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第186話 [捜索と報告、そして紹介。]
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俺は再び霊亀の居る聖域近くに転送した。
「どうしたコク?」
「いやぁ・・・なぁ・・・。」
コクが言い淀んでいるとトルバが答えた。
「シュウト様、コクは先程別れたばかりの霊亀に会うのが恥ずかしいのですよ。」
「あぁ、そういえば・・・。」
俺がそう言いながらコクを見るとコクはトルバの服の中に隠れてしまった。
「シュウト様、何を探せば良いでしょうか?」
「そうだなぁ、とりあえず長年住んでいた場所なら違和感というか、此処には何時もならない様な物や魔物を見つけたら教えてくれ。」
「承知致しました。」
「俺は千里眼で捜索していく。あぁ、後もしかしたら聖獣に害がある物かもしれないから触らずに報告だけしてくれ。」
「承知致しました。」
トルバはそう言うと聖域から始め、聖域を中心に範囲を拡げる様に周り、違和感を捜索していた。
「さてと、先ずは奴が消えた辺りを確認してみるか。」
俺はそう言うと消えた辺りを隈無く捜索して行った。
ん?何だアレ?
俺はそう思うと黒い小さな円柱がある場所へ向かった。
「何か嫌な感じがするなぁ・・・鑑定!」
死国の標(破損)
能力1
空間移動
・邪神※※※※※の力が宿り、信者に※※※を与え、※※※をさせる事が出来る。
・発動には使用者の寿命もしくは、数千の生命を捧げる。(蓄積可)
・使用には時間を掛ける必要性有り、発動開始から短時間での移動禁止。守らない場合、全身移動出来ない場合有り。
能力2
・邪神※※※※※の力が宿り、信者に※※※を与え、信者が合成したキメラを※※し、任意の場所に出現させる。
・発動には予め、任意の出現場所を5ヶ所決め、必要数の魔石を用意する。もしくは相応の生命を捧げる。
現状、能力1・空間移動を最大値以上の力で使用した為、破損中。
「なるほどな。これで魔物を出したり、逃げたりしてたのか。」
とりあえず呪いがあるとか、そういう事は無さそうだったので、アイテムボックス改に仕舞った。
『シュウト様、シュウト様。』
「ん?トルバか?」
呼ばれたので、声の方を振り向くとそこには誰も居なかった。
「あれ?何処にいるんだ?」
俺は千里眼をつかって確認すると聖域を挟んだ反対側にトルバが居た。
俺は直ぐに転送を使い、トルバの側に出た。
「どうしたんだ?」
「あちらに邪悪な気配のする魔石がございました。」
トルバが指す方を見ると黒い靄が出ている魔石らしき物が落ちていた。
「アレか・・・鑑定!」
邪竜の魔石
・取り込んだ者を邪へと変貌させる為に造られた魔石。
・魔力抵抗が弱い、もしくは、魔力が少ない者が触れると邪竜の魔力により、死に至らしめる呪いが掛かる。
・呪いを掛けて相手を殺すと邪の力が増す。
「恐らく霊亀が飲まされたのはコレだな。」
「その魔石が・・・・・」
「触るな。」
トルバがそう言いながら触ろうとした為、もしもの時を考えて制止した。
俺は自分なら大丈夫だとは思ったが一応、警戒しながら持ち上げた。
「おや?シュウト様が持たれると靄が薄れてきましたな。」
トルバにそう言われて魔石を確認すると黒い靄が薄れてきていた。
「もしかしたらクリーンを掛けたら普通の魔石になるかもしれないな。」
「確かにそうなるかもしれませんな。」
「やってみるのも良いけど、証拠と対策に何個かは確保しときたいなぁ。」
「それでしたらもう少し探して参ります。」
「そうだな。こんなのが他にも有ったら危険だからな。サスケ達にも頼むか。」
俺はそう言うと一旦、アイテムボックス改の中に入るとサスケ達に事情を説明して外に出てきた。
「じゃあ頼む。」
「承知致しました。」
「承知したでござる。」
「御意!」
トルバはそう言うと捜索を続行し、サスケ達もトルバに聞いた洞窟の場所等上空から捜索出来ない場所へそれぞれ動き出したので、俺は魔石を仕舞うと再びあの場所に戻り、周辺を捜索した。
ん?何か有るな。
そう思い、近づくと奴の片腕らしき物が蠢いていた。
「気持ちわりぃ。コレは流石に何かあってからじゃ遅いから消しておくか。」
俺はそう言うとカードを使って消滅させた。
その後はトルバ達が11もの魔石を発見したので証拠と対策の為に数個残して残りはクリーンを掛ける事にした。
「師匠、此処でするでござるか?」
「誰も居ないし、問題あるのか?」
「いや、師匠がやると聖域の範囲が拡がって霊亀様の負担にならないかな?と思ったのでござるよ。」
「あぁ、そんな事・・・。」
「師匠はそう思ってやった事で何度も予想外の状況になったでござるよ。」
「まあ・・・。」
「それにもし、魔物工場が戻ってきた時に聖域の範囲が拡がっていたら師匠が使徒様である事もバレるでござるよ。」
「そうか、ならアイテムボックス改の中でするか。」
「まぁ、師匠が使徒仕様で玄武様を連れていたら怪しまれると思うでござるが。」
「まぁ、その時はその時だな。とりあえずは中でするか。」
俺はそう言うと一番被害が少なそうな荒野/渓谷フィールドに移動して、魔石を取り出す前に一帯にクリーンを掛けてから取り出した。
「おぉぉ、流石でござるなぁ。出した瞬間から浄化が始まってるでござるなぁ。」
「流石、シュウト様です。」
「そうか?浄化が使える人ならこれくらい出来るんじゃないのか?」
「確かに浄化が使えれば似た様な現象は起こるかもしれないでござるが、予め浄化をした状態は出来ないでござるよ。」
「そうなのか?サンクチュアリーだったっけ?それなら出来るだろ?」
「そうでござるがそれでもここまでの勢いはないはずでござるよ。」
「その通りです。聖獣の中でも浄化が得意な者も居ますが、それでもここまでの勢いはありませぬからなぁ。」
「そんなものか。」
「何事も規格外でござるから。」
「何だよ。まぁいいか。」
そう言いながら魔石を取り出した俺は魔石に向かってクリーンを再度掛けた。すると黒く濁っていた魔石は白く輝いた状態になった。
「おっ、終わったかな?・・・鑑定!」
聖石
・邪の魔石を浄化し、浄化の魔力を与え続けた魔石。
・アンデットを寄せ付けない。
・アンデットに侵された土壌、水、生物を蓄積された魔力で浄化する。
・消費しきると消滅する。
「おぉ、何か凄い物になったなぁ。」
「どうしたでござるか?」
「いやぁ・・・・・」
サスケに聞かれた俺は聖石の説明をした。
「凄まじい効果でござるなぁ。どうやって発動させるでござるか?」
「さぁ?とりあえず、邪竜の魔石と一緒にリーグさんの所へ持ってって調べてもらうかな。」
「そうでござるな。その方が良いかもしれないでござるな。」
そんな話をしながら聖石を仕舞うと攻略組へ転送し、魔石と聖石を1つずつバトさんに渡し、リーグさんの所へと転送した。
「おぉ、シュウト殿。ドゥネス・オブシアン領の事、余の民に代わり感謝する。」
「出来る事をやっただけですし、気にしないで下さい。」
「それで、ヘラシオン殿から今後の為に捜索に行ったと聞いたがどうであった?」
「とりあえず、恐らく逃げる為に使った所為で壊れた物と聖獣を邪聖獣にする為に用意したであろう魔石を数種類持ってきました。」
リーグさんはそれを聞いて眉間に皺を寄せ、聞いてきた。
「それは危険では無いのか?」
「大丈夫だと思いますよ。あっ、そうだ。その魔石の殆どにクリーンを掛け続けたら聖石っていうのになったんですけど、心配なら要りますか?」
「セイセキ?・・・・・。」
リーグさんか聖石の事で悩んでいたら一陣の風が吹き、見知った人が現れた。
「あっ、ガシュウさんお久しぶりです。」
「これはこれはシュウト様、お久しぶりでございます。」
「ガシュウさんはどうされたんですか?」
「リーグから緊急の報せを受けたので参った次第でございます。」
「何かあったんですか?」
「いやいや、シュウト殿、この件じゃ。」
「あぁ。」
「それよりもガシュウよ。セイセキとは何か知っておるか?」
「聖石ならば聖域に長い年月暮らしていた魔物が亡くなった後にその遺体から出てくる魔石の事ですよ。それがどうしたんですか?」
「いやぁ、シュウト殿が造ったそうでな。」
「つ、造った!?」
リーグさんの言葉にガシュウさんは目を見開いて俺の方を見てきた。
「邪の魔石にクリーンを掛け続けたら聖石になってました。」
「流石、シュウト様です!」
ガシュウさんはそう言いながら目を輝かせながら俺の隣りに目を移すと跪いた。
「お初にお目に掛かります。光星教国にて教皇をしております、ガシュウ・ハレルヤと申します。以後お見知りおき下さい、玄武様。」
ガシュウさんの言葉にリーグさんは驚いてガシュウさんの隣りに移り、跪いた。
「玄武様とはつゆ知らず、失礼致しました。私はこのシュナイダー王国の国王でリーグ・ファン・シュナイダーと申します。」
「うむ。確かにお主達の言う通り玄武であるが、今はシュウト様の従魔でトルバだ。出来ればトルバと呼んで欲しい。後、シュウト様がお困りになるゆえ、人化している時は畏まらずとも良い。」
「だな、俺はコクだ。よろしくな。」
2人がそう言うとリーグさん達は立ち上がった。
「承知致しましたトルバ様、コク様。」
「様も要らぬぞ。」
「トルバ、ガシュウさんは他の人にも様を使ってるから大丈夫だ。」
「シュウト様がそう仰られるなら。」
「余も承知した。それでは人化しておる時はトルバ殿、コク殿と呼ばさせて頂こう。」
「良いんじゃね。俺もその方が良いな。」
「承知した。」
「しかし、シュウト殿は四聖獣様を従魔にされたのじゃな。」
「そうなりますね。」
「流石じゃのぅ。ところでガシュウよ。聖石は良いのか?」
「おぉ、そうでした。シュウト様、見せて頂いてもよろしいでしょうか?」
「良いですけど、浄化が発動する方法は解りますか?」
「はい。近くにアンデットや浄化が必要な事象が発生している場合、勝手に発動致します。」
「なるほど、それだと後にした方が良いのかなぁ・・・。」
「何故でしょうか?」
「一緒に持ってきた邪の魔石に反応して浄化しそうなんで。」
「それならば残念ですが、先にそちらの方を拝見致しましょう。」
ガシュウさんは残念そうな顔をしながらも承諾してくれた。
「どうしたコク?」
「いやぁ・・・なぁ・・・。」
コクが言い淀んでいるとトルバが答えた。
「シュウト様、コクは先程別れたばかりの霊亀に会うのが恥ずかしいのですよ。」
「あぁ、そういえば・・・。」
俺がそう言いながらコクを見るとコクはトルバの服の中に隠れてしまった。
「シュウト様、何を探せば良いでしょうか?」
「そうだなぁ、とりあえず長年住んでいた場所なら違和感というか、此処には何時もならない様な物や魔物を見つけたら教えてくれ。」
「承知致しました。」
「俺は千里眼で捜索していく。あぁ、後もしかしたら聖獣に害がある物かもしれないから触らずに報告だけしてくれ。」
「承知致しました。」
トルバはそう言うと聖域から始め、聖域を中心に範囲を拡げる様に周り、違和感を捜索していた。
「さてと、先ずは奴が消えた辺りを確認してみるか。」
俺はそう言うと消えた辺りを隈無く捜索して行った。
ん?何だアレ?
俺はそう思うと黒い小さな円柱がある場所へ向かった。
「何か嫌な感じがするなぁ・・・鑑定!」
死国の標(破損)
能力1
空間移動
・邪神※※※※※の力が宿り、信者に※※※を与え、※※※をさせる事が出来る。
・発動には使用者の寿命もしくは、数千の生命を捧げる。(蓄積可)
・使用には時間を掛ける必要性有り、発動開始から短時間での移動禁止。守らない場合、全身移動出来ない場合有り。
能力2
・邪神※※※※※の力が宿り、信者に※※※を与え、信者が合成したキメラを※※し、任意の場所に出現させる。
・発動には予め、任意の出現場所を5ヶ所決め、必要数の魔石を用意する。もしくは相応の生命を捧げる。
現状、能力1・空間移動を最大値以上の力で使用した為、破損中。
「なるほどな。これで魔物を出したり、逃げたりしてたのか。」
とりあえず呪いがあるとか、そういう事は無さそうだったので、アイテムボックス改に仕舞った。
『シュウト様、シュウト様。』
「ん?トルバか?」
呼ばれたので、声の方を振り向くとそこには誰も居なかった。
「あれ?何処にいるんだ?」
俺は千里眼をつかって確認すると聖域を挟んだ反対側にトルバが居た。
俺は直ぐに転送を使い、トルバの側に出た。
「どうしたんだ?」
「あちらに邪悪な気配のする魔石がございました。」
トルバが指す方を見ると黒い靄が出ている魔石らしき物が落ちていた。
「アレか・・・鑑定!」
邪竜の魔石
・取り込んだ者を邪へと変貌させる為に造られた魔石。
・魔力抵抗が弱い、もしくは、魔力が少ない者が触れると邪竜の魔力により、死に至らしめる呪いが掛かる。
・呪いを掛けて相手を殺すと邪の力が増す。
「恐らく霊亀が飲まされたのはコレだな。」
「その魔石が・・・・・」
「触るな。」
トルバがそう言いながら触ろうとした為、もしもの時を考えて制止した。
俺は自分なら大丈夫だとは思ったが一応、警戒しながら持ち上げた。
「おや?シュウト様が持たれると靄が薄れてきましたな。」
トルバにそう言われて魔石を確認すると黒い靄が薄れてきていた。
「もしかしたらクリーンを掛けたら普通の魔石になるかもしれないな。」
「確かにそうなるかもしれませんな。」
「やってみるのも良いけど、証拠と対策に何個かは確保しときたいなぁ。」
「それでしたらもう少し探して参ります。」
「そうだな。こんなのが他にも有ったら危険だからな。サスケ達にも頼むか。」
俺はそう言うと一旦、アイテムボックス改の中に入るとサスケ達に事情を説明して外に出てきた。
「じゃあ頼む。」
「承知致しました。」
「承知したでござる。」
「御意!」
トルバはそう言うと捜索を続行し、サスケ達もトルバに聞いた洞窟の場所等上空から捜索出来ない場所へそれぞれ動き出したので、俺は魔石を仕舞うと再びあの場所に戻り、周辺を捜索した。
ん?何か有るな。
そう思い、近づくと奴の片腕らしき物が蠢いていた。
「気持ちわりぃ。コレは流石に何かあってからじゃ遅いから消しておくか。」
俺はそう言うとカードを使って消滅させた。
その後はトルバ達が11もの魔石を発見したので証拠と対策の為に数個残して残りはクリーンを掛ける事にした。
「師匠、此処でするでござるか?」
「誰も居ないし、問題あるのか?」
「いや、師匠がやると聖域の範囲が拡がって霊亀様の負担にならないかな?と思ったのでござるよ。」
「あぁ、そんな事・・・。」
「師匠はそう思ってやった事で何度も予想外の状況になったでござるよ。」
「まあ・・・。」
「それにもし、魔物工場が戻ってきた時に聖域の範囲が拡がっていたら師匠が使徒様である事もバレるでござるよ。」
「そうか、ならアイテムボックス改の中でするか。」
「まぁ、師匠が使徒仕様で玄武様を連れていたら怪しまれると思うでござるが。」
「まぁ、その時はその時だな。とりあえずは中でするか。」
俺はそう言うと一番被害が少なそうな荒野/渓谷フィールドに移動して、魔石を取り出す前に一帯にクリーンを掛けてから取り出した。
「おぉぉ、流石でござるなぁ。出した瞬間から浄化が始まってるでござるなぁ。」
「流石、シュウト様です。」
「そうか?浄化が使える人ならこれくらい出来るんじゃないのか?」
「確かに浄化が使えれば似た様な現象は起こるかもしれないでござるが、予め浄化をした状態は出来ないでござるよ。」
「そうなのか?サンクチュアリーだったっけ?それなら出来るだろ?」
「そうでござるがそれでもここまでの勢いはないはずでござるよ。」
「その通りです。聖獣の中でも浄化が得意な者も居ますが、それでもここまでの勢いはありませぬからなぁ。」
「そんなものか。」
「何事も規格外でござるから。」
「何だよ。まぁいいか。」
そう言いながら魔石を取り出した俺は魔石に向かってクリーンを再度掛けた。すると黒く濁っていた魔石は白く輝いた状態になった。
「おっ、終わったかな?・・・鑑定!」
聖石
・邪の魔石を浄化し、浄化の魔力を与え続けた魔石。
・アンデットを寄せ付けない。
・アンデットに侵された土壌、水、生物を蓄積された魔力で浄化する。
・消費しきると消滅する。
「おぉ、何か凄い物になったなぁ。」
「どうしたでござるか?」
「いやぁ・・・・・」
サスケに聞かれた俺は聖石の説明をした。
「凄まじい効果でござるなぁ。どうやって発動させるでござるか?」
「さぁ?とりあえず、邪竜の魔石と一緒にリーグさんの所へ持ってって調べてもらうかな。」
「そうでござるな。その方が良いかもしれないでござるな。」
そんな話をしながら聖石を仕舞うと攻略組へ転送し、魔石と聖石を1つずつバトさんに渡し、リーグさんの所へと転送した。
「おぉ、シュウト殿。ドゥネス・オブシアン領の事、余の民に代わり感謝する。」
「出来る事をやっただけですし、気にしないで下さい。」
「それで、ヘラシオン殿から今後の為に捜索に行ったと聞いたがどうであった?」
「とりあえず、恐らく逃げる為に使った所為で壊れた物と聖獣を邪聖獣にする為に用意したであろう魔石を数種類持ってきました。」
リーグさんはそれを聞いて眉間に皺を寄せ、聞いてきた。
「それは危険では無いのか?」
「大丈夫だと思いますよ。あっ、そうだ。その魔石の殆どにクリーンを掛け続けたら聖石っていうのになったんですけど、心配なら要りますか?」
「セイセキ?・・・・・。」
リーグさんか聖石の事で悩んでいたら一陣の風が吹き、見知った人が現れた。
「あっ、ガシュウさんお久しぶりです。」
「これはこれはシュウト様、お久しぶりでございます。」
「ガシュウさんはどうされたんですか?」
「リーグから緊急の報せを受けたので参った次第でございます。」
「何かあったんですか?」
「いやいや、シュウト殿、この件じゃ。」
「あぁ。」
「それよりもガシュウよ。セイセキとは何か知っておるか?」
「聖石ならば聖域に長い年月暮らしていた魔物が亡くなった後にその遺体から出てくる魔石の事ですよ。それがどうしたんですか?」
「いやぁ、シュウト殿が造ったそうでな。」
「つ、造った!?」
リーグさんの言葉にガシュウさんは目を見開いて俺の方を見てきた。
「邪の魔石にクリーンを掛け続けたら聖石になってました。」
「流石、シュウト様です!」
ガシュウさんはそう言いながら目を輝かせながら俺の隣りに目を移すと跪いた。
「お初にお目に掛かります。光星教国にて教皇をしております、ガシュウ・ハレルヤと申します。以後お見知りおき下さい、玄武様。」
ガシュウさんの言葉にリーグさんは驚いてガシュウさんの隣りに移り、跪いた。
「玄武様とはつゆ知らず、失礼致しました。私はこのシュナイダー王国の国王でリーグ・ファン・シュナイダーと申します。」
「うむ。確かにお主達の言う通り玄武であるが、今はシュウト様の従魔でトルバだ。出来ればトルバと呼んで欲しい。後、シュウト様がお困りになるゆえ、人化している時は畏まらずとも良い。」
「だな、俺はコクだ。よろしくな。」
2人がそう言うとリーグさん達は立ち上がった。
「承知致しましたトルバ様、コク様。」
「様も要らぬぞ。」
「トルバ、ガシュウさんは他の人にも様を使ってるから大丈夫だ。」
「シュウト様がそう仰られるなら。」
「余も承知した。それでは人化しておる時はトルバ殿、コク殿と呼ばさせて頂こう。」
「良いんじゃね。俺もその方が良いな。」
「承知した。」
「しかし、シュウト殿は四聖獣様を従魔にされたのじゃな。」
「そうなりますね。」
「流石じゃのぅ。ところでガシュウよ。聖石は良いのか?」
「おぉ、そうでした。シュウト様、見せて頂いてもよろしいでしょうか?」
「良いですけど、浄化が発動する方法は解りますか?」
「はい。近くにアンデットや浄化が必要な事象が発生している場合、勝手に発動致します。」
「なるほど、それだと後にした方が良いのかなぁ・・・。」
「何故でしょうか?」
「一緒に持ってきた邪の魔石に反応して浄化しそうなんで。」
「それならば残念ですが、先にそちらの方を拝見致しましょう。」
ガシュウさんは残念そうな顔をしながらも承諾してくれた。
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