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第202話 [神の瞳。]

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「それで、そいつが出来たら俺達の出番か?」

俺の説明を聞いて開口一番にルークが声を掛けてきたので、俺は少し考えてから答えた。

「そうしたいのは山々だけど、予定の場所に全員が着くまでは相手にバレないようにしたいしなぁ。それで、今の実力だとどの位の人数が行けるんだ?」

「そうだなぁ・・・そこは多分、王国軍との合同になるだろうから一概には言えねぇし、ダンジョンのレベルも分かんねぇが、周辺だけならシュウトに心配させねぇレベルで言ったら現状だと100人ってとこか。」

「もうそんなに居るのか?」

「そうだな。恐らく王国軍でもあの中の魔物レベルから考えたらCランクレベル以上の兵士で固めて来るだろうからな。こっちもそのつもりで編成するならその位だな。」

「あまり無理はさせるなよ。」

「わぁ~てるって、何が起こるか分かんねぇし、それまでは集めた奴等を集中的に鍛え上げるさ。つってもとりあえず、何時出立するかは向こうと相談してからになるだろうけどな。」

「なら、明日朝にでも城に送ろうか?」

「いや、俺ならそんなに時間は掛かんねぇから自分で行くさ。それよりもシュウトは例のもんを出来るだけ作らねぇといけねぇだろ?」

「まぁ、それは問題ない量を作るけど、その前にライヤ様に会ってくるつもりだ。」

「そうか。そういやぁ、サスケ達が合格したって聞いたが、もうこっちの仕事を頼んでも良いのか?」

「あぁ、問題ない。」

「了解。それなら王都へ行った後で今の実力を見せて貰うか。」

「仕事を任せるなら必要だもんな。」

「いや、別にそれは関係ないぞ。」

「ん?なら、何で見る必要があるんだ?」

「そんなもん、俺が気になるからだ。」

「何だそれ。」

俺達はそう言うと笑い合い、その後も少し雑談してから就寝した。

翌朝、俺は早速神殿のライヤ様の像の前で祈りを捧げた。すると部屋全体が光だし、目を瞑るといつもの場所に出た。

「今日は早いな。おっ、ライヤ様の扉も現れたな。」

俺はそう言うと扉を開いて中に入った。

「今日は早かったな。もしかして待たせたか?」

「大丈夫よ。そろそろかなって思って見たら祈りの格好だったから呼んだだけだし。」

「なら、良かった。それで、視る系のスキルはアレで揃ったのか?」

「えぇ。だから呼んだのも有るから。」

「っていう事は他にも用事が有るのか?」

「まぁね。先ずはスキルの統合と進化をするわね。」

「あぁ、頼む。」

「それじゃあ。」

ライヤ様がそう言うと俺に手を翳した。すると俺から光の玉が6つ出た、ライヤ様はその6つの玉を手で包むと1つに纏め、眩い光を玉に注ぐと光の玉は虹色に輝いていた。

ライヤ様はその虹色に輝く俺に戻すと何時ものアナウンスが鳴った。

《スキルカンテイ・スキルイーグルアイ・スキルトオミ・スキルセンケン・ユニークスキルセイレイシ・ユニークスキルセンリガンヲトウゴウ、ユニークスキルロクガンヲカクトク、サラニアストライアーサマノジョリョクヲウケ、シンカヲオコナイマス・・・アルティメットスキルカミノヒトミヲカクトクシマシタ。》

「おぉ、何か凄いなぁ。」

「そりゃそうよ。基本的にそのスキルは人では扱えないものだもん。」

「えっ!?じ、じゃあただ使えないスキルに成ったって事か?」

俺が慌てて聞くとライヤ様は笑いながら答えてくれた。

「そんな訳ないじゃない。使うのに神気が必要なだけだし、消費量も普通に使う分には1しか消費しないから大丈夫よ。」

「神気・・・あぁ、だから耐久値を1億も必要って言ったのか?」

「そうよ。(まぁそれだけじゃないんだけどね。)」

「ん?何か言ったか?」

「何も言ってないわよ。」

「そうか。まぁいいや、それより神気を吸収しないとな。」

ライヤ様が何かボソボソと言った様な気がしたが気にせずに神気を吸収する事に集中した。

暫くして神気が満タンまで吸収し終わるとライヤ様が声を掛けてきた。

「神気は此処でしか吸収出来ないけど、最終手段として聖魔法を使って、それを凝縮したら少しは回復出来るけどあまりオススメはしないから少なくなってきたら神域に来て回復しなさい。」

「何で駄目なんだ?」

「ダメって訳じゃないけど聖魔法で回復しょうと思ったら1回復するのに魔力が1億必要なのよ。」

「なるほど、それは薦めないな。」

「でしょ。あっ、でも神殿の私達の像の前だったら元々聖域に近い環境でシュウトの能力で出来た環境だから必要量が10分の1になるわよ。」

「それでも1000万か・・・まぁ、神の瞳で神域が視認出来るならこっちに来た方が早いか。」

「えっ、まだ無理よ。」

ライヤ様が何言ってんの?って顔で俺の方を見ながら言ってきたので、聞いてみた。

「ん?神域に来れる様にする為に神の瞳にスキルを進化させてくれたんじゃないのか?」

「まぁ、そうなんだけど。」

「じゃあ何で無理なんだ?」

「何でって神気が馴染んでないから身体が持たないのよ。」

「なら、どうしたら良いんだ?」

「それを今から教えようと思ってたのよ。」

「そうなのか。それはすまん。」

俺がそう言いながら頭を下げるとライヤ様は笑顔で答えてくれた。

「良いわよ。じゃあ教えるわね。」

「よろしくお願いします。」

「急に畏まられたら違和感しかないわよ。」

「いやいや、教えて貰う時くらいちゃんとするだろ普通。」

「まぁ、いいわ。先ず最初に方法は2つあるわ。1つは吸収して溜め込んだ神気を下界で使い、また神域で吸収するのを繰り返す方法ね。」

「なるほど、馴染ませるのと無意識に吸収出来る様にするって事か。」

「そうね。こうやって話しながらでも出来る様になれば集中して吸収する時に短時間で出来るようになるからね。それでもう1つの方法だけど、吸収量を増やす方法ね。」

「なるほど、総量が増えれば馴染むペースも上がるって事か。」

「まぁ、そう考えてくれたらいいわよ。まぁ本当はもう1つあるけど、それは人には無理だから。」

「そうなのか、分かった。それで、下界で神気をどう使えば良いんだ?放出するのは流石に拙いのは俺でも分かるぞ。」

「そうね。今出来るのは神の瞳で下界から神域を視るか、生物的に格上の者を鑑定するのが早く消費出来るだろうけど、格上は殆どいないから現実的なのは神域を視るのが一番ね。」

「なるほどな。」

「後は常に神の瞳を発動させる事かな。あっ、そうだ!下界では神の瞳を使用しようとしたら最初はあらゆるモノが見えちゃうだろうから大変だと思うけど頑張ってね。」

「おう。」

「あぁ、後、神気は意識して抑え込む様にしないと敏感な人は圧倒されちゃうから気を付けてね。」

「あぁ、それも頑張らないとな。」

俺はそう言うと集中して神気を限界まで溜めると光に包まれ、神殿に戻った。すると誰かが走って来る音が聞こえた。

タッタッタッ・・・ズザザザァー・・・。

誰かが俺の前に現れたと思った瞬間、スライディングする様にシェリーさんが平伏していた。

あっ、コレってさっきライヤ様が言ってた敏感な人は圧倒されるってやつか。

俺はそう思うと魔力や気の時の要領で出来るだけ神気を抑える様に努力してみた。暫くそうしているとシェリーさんが顔を上げてくれた。

「シュウト様は遂に神に成られたのですか?」

「・・・。」

遂にって何?

俺がシェリーの言葉に困惑している間、シェリーは目を輝かせて俺の方を見ていた。

これはアカンやつだ。

俺はそう思ってシェリーに声を掛けた。

「シェリー、コレは違うよ。ライヤ様にスキルを進化して貰ってだなぁ、使うには神気が必要でそれを吸収してきただけ神には成ってないからな。」

「・・・。」

俺がそう言ってもシェリーの様子が変わらなかったので困惑しながらも再び声を掛けた。

「えっと、シェリー?シェリーさ~ん、聞こえてる?」

「・・・はっ!そ、そうですよね。修行の妨げになりますよね。分かりました他の方にはバレない様に黙っておきます。」

「いやいや、だからね。スキルを使うのに必要だから・・・ね。」

「分かっています。そうしておきます。」

これ絶対分かってないやつだ・・・。

シェリーの満面の笑みを見て悟った俺は諦めて、他の人が同じ事にならない様にアイテムボックス改の中に入っていった。

そうして自分が納得出来るまで神気を抑える訓練を昼まで行った俺はもう一度、シェリーに会いに行った。

「シェリー!」

「シュウト様、神の気配を感じられませんが祈りをなさいますか?」

「今は大丈夫、気配を抑えてるだけだから。」

「なるほど、バレない様に修行しなければ邪魔が入るかも知れませんもんね。」

「あ、あぁ、そうだな・・・。」

と、とりあえずはシェリーに感知されないならいいか。・・・スキルの練習はアイテムボックス改の中で子供達か精霊の誰かにでも手伝ってもらうか。

俺はそう思うとシェリーと分かれ、アイテムボックス改の中に入ると子供達のいる場所に向かった。

「お~い。」

「「「何(なに)~父(とう)ちゃん。」」」

「実はな・・・・・」

俺は子供達に神気とスキル神の瞳の事を説明した。

「そうなんだぁ♪じゃあ♪じゃあ、ボクたちのこともわかるの?」

「多分な。あっ、でもまだ無理かもしれないなぁ。」

「何で何で?」

「お前達が成体に成らないと変動が激し過ぎて分からないって教えてもらっただろ。」

「あっ、そうかぁ。」

俺がそう言うと子供達は残念そうにしていた。

「まぁ、2ヶ月後くらいには皆んな成れるみたいだからそれまで楽しみにな。」

「「「は~い♪」」」

「それで私達は何をしたら良いの?」

カナエがそう聞いてきたので、抑えている神気の気配を解放してみた。すると子供達は目を見開いて俺の方を見てきた。

「とうちゃん♪ピカピカ♪」

「何か凄い!」

「神様みたい♪」

子供達が興奮した様に近付いてきたので頭を撫でながら話し掛けた。

「コレが神気だ。普段は抑えるけどスキルを使った時にどうなるか教えてほしいんだ。」

「「「分かった。」」」

子供達が元気良く応えてくれたのでスキルを色々試して子供達にその都度教えてもらった。

「なるほどなぁ、神域を視ない限りは問題無さそうだな。」

「そうだね。後はどうするの?」

「そうだなぁ、とりあえずは後はスキルに慣れなきゃ何も出来なさそうだから遊んでくるなり、ボタンちゃんと迷宮行くなり好きにしたら良いよ。ありがとうな。」

「「「うん♪」」」

子供達はそう言うとボタンちゃんを呼びに行って戻ってくると4人で迷宮へ行った。
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