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第267話 [残党?殲滅戦Part8。]

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「奴が生きてて良かったぜ。」

「生きてて良かったでござるか?」

「あぁ、ムカつき過ぎて殺しちまった所為で聞きてぇ事も聞けずじまいだったからよぅ。」

「聞きたい事でござるか?」

「おう。俺が死んだと思ってた親友がもしかしたら生きてるかもしんねぇんだ。」

「そうなのでござるか?それは朗報でござるな。」

「おう。そんでなサスケに頼みがあんだよ。」

「オクチョウをまた殺さない様にルークを抑えるでござるか?」

「おう。よく分かったな。」

「まぁ、さっきのを見たら誰でも分かるでござるよ。」

「そ、そうか、そうだよな・・・ま、まぁ頼むわ。」

「了解でござる。」

サスケに笑顔でそう言われた俺は恥ずかしさを誤魔化す様に頭を搔いてオクチョウの下へ向かった。

「グフッ・・・てめぇら・・・俺の部下達を何処へ連れてきやがった。」

「へぇ~クズでも仲間は大事か?」

「ケッ、誰も居ねぇって事は逃げやがったか・・・折角育ててやったのに俺を逃がすぐれぇはすると思ったんだがな。」

「そんな事は無いでござるよ。最後までお主を守ろうと頑張ってたでござる。」

「そうか・・・だが、逃がす事も出来ねぇとは使えねぇ駒だったって事か。」

「ルーク、最悪な奴でござるな。」

仲間を駒扱いしたオクチョウにサスケが腹を立てて掴み掛かろうとしたので俺が手で制止した。

「おいおい、俺を止める役を任せたのにサスケが出てどうするんだよ。お前が掴み掛かったら下手したら死ぬぞ。」

「す、すまぬでござる。仲間を駒扱いする奴を見るとどうもいかんでござるなぁ。」

「しっかりしてくれよ。それで死ぬ前に教えて欲しいんだが・・・。」

「・・・領主の息子の事か・・・残念だったな。仲買人の部下に渡しただけだから何処のどいつに売ったかまでは知らねぇな。」

「仲買人か・・・ワルダーか?」

「な、何故それを!!?・・・彼奴が俺の事を売った?・・・いや、奴隷になる奴を集めてる俺を売るはずがねぇ・・・てめぇらワルダーに何をした!」

「へぇ~やっぱり闇ギルド・ケルベロスを支えてる3人だけあって、その内の1人は気になるか。」

「そこまで調べ上げてるのか・・・って事は死んだか。」

オクチョウはそう言いながらニヤリと笑みを浮かべた。

「何だ、仲間が死んだのに嬉しいのか?」

「彼奴にはムカついてたからな。そうだ、いい事を聞いた次いでに教えてやるよ。っとその前に俺らのボスについても知ってるのか?」

「あぁ、バンディーの下には仲間が向かってるから今頃は生きてねぇと思うぞ。」

「すげぇ自信だなぁ・・・まぁいいや、そうか、バンディー様の事まで知ってたか・・・。」

「怒らせちゃいけねぇ人を怒らせたからな。それで何を教えてくれるんだ?」

「そうか・・・まぁいいや、俺達3人はバンディー様にそれぞれの才能を見出されて拾われた孤児なんだよ。」

「孤児?ワルダーは別として、もう1人は貴族の息子じゃなかったか?」

「そんなもの王族でないならバンディー様に出来ない事は無い。」

「なるほどなぁ、お前らみたいな奴等でも大事な奴は居るんだな。」

「当たり前だ!・・・ゲホッゴホッ・・・。」

「ルーク、興奮させたら聞きたい事も聞けないでござるよ。」

「いや、聞きたい事は聞けたから後はレイに託すさ。」

「それなら良いでござるが、それでオクチョウ、教えるとはその程度の事でござるか?」

サスケがそう言うとオクチョウは一瞬眉間に皺を寄せてサスケを睨んだ。

「ここからが大事な事よ。」

「ほう。」

「才能を見出された孤児が俺達だけだと思うか?」

「・・・そういう事か。」

「分かったみてぇだな。ケルベロスはバンディー様を父として尊敬し、主となってもらい、俺達が育て上げた組織だ。だがよぅ俺達とは袂を分けた兄弟もいるわけだ。」

「其奴らが復讐にでも来るって事か?」

「まぁ中にはいるかもな。」

「なら何だ?」

「こんな世間から見たら極悪人の俺達でも裏社会での地位はかなりのもんだったって事だ。」

「お前らがその兄弟を抑えてたって事か?」

「俺らがっていうよりバンディー様がな。いくら悪党でも父や師と仰ぐバンディー様には逆らわなかったからな。だからその蓋になってる御人をお前らが排除したんだ、今以上に世界が荒れるぜ。楽しみで仕方ねぇが、見れねぇのが残念だ。ガッハッハッ・・・ゲホッゴホッ!」

オクチョウはそう言いながら高笑いした所為で苦しんでいた。

「それで終わりか?その兄弟の居場所や名前は?」

「教えるわけねぇだろ!!!」

オクチョウはそう言うと隠し持っていた短剣で自らの首を掻っ切って自害した。

「クソッ!やられた。生きてさえいれば方法はあったのによ!」

「そうでござるなぁ、拙者も油断し・・・ん?ルーク、見るでござる。」

「何をだ?」

「オクチョウでござるよ。」

サスケに言われてオクチョウを見るとオクチョウが掻っ切った首の周りに黒い煙が立ち込めた。

「何だ?」

俺がそう言うと黒い煙はオクチョウの傷口に吸い込まれてみるみる傷が塞がっていった。

「ガハッ!・・・てめぇら何をした!吐かせようとしてもそうはいかねぇぞ!!!」

オクチョウはそう言うと今度は魔法で自爆し、身体を内側から破裂させた。

「な、何が起こっ・・・まただ・・・」

俺はオクチョウが生き返ってまた自害した事に呆然としていると再び黒い煙はオクチョウを再生し、生き返らせたがオクチョウはまた何かを叫んで自害した。

その生と死を4度程繰り返したオクチョウは再び生き返ると雰囲気が変わった。

「もう止めてくれ。生き返らせるのは止めてくれ。」

「俺達は何もしてないぞ。」

「そんな事を言って、さっきから生き返らせてるじゃねぇか!」

「俺達じゃねぇって、今お前に付いてる黒い煙が肉体を再生させてたぞ。」

「煙りだぁ・・・ま、まさか!」

オクチョウはそう言うと自分自身を見渡し、黒い煙を発見すると驚愕の表情をしていた。

「コ、コレは・・・実験は成功していなかったはず・・・バンディー様!これはどういう事ですかぁーーー!!!俺らは未だに貴方にとっては、ただの駒なのですかぁ!!!・・・・・」

オクチョウはそう叫び始めると狂った様に身体を掻きむしっては叫ぶことを繰り返していた。

シュウト、聞こえるか?

『なんだ?』

今、大丈夫か?

『あぁ、どうしたんだ?』

今、俺の目の前にオクチョウが居るんだが、何度殺しても黒い煙がまとわりついて生き返っちまうんだが、何か分かんねぇか?

『一寸待ってろ・・・あぁ、この黒いのか・・・スキル・・・って訳じゃないか・・・ん?コレは?・・・コレか、なるほど・・・そうか・・・・・』

シュウト、何か分かったのか?

『あぁ、右を向いてくれ・・・そう、そっちだ。そこから100mくらいの場所に部屋が1つだけあってその中の絨毯の下に片手で持てる位のサイズの物が有るんだけど、そこからオクチョウに細い魔力の糸で繋がってる魔道具みたいな物があるからソレを壊せば、特殊な魔力の供給は止まるはずだ。』

壊しゃ良いんだな?

『あぁ、でも急いだ方が良いかも。』

何でだ?

『オクチョウの身体の方が耐えれなくなりそうだからな。そのまま行くとオクチョウはソウルイーターに近い魔物に変貌してしまうかもしれないんだ。』

今死んだ奴が多いとこじゃヤバい奴になる可能性があるって事か?

『可能性の問題だけど、周りの魂が悪い魂が多いから余計な。』

分かった。ありがとな。

『必要なら呼んでくれ。』

了解。

俺が念話でシュウトと会話しているとサスケが話し掛けてきた。

「ルーク、どうしたでござるか?」

「ん?あぁ、シュウトと念話してたんだが、このままだと危険らしくてな。近くにある魔道具か何かをぶっ壊す必要があんだとよ。」

「そうなのでござるか?」

「あぁ、だから俺が行ってくるからサスケは一寸此奴の様子を見ててくれ。」

「了解でござる。」

サスケの返事を聞いた俺は急いでシュウトの言っていた部屋に突入し、絨毯ごと床を捲って、シュウトが言っていたアイテムを取り出した。

「コレか・・・ん?か、硬ぇ・・・ダメだこりゃ・・・どうすっかなぁ・・・あっ!アイテムボックスに入れてみるか?いや、コレがもしアーティファクトだとするとアイテムボックスにあっても近付けば何らかの反応をしてしまうかも・・・う~ん・・・。」

俺がオクチョウを蘇生させているアイテムを持って悩んでいると後ろから肩を叩かれた。

「ん?あぁ、シュウトか。」

「ソレ、俺のアイテムボックス改に持ってく・・・いや、ドラウに持ってった方が良いか?まぁいいや、とりあえず貰っておくわ。」

「お、おぅ、中に持ってって大丈夫なのか?」

「内容的には問題無さそうだから大丈夫だ。」

「分かった任せる。」

「おう。後、オクチョウだけど、後1回死んだら終わりだから。」

「そうなのか?」

「そこは確認したから間違いない。ただ殺るなら黒い煙が無くなってからな。」

「了解・・・少しでもか?」

「う~ん。少しなら魔物になっても大丈夫だと思うぞ。」

「ん?魔物になるのは確定なのか?」

「あぁ、死ぬ度にコレに侵食されてるからな。まぁでもソウルイーターになるのは黒い煙に全身が覆われた時って事だから少しなら問題ないと思うぞ。ただ魔物になった時の強さはその者のレベルに沿ってるらしいから結構強いかもな。」

「その程度なら問題ねぇ。じゃあそのアーティファクトみてぇな物は任せたぞ。」

「おう。じゃあ頑張れ。」

「言われなくとも頑張るさ。」

シュウトは俺の返事を聞くとアイテムボックス改の中に入っていった。

シュウトと別れた俺がサスケの下に戻るとオクチョウは黒い煙が殆ど消えた事に安心したのか呆けた顔をしたまま、脱力した感じで地べたに座り込んでいた。

「サスケ、どうしたんだ彼奴?」

「黒い煙が消えてホッとしたんでござろう。」

「あぁ、相当慌ててた様子だった・・・いや、錯乱状態か、あんな奴でもなるんだなぁ。」

「そりゃあ親と思ってた者に実験体にされてたらそうなるのではござらんか?」

「まぁ、そうか。」

俺はそう言うとオクチョウに近付いていった。
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