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大臣と対面

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アイとアーニャは馬車に乗って大臣のお宅に向かっていた。
アーニャ
『大臣ってどんな人だろうね!』
アイ
『それは会って見てからじゃないと分からないわね。でも絶対説得してみせるわ!』

アーニャ
『私も手伝う!』
アイはありがとうアーニャと言った。

そうこうしてるうちに、アイとアーニャを乗せた馬車は大臣のお宅の門の前に着いた。
豪華な邸宅である。

アイ達は馬車を降りて玄関まで歩くと、リンリーンとドアベルを鳴らした。

すると執事が出て来てどちら様でしょうかと尋ねたのでクリスリード家のアイですと名乗った。

するとドアを開けてどうぞお入り下さいと許可がおりた。

中に入ると金で出来た像など豪華な置物が置かれていた。

そして執事に奥に案内されるとそこには豪華な椅子に腰掛ける大臣がいた。

大臣
『おぉ!見事な金の髪になんとお美しい瞳の色これはまさに神が貴方様を女王にさせよとの慶次である。やぁ!めでたい!』

アイはきっぱりと言った。
『その事なのですが私は王位継承権を放棄の旨を伝えさせて頂きたく参りました。』

大臣
『なんですと!!せっかくの女王になる権利を放棄なされるのか!いやいや、それはダメだ!絶対に認めませんぞ!』

アイは不服そうに言った。
『どうしてダメなのですか?』
その時一緒にいたアーニャが声を出した。

『おじさん借金があるんだよね。』

大臣は驚いた顔をした。
『どうしてそれを!』

アーニャは続けて言った。
『私、人が知られたくない隠し事が分かるんだ。だからおじさんそのお金は用意するからアイに無理強いしないで!』

大臣は借金の事を誰かに話した事も無かった、領地の雨日照りで作物が育たず領民の生活を大臣が借金する事で支えていた。
アイが女王になれば後ろ盾となり、
重要なポストにつき借金を返す算段でもあったが、
大臣は重度の王家オタク、アイの容姿を見て憧れの人がここに!と邪な思いを見事に消し去りファンとしてアイとアーニャを見ていた。
『伝承は誠であったか!初代様のお側にも真実を見抜く者がいたのと伝承があった。
すごい、すごい場面に立ち会ってしまったぞ!』

大臣はぶつぶつと言った後、アイの方を向いて言った。
『アイ様ご無礼な態度を取り失礼しました。ひとまずアイ様のご意志を尊重し引き下がりましょう。しかしまだ私は諦めませんからな。』

アイ
『ありがとうございます!』
アーニャ
『良かったねアイ!』
アイ
『ありがとうアーニャ!!』

こうしてアイ達は笑顔で大臣のお宅を後にした。
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