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第163話 [武具の確認。]

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迷宮に入ったサスケ達を2人でモニタリングしているとルークが声を掛けてきた。

「なぁ、アレって魔道具じゃないんだよなぁ。」

「そんな事は言ってなかったぞ。」

「凄ぇなぁ。アレって素材と職人技で発動してるんだよなぁ。」

「多分な。まぁでも里長のトールキンさんがドラウなら出来るって言ってたし、更に上も目指せるって言ってたぞ。」

「ほう。それは楽しみだな。」

「あっ!そうだ、忘れるところだった。」

「ん?」

「俺、火山のダンジョンを踏破したろ。」

「あぁ、言ってたな。それがどうしたんだ?」

「でだ。その時に踏破報酬で手に入れた鎧と剣が有るけど要るか?」

俺がそう言うと先程までサスケ達の事を落ち着いて見ていたルークが凄い勢いで近付いてきた。

「ち、近付いって。」

「あぁ、すまん。」

「じゃあ出すぞ。」

俺はそう言うと鎧と剣を出して見せた。

「凄い熱量だな。」

「まぁ炎竜を倒して出たやつだからな。」

ルークはそう言いながら剣を抜いて眺め始めた。

「どうなんだ?」

「鑑定か、えぇと。名前は炎竜鎧と炎竜剣か、そのまんまだなぁ。おっ!面白い効果が有るぞ。鎧とセットで装備すると火炎ダメージを蓄積して、剣先から炎竜の咆哮を放つ事が出来るみたいだな。」

「ほう。面白いな。」

「個々の説明するぞ。」

「おう。」

「炎竜剣の方は攻撃力50万で魔力を込める事で火炎の刃を放てるみたいだな。」

「そうかぁ・・・もう少しレベルを上げないと性能は最低限でも発揮出来なさそうだな。」

「いや、そうでもないぞ。」

「どういう事だ?」

「鎧の方もそうだけど魔力で不足分を補填出来るみたいだぞ。」

「どの位だ?」

「う~ん、それは表示してないなぁ。」

「そうか、他にも有るか?」

「いや、剣の方は以上だ。鎧の方だが防御力50万で剣と同じだな。後は火炎吸収っていうのがあるな。」

「無効や耐性じゃねぇって事は吸収して剣で放つ感じか。」

「多分そうじゃないか?」

「貰っても良いのか?」

「俺は必要ないからな。それよりも他にもセットがあるみたいだぞ。」

「そうなのか?」

「あぁ、他に兜、篭手、下半身の鎧、マントが有るな。」

「ほう。そんなに有るのか。」

「全部揃ったら竜に任意で変身出来るみたいだぞ。」

「なるほどな。って事は全部揃え様と思ったら何度も潜る必要が有るのか。」

「まぁそうだろうな。なんなら今から行くか?」

「いやいや、もう遅いぞ!」

「いや、構造的に階層の端から端まで転送出来るからボス倒すだけだし、2、3時間もあれば行けると思うぞ。」

「いや、今日のところは止めとく、明日から攻略組の奴等を鍛えなきゃいけねぇから油断は出来ねぇしな。」

「そうか。それなら仕方がないな。」

「あっ、そうだ!それなら彼奴らが終わったら火山のフィールドに行かねぇか?」

「まぁ良いけど・・・あっ、そうか!火山の熱でも咆哮の力が溜めれるか確かめるのか。」

「そういう事、それに彼奴らの防具も問題ないか確認出来るだろ?」

「そうだな。前もってどの程度か解れば戦術も変わるだろうしな。」

俺達はその後もモニタリングしながらあぁだこうだ言いながら戻ってくるのを待った。

暫くすると武具の確認を終えた2人の動きが止まった。

「把握したみたいだな。」

俺はそう言うと2人を迎えに行き、火山フィールドへ入った。

「入口付近は全然暑くないんだな。」

「そうみたいだな。フローガ居るか?」

俺がそう言うと前方が燃え上がりフローガがその中から出てきた。

「シュウト様、ありがとな!で、何の用だ?」

「この辺は何で暑く無いんだ?」

「シュウト様が温泉が欲しいって言ってただろ。だからこの辺で作る事にしたから暑くねぇんだ!」

「なるほど、それはありがとう。」

「おうよ。ネロとエダにも言ってやってくれ。温泉は彼奴らの協力が必要だからな。」

「分かった。それで宝石は出来そうか?」

「一寸待っててくれ。」

フローガはそう言うと火山の方へ飛んでいき、戻って来ると手には様々な原石が乗っていた。

「まだ火山フィールドが出来て直ぐだから今有るのはこれだけだ。」

「おぉ、もうこんなにあるのか!」

「魔宝石さえくれたらもっと出来るぞ。」

「分かった。」

俺はそう言うと魔宝石を取り出してフローガに渡した。

「ところでもう1つ良いか?」

「何だ?」

「此処以外は暑いのか?」

「火山だからな。」

俺の質問に当たり前だろって顔でフローガは俺の方を見てきた。

「だよな。あぁ、後、もしかしたら炎竜の咆哮を放つかもしれないけど問題ないか?」

「放てるのか?」

「多分な。」

「なら、火山に向かって放ってくれ。」

「それって大丈夫なのか?」

「問題ない。」

「そうか、でも何で火山なんだ?」

「炎竜の咆哮なら特殊な宝石が出来るかもしれない。」

「ほう。そうか、分かった。」

俺がそう言うとフローガは火山の方へ飛んで行った。

「さて、火山の方へ行くか。」

「あぁ、そうだな。」

火山へ向けて暫く歩いていると至る所で溶岩が溢れている場所に着いた。

「この辺かな。俺が潜ったダンジョンと同じ環境だと思うぞ。どうだカナエ。」

「うん。同じだと思うよ。」

「ところでカナエ、他のダンジョンには潜った事は有るのか?」

「有るよ。」

「此処より熱い場所は?」

「う~ん、まだ入れない場所は分かんないけど、入った場所は此処より、過ごし易いよ。」

「そうか。サスケ達はどうだ?」

「拙者は問題無いでござる。」

「私もこんな環境なのに熱さを感じない。」

「そうか、トールキンさんのお陰だな。」

「そうでござるな。」

「で、ルークはどうだ?」

俺がそう言うとルークは炎竜剣を軽く振って何かを確かめていた。  

「熱さはねぇな。後は環境の影響でも力が溜まってる感じが有るな。」

「放てそうか?」

「環境だけだとまだまだだな。」

「自分の魔法でチャージ出来そうか?」

「やってみる。」

ルークはそう言うと超巨大な火球を創り、放つと放った場所に先回りして、自分で受けた。

ドガーン!!!

ルークは煙の向こうから首を振りながら戻ってきた。

「どうだ?」

「自分の魔法だと駄目だな。効かねぇけど、吸収もしねぇ感じだ。」

「魔法が駄目なのか?」

「いや、多分違うと思う。」

「なら、今度は俺が放ってみるか?」

「ち、着火ぐらいにしてくれよ。」

「分かってるって。」

俺はそう言うと生活魔法の着火をルークに向けて放った。すると放った着火は街を飲み込む程の炎が出て、俺は慌てて引っ込めようとしたが、その炎はみるみる小さくなり、ルークに吸収された。

「や、ヤバい。」

「どうした?」

「シュウトの威力が強過ぎて、鎧が弾けそうだ。」

「なら、早く放て!」

俺はそう言いながら火山の方を指さした。

「分かってるけどどうしたら良いか分かんねぇ。」

ルークがそう言ったので、俺は剣と鎧に再び鑑定を掛けた。

「ルーク!剣の柄の部分の宝石みたいな場所と鎧の中心にある宝石を合わせろ!」

俺にそう言われたルークは剣の柄を鎧の胸の宝石にあてがった。

「おっ、剣に移るな。あっヤベッ今度は剣がヤバい!」

俺は今度はもう一度、鑑定した。

「ルーク、今度は剣先を火山に向けて片手で剣を固定して、柄の宝石部分を強く叩け!」

俺がそう言うとルークは剣を火山に向け、柄を叩くと炎竜の咆哮を放った。

「凄い威力だな。」

「多分、シュウトの魔力の所為だと思うぞ。」

「何でだ?」

「放って分かったけど、お前の魔力は普通の奴とは違って同じ量の魔力、まぁお前と同じ量を1人で放つのは無理だとして、その濃度が違うんだよ。」

「そうなのか?」

「あぁ、だから同じ魔力量でも威力が変わるんだ。」

「へぇ~だから威力が可笑しいのか。」

「いや、威力が可笑しいのは加減の問題だろ。」

「やっぱりそうか・・・日々少しずつ上げてるんだけど中々なぁ。」

「・・・少しずつってどの位だ?」

「100万くらい。」

俺がそう言うとルークは呆れた表情で俺の方を見ていた。

「何だよ。」

「毎日100万も上げてりゃ加減なんて出来ねぇよ。」

「・・・いや、だって使い魔やらなんやらで魔力が必要そうだし。」

「そりゃ分かってる。だから加減は諦めろ。後、生活魔法も使徒様としての戦闘以外禁止な。」

「なっ・・・分かった。けど、外での野宿が必要な時は?」

「この空間が有るのに何で野宿する必要が有るんだ?」

「じゃ、じゃあ風呂や洗濯は?」

「移動式家屋が有るだろ。」

「えぇと、えぇと・・・。」

「諦めろ。」

「・・・あぁ。」

俺がそう言うとカナエが俺の服の裾を引っ張ってきた。

「ん?何だ?」

「父ちゃんでも苦手な事が有るんだね。」

「・・・今はそうだが必ず克服する。」

「そっか♪」

俺達の話を聞いたルークは溜息を吐いてから声を掛けてきた。

「練習するのは良いが、やるならこの中でしろよ。じゃねぇと街や森が無くなっちまうからな。」

「お、おぉ・・・分かった。」

「さて、そろそろ寝るか。シュウトも明日から使命を遂行するんだろ?」

「あぁ、サスケ達の武具に問題も無かったからな。」

「俺も早いからもう寝るわ。」

ルークはそう言うとアイテムボックス改から出て行った。

「俺達も寝るか。」

「分かったでござる。」

「承知しました。」

「あっ、そうだ。ツバキは明日から暫く外で気配と魔力制御の練習な。極めて俺にも気付かせない様に出来る様に頑張れ。」

「御意。」

「サスケは明日から南のダンジョンにボタンちゃんを連れてって鍛えてやれ。」

「ダンジョンでござるか?」

「まだ早いと思ってるならそうでもないぞ。」

「そうでござるか?」

「大丈夫だ。子供らの話じゃCランクなら問題ないって言ってたし、その上でシンジかメグミに一緒に行ってもらうから。」

「それなら・・・大丈夫でござるな。」

「納得したところで今日は寝るぞ。」

俺はそう言うと森/川フィールドに移動して就寝した。

翌朝、ナビコさんの作る朝食を楽しみにアイテムボックス改から出るとバトさんが食堂へ案内してくれた。

「あれ?何で全員が居るんだ?しかもアキトまで。」

「火竜の肉が食べれるって聞いたからね。」

「そうか、まぁ良いや。」

俺達はそう言うと食事を済ませた。

結果、火竜の肉はかなり美味しかった。

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