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チート能力をもらったおばちゃん

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「ちょーっと待ったー!」


「え!?

あの、どうしました?」


「あのさ、一つ、お願いがあるの。」


「なんでしょう?」


「新しい体をもらうんだから、しかも、私が推してた桜ちゃんになれるんだから、ここは感謝しなきゃいけないとこかもしれないけど、」


「はい!そんな感謝なんてー、そもそも僕のミスで、人生終わらせちゃった訳ですしぃ。てへっ」


「そう!だから、ちょっとチート能力の一つや二つ、くれたっていいんじゃない?ってお願いよ。」


「あーー、なるほど。そういうことですかぁ。」


「あのね、あなたはよく知らないと思うんだけど、桜ちゃんは今、4人部屋で絶賛合宿中なわけ。
で、カメラに囲まれ、言わばプライバシーないんじゃね?って生活なのよ。」


「ほほー、そうでした、そうでした。で?」


「ほら、桜ちゃんの過去を、このモジャスライム白いで見るにしたって、どこでいつ?ってことになるじゃん?」


「おおお!そこは盲点でしたー!」


プイ、なんかメッチャ怒ってる。

私がモジャスライム白って言ったからか?


「とにかく、そこで提案なんだけど、まずは時間を止める能力。

これは、プイを取り出して、過去を見せてもらうにあたり、みんなの時間が止まっていれば、ばれないでしょ?

あとは、プイと頭の中だけで話せる能力が欲しいかな。

ほら、緊急事態の時とかに、プイにすぐお願いできるじゃん?」


「あ!それいいですねぇ。

プイちゃんと頭の中で話すってのは、追加機能ですぐできますよー。

えーい!」


「プイ、光った!」


「追加しましたっ!

さすが僕ーー!

仕事が早いでしょ?

ただ、時間を止める能力は、僕でも無理だなー。

それできちゃったら、ほら、高梨久美子さんが死にそうな時に、時間止めてたし。

僕が欲しいですよ、その力。」


確かに。

うーーーん。じゃあ、どうすれば?


「プイ、いいこと思い付いたっプイ!」


「しゃべれるんかい!」
「しゃべれるっけ?」


「プイ、怒ったから、なんか覚醒したっプイ。」


天使さん、感動してプイにほおずりしてるけど、それってさっきの追加機能のバグじゃないの?

なんか、嬉しいけど不安ーー。


「プイも、時間は止められないけど、おばちゃんが寝てるふりとか、携帯見てるふりをしてる時に、プイの中におばちゃんの意識を入れちゃうっていうのはどう?」


「おばちゃんってお前がいうなーーー!

確かにおばちゃんだけど、これからお肌ツルッツルの美少女になるんだからね。」


「でも、中身はおばちゃんっプイ。」


「ハイハイ、ちょっと時間があれなんでー、そういうのは後でゆっくりやってねー。

でも、プイちゃまの意識に入っちゃう案は採用!

すごいでちゅねー、さすが僕が作ったマシーンでちゅねー。」


「なんかこいつ、ウザイっプイ。」


「激しく同意。」


「とにかく、あれですね、高梨久美子さんが桜さんの過去を見せてもらいたい時は、プイの中に意識の部屋みたいなバーチャル空間があって、そこに入って過去を見られる。ってな感じにしとけばOKかな?」


天使、またプイをブワーって光らせた。


「じゃ、本当すみませんが、もう桜さんの魂が抜けてだいぶ経つんで、今入らないと入れなくなりますから、魂入れしますよー。」


今度こそ、私は意識が遠のくのに身を任せた。
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