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第246話 [首都のダンジョン。]
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外に出るとハロルドとトヨタさんは商談が終わったのか2人共、ソファーで寛いでいた。
「待たせましたか?」
「いんや、今終わったとこや。シュウトはん、ハロルドにもうちょっと優しぃしたってって言うてぇな。」
「何を言っておる最大限譲歩してやったじゃろ。」
「えー、アレでかいな。冗談きついわぁ。」
「ハロルド、そんなにか?」
「シュウト兄、オトンの冗談や。あの顔は商談が上手くいった時の顔や。」
「そうなのか?」
「バラしたらアカンでカスミぃ、こっから値切んのが商いちゅうもんやで。」
「そんな事言うて、これ以上は下げたらアカンレベルちゃうの?」
「よう分かったな。」
「オトンの顔見りゃわかるわ。」
「さよか。ん?顔と言えば2人共上手く行ったんちゃうか?」
「なっ!な、な、何の事や?」
「やっぱり上手く行ったんやのぅ。2人から幸せオーラが出とるからのぅ、眩しぃて見てられへんわ。」
「な、な、何言うてんオトン!・・・出てへんよなぁシュウト兄?」
トヨタさんの明らかにからかった態度に動揺したカスミちゃんは全然気付かずに俺に聞いてきたので、思わず笑ってしまった。
「なんやのシュウト兄、ウチそんな変な事聞いた?」
「カスミ、お義父さんの冗談だよ。そんなオーラが出るなら幸せな人達皆んなが光ってるよ。」
「あっ!・・・くぅ~、そうやったオトンめぇ~。」
アキトの言葉に冷静になったカスミちゃんが、からかってきていたトヨタさんを睨んでいた。
「そういえばトヨタさんは2人の事を知ってたんですか?」
「そりゃアキトはんが来たのは今日が初めてちゃうし、来るたんびにカスミにプロポーズしとったからなぁ。」
「そうなのか?」
そう言いながらアキトの方を見るとアキトは頭を搔いていた。
「せやし、アキトはんが来るって分かったらカスミも嬉しそうやし、帰ると周りが心配なるくらい暫く落ち込んどるからのぅ。」
「なっ!オトン!それは言わん約束やったやろ!」
カスミちゃんはそう言うと思いっきりトヨタさんに殴り掛かっていたが、アキトに止められていた。
「けどすんなり認めるんですね。」
「まぁ大事な一人娘やけど、あの性格やし、貰い手をどうしょうか考えとったんや。」
「オトンそんな事考えとったんか。」
「これも親の務めや。そんな時現れたんがアキトはんや。これは逃したらアカンと思ててん。」
「どうしてですか?」
「そんなん決まってるやろ、アキトはんは教国の王子でワンマンアーミーとまで言われる御仁や繋がりを強固にすんのにもこれ程の優良物件はないで。しかも今やフォスエスペランサ国でも重要なポストに居るしの。」
「あぁなるほど。」
「それに1番の決め手はカスミのあの性格を全て受け入れてくれる器のデカさや。」
「あぁ。」
「後はカスミも幸せそうやしの。」
トヨタさんがそう言うとカスミちゃんは何となく嬉しそうにしていた。
「まぁ、こんなとこで話しててもなんや、カミさんに報告してこい。」
「せやな。行ってくるわオトン。」
カスミちゃんはそう言うとアキトを連れて部屋を出ていった。するとハロルドがトヨタさんに声を掛けた。
「今から領地に戻るのか?」
「まぁちゃんとするんやったら領地に戻らなあかんやろうけど、報告だけなら首相官邸に行きゃええやろ。」
「なるほどな。」
2人の会話を不思議に思ってみているとトヨタさんが話し掛けてきた。
「シュウトはんには何の事か分からんわな。わいのカミさん・・・カスミの母親はカスミの小さい時に死んでもうてん。」
「え?そうなんですか?」
「せや、あの子が自分より強い人やないと結婚せんちゅうのはその事も有るかもしれんなぁ。」
「そうか・・・。」
トヨタさんの話を聞いて俺が暗い顔をしているとトヨタさんが再び声を掛けてきた。
「シュウトはん、どないしたんや?」
「いや、本人が覚えてるかは分からないですけど、前世でも小さい時に母親が亡くなってるんですよ。」
「なるほどな、せやでカミさんが死んだ時に“また”ちゅうとったんか・・・。」
「じゃあ覚えてると?」
「いや、それはないやろ。その後も何度か聞いてみたけど知らんみたいやったしな。」
「それなら良かった。覚えてたなら相当辛かったと思うんで。」
「まぁせやろな。あん時も辛そうにしてたしなぁ。」
そんな話をしているとカスミちゃん達が帰ってきた。
「オトン、報告してきたで。」
「そうか。」
「で、何の話してたん?」
「こっちの話や。そんで式はどないするんや?」
「せんよ。」
「せんて、そないな訳には行かんやろ。アキトはんの御家族の事もあるしやなぁ。」
「それなら大丈夫や。アキトもせん事に同意してくれたし。」
「いや、それでもなぁ。」
「せんちゅうたらせん!そんなんやったら結婚もせんよ。」
「それは困る。アキトはんを逃したら他に居らんくなってまう。」
「ならええな。」
「しかしやなぁ・・・。」
「まだ言うか?」
このままだと言い争いになりそうだったので声を掛ける事にした。
「それなら身内だけのお披露目パーティーだけでもしたらどうかな?」
「身内だけかぁ・・・。」
「それに亡くなったお母さんにもカスミちゃんの結婚式は見せられなくてもウエディングドレスは見せてあげたらどうだい?」
「シュウト兄、ウエディングドレスってなんや?」
「こっちには無いのか?結婚式で着る特別なドレスだよ。」
「着飾る事はしても特別なドレスちゅうのは無いよ。」
「そうなのか。」
「なんやなんや、めっちゃ気になるんやけどシュウトはん、そのウエディングドレスちゅうのはどんなんなんや。」
トヨタさんにそう聞かれたのでウエディングドレスの説明をした。
「ほう。それはええなぁ儲かりそうな匂いがプンプンするでぇ。せや!カスミ、着とうあらへんか?」
「ウチのお披露目で商売する気か?」
「いやいや、そんな訳あらへんやん。」
トヨタさんはそう言いながら目を泳がせていた。
「まぁええわ。なんや分からんけどウキウキするし、用意したら着たるわ。」
「さよか、ほな気合い入れんとな。」
トヨタさんはそう言うと急いで部屋から出て行った。
「よっぽど嬉しかったんだろうね。」
俺がそう言うとカスミちゃんは照れくさそうに頭を搔いていた。
「それではシュウト様、この後は如何なさいますか?」
「そうだなぁ・・・地上に数名、地下の奥深くに1名、俺を必要としてる霊達がいるみたいだから使命をしてくるか。」
「地下ちゅうと首都のダンジョンやね。あっ!でもそれやとオトンの許可が要るで。」
「そうなのか・・・。」
「今から聞いてきたるわ。」
カスミちゃんはそう言うと直ぐに部屋を飛び出していった。暫くしてカスミちゃんが戻ってくると後ろから満面の笑みでトヨタさんが入ってきた。
「カスミに聞いたで、ほんまに此処のダンジョンに行きたいんか?」
「そうですね。使命が有るので入らせてもらえると有難いです。」
「ほな、許可は直ぐにでも出すさかい、1つお願いがあんねんけどええやろか?」
「何ですか?」
「使命で潜るんは分かってんねやけど、そのついでにちょちょっと魔物も討伐してくれんやろか?」
「良いですよ。元々、ダンジョンに入っる時に問題なかったら殲滅するつもりだったんで。」
「そら助かるわぁ~。わいの商会でも国としても今回の商談でかなりつこうてもうたし、カスミの結婚も重なってもうたで、此処のダンジョンに潜んのは大分先になりそうやったでなぁ。どないしょうかと思てたところやってん。」
トヨタさんがそう言うとハロルドが声を掛けた。
「何だ、首都のダンジョンはそれ程、利益率が悪いのか?」
「さっきの商談の借りもあるし、ハロルドならええやろ。せやねん、此処のもんだけでは採算が取れんのや。」
「此処の物だけとは此処から何が獲得出来るのじゃ?」
「主に糸になる繊維素材なんや。せやで加工して製品にするまで手間も費用も嵩むし、ようけ有っても価値も下がるしで扱い難いねん。」
「それ以外は無いのか?」
「あらへん。その変わり出来た製品の品質は何処にも負けへんくらいのもんが出来んねや。ただなぁさっきも言うたけど数出せへんしなぁ。」
「それで此処のダンジョンのランクはどうなんじゃ?」
「Sやと言われとる。」
「言われてる?何じゃ自分達の首都にあるダンジョンなのに分からないのか?」
「しゃあないやろ。上層部はええけど下層になればなる程、木が生い茂って軍で攻略するのが難しなんねん。」
「なるほどな、確かに軍での攻略は難しいか。だが、それなら個人かパーティでの攻略をすれば良いのではないか?」
「採算の取れん様な場所やのにSランクになれる様なもんが来るかい。そんだけの実力が有る様なもんやったら、他んとこに行くわい。」
「なるほどな。だがそれだとスタンピードの恐れがあるだろう?」
「その心配は殆どないな。」
「どうしてじゃ?」
「そりゃダンジョンの構造とそこに棲む魔物の特性からや。」
「言い切れる程という事か。」
「せや、1階層から3階層までは人族の背丈より一寸高い草が1m先が見えんくらい生い茂っとるだけやし、その先にはその草を食うビックウール言う魔物が居って、数が増えてスタンピードみたいになると上層階に上がってきて、その草を食うよるけど、その草の成長するスピードが早うて、2階層にたどり着いたくらいである程度討伐したら戻ってくねん。」
「上層階は分かったが下層の魔物はどうなんじゃ?」
「それこそもっと心配あらへん。20階層より下からは草の代わりに木が生えとるんやけど、そこの魔物ビックシルクは襲ってくるんやけど、基本的にその木の葉っぱしか食わんみたいで、襲われて死んでも放置されるくらいやし、上層階に木が生えてへん事もあって上がってこうへんのや。」
「それならばビックウールという魔物を討伐するだけで良いのか?」
「いや、そうでもないねん。40階層から下の階層に居るインビジブルスパイダーいうのがビックシルクが増えると個体数が増えるのか上がって来るよって、大規模なスタンピードになりよるねん。」
「過去にあったのか?」
「せや、前の首相の時にな。」
「前の首相というと20年前か?」
「そうや。」
「ん?諸外国にはそんな情報は来てなかったはずだぞ?」
「アイツらが隠しおったんや。」
「お前達は大丈夫だったのか?」
「おう。アイツらがわいらの事を首都から締め出しとったからな。」
「なるほどな。」
「待たせましたか?」
「いんや、今終わったとこや。シュウトはん、ハロルドにもうちょっと優しぃしたってって言うてぇな。」
「何を言っておる最大限譲歩してやったじゃろ。」
「えー、アレでかいな。冗談きついわぁ。」
「ハロルド、そんなにか?」
「シュウト兄、オトンの冗談や。あの顔は商談が上手くいった時の顔や。」
「そうなのか?」
「バラしたらアカンでカスミぃ、こっから値切んのが商いちゅうもんやで。」
「そんな事言うて、これ以上は下げたらアカンレベルちゃうの?」
「よう分かったな。」
「オトンの顔見りゃわかるわ。」
「さよか。ん?顔と言えば2人共上手く行ったんちゃうか?」
「なっ!な、な、何の事や?」
「やっぱり上手く行ったんやのぅ。2人から幸せオーラが出とるからのぅ、眩しぃて見てられへんわ。」
「な、な、何言うてんオトン!・・・出てへんよなぁシュウト兄?」
トヨタさんの明らかにからかった態度に動揺したカスミちゃんは全然気付かずに俺に聞いてきたので、思わず笑ってしまった。
「なんやのシュウト兄、ウチそんな変な事聞いた?」
「カスミ、お義父さんの冗談だよ。そんなオーラが出るなら幸せな人達皆んなが光ってるよ。」
「あっ!・・・くぅ~、そうやったオトンめぇ~。」
アキトの言葉に冷静になったカスミちゃんが、からかってきていたトヨタさんを睨んでいた。
「そういえばトヨタさんは2人の事を知ってたんですか?」
「そりゃアキトはんが来たのは今日が初めてちゃうし、来るたんびにカスミにプロポーズしとったからなぁ。」
「そうなのか?」
そう言いながらアキトの方を見るとアキトは頭を搔いていた。
「せやし、アキトはんが来るって分かったらカスミも嬉しそうやし、帰ると周りが心配なるくらい暫く落ち込んどるからのぅ。」
「なっ!オトン!それは言わん約束やったやろ!」
カスミちゃんはそう言うと思いっきりトヨタさんに殴り掛かっていたが、アキトに止められていた。
「けどすんなり認めるんですね。」
「まぁ大事な一人娘やけど、あの性格やし、貰い手をどうしょうか考えとったんや。」
「オトンそんな事考えとったんか。」
「これも親の務めや。そんな時現れたんがアキトはんや。これは逃したらアカンと思ててん。」
「どうしてですか?」
「そんなん決まってるやろ、アキトはんは教国の王子でワンマンアーミーとまで言われる御仁や繋がりを強固にすんのにもこれ程の優良物件はないで。しかも今やフォスエスペランサ国でも重要なポストに居るしの。」
「あぁなるほど。」
「それに1番の決め手はカスミのあの性格を全て受け入れてくれる器のデカさや。」
「あぁ。」
「後はカスミも幸せそうやしの。」
トヨタさんがそう言うとカスミちゃんは何となく嬉しそうにしていた。
「まぁ、こんなとこで話しててもなんや、カミさんに報告してこい。」
「せやな。行ってくるわオトン。」
カスミちゃんはそう言うとアキトを連れて部屋を出ていった。するとハロルドがトヨタさんに声を掛けた。
「今から領地に戻るのか?」
「まぁちゃんとするんやったら領地に戻らなあかんやろうけど、報告だけなら首相官邸に行きゃええやろ。」
「なるほどな。」
2人の会話を不思議に思ってみているとトヨタさんが話し掛けてきた。
「シュウトはんには何の事か分からんわな。わいのカミさん・・・カスミの母親はカスミの小さい時に死んでもうてん。」
「え?そうなんですか?」
「せや、あの子が自分より強い人やないと結婚せんちゅうのはその事も有るかもしれんなぁ。」
「そうか・・・。」
トヨタさんの話を聞いて俺が暗い顔をしているとトヨタさんが再び声を掛けてきた。
「シュウトはん、どないしたんや?」
「いや、本人が覚えてるかは分からないですけど、前世でも小さい時に母親が亡くなってるんですよ。」
「なるほどな、せやでカミさんが死んだ時に“また”ちゅうとったんか・・・。」
「じゃあ覚えてると?」
「いや、それはないやろ。その後も何度か聞いてみたけど知らんみたいやったしな。」
「それなら良かった。覚えてたなら相当辛かったと思うんで。」
「まぁせやろな。あん時も辛そうにしてたしなぁ。」
そんな話をしているとカスミちゃん達が帰ってきた。
「オトン、報告してきたで。」
「そうか。」
「で、何の話してたん?」
「こっちの話や。そんで式はどないするんや?」
「せんよ。」
「せんて、そないな訳には行かんやろ。アキトはんの御家族の事もあるしやなぁ。」
「それなら大丈夫や。アキトもせん事に同意してくれたし。」
「いや、それでもなぁ。」
「せんちゅうたらせん!そんなんやったら結婚もせんよ。」
「それは困る。アキトはんを逃したら他に居らんくなってまう。」
「ならええな。」
「しかしやなぁ・・・。」
「まだ言うか?」
このままだと言い争いになりそうだったので声を掛ける事にした。
「それなら身内だけのお披露目パーティーだけでもしたらどうかな?」
「身内だけかぁ・・・。」
「それに亡くなったお母さんにもカスミちゃんの結婚式は見せられなくてもウエディングドレスは見せてあげたらどうだい?」
「シュウト兄、ウエディングドレスってなんや?」
「こっちには無いのか?結婚式で着る特別なドレスだよ。」
「着飾る事はしても特別なドレスちゅうのは無いよ。」
「そうなのか。」
「なんやなんや、めっちゃ気になるんやけどシュウトはん、そのウエディングドレスちゅうのはどんなんなんや。」
トヨタさんにそう聞かれたのでウエディングドレスの説明をした。
「ほう。それはええなぁ儲かりそうな匂いがプンプンするでぇ。せや!カスミ、着とうあらへんか?」
「ウチのお披露目で商売する気か?」
「いやいや、そんな訳あらへんやん。」
トヨタさんはそう言いながら目を泳がせていた。
「まぁええわ。なんや分からんけどウキウキするし、用意したら着たるわ。」
「さよか、ほな気合い入れんとな。」
トヨタさんはそう言うと急いで部屋から出て行った。
「よっぽど嬉しかったんだろうね。」
俺がそう言うとカスミちゃんは照れくさそうに頭を搔いていた。
「それではシュウト様、この後は如何なさいますか?」
「そうだなぁ・・・地上に数名、地下の奥深くに1名、俺を必要としてる霊達がいるみたいだから使命をしてくるか。」
「地下ちゅうと首都のダンジョンやね。あっ!でもそれやとオトンの許可が要るで。」
「そうなのか・・・。」
「今から聞いてきたるわ。」
カスミちゃんはそう言うと直ぐに部屋を飛び出していった。暫くしてカスミちゃんが戻ってくると後ろから満面の笑みでトヨタさんが入ってきた。
「カスミに聞いたで、ほんまに此処のダンジョンに行きたいんか?」
「そうですね。使命が有るので入らせてもらえると有難いです。」
「ほな、許可は直ぐにでも出すさかい、1つお願いがあんねんけどええやろか?」
「何ですか?」
「使命で潜るんは分かってんねやけど、そのついでにちょちょっと魔物も討伐してくれんやろか?」
「良いですよ。元々、ダンジョンに入っる時に問題なかったら殲滅するつもりだったんで。」
「そら助かるわぁ~。わいの商会でも国としても今回の商談でかなりつこうてもうたし、カスミの結婚も重なってもうたで、此処のダンジョンに潜んのは大分先になりそうやったでなぁ。どないしょうかと思てたところやってん。」
トヨタさんがそう言うとハロルドが声を掛けた。
「何だ、首都のダンジョンはそれ程、利益率が悪いのか?」
「さっきの商談の借りもあるし、ハロルドならええやろ。せやねん、此処のもんだけでは採算が取れんのや。」
「此処の物だけとは此処から何が獲得出来るのじゃ?」
「主に糸になる繊維素材なんや。せやで加工して製品にするまで手間も費用も嵩むし、ようけ有っても価値も下がるしで扱い難いねん。」
「それ以外は無いのか?」
「あらへん。その変わり出来た製品の品質は何処にも負けへんくらいのもんが出来んねや。ただなぁさっきも言うたけど数出せへんしなぁ。」
「それで此処のダンジョンのランクはどうなんじゃ?」
「Sやと言われとる。」
「言われてる?何じゃ自分達の首都にあるダンジョンなのに分からないのか?」
「しゃあないやろ。上層部はええけど下層になればなる程、木が生い茂って軍で攻略するのが難しなんねん。」
「なるほどな、確かに軍での攻略は難しいか。だが、それなら個人かパーティでの攻略をすれば良いのではないか?」
「採算の取れん様な場所やのにSランクになれる様なもんが来るかい。そんだけの実力が有る様なもんやったら、他んとこに行くわい。」
「なるほどな。だがそれだとスタンピードの恐れがあるだろう?」
「その心配は殆どないな。」
「どうしてじゃ?」
「そりゃダンジョンの構造とそこに棲む魔物の特性からや。」
「言い切れる程という事か。」
「せや、1階層から3階層までは人族の背丈より一寸高い草が1m先が見えんくらい生い茂っとるだけやし、その先にはその草を食うビックウール言う魔物が居って、数が増えてスタンピードみたいになると上層階に上がってきて、その草を食うよるけど、その草の成長するスピードが早うて、2階層にたどり着いたくらいである程度討伐したら戻ってくねん。」
「上層階は分かったが下層の魔物はどうなんじゃ?」
「それこそもっと心配あらへん。20階層より下からは草の代わりに木が生えとるんやけど、そこの魔物ビックシルクは襲ってくるんやけど、基本的にその木の葉っぱしか食わんみたいで、襲われて死んでも放置されるくらいやし、上層階に木が生えてへん事もあって上がってこうへんのや。」
「それならばビックウールという魔物を討伐するだけで良いのか?」
「いや、そうでもないねん。40階層から下の階層に居るインビジブルスパイダーいうのがビックシルクが増えると個体数が増えるのか上がって来るよって、大規模なスタンピードになりよるねん。」
「過去にあったのか?」
「せや、前の首相の時にな。」
「前の首相というと20年前か?」
「そうや。」
「ん?諸外国にはそんな情報は来てなかったはずだぞ?」
「アイツらが隠しおったんや。」
「お前達は大丈夫だったのか?」
「おう。アイツらがわいらの事を首都から締め出しとったからな。」
「なるほどな。」
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