた。蘇芳はそれを見て、胸の辺りにモヤモヤと渦巻いた感情が湧いた。自然と眉を顰め、二人の様子を見ていたが、どうやら銀髪野郎も歯を食いしばり、鋭い目で二人を見ていた。傍から見れば、もじゃもじゃ頭と健人がイチャついているようにしか見えない。
「夏希君、今日も元気だね。と、とりあえず落ち着こっか」
「えーっ、僕はいつも通りだよ。落ち着いたら、消えてなくなっちゃうよ」
「いや、そういう意味じゃなくて……」
健人は顔を引き攣らせ、困り果てた様子で俺様と銀髪野郎を交互に見ていた。二人のとても仲睦まじい様子をこのままずっと観賞する気にはなれないと思った蘇芳は自分の隣の席を指差して、健人に合図した。それに気付いた健人は顔の前で手を合わせ、もじゃもじゃ頭から手慣れたように離れ、俺様の隣に座った。健人が隣から離れたことに対して、もじゃもじゃ頭は不貞腐れた顔をして、銀髪野郎を仕方なく自分の隣に座らせた。
「夏希君はアイリスの広報アイドルなんだから、僕なんかと一緒にいると迷惑かけちゃうよ」
「まぁたそういうこと言う。僕が誰と付き合おうが関係無いよ。僕だって健人さんと同じでパンドラもきちんと開花していなかったし、シンクロイドもいなかったんだから。似た者同士が仲良くしちゃいけない理由なんて無いでしょ?」
「それは一理あるけど、周りがね……なんというか」
「そんなことより、コイツらは誰だ? 話はそれからだろ。俺様はシンクロイドの蘇芳、よろしく」
「そうだね! 自己紹介しなくちゃね。改めてだけど、僕は奥田健人、隣にいるのがバディになったばかりのシンクロイドの蘇芳。蘇芳は見た目とかが怖いけど、優しいから安心して」
「見た目とかが怖いは余計だ。俺様は至って普通だ」
「それで、彼は門寺夏希君。そして、隣にいるのが――」
「夏希のシンクロイドの琥太郎だ。俺には関わんな」
「――わぁっ! 琥太郎が自分で自己紹介したぁ! 偉い偉い、よしよし! 良い子だねぇ。『俺には関わんな』ってなぁにクールぶってんの? 二人きりの時はデレデレさんなのに。今日はさらにツンデレ琥太郎君なの? 可愛いなぁ。あとでいっぱい甘やかせてあげるね」
「や、やめろ! 人前で頭を撫でるな!」
もじゃもじゃ頭こと夏希は満面の笑みを浮かべ、甘ったるい声で琥太郎を褒め、頭や顎下をわしゃわしゃと撫で回した。琥太郎は口では嫌がっているが、頬を赤くし、尻尾をブンブンと振っていた。……コイツは犬なのか? というか、健人以上におかしな奴がいるとは、人間の世界は大丈夫なのか?
蘇芳は声を顰めて、健人に琥太郎の外見について尋ねた。健人は苦笑いしながら、「夏希のカスタマイズで耳と尻尾がついていて、一応、モデルは犬じゃなくて、狼だから、絶対に犬って言っちゃダメ」とこっそり教えてくれた。
蘇芳はそれを聞いた上で琥太郎の様子を改めて見たが、琥太郎はフンフンと鼻を鳴らし、撫でるのを催促しているようにしか見えず、呆れて物が言えなかった。
「貴様、俺様を揶揄っているのか? なんだか馬鹿にされているように思えるが?」
健人は微笑みながら、否定した。俺様はバツの悪い顔をして、コーヒーとクッキーを交互に味わった。健人は先程のセラピールームを指差し、植物や昆虫の話を楽しそうに聞かせてくれた。蘇芳が聞き入っていると、遠くから元気な男性の声が聞こえた。健人はその声に反応し、席を立ち上がって、声がする方へ手を振った。蘇芳は健人の目線の先を辿ると、髪の毛がもじゃもじゃしたモカブラウンの小さな男と銀髪で褐色肌の獣人みたいな男がこちらへ向かって来た。
「健人さん! ここにいたんだ! 探したよぉ」
「夏希君、あんまり大きな声を出すと、他の利用者に迷惑だよ」
「えへへっ、そうだった。ごめんなさぁい。でも、健人さんの姿が見えたから、つい興奮しちゃって。ねぇねぇ、もしかしてだけど、向かいにいるのって……健人さんのシンクロイド? ついにバディになったんだぁ! なんで教えてくれなかったの?」
もじゃもじゃ頭がはしゃぎながら、健人の横に座り、ズイズイと健人に迫る勢いで質問しまくっていた。蘇芳はそれを見て、胸の辺りにモヤモヤと渦巻いた感情が湧いた。自然と眉を顰め、二人の様子を見ていたが、どうやら銀髪野郎も歯を食いしばり、鋭い目で二人を見ていた。傍から見れば、もじゃもじゃ頭と健人がイチャついているようにしか見えない。
「夏希君、今日も元気だね。と、とりあえず落ち着こっか」
「えーっ、僕はいつも通りだよ。落ち着いたら、消えてなくなっちゃうよ」
「いや、そういう意味じゃなくて……」
健人は顔を引き攣らせ、困り果てた様子で俺様と銀髪野郎を交互に見ていた。二人のとても仲睦まじい様子をこのままずっと観賞する気にはなれないと思った蘇芳は自分の隣の席を指差して、健人に合図した。それに気付いた健人は顔の前で手を合わせ、もじゃもじゃ頭から手慣れたように離れ、俺様の隣に座った。健人が隣から離れたことに対して、もじゃもじゃ頭は不貞腐れた顔をして、銀髪野郎を仕方なく自分の隣に座らせた。
「夏希君はアイリスの広報アイドルなんだから、僕なんかと一緒にいると迷惑かけちゃうよ」
「まぁたそういうこと言う。僕が誰と付き合おうが関係無いよ。僕だって健人さんと同じでパンドラもきちんと開花していなかったし、シンクロイドもいなかったんだから。似た者同士が仲良くしちゃいけない理由なんて無いでしょ?」
「それは一理あるけど、周りがね……なんというか」
「そんなことより、コイツらは誰だ? 話はそれからだろ。俺様はシンクロイドの蘇芳、よろしく」
「そうだね! 自己紹介しなくちゃね。改めてだけど、僕は奥田健人、隣にいるのがバディになったばかりのシンクロイドの蘇芳。蘇芳は見た目とかが怖いけど、優しいから安心して」
「見た目とかが怖いは余計だ。俺様は至って普通だ」
「それで、彼は門寺夏希君。そして、隣にいるのが――」
「夏希のシンクロイドの琥太郎だ。俺には関わんな」
「――わぁっ! 琥太郎が自分で自己紹介したぁ! 偉い偉い、よしよし! 良い子だねぇ。『俺には関わんな』ってなぁにクールぶってんの? 二人きりの時はデレデレさんなのに。今日はさらにツンデレ琥太郎君なの? 可愛いなぁ。あとでいっぱい甘やかせてあげるね」
「や、やめろ! 人前で頭を撫でるな!」
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蘇芳は声を顰めて、健人に琥太郎の外見について尋ねた。健人は苦笑いしながら、「夏希のカスタマイズで耳と尻尾がついていて、一応、モデルは犬じゃなくて、狼だから、絶対に犬って言っちゃダメ」とこっそり教えてくれた。
蘇芳はそれを聞いた上で琥太郎の様子を改めて見たが、琥太郎はフンフンと鼻を鳴らし、撫でるのを催促しているようにしか見えず、呆れて物が言えなかった。
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