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第213話 [魔人]
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「おぉぉ・・・魔物工場様、御無事で何よりで御座います。」
魔物工場が祭壇に戻ると先に祭壇まで来ていた者達が膝まづいてきた。
「大した事はしていませんよ。」
「それで魔物工場様、首尾は如何でしたでしょうか?」
「失敗作がもし使徒の部下を倒してしまっても此方に来る事はないでしょう。それと此処への入り口から各所にインビジブルスパイダーを配置してきましたので、使徒の部下が通れば報せが入るでしょう。あの魔物は攻撃力こそ殆ど無いですが、感知系のスキルにも魔法にも引っ掛からないですからね。」
まぁ、実際は失敗作が抑えれるとは思いませ・・・やはり、あの子と失敗作では抑えれませんでしたね。少々急ぎますか。
「皆さん、どうやら使徒の部下を抑える事が難しい様です。」
「ま、まさか、あの魔物工場様の最高傑作であるキマイラオロチまで・・・。」
「その通りです。あの子とのパスが途切れてしまいました。」
「ですが、有り得るのですか?不死身のキマイラオロチを倒す事など不可能なのでは!?」
「Sランク冒険者程度であれば何人居ても問題ないでしょう。」
「ではまさか、使徒の部下というのはSランク以上という事ですか!?」
「どの程度の強さかは分かりませんが、Sランク以上である事は間違いないでしょう。」
「それ程とは・・・では、転移を起動する準備に取り掛かります。」
そう言うと全員が棺に向かい呪文の様な言葉を紡ぎ始めた。
それを見た魔物工場は1人、棺の裏へと歩いて行った。
暫くして、転移魔法陣が発動する気配すら無い事に異変を感じた者達から声が上がり始めた。
「どういう事だ。転移が発動する気配すらないぞ?」
「まさか、例の使徒が妨害しているのか?」
「有り得ん!幾ら例の使徒が強かろうと我等が神の御力に敵うはずがない!」
「では何故!」
「フッフッフッ・・・。」
全員が慌てふためいている中、突然笑い始めた魔物工場に気が動転してしまったのかと心配になった者が動揺しながら魔物工場に声を掛けた。
「ど、どうされたのですか?」
「フッフッフッ・・・すいません。あまりに滑稽でしたので。」
「滑稽?どういう事でしょうか?」
「フフッ、皆さんが壊れて使えない物を必死で動かそうとしている様がね。」
「壊れて使えない?・・・まさか・・・。」
魔物工場の言葉に気付き絶句し、青ざめている全員を見て魔物工場は恍惚な表情で話し始めた。
「皆さん良い顔ですねぇ、そうです。先の戦いの時に無理矢理、転移してしまったので壊れてしまい、まだ直っておりませんよ。」
「で、では、な、何故、此処に・・・。」
「それはですねぇ・・・。」
魔物工場がそう言いながら何かのボタンを押すと慌てふためいている者達を囲む様に結界が発生した。
「魔物工場様!どういう事ですか!!?」
「どういう事も何も、時間がありませんから貴方達だけでは足りませんが贄になってもらうだけですけど?」
「そんな・・・我々は配下としてこれまでも・・・それに祭壇を移動させれば良いと仰ったでは無いですか!」
「貴方達を部下や配下など思った事はありませんよ。全てはソワレイカ神様の復活して頂き、世界を滅ぼす為だけのパーツにすぎません。」
「そ、それでは我々が世界を統べ、我々を蔑んできた者共を蹂躙するというのは!?」
「あぁ、その様な計画もありましたね。」
「で、では!」
「無理なのです。祭壇を移動させる事は。」
「な、何故!?」
「フッ、祭壇はあくまでもソワレイカ神様の復活を達成する為の道具に過ぎず、ソワレイカ神様の御身は此処に封印されている。それぐらい分かりませんか?」
「ですが!此処以外でも封印を解くことは可能と!」
「確かに誰も居なければ可能ですが、あの女神の使徒がこの場所を知って何もしないとでもお思いですか?」
「・・・。」
「それでは儀式を始めましょうか。」
「クソォ!!!」
贄とされる者達は結界を破壊しようと体当たりや魔法を放ち始めた。
「往生際が悪いですねぇ、何のためにギリギリまで魔物を複製させていたと思っているのやら・・・まぁ、いいでしょう。その足掻きも絶望も、もがき苦しむ様も全ては贄として活かされる事でしょう。では。」
魔物工場はそう言うと呪文を唱え始めた。すると先程まで結界を破壊しようとしていた者や絶望に打ちひしがれていた者も全て苦しみ始めた。
さてと、奴等が来るまでに間に合えば良いのですが・・・。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
俺達が階段を降りて行くと緩やか坂が何処までも続いていた。
「なぁ、入り組んだ場所って言ってなかったか?」
「それは彼奴らが普段使ってる方だな。」
「そうなのか、んで、コレはどう繋がってんだ?」
「祭壇っぽい場所の真上に繋がってるぞ。多分、状況を上から観察するのが目的に造られた通路だと思うぞ。」
「なるほどな・・・ん?どうしたシュウト?」
「魔物工場が部下を一ヶ所に集めて何かを・・・拙い、急ぐぞ!」
俺達はそう言うと祭壇の真上まで急いで走った。
「何があったんだ?」
「多分だけど魔物工場は部下を邪神復活の生贄にしようとしてるみたいだ。」
「は?部下じゃねぇのか?」
「邪神を復活させて世界を滅ぼそうとしてる集団だ部下や配下も人とは思ってないんだろう。」
「胸糞悪ぃな。」
そう話していると少し広い空間に出た。
「この下か?どう行く?」
「打ち抜くから少し下がってくれ。」
ドゴーーーン!!!パラパラパラパラ・・・・・。
俺は3人が離れるのを確認すると龍化してから地面を打ち抜いて降りて行った。
「チッ!遅かったか・・・。」
下に降りると魔物工場の部下は全員が苦悶の表情で死に絶え、全体の8割が霧と成って棺に吸収されていた。
「お早いお着きで。」
「仲間じゃなかったのか!」
「フッフッフッ、仲間とは?」
「此処に居た人達だ!」
「アレはただの道具、もしくは贄ですね。」
「平然と・・・・・」
俺が怒りに震えていると後ろから声が掛かった。
「この胸糞悪ぃ奴が魔物工場か?」
「ルークか、そうだ此奴が魔物工場だ。」
「こやつが拙者の友の仇でござるか・・・。」
「サスケ、気持ちは分からない訳ではないけど1人で行くなよ。」
「分かってるでござる。こやつから何か嫌な気配がするでござるからなぁ。」
「そうだね。1人しか居ないはずなのに何人いや、何十人も居る様な感じだし、人族に見えるけど・・・どうなってるの?」
「よく分かったなアキト。アレは魔人、いや魔人に成ったって言った方が正解か?」
「魔人!?シュウト、亜人じゃなくて、本当に魔人なのかい?」
「あぁ、間違いない。何かアキトは知ってるのか?」
「実際に見るのは初めてだけど父さんから子供の頃に聞いた事があるんだよ。」
「ガシュウさんか。」
「うん、そうだよ。って言っても父さんも子供の頃にお爺様から教えてもらったそうだよ。」
俺達がそう話していると魔物工場が話し掛けてきた。
「私を魔人と見抜くとは流石、龍人族というところでしょうか。」
龍人族?あぁ、俺が龍化してるからか。
俺がそう思っているとルークが声を掛けてきた。
「シュウト、魔人に成ったってどういう事だ?」
「元々は人族か何かだったのが何人、いや何十何百っていう数の命を生贄を邪神や悪神に捧げ、認めてもらって成れるらしい。」
俺がそう言うと魔物工場が再び話し掛けてきた。
「よくご存知で。ですが、それは全体的な事、神1柱1柱それぞれ異なる試練を受ける必要があるのですよ。例えば自身の血の繋がりのある者を最後に贄にする様な試練もございます。」
「お前もそうなのか?」
魔物工場の言葉に俺が怒気を帯びた声で聞くと魔物工場は笑顔で手を振り、否定してきた。
「それは他の神様ですね。」
「なら、お前はどうなんだ?」
「私の試練は大した事はございませんでしたよ。数百人の贄を捧げた後、生きたまま人を喰らう事が試練でしたね。大変なのは人数によって頂ける能力が違う事でしょうか。」
「人を喰らうだと!?」
「はい、その数が大変でしたね。まぁ、その後も定期的に絶望を与え、食す行為は続けなくてはいけませんでしたしね。」
「楽しんでただろ。」
「あら、お分かりになりますか?」
「ニヤつきながら言ってたら誰でも分かるわ!」
「これはこれは失礼。親の方を子供の目の前で魔物に喰わせ、それを見て絶望する子供を食すのは大変興奮致しますよ。」
「てめぇー!!!」
魔物工場の話を聞いていたルークが怒りのまま、持っていた武器を投げつけていたが、魔物工場に当たる前に消滅してしまった。
「おやおや、怖いですねぇ。ソワレイカ神様の御業がなければどうなっていたか。」
「何!?復活したのか!?」
「いえ、今少し時間が掛かりますが、間もなく復活されるでしょう。」
「その前にてめぇだけでも殺してやる!」
ルークはそう言うと弓矢を出し、雨の様に矢を射った。
「無駄です。それに私ももうずくこの世から消えてなくなってしまいますしね。」
「復活させる為に自分の生命すら使ったか。」
「御明答。流石は龍人族、長きを生きているだけはありますね。あの女神の使徒の所為で、いや、貴方方の所為で、贄も時間も足りなくなってしまいましたからね。」
「ふん!使徒様の所為にするんじゃねぇ!元々、お前らがこんな事しなけりゃ何の問題も無かったんじゃねぇか!」
「そういう訳にはいきません。あの女神に一矢報いるには世界を滅ぼさなければ前世の恨みは果たせませんからね。」
「・・・何故覚えている。」
「おや?貴方もメモリーホルダーでしたか、それなのにあの女神に肩入れするとは。」
「肩入れか・・・どうしようもないだろ。」
「そんな事はない!最後まで苦しめた上に世界ごと消滅させたのは、あの女神ではないか!」
「ん?お前も病に掛かってたのか?」
「病?なんだそれは?」
「ん?世界中を苦しめてた、あの病の事は忘れたのか?愛する人を苦しめた、あのウイルスを。」
「ん?・・・ガッ!グゥゥゥ・・・・・。」
俺が前世で苦しんだウイルスの話をすると突然、魔物工場が蹲り苦しみ始めた。
魔物工場が祭壇に戻ると先に祭壇まで来ていた者達が膝まづいてきた。
「大した事はしていませんよ。」
「それで魔物工場様、首尾は如何でしたでしょうか?」
「失敗作がもし使徒の部下を倒してしまっても此方に来る事はないでしょう。それと此処への入り口から各所にインビジブルスパイダーを配置してきましたので、使徒の部下が通れば報せが入るでしょう。あの魔物は攻撃力こそ殆ど無いですが、感知系のスキルにも魔法にも引っ掛からないですからね。」
まぁ、実際は失敗作が抑えれるとは思いませ・・・やはり、あの子と失敗作では抑えれませんでしたね。少々急ぎますか。
「皆さん、どうやら使徒の部下を抑える事が難しい様です。」
「ま、まさか、あの魔物工場様の最高傑作であるキマイラオロチまで・・・。」
「その通りです。あの子とのパスが途切れてしまいました。」
「ですが、有り得るのですか?不死身のキマイラオロチを倒す事など不可能なのでは!?」
「Sランク冒険者程度であれば何人居ても問題ないでしょう。」
「ではまさか、使徒の部下というのはSランク以上という事ですか!?」
「どの程度の強さかは分かりませんが、Sランク以上である事は間違いないでしょう。」
「それ程とは・・・では、転移を起動する準備に取り掛かります。」
そう言うと全員が棺に向かい呪文の様な言葉を紡ぎ始めた。
それを見た魔物工場は1人、棺の裏へと歩いて行った。
暫くして、転移魔法陣が発動する気配すら無い事に異変を感じた者達から声が上がり始めた。
「どういう事だ。転移が発動する気配すらないぞ?」
「まさか、例の使徒が妨害しているのか?」
「有り得ん!幾ら例の使徒が強かろうと我等が神の御力に敵うはずがない!」
「では何故!」
「フッフッフッ・・・。」
全員が慌てふためいている中、突然笑い始めた魔物工場に気が動転してしまったのかと心配になった者が動揺しながら魔物工場に声を掛けた。
「ど、どうされたのですか?」
「フッフッフッ・・・すいません。あまりに滑稽でしたので。」
「滑稽?どういう事でしょうか?」
「フフッ、皆さんが壊れて使えない物を必死で動かそうとしている様がね。」
「壊れて使えない?・・・まさか・・・。」
魔物工場の言葉に気付き絶句し、青ざめている全員を見て魔物工場は恍惚な表情で話し始めた。
「皆さん良い顔ですねぇ、そうです。先の戦いの時に無理矢理、転移してしまったので壊れてしまい、まだ直っておりませんよ。」
「で、では、な、何故、此処に・・・。」
「それはですねぇ・・・。」
魔物工場がそう言いながら何かのボタンを押すと慌てふためいている者達を囲む様に結界が発生した。
「魔物工場様!どういう事ですか!!?」
「どういう事も何も、時間がありませんから貴方達だけでは足りませんが贄になってもらうだけですけど?」
「そんな・・・我々は配下としてこれまでも・・・それに祭壇を移動させれば良いと仰ったでは無いですか!」
「貴方達を部下や配下など思った事はありませんよ。全てはソワレイカ神様の復活して頂き、世界を滅ぼす為だけのパーツにすぎません。」
「そ、それでは我々が世界を統べ、我々を蔑んできた者共を蹂躙するというのは!?」
「あぁ、その様な計画もありましたね。」
「で、では!」
「無理なのです。祭壇を移動させる事は。」
「な、何故!?」
「フッ、祭壇はあくまでもソワレイカ神様の復活を達成する為の道具に過ぎず、ソワレイカ神様の御身は此処に封印されている。それぐらい分かりませんか?」
「ですが!此処以外でも封印を解くことは可能と!」
「確かに誰も居なければ可能ですが、あの女神の使徒がこの場所を知って何もしないとでもお思いですか?」
「・・・。」
「それでは儀式を始めましょうか。」
「クソォ!!!」
贄とされる者達は結界を破壊しようと体当たりや魔法を放ち始めた。
「往生際が悪いですねぇ、何のためにギリギリまで魔物を複製させていたと思っているのやら・・・まぁ、いいでしょう。その足掻きも絶望も、もがき苦しむ様も全ては贄として活かされる事でしょう。では。」
魔物工場はそう言うと呪文を唱え始めた。すると先程まで結界を破壊しようとしていた者や絶望に打ちひしがれていた者も全て苦しみ始めた。
さてと、奴等が来るまでに間に合えば良いのですが・・・。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
俺達が階段を降りて行くと緩やか坂が何処までも続いていた。
「なぁ、入り組んだ場所って言ってなかったか?」
「それは彼奴らが普段使ってる方だな。」
「そうなのか、んで、コレはどう繋がってんだ?」
「祭壇っぽい場所の真上に繋がってるぞ。多分、状況を上から観察するのが目的に造られた通路だと思うぞ。」
「なるほどな・・・ん?どうしたシュウト?」
「魔物工場が部下を一ヶ所に集めて何かを・・・拙い、急ぐぞ!」
俺達はそう言うと祭壇の真上まで急いで走った。
「何があったんだ?」
「多分だけど魔物工場は部下を邪神復活の生贄にしようとしてるみたいだ。」
「は?部下じゃねぇのか?」
「邪神を復活させて世界を滅ぼそうとしてる集団だ部下や配下も人とは思ってないんだろう。」
「胸糞悪ぃな。」
そう話していると少し広い空間に出た。
「この下か?どう行く?」
「打ち抜くから少し下がってくれ。」
ドゴーーーン!!!パラパラパラパラ・・・・・。
俺は3人が離れるのを確認すると龍化してから地面を打ち抜いて降りて行った。
「チッ!遅かったか・・・。」
下に降りると魔物工場の部下は全員が苦悶の表情で死に絶え、全体の8割が霧と成って棺に吸収されていた。
「お早いお着きで。」
「仲間じゃなかったのか!」
「フッフッフッ、仲間とは?」
「此処に居た人達だ!」
「アレはただの道具、もしくは贄ですね。」
「平然と・・・・・」
俺が怒りに震えていると後ろから声が掛かった。
「この胸糞悪ぃ奴が魔物工場か?」
「ルークか、そうだ此奴が魔物工場だ。」
「こやつが拙者の友の仇でござるか・・・。」
「サスケ、気持ちは分からない訳ではないけど1人で行くなよ。」
「分かってるでござる。こやつから何か嫌な気配がするでござるからなぁ。」
「そうだね。1人しか居ないはずなのに何人いや、何十人も居る様な感じだし、人族に見えるけど・・・どうなってるの?」
「よく分かったなアキト。アレは魔人、いや魔人に成ったって言った方が正解か?」
「魔人!?シュウト、亜人じゃなくて、本当に魔人なのかい?」
「あぁ、間違いない。何かアキトは知ってるのか?」
「実際に見るのは初めてだけど父さんから子供の頃に聞いた事があるんだよ。」
「ガシュウさんか。」
「うん、そうだよ。って言っても父さんも子供の頃にお爺様から教えてもらったそうだよ。」
俺達がそう話していると魔物工場が話し掛けてきた。
「私を魔人と見抜くとは流石、龍人族というところでしょうか。」
龍人族?あぁ、俺が龍化してるからか。
俺がそう思っているとルークが声を掛けてきた。
「シュウト、魔人に成ったってどういう事だ?」
「元々は人族か何かだったのが何人、いや何十何百っていう数の命を生贄を邪神や悪神に捧げ、認めてもらって成れるらしい。」
俺がそう言うと魔物工場が再び話し掛けてきた。
「よくご存知で。ですが、それは全体的な事、神1柱1柱それぞれ異なる試練を受ける必要があるのですよ。例えば自身の血の繋がりのある者を最後に贄にする様な試練もございます。」
「お前もそうなのか?」
魔物工場の言葉に俺が怒気を帯びた声で聞くと魔物工場は笑顔で手を振り、否定してきた。
「それは他の神様ですね。」
「なら、お前はどうなんだ?」
「私の試練は大した事はございませんでしたよ。数百人の贄を捧げた後、生きたまま人を喰らう事が試練でしたね。大変なのは人数によって頂ける能力が違う事でしょうか。」
「人を喰らうだと!?」
「はい、その数が大変でしたね。まぁ、その後も定期的に絶望を与え、食す行為は続けなくてはいけませんでしたしね。」
「楽しんでただろ。」
「あら、お分かりになりますか?」
「ニヤつきながら言ってたら誰でも分かるわ!」
「これはこれは失礼。親の方を子供の目の前で魔物に喰わせ、それを見て絶望する子供を食すのは大変興奮致しますよ。」
「てめぇー!!!」
魔物工場の話を聞いていたルークが怒りのまま、持っていた武器を投げつけていたが、魔物工場に当たる前に消滅してしまった。
「おやおや、怖いですねぇ。ソワレイカ神様の御業がなければどうなっていたか。」
「何!?復活したのか!?」
「いえ、今少し時間が掛かりますが、間もなく復活されるでしょう。」
「その前にてめぇだけでも殺してやる!」
ルークはそう言うと弓矢を出し、雨の様に矢を射った。
「無駄です。それに私ももうずくこの世から消えてなくなってしまいますしね。」
「復活させる為に自分の生命すら使ったか。」
「御明答。流石は龍人族、長きを生きているだけはありますね。あの女神の使徒の所為で、いや、貴方方の所為で、贄も時間も足りなくなってしまいましたからね。」
「ふん!使徒様の所為にするんじゃねぇ!元々、お前らがこんな事しなけりゃ何の問題も無かったんじゃねぇか!」
「そういう訳にはいきません。あの女神に一矢報いるには世界を滅ぼさなければ前世の恨みは果たせませんからね。」
「・・・何故覚えている。」
「おや?貴方もメモリーホルダーでしたか、それなのにあの女神に肩入れするとは。」
「肩入れか・・・どうしようもないだろ。」
「そんな事はない!最後まで苦しめた上に世界ごと消滅させたのは、あの女神ではないか!」
「ん?お前も病に掛かってたのか?」
「病?なんだそれは?」
「ん?世界中を苦しめてた、あの病の事は忘れたのか?愛する人を苦しめた、あのウイルスを。」
「ん?・・・ガッ!グゥゥゥ・・・・・。」
俺が前世で苦しんだウイルスの話をすると突然、魔物工場が蹲り苦しみ始めた。
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