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第220話 [眷属化。]
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「う、う~ん。いつの間にか寝てたのか、此処は・・・ハッ!」
俺が目を覚ますとなんと!ライヤ様が膝枕をしてくれていたので、俺は慌てて立ち上がって慌てふためいていた。
「な、な、な、何故!?えっ!?ライア様!?えっ!?何で!?」
「ふっふっふっ・・・ハッハッハッ・・・シュウトもっ・・・ふっふっふ・・・そんなに慌てるのね。ふっふっふ・・・・・。」
俺の姿を見てライア様はソファーで涙を流しながら笑い転げていた。
「そ、そんなに笑う事ないだろ!」
「ごめん、ごめん、慌てるだろうなぁとは思ったけど、そこまで慌てるとは思わなくて。ふふっ。」
「寝たのは悪いと思うけどってまだ笑ってるし。」
ってか、何で膝枕してんだよ。
「仕方ないじゃない、あのまま放っておくわけにも行かなかったし、それにまぁ、邪神を退けたご褒美と謝罪よ。」
「仕方ない?膝枕が?」
「そっちじゃないわ。触れてた事よ。」
「どういう事だ?」
「シュウトは身体に馴染んでないのに無理矢理神気を使って戦ってたでしょ。」
「あぁ、けどスキルで直ぐに治してただろ。」
「それよ!貴方の身体は良くても魂は回復しないのよ!それなのに貴方は・・・・・」
「ちょ、一寸待ってくれ。まさか、あの時魂も持ってかれてたのか?」
「そうよ。貴方の行った事は魂を削って攻撃をしてたのよ。」
「だから戦い終わった後も痛みが有ったのか。」
「魂の消耗が表に出てくるのは相当危険な状態って事なのよ。」
「そこまで危なかったのか?」
「そうよ。もうあそこまで行くと自然には回復しないぐらいにね。放っておいたら傷口から血が出る様に魂を維持出来なくなって魂が消滅するところだったのよ。だから私がシュウトに触れて回復させたの。」
「そうか。悪かった、ありがとう。」
「良いのよ。」
「ただ膝枕なんてする必要があったのか?」
「それはだからご褒美と謝罪って言ったじゃない。もしかして嫌だった?」
「それは・・・まぁ、そのぅ・・・。」
俺はそう言いながら顔が熱くなるのが分かってライヤ様を見るとライヤ様はニヤニヤしていた。
「そ、そんな事よりご褒美は分かるけど謝罪って何だよ。」
「亜神になる為の修行って事を黙ってたから。」
「あぁ、それか。アレと戦う可能性が有ったからさせたんだろ?」
「えぇ。まだ確証は無かったから話せなかったし、嫌がってやらなくてもシュウトなら無理に戦いそうだったから。」
「ちゃんと理由を言ってくれたら断らないって。」
「それは多分断らないだろうなとは思ったけど、言ったら余計無理して修行しそうだったし。」
「まぁ、分かってたらするかもな。」
「でしょ。危険な修行をして万が一があったら駄目だったから言わなかったのもあるのよ。」
「あぁ何か悪い。結局俺の所為か。」
「って事で許してね。」
「分かった。ところで聞きたい事があるんだが良いか?」
「何?」
「アルティメットスキルで眷属化っていうのを獲得したんだけど、どういうスキルなんだ?神の瞳で見ても眷属化が可能って書いてあるだけなんだが?」
「そのままよ。簡単に言えばお互いの承認さえ有れば自分の眷属に出来るっていうスキルね。亜神に成ってもないのにもう獲得したの?」
「あぁ、邪神ソワレイカを消滅させた後にな。誰かがくれたのかと思ってた。」
「それは無いは亜神に成れば自然と持てるスキルだし、態々上げる程のモノじゃ無いしね。」
「それで眷属に成るとどうなるんだ?」
「そうねぇ・・・シュウトがレベルが上がったり、上位の種族に成ったりしたら、眷属に成った子たちに恩恵があるくらいかしら。」
「それって誰でも成れるのか?」
「貴方に敵対心というか、悪い感情が有れば別だけど、そうじゃなかったら成れるし、逆に信仰っていう程じゃなくても好意というか好感度が高い程、受けられる恩恵も強いわよ。」
「へぇ~好感度か、何か恥ずかしいな。」
「最初だけよ。」
「そんなものか。まぁいいや、それでデメリットは無いのか?」
「そうねぇあるにはあるけど、シュウトの眷属に成る様な子ならあまり関係ないかな。」
「そうなのか?」
「だって恨んだり、憎んだりしないと思うから。」
「それが関係あるのか?」
「ええ、眷属の主人である者に強い悪感情で攻撃する事が出来なくなるくらいだし、もしその感情が強まれば受ける恩恵は弱まるし、下手したら眷属を外れちゃうしね。」
「なるほどな。もし、眷属から外れたらどう成るんだ?何となくだけど眷属じゃなくなるだけじゃないんだろ?」
「そうね。あまり無い事だけど、眷属じゃなくなったら眷属である間に得た能力は全て無くなっちゃうわ。」
「自分自身で努力した結果であってもか?」
「そうね。自分で努力したとはいえ、眷属である以上、その恩恵のお陰で強く成れた部分は少なからず有るからね。」
「あぁ、そういう事か。」
「だから眷属に成る子には事前に知ってもらう必要があるわ。」
「まぁ、そうだな。」
「後はそうねぇ、今のシュウトには関係ないけど、加護や祝福なんかも眷属に成った時点で消えちゃうわね。」
「何でだ?」
「加護や祝福よりも受ける恩恵が強いからよ。」
「なるほどな。確かにそれなら加護も祝福も要らないか。」
「そういう事。今のシュウトは加護も祝福も出来ないだろうから関係ないのよ。ただ亜神に成ったらそのスキルも手に入るからその時はまた説明するわね。」
「そうだな。その時は頼む。」
「ええ、任せて。」
「ところで俺が亜神には成らないとは思わないのか?」
俺がそう言うとライヤ様は少し考える素振りを見せながら答えてくれた。
「そうねぇ・・・それって聞く意味ある?」
「う~ん。無いかも。」
「これからも邪神と戦う可能性が有ると思ってるでしょ?」
「やっぱり有るのか?」
「無いって言いたいけど、残念な事に私に恨みを持ってたりする子は居るからその子たちが何もしないとは言えないのよね。」
「殲星会か?」
「代表的な子たちはそうね。私も頑張ってはいるつもりだけど、救えない子たちもいるから・・・。」
ライヤ様はそう言いながら悲しげな表情をしていた。
「それは仕方がないんじゃないか?それでも頑張ってるんだろ?」
「えぇ出来る事はしてるつもりよ。」
「どれだけ頑張っても認めない様な強欲な奴は何処にでも居るもんだし、今のままで十分だと思うぞ。あまり頑張り過ぎて居なくなる方が、問題だしな。」
俺が微笑みながらそう言うとライヤ様は少しスッキリした表情になった。
「ありがとう。それじゃあそろそろ時間だと思うからまた今度ね。」
「そうなのか?」
「ええ、貴方の執事さんだと思うけど貴方の方に向かってるから。」
「もうそんな時間なのか!?」
「ええ、かなり回復に時間が掛かっちゃったから。」
「分かった。ありがとう。」
「良いのよ。あっでも無理しちゃダメよ。」
「分かってる。」
「ほんとかしら・・・まぁいいわ。眷属化、試してみてね。」
「あぁ、話してみるよ。」
俺がそう言うと光に包まれて気付くと像の前に居た。
俺が固まった身体を解していると扉を叩く音がした。
「シュウト様、そろそろ御時間でございますが入っても宜しいでしょうか?」
「あぁ、出るよ。」
俺がそう言って部屋を出ると俺の姿を見たバトは軽く頷いた。
「お疲れの御様子でしたが、回復なされたのですね。」
「あぁ、ライヤ様のお陰でな。」
「それは、ようございました。」
「あっそうだ。全員が戻った後、皆んなに話が有るから部屋を用意しといてくれないか?」
「承知致しました。」
俺はそう言うと転送門を開いてガシュウさんの居る所まで戻ると全員が揃って待っていた。
「お帰りなさいませシュウト様。」
「あれ?もしかして待たせましたか?」
「いえいえ、皆様今し方戻られたところですよ。それに参加された者ももう少し時間が掛かると思われますし。」
「そうなんですね。それは良かった。」
「おっ、シュウト、疲れは取れたみたいだな。」
「そう言うルークだってってか、皆んなも疲れてなさそうだな。」
「それはアストライヤー様のお陰らしいぞ。」
「そうなのか?」
「はい。突然光が降り注ぎ、戦っていた者全てを癒して頂けました。」
「それは良かった。」
その後、オレ達が雑談していると外から声を掛けられて、全員が揃った事の報告を受けた俺達は準備を整えて外に出た。
俺が軍幕を出ると今回参加してくれた全員が跪き頭をを垂れた。
これだけの人数が一気に動くと流石に壮観だなぁ。
俺がそう思っていると隣りに居たガシュウさんも俺の前へ行き、跪き頭を垂れた。
「この度は魔物工場ならびにその配下、拠点の殲滅、謹んでお祝い申し上げます。」
「うむ。皆、面を上げよ。・・・誰の犠牲も無く遂行出来たのは今回来てくれた者や協力してくれた全ての人々のお陰だ。こちらこそ感謝する。」
俺が促して全員の顔が上がるのを待ってから話を続けると歓声を上げる者や俺の言葉に涙する者が多く居た。
「使徒様、今の御言葉感涙に耐えません。素晴らしい御言葉ありがとうございます。」
「いや、本当の気持ちだ。それよりもガシュウ殿。」
「如何なさいましたか?」
「例の話だが、確証が取れた。」
「例の話というと邪神の事でしょうか?」
ガシュウさんがそう言うと周りがざわつき始めた。俺は全員が静かになるのを待って話始めた。
「邪神ソワレイカは消滅した。」
「なんと!誠でございますか!?」
「アストライヤー様に伺ったので間違いない。」
「それは素晴らしい!」
ガシュウさんはそう言うと立ち上がり皆んなが居る方に向き直った。
「皆よく聞きなさい!この度の戦いで残念ながら魔物工場が邪神を復活させてしまいましたが、使徒様御一行が邪神ソワレイカを撃退し、消滅させて頂けましたので、この国いや、世界の危機は退けられた事を宣言致します。」
ガシュウさんの言葉に再び盛大な歓喜の声があがり、暫くすると誰からとも無く俺に向かって平伏し始めた。
「な、どうしたというのだ!?」
「皆、使徒様に感謝しておるのです。」
「そ、そうか。」
俺はその状況に居た堪れなくなり、別れの挨拶を済ませるとルーク達を伴って、その場を後にした。
俺が目を覚ますとなんと!ライヤ様が膝枕をしてくれていたので、俺は慌てて立ち上がって慌てふためいていた。
「な、な、な、何故!?えっ!?ライア様!?えっ!?何で!?」
「ふっふっふっ・・・ハッハッハッ・・・シュウトもっ・・・ふっふっふ・・・そんなに慌てるのね。ふっふっふ・・・・・。」
俺の姿を見てライア様はソファーで涙を流しながら笑い転げていた。
「そ、そんなに笑う事ないだろ!」
「ごめん、ごめん、慌てるだろうなぁとは思ったけど、そこまで慌てるとは思わなくて。ふふっ。」
「寝たのは悪いと思うけどってまだ笑ってるし。」
ってか、何で膝枕してんだよ。
「仕方ないじゃない、あのまま放っておくわけにも行かなかったし、それにまぁ、邪神を退けたご褒美と謝罪よ。」
「仕方ない?膝枕が?」
「そっちじゃないわ。触れてた事よ。」
「どういう事だ?」
「シュウトは身体に馴染んでないのに無理矢理神気を使って戦ってたでしょ。」
「あぁ、けどスキルで直ぐに治してただろ。」
「それよ!貴方の身体は良くても魂は回復しないのよ!それなのに貴方は・・・・・」
「ちょ、一寸待ってくれ。まさか、あの時魂も持ってかれてたのか?」
「そうよ。貴方の行った事は魂を削って攻撃をしてたのよ。」
「だから戦い終わった後も痛みが有ったのか。」
「魂の消耗が表に出てくるのは相当危険な状態って事なのよ。」
「そこまで危なかったのか?」
「そうよ。もうあそこまで行くと自然には回復しないぐらいにね。放っておいたら傷口から血が出る様に魂を維持出来なくなって魂が消滅するところだったのよ。だから私がシュウトに触れて回復させたの。」
「そうか。悪かった、ありがとう。」
「良いのよ。」
「ただ膝枕なんてする必要があったのか?」
「それはだからご褒美と謝罪って言ったじゃない。もしかして嫌だった?」
「それは・・・まぁ、そのぅ・・・。」
俺はそう言いながら顔が熱くなるのが分かってライヤ様を見るとライヤ様はニヤニヤしていた。
「そ、そんな事よりご褒美は分かるけど謝罪って何だよ。」
「亜神になる為の修行って事を黙ってたから。」
「あぁ、それか。アレと戦う可能性が有ったからさせたんだろ?」
「えぇ。まだ確証は無かったから話せなかったし、嫌がってやらなくてもシュウトなら無理に戦いそうだったから。」
「ちゃんと理由を言ってくれたら断らないって。」
「それは多分断らないだろうなとは思ったけど、言ったら余計無理して修行しそうだったし。」
「まぁ、分かってたらするかもな。」
「でしょ。危険な修行をして万が一があったら駄目だったから言わなかったのもあるのよ。」
「あぁ何か悪い。結局俺の所為か。」
「って事で許してね。」
「分かった。ところで聞きたい事があるんだが良いか?」
「何?」
「アルティメットスキルで眷属化っていうのを獲得したんだけど、どういうスキルなんだ?神の瞳で見ても眷属化が可能って書いてあるだけなんだが?」
「そのままよ。簡単に言えばお互いの承認さえ有れば自分の眷属に出来るっていうスキルね。亜神に成ってもないのにもう獲得したの?」
「あぁ、邪神ソワレイカを消滅させた後にな。誰かがくれたのかと思ってた。」
「それは無いは亜神に成れば自然と持てるスキルだし、態々上げる程のモノじゃ無いしね。」
「それで眷属に成るとどうなるんだ?」
「そうねぇ・・・シュウトがレベルが上がったり、上位の種族に成ったりしたら、眷属に成った子たちに恩恵があるくらいかしら。」
「それって誰でも成れるのか?」
「貴方に敵対心というか、悪い感情が有れば別だけど、そうじゃなかったら成れるし、逆に信仰っていう程じゃなくても好意というか好感度が高い程、受けられる恩恵も強いわよ。」
「へぇ~好感度か、何か恥ずかしいな。」
「最初だけよ。」
「そんなものか。まぁいいや、それでデメリットは無いのか?」
「そうねぇあるにはあるけど、シュウトの眷属に成る様な子ならあまり関係ないかな。」
「そうなのか?」
「だって恨んだり、憎んだりしないと思うから。」
「それが関係あるのか?」
「ええ、眷属の主人である者に強い悪感情で攻撃する事が出来なくなるくらいだし、もしその感情が強まれば受ける恩恵は弱まるし、下手したら眷属を外れちゃうしね。」
「なるほどな。もし、眷属から外れたらどう成るんだ?何となくだけど眷属じゃなくなるだけじゃないんだろ?」
「そうね。あまり無い事だけど、眷属じゃなくなったら眷属である間に得た能力は全て無くなっちゃうわ。」
「自分自身で努力した結果であってもか?」
「そうね。自分で努力したとはいえ、眷属である以上、その恩恵のお陰で強く成れた部分は少なからず有るからね。」
「あぁ、そういう事か。」
「だから眷属に成る子には事前に知ってもらう必要があるわ。」
「まぁ、そうだな。」
「後はそうねぇ、今のシュウトには関係ないけど、加護や祝福なんかも眷属に成った時点で消えちゃうわね。」
「何でだ?」
「加護や祝福よりも受ける恩恵が強いからよ。」
「なるほどな。確かにそれなら加護も祝福も要らないか。」
「そういう事。今のシュウトは加護も祝福も出来ないだろうから関係ないのよ。ただ亜神に成ったらそのスキルも手に入るからその時はまた説明するわね。」
「そうだな。その時は頼む。」
「ええ、任せて。」
「ところで俺が亜神には成らないとは思わないのか?」
俺がそう言うとライヤ様は少し考える素振りを見せながら答えてくれた。
「そうねぇ・・・それって聞く意味ある?」
「う~ん。無いかも。」
「これからも邪神と戦う可能性が有ると思ってるでしょ?」
「やっぱり有るのか?」
「無いって言いたいけど、残念な事に私に恨みを持ってたりする子は居るからその子たちが何もしないとは言えないのよね。」
「殲星会か?」
「代表的な子たちはそうね。私も頑張ってはいるつもりだけど、救えない子たちもいるから・・・。」
ライヤ様はそう言いながら悲しげな表情をしていた。
「それは仕方がないんじゃないか?それでも頑張ってるんだろ?」
「えぇ出来る事はしてるつもりよ。」
「どれだけ頑張っても認めない様な強欲な奴は何処にでも居るもんだし、今のままで十分だと思うぞ。あまり頑張り過ぎて居なくなる方が、問題だしな。」
俺が微笑みながらそう言うとライヤ様は少しスッキリした表情になった。
「ありがとう。それじゃあそろそろ時間だと思うからまた今度ね。」
「そうなのか?」
「ええ、貴方の執事さんだと思うけど貴方の方に向かってるから。」
「もうそんな時間なのか!?」
「ええ、かなり回復に時間が掛かっちゃったから。」
「分かった。ありがとう。」
「良いのよ。あっでも無理しちゃダメよ。」
「分かってる。」
「ほんとかしら・・・まぁいいわ。眷属化、試してみてね。」
「あぁ、話してみるよ。」
俺がそう言うと光に包まれて気付くと像の前に居た。
俺が固まった身体を解していると扉を叩く音がした。
「シュウト様、そろそろ御時間でございますが入っても宜しいでしょうか?」
「あぁ、出るよ。」
俺がそう言って部屋を出ると俺の姿を見たバトは軽く頷いた。
「お疲れの御様子でしたが、回復なされたのですね。」
「あぁ、ライヤ様のお陰でな。」
「それは、ようございました。」
「あっそうだ。全員が戻った後、皆んなに話が有るから部屋を用意しといてくれないか?」
「承知致しました。」
俺はそう言うと転送門を開いてガシュウさんの居る所まで戻ると全員が揃って待っていた。
「お帰りなさいませシュウト様。」
「あれ?もしかして待たせましたか?」
「いえいえ、皆様今し方戻られたところですよ。それに参加された者ももう少し時間が掛かると思われますし。」
「そうなんですね。それは良かった。」
「おっ、シュウト、疲れは取れたみたいだな。」
「そう言うルークだってってか、皆んなも疲れてなさそうだな。」
「それはアストライヤー様のお陰らしいぞ。」
「そうなのか?」
「はい。突然光が降り注ぎ、戦っていた者全てを癒して頂けました。」
「それは良かった。」
その後、オレ達が雑談していると外から声を掛けられて、全員が揃った事の報告を受けた俺達は準備を整えて外に出た。
俺が軍幕を出ると今回参加してくれた全員が跪き頭をを垂れた。
これだけの人数が一気に動くと流石に壮観だなぁ。
俺がそう思っていると隣りに居たガシュウさんも俺の前へ行き、跪き頭を垂れた。
「この度は魔物工場ならびにその配下、拠点の殲滅、謹んでお祝い申し上げます。」
「うむ。皆、面を上げよ。・・・誰の犠牲も無く遂行出来たのは今回来てくれた者や協力してくれた全ての人々のお陰だ。こちらこそ感謝する。」
俺が促して全員の顔が上がるのを待ってから話を続けると歓声を上げる者や俺の言葉に涙する者が多く居た。
「使徒様、今の御言葉感涙に耐えません。素晴らしい御言葉ありがとうございます。」
「いや、本当の気持ちだ。それよりもガシュウ殿。」
「如何なさいましたか?」
「例の話だが、確証が取れた。」
「例の話というと邪神の事でしょうか?」
ガシュウさんがそう言うと周りがざわつき始めた。俺は全員が静かになるのを待って話始めた。
「邪神ソワレイカは消滅した。」
「なんと!誠でございますか!?」
「アストライヤー様に伺ったので間違いない。」
「それは素晴らしい!」
ガシュウさんはそう言うと立ち上がり皆んなが居る方に向き直った。
「皆よく聞きなさい!この度の戦いで残念ながら魔物工場が邪神を復活させてしまいましたが、使徒様御一行が邪神ソワレイカを撃退し、消滅させて頂けましたので、この国いや、世界の危機は退けられた事を宣言致します。」
ガシュウさんの言葉に再び盛大な歓喜の声があがり、暫くすると誰からとも無く俺に向かって平伏し始めた。
「な、どうしたというのだ!?」
「皆、使徒様に感謝しておるのです。」
「そ、そうか。」
俺はその状況に居た堪れなくなり、別れの挨拶を済ませるとルーク達を伴って、その場を後にした。
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