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第205話 [検証・相談・修練。]

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「さてと皆んなは行ったし、ラビリス様の言ってたフィールドに行くか。」

俺はそう言うと門を開いて行けるフィールドの確認をした。

う~ん・・・この異空間フィールドってやつか?

俺はそう思うとそこをタップして中に入った。

「・・・何ここ?」

アイテムボックス改の中に入ると真っ白な空間にラビリス様が言っていた端末らしき装置がポツンと設置されていた。

俺はとりあえず端末を操作する事にした。



門・設定

基本事項・・・害意のある者の侵入禁止。

・第一門転送先・・・【***】

→入出条件設定〔***〕

・第二門転送先・・・【***】

→入出条件設定〔***〕

・第三門転送先・・・【***】

→入出条件設定〔***〕



なるほどなぁ、転送先だけじゃなくて入る条件も設定出来るのか・・・。

俺はそう思い、一先ず第一から順番に初級、中級、上級ととりあえず設定してから1度、門を確認する為に森/川フィールドに戻ってみた。

「起動もしてない感じだな・・・入出条件の設定をしないと起動もしないのか?」

俺はそう言うと再び、異空間フィールドに戻って、初級に設定した第一門の条件設定の欄に〔誰でも可〕と設定してからもう一度門の場所に戻った。すると3基在る内の1基が起動し、門に膜が張られた様になり、そこには【迷宮・初級】と浮き出ていた。

「なるほどなぁ、これなら間違えようがないだろな。」

俺はそう言いながら初級の門に入ると普段通り、初級に来る事が出来た。

「とりあえずはいつも通りだけど、俺だけなら意味ないしなぁ・・・。」

俺はそう言いながら一旦戻って初級の門をアイテムボックス改に仕舞うと外に出る事にした。

どうするかなぁ・・・。

そう考えながら神殿を出るとバトがトルバに何かを指導してるのを見かけたので、少し躊躇しながらも声を掛けることにした。

「バト、指導中のところ悪いんだけど、ルークかレイが何処に居るか分かるか?」

「問題ありません。ただ今ルーク様は先日合格されました部下の方に指導中でございます。」

「そうか・・・レイは?」

「レイ様は自室にて孤児院からの要望書に目を通していらっしゃると思われます。」

「孤児院?何か問題があったのか?」

「いえ、そういうモノでは無かったはずです。」

「そうか。なら、誰かに会う予定とかも無いのか?」

「本日の予定では、明日朝一に孤児院の方との面談に向けて資料作成を行う事になっております。」

「なるほどなぁ・・・一寸、行ってくる。ありがとう。」

俺がそう言うとバトは頭を下げて引き下がり、再びトルバに指導を始めた。

俺は神の瞳でレイの様子を伺うと周りにはツバキしか居なかったので、レイの自室へ向かった。

「レイ、入って良いか?」

「いいよ。」

レイの返事を聞いて中に入ると山の様な書類にレイが埋もれていた。

「凄い書類だな。」

「今日は少ない方だよ。それよりもどうしたんだい?」

「バトに聞いたんだけど孤児院で何かあったのか?」

「問題がある訳じゃないんだけど・・・シュウト的には子供はよく食べ、よく遊び、ある程度の年齢になったらそこに勉強もって感じだよね?」

「そうだな。それが問題なのか?」

「う~ん。他の孤児院とは環境が違い過ぎてねぇ・・・。」

「他の孤児院ではどうしてるんだ?」

「大抵は院内の仕事の手伝いとか内職をしてるよ。」

「手伝いは良いとして、内職って孤児院を維持するのにって事か?」

「それもあるかな。でも大抵は孤児院を出ても困らない様にする為かな。まぁ、あまり役には立たない様な事だけど。」

「なるほどな。でもそれなら勉強出来る環境にしてるんだろ?」

「それは大丈夫だよ。」

「なら、孤児院の先生達が心配で言ってきてるのか?」

「先生達じゃないんだよ。此処へ来た時点で説明はしてあるから分かってくれてるよ。」

「ん?じゃあ誰からの要望なんだ?」

「子供達が言ってきてるんだよ。」

「子供達が?」

「うん。此処に来てる子の中には路上で生活してたり、他の孤児院から来てたりするんだけど、その子達が何もしてないって不安になってるみたいなんだ。」

「手伝いはしてるんだろ?」

「そうなんだけど、これまでの事があるから不安になってるみたいなんだよ。かといって何かをさせるのもなぁって。」

「なるほどなぁ。何かしないと追い出されると思ってるって事か。」

「多分ね。」

「・・・街の人達は孤児院の子供達に対して偏見や差別はあるのか?」

「いや、殆ど無いんじゃないかなぁ。なんたって使徒様が創った孤児院だからね。」

「そうか・・・なら、街の清掃なんてどうだ?なんだったら使徒からのお願いって街の人達に言っても良いからさ。」

「街の清掃?」

「あぁ、街の人達とも仲良くなれるだろうし、子供は宝、皆んなで育てて行きましょう的な感じで。」

「なるほどねぇ・・・良いねそれ。なら、外からの訪問客や観光客が来ない地域限定でやってみようか。」

「あぁ、それなら子供達も悲しむ事無く、イキイキと良い環境で育ってくれそうだな。」

「じゃあそれで行こうかな。使徒様のって事で良いんだよね?」

「問題ないぞ。」

俺がそう言うとレイは嬉しそうに身体を伸ばしてリラックスしていた。

「それでもう1つ俺からお願いがあるんだけど良いか?」

「何だい?」

「実は・・・・・」

俺は門の事を説明し、試しに使ってみてくれないかお願いをした。するとレイは素早く書類を片付けると一緒に神殿前の広場に来てくれた。

「じゃあ出すぞ。」

「なるほど分かりやすいね。」

レイはそう言うとなんの躊躇いも無く門の出入りをしてくれた。

「問題ないね。シュウトやルークが連れていってくれる時と変わらないね。後は条件だけだね。」

「やっぱり誰でもは拙いのか?」

「置く場所が置く場所だから問題ないような気はするけど、レベルの低い人が無茶をしたり、偶然入った一般人が興味本位で入らないとも限らないからね。」

「なるほどなぁそれもそうか。あっ、でも今は攻略組の人達を鍛えるのが優先だけど、将来的には此処に住む人達、全員のレベリングもしてもらうつもりだぞ。」

俺がそう言うとレイは呆れた顔をしながら答えてきた。

「シュウトは、いったいこの街の住人をどうしたいんだい?」

「どうしたいってレベルが上がれば病気や怪我もしにくいだろうし、弱い魔物なら退治出来るか強ければ逃げたり生きる為には必要だろ?」

レイは俺の答えを聞いて首を横に振りながらため息を吐いて答えてきた。

「シュウトはどれだけの恩恵を民に与えるつもりだい?」

「恩恵って言われてもなぁ・・・自分を信じて着いてきてるやつは出来るだけの事をしてやりたいし、俺が居なくても何とかやって行けるようにしておきたいんだ。」

「なるほどねぇ・・・ところで何処かへ行くつもりなのかい?」

「いや、その予定はないぞ。何時でも転送で此処に帰って来れるしな。」

「だよね。俺が居なくてもって強調するから気になってね。」

「あぁ、そうか。いやいや、ダンジョンに入ってたり、使命を遂行してる間に何か起こってもって思ってな。」

俺がそう言うとレイはフフッと笑っていた。その後、各門の入出条件に関してはルークが夕方に戻ってきてからという事になったので、俺はそれまでの間、一旦神殿に戻って神気の修練をする事にし、アイテムボックス改の中に入った。

しかっし、本当に何もないけど、これってどこまで続いてるんだ?

俺はそう思いながら全体に行き渡せるつもりで神気が空になるまで放出し、空になれば即座に吸収する様にして、それを何度も繰り返していた。

そういえばコレって気を扱う様に神気で身体に巡らせたらどうなるんだ?

俺はそう思って気と同じ様に全身に行き届かせる様に巡らせてみた。次の瞬間!

パンッ!

「グッ!・・・パ・・・パーフェクトリジェネート!」

俺が神気を全身に巡らせ瞬間、全身の皮膚が弾けてしまい、意識が朦朧となりながらも回復スキルで事なきを得た。

「危なかった・・・なるほどな。確かにこれだと神域に直接行くのは危険だな。」

その後、俺は大人しく神気の放出と吸収を繰り返し、殆ど出ない状態までやって終了した。その後は夕方まで多少時間があったので端末で他に何か出来ないか色々触ってみる事にした。

「他に何か出来そうだな・・・ん?異空間フィールドの広さも調節出来るのか・・・ある程度狭い方が神気の無駄遣いにならなそうだしなぁ。」

俺はそう言うと広大な空間を最小の20畳程のは広さに変更した。その後も色々試して他のフィールドの広さや生き物の種類、数が把握出来るところまで確認し、時間が来たので外に出て、レイ達が居る部屋へ行った。

「ルーク待たせたか?」

「一寸前に来てたからな、レイから聞いたぞ。条件だよな。」

「あぁ、どう思う?」

「そうだなぁ、踏破をした事がある奴って事に・・・いや、それだとレベリングで連れてった奴等も通れるか。」

「じゃあ単独踏破した者ならどうだ?」

「今は少ねぇぞ。緊急時に逃げ場としても使うつもりだろ?」

「よく分かったな。」

「俺ならそうするからな。だとするとちゃんとしたパーティーで踏破した奴等の名簿でも渡すか?」

「ルーク、それはシュウトに負担が大きくなるから駄目だよ。」

「名簿かぁ・・・どのくらい居るんだ?」

「この前言ってた100人だな。」

「あぁ、あの100人か・・・その人達は何れ単独踏破出来そうなのか?」

「そう成れる様に鍛える予定だぞ。」

「ならいいや、とりあえず今は緊急措置として出来るか試してみて、その後は単独踏破のみに変更するって事にしておくか。」

「良いの?」

「それなら急いで収容する事も可能だろ?」

「まぁ、状況次第だけど、数人よりは確実だろうね。」

「だけどよぅ、彼処ってそんなに収容出来たか?」

「それはスキアと相談するさ。」

「まぁ、それなら良いけど中級と上級はどうするんだ?」

「そこは単独踏破のみって事でいくつもりだ。」

「けど、彼処って繋がってなかったか?」

「最近、変更出来たから子供達の為にもしであったんだぞ。」

「そうなのか?」

「あぁ、魔力量も増えたからな。」

「なら、問題ねぇな。とりあえずシュウトには迷惑掛けるけど名簿を明日までに作って渡すわ。」

「出来れば顔も分かると助かるんだけど。」

「顔かぁ・・・。」

ルークが悩んでいるとレイが声を掛けてきた。

「それなら市井に描写絵師が居るから用意するよ。ルーク、明日にでも声を掛けてみるからその100人の都合はつくかい?」

「それなら問題ねぇ、明日も訓練だからな。」

俺達は話も纏まったので、一旦、話し合いを終わらせて、食事をして就寝する事にした。
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