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第1話
人の学力と性格は比例も反比例もしない
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5月のテスト明け
私はとまぁ、割と上手くやっている。
末には校外学習に行き、6月は体育祭もある。
そんな中、また机に向かって私は塾の宿題をしていた。
最近尋常ではない難しさに腹を立てつつ、何とか2ページ分の1ページだけ終わらせることが出来た。
何とか終わらせた1ページ目の問題数が4問に対し、あと半ページに10問くらい難しい問題があると思うだけで吐き気が襲ってくる。
しかし、それだけではない。
塾は基本毎日テストがあり、点が悪いと居残りさせられるケースがある。
タダでさえ塾で気が狂っているのにそんなことはごめんである。
そしてさらに、明日は病院の採血のため、学校を休むハメになる。
血を取られフラフラ状態で、死にかけながら塾はさすがにしんどすぎる為、お母さんに先程、休ませて欲しい。と申し出た。
返事は「行けるでしょ」とか「どれだけ金かけてると思ってるの」なんて予想したのも裏腹に、あっさりと了承してくれた。
ただし 勿論だと思うが、「次からちゃんと頑張りなさいね」という条件付きだ。
だから少しの罪悪感と心構えが、私に宿ったのかは知らないけど、さっきのように宿題を半ページ終わらせることが出来たのである。
こうして、私は今日の一日を終えた。
学生特有の哲学的な考えを1人になったらすぐしてしまう。
例えば、何故私はこんな辛い思いをして生きているんだろう……と。
意味は無いんだけど。
明日は朝から病院……いつものことだけど、血を抜かれるのは気が少し疎い。
大丈夫だ。
そう私は自分に言い聞かせた。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
いつもどこかで悲しいことを考えてしまう癖があった。
もしかしたら、明日この世の全ての人々から嫌われ必要とされなくなるのではないかと。
現実に目を背け続けることができず、時には泣いてしまう時もあった。
こんな小さい殻に閉じこもってしまう原因は他でもない。
【胆道閉鎖症】
これが原因だ。私の中のたった一つの病____。
私があんな目にあったのは産まれて1ヶ月もたたなかった。赤ちゃんの間、人は母親の母乳で育つ。しかし私はその栄養分を異常な程吐き、仕舞いには喉が切れて、血も混ざり出る程だったという。異変を感じた母親はすぐさま私を病院に連れていった。すると医師は「ここではなく、医療機関が揃った病院で検査をすれば明確になると思いますが、この子は誤作動でもない限り、【胆道閉鎖症】です。」
母親は念の為ここより、大きな病院へ連れていったが、あの医師の言っていた通り私は病を患っていたことがわかった。
病院からはすぐ入院するように言われた。
そして、みんなの部屋とは違う一部屋しかない集中治療室のような場所で入院することになった。
私はそこで様々な薬を毎日飲み、副作用が強い点滴や注射も受けてきた。私の父親も「可哀想すぎて目を閉じずも閉じられなかった」と言っていた。
副作用による全身のかゆみが私を襲った時、もがき苦しんだ。父親は物凄くこれに衝撃を受けたと思う。
そして、私に第1回の手術が決定した。それが肝臓移植。
私は両親から肝臓を受け取ることになった。一回目は父親の肝臓をもらった。だが、私はそれを受け入れなかった らしい。なぜだかは知らない。
次に、母親の肝臓移植をすることになった。手術は見事成功させた。私はお腹に大きな傷跡を残して、退院した。
物心着いた時にはもう傷跡があり、両親にもあったためか、人間はみんなそうと思っていた。しかし、私の姉はそれがなくてどうしてだろうと疑問を持って母親に何度か聞いていた。すると母親は「お姉ちゃんは手術してないからだよ」と言われた。その頃の私にはよく分からなかったが、そういうものなんだと考える他なかった。
この傷跡のせいで私はこれまで色んな人に「キモイ」だの「痛そう」だのなんだの言われてきたが、自分だって他人には詳しいことは何も話したくなかったし、それ以上に自分が何かという事がわからなかった。
そして、私はこんな傷跡をみんなに見られたら嫌われてしまう。嫌われたくないから話したくない。そんなことを思うようになっていった。実際に距離を置かれた友達もいたし、失うという恐怖に恐れていたのだ。
だから、今も恋人なんていらないし、友達もいなくてもいいと思っている。これでいいんだ。
塾での優秀順によるクラスの差別も、先輩からいじめを受けた部活も、消えていく友情も、愛してくれても愛されなくても、どうでもいいんだ。
どうでもいいのに。。。
どうして私は
泣いているのだろう
私はとまぁ、割と上手くやっている。
末には校外学習に行き、6月は体育祭もある。
そんな中、また机に向かって私は塾の宿題をしていた。
最近尋常ではない難しさに腹を立てつつ、何とか2ページ分の1ページだけ終わらせることが出来た。
何とか終わらせた1ページ目の問題数が4問に対し、あと半ページに10問くらい難しい問題があると思うだけで吐き気が襲ってくる。
しかし、それだけではない。
塾は基本毎日テストがあり、点が悪いと居残りさせられるケースがある。
タダでさえ塾で気が狂っているのにそんなことはごめんである。
そしてさらに、明日は病院の採血のため、学校を休むハメになる。
血を取られフラフラ状態で、死にかけながら塾はさすがにしんどすぎる為、お母さんに先程、休ませて欲しい。と申し出た。
返事は「行けるでしょ」とか「どれだけ金かけてると思ってるの」なんて予想したのも裏腹に、あっさりと了承してくれた。
ただし 勿論だと思うが、「次からちゃんと頑張りなさいね」という条件付きだ。
だから少しの罪悪感と心構えが、私に宿ったのかは知らないけど、さっきのように宿題を半ページ終わらせることが出来たのである。
こうして、私は今日の一日を終えた。
学生特有の哲学的な考えを1人になったらすぐしてしまう。
例えば、何故私はこんな辛い思いをして生きているんだろう……と。
意味は無いんだけど。
明日は朝から病院……いつものことだけど、血を抜かれるのは気が少し疎い。
大丈夫だ。
そう私は自分に言い聞かせた。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
いつもどこかで悲しいことを考えてしまう癖があった。
もしかしたら、明日この世の全ての人々から嫌われ必要とされなくなるのではないかと。
現実に目を背け続けることができず、時には泣いてしまう時もあった。
こんな小さい殻に閉じこもってしまう原因は他でもない。
【胆道閉鎖症】
これが原因だ。私の中のたった一つの病____。
私があんな目にあったのは産まれて1ヶ月もたたなかった。赤ちゃんの間、人は母親の母乳で育つ。しかし私はその栄養分を異常な程吐き、仕舞いには喉が切れて、血も混ざり出る程だったという。異変を感じた母親はすぐさま私を病院に連れていった。すると医師は「ここではなく、医療機関が揃った病院で検査をすれば明確になると思いますが、この子は誤作動でもない限り、【胆道閉鎖症】です。」
母親は念の為ここより、大きな病院へ連れていったが、あの医師の言っていた通り私は病を患っていたことがわかった。
病院からはすぐ入院するように言われた。
そして、みんなの部屋とは違う一部屋しかない集中治療室のような場所で入院することになった。
私はそこで様々な薬を毎日飲み、副作用が強い点滴や注射も受けてきた。私の父親も「可哀想すぎて目を閉じずも閉じられなかった」と言っていた。
副作用による全身のかゆみが私を襲った時、もがき苦しんだ。父親は物凄くこれに衝撃を受けたと思う。
そして、私に第1回の手術が決定した。それが肝臓移植。
私は両親から肝臓を受け取ることになった。一回目は父親の肝臓をもらった。だが、私はそれを受け入れなかった らしい。なぜだかは知らない。
次に、母親の肝臓移植をすることになった。手術は見事成功させた。私はお腹に大きな傷跡を残して、退院した。
物心着いた時にはもう傷跡があり、両親にもあったためか、人間はみんなそうと思っていた。しかし、私の姉はそれがなくてどうしてだろうと疑問を持って母親に何度か聞いていた。すると母親は「お姉ちゃんは手術してないからだよ」と言われた。その頃の私にはよく分からなかったが、そういうものなんだと考える他なかった。
この傷跡のせいで私はこれまで色んな人に「キモイ」だの「痛そう」だのなんだの言われてきたが、自分だって他人には詳しいことは何も話したくなかったし、それ以上に自分が何かという事がわからなかった。
そして、私はこんな傷跡をみんなに見られたら嫌われてしまう。嫌われたくないから話したくない。そんなことを思うようになっていった。実際に距離を置かれた友達もいたし、失うという恐怖に恐れていたのだ。
だから、今も恋人なんていらないし、友達もいなくてもいいと思っている。これでいいんだ。
塾での優秀順によるクラスの差別も、先輩からいじめを受けた部活も、消えていく友情も、愛してくれても愛されなくても、どうでもいいんだ。
どうでもいいのに。。。
どうして私は
泣いているのだろう
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