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第156話 [2人の子供]
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「トールキンさん、2つ程聞いて良いですか?」
「何じゃな?」
「トールキンさん達って背が高いですよね?」
「あぁ、その事か。ドワーフの里と言われておるが正確にはドワーフの里では無いのじゃ。」
「えっそれは龍人族の事ですか?」
「いや、そうでは無いのじゃ。儂らはエルダードワーフじゃから正確に言えばエルダードワーフの里となるのじゃ。」
「エルダードワーフ?もしかしてドワーフから進化した種族なんですか?」
「いや、その辺は分からぬ。この里では最初からエルダードワーフしか居らんからのぅ。」
「なるほど、成り立ちは分からないと。」
「そうじゃのぅ。分かりやすい違いは背の高さと自身で戦うか戦わないかの違いじゃないかのぅ。それに歴代の工法や素材の場所の記述はあっても歴史などは無いからのぅ。」
「じゃあ龍人族の人から聞けば分かるんじゃ?」
俺がトールキンさんにそう聞くと気持ちが落ち着いたのか、ドランさんが答えてくれた。
「それは無理だ。」
「どうしてですか?」
「先も言った通り、儂らは戦闘以外出来ん。」
「あぁ。なるほど。」
「そうじゃのぅもし、知りたければドワーフの国に行ったら分かるんじゃないかのぅ。」
「分かりました。」
「それでもう1つは何かのぅ?」
トールキンさんにそう言われた俺はガルンさんに渡された紹介状を手渡した。
「何じゃな?・・・なるほど、確かに儂の息子じゃ。」
「ん?俺がどうしたんだ?」
「ガルンからの紹介状じゃ。」
「ガルン?何で兄貴が出てくるんだ?」
「シュウト殿はお前を誘いに来たのじゃ。」
「俺を?」
「シュウト殿はドワーフの鍛冶師を探してるそうでな。ガルンに相談したらお前を紹介された様じゃ。」
「兄貴が俺を?」
「そうじゃ。彼奴はお前が里で孤立してる上に里の資材を使い過ぎて追い出されないか心配してくれておったみたいじゃ。」
「そうか・・・だが、幾ら兄貴がそう言っても素材が無けりゃ俺は行かねぇぞ。」
「素材か・・・ドラウプニル、いやドラウで良いか?」
「あぁ、問題ねぇ。」
「じゃあドラウはどんな素材が必要なんだ?」
「色々だ。例えば、ミスリルは必須だな。他にも最近は黒陽樹も必要だな。後は宝石類に魔物の素材だな。」
「ミスリルと黒陽樹は大丈夫だな。宝石類は確か火山が在ればとか言ってたから大丈夫だと思う。後は魔物の素材か・・・皆んなに頼めばいけるか?」
「火山が在ればって何だ?」
「あぁ、俺のダンジョンが在るんだけど、確か俺の精霊がそう言ってだと思う。」
「俺のダンジョン?」
「あぁ、見せた方が早いか。」
俺はそう言いながらアイテムボックス改を開いてドラウに触れた。
「な、何だこの門は!?」
「俺のダンジョンに繋がってるというか、ラビリス様に改良して貰ってアイテムボックス改っていうスキルに俺のダンジョンが在るんだ。」
俺がそう言うとドラウは口を開けて動きが止まっていた。するとトールキンさんが声を掛けてきた。
「ドラウプニル、何を言っておるのじゃ?」
「親父には見えねぇのか?」
「何がじゃ?」
俺はそう言って不思議そうにしているトールキンさんの肩に触れた。
「な、何じゃ!?門が現れたぞ!?」
「自分が触れないと見えないし、触れないんですよ。」
「な、なるほど・・・息子、ドラウプニルはこの中で生活するのか・・・。」
「心配でしたら中に入って見ますか?どちらにしてもトールキンさんの許可も無しに連れて行く気は無いんで。」
俺がそう言うと他の2人も近寄ってきた。
「皆さんも行きますか?」
俺がそう言うとリングスさん以外全員が頷いたので、全員俺に触れて貰って森/川フィールドに入っていった。
「おぉ、此処がダンジョンなのか。なんと聖域の様じゃな。」
「そうですね。聖域に近いらしいです。」
「ほう。」
「後、襲って来る様な魔物はいませんよ。」
「それはダンジョンなのか?」
「まぁ戦闘を行うダンジョンは別のフィールドに在るんで。」
その後も矢継ぎ早にドランさんとトールキンさんに質問され、答えられる事は答えて行くとドラウはいつの間にか、俺が魔力を与え過ぎて黒陽樹になってしまった木を見たり触ったりしていたので、トールキンさん達に説明し終わった俺は近付いて声を掛けた。
「どうだ?気にいったか?」
「あぁ。聖域で此処まで良い質の物を探すのは難しいな。」
「そうか、あっそうだ。次いでにミスリルも見るか?」
「有るのか?」
「そこに置いてあるぞ。」
俺がミスリルが置いてある場所を指すとドランだけじゃなく、トールキンさんも一緒に走って行き、親子揃ってミスリルを持って色んな角度から眺めていた。
親子だなぁと思いながら歩いていき、ドラウに話し掛けた。
「どうだ?気に入ったか?」
「コレをどこで手に入れたんだ!?」
「駄目だったか?」
「違ぇよ!こんな高純度!いや、精製しなくても分かる!純度100%混じりっけなしのミスリルなんて何処で手に入れたんだ!?」
「別のフィールドだ。」
「じゃ、じゃあそこに案内してくれねぇか?」
「あぁ、別に良いけど。」
俺はそう言うと残った面々を見ると全員が頷いたので、洞窟フィールドに案内した。
「うぉおおおー!!!な、なんじゃあこりゃー!!!入口から既にミスリル鉱石じゃねぇーか!!!」
あれ?なんで?
俺がそう思っているとエダが地中から現れた。
「どうですじゃ?」
「どうですじゃ?って何したんだ?」
「頂いた魔力で奥の方から土壌改良しておったのじゃが、浸透力の関係で手前の方はミスリル鉱石に変わってしまったのじゃ。いかんかったかのぅ?」
「いや、とりあえずは良いんじゃないか?」
「まぁそうじゃよなぁ。普通の魔鉄鋼石は洞窟以外にしか取れなくなったでのぅ。採掘してもらわんとその内、外もミスリル鉱石になってしまうのじゃ。」
「お、おい!ど、どういう事だよ!」
「誰じゃお主は?」
「もしかしたら此処で鍛治を行ってくれるかもしれないドラウだ。」
「そうか、そなたがフローガの要望じゃった鍛冶師かのぅ。・・・じゃが、こやつには既に火の精霊が着いておるぞ。」
「駄目なのか?」
「いや、そうでもないのじゃが、1人でやるよりも仕事量が減ってしまうでのぅ。」
「あぁ、そういう事か。なら問題ないかな。もう少ししたら火山フィールドも作れると思うし。」
「なるほど、それなら問題ないのぅ。」
「なら、採掘もしてくれるじゃろうし、儂としては歓迎じゃ。」
「何話を進めてんだよ。」
「あれ?反応が良かったから良いのかと。」
「いや、それよりも何でミスリル鉱石ばかりなんだ?」
「あぁその事か、此処が俺のダンジョンっていうのは言ったよな。」
「あぁ。」
「俺の魔力をフィールドに撒くと精霊達がそのフィールドで出来る事をしてくれてるんだ。」
「じゃあなんだ。シュウトが魔力を放てばミスリル鉱石が出来るってぇのか?」
「いや、そうじゃないのじゃ。余波でミスリル鉱石に成ってるだけじゃ。」
「余波?」
「そうじゃ。奥で種を作っておるからその余波じゃの。じゃから奥に行けば違う鉱石が在るのじゃ。」
「じゃあ此処でなら全ての鉱石が手に入るのか?」
「今は無理じゃがその内そうなるじゃろう。」
エダの返答で心が揺らいでるのを感じた俺は再度ドラウに聞いてみた。
「どうだ?此処へ来るか?」
「・・・。」
「渋る理由は何なんだ?」
俺がそう言うとドラウはチラチラと同じ方向ばかりを見ていたので、その方向に目をやるとニップルさんが立っている方向だった。
「ん?もしかして「わーーー!!!」んか?」
俺がニップルさんの事を言おうとするとドラウは必死に声を上げて防ごうとした。するとニップルさん以外から盛大なため息が漏れ、トールキンさんが声を掛けてきた。
「ドラウプニル、お前まだ儂らにバレて無いとでも思ってるのか?今日初めて会ったシュウト殿にもバレておるのに・・・はぁ。」
「「え!?」」
トールキンさんがそう言うとドラウとニップルさんが同時に反応した。すると今度はドランさんが声を掛けた。
「ニップル、この里の警備やその他、物作り以外をしているのは龍人族だ。その長である儂がお前達の逢い引きに気付かないとでも思っていたのか?のぅドゥーラ。」
「「あっ。」」
「この様子だと本人達は隠せていると思っている様ですよ。」
「お、俺達の事、反対じゃないのか?」
「反対などせんよ。それに何時言ってくるか待っておったしの。のぅドランよ。」
「そうだな。親の儂が言う事では無いがニップルは忌み子として家族以外の同族には嫌われており、その所為か本人の好みも同族には向いて居らんのも知っておる。」
「そうじゃな。儂の息子も同じ様なものじゃ、成る可くして成ったといった感じかのぅ。」
お互いの親の反応を見て、2人は近付き、お互いの親に向き合った。
「なら、俺達が夫婦になる事を認めてくれるのか?」
ドラウのその言葉にドランさんとトールキンさんはお互いに頷き、トールキンさんが答えた。
「条件がある。」
「何だよ。俺が出来る事なら何でもするぞ。」
「言うたな、違えるなよ。」
「分かって・・・いや、分かりました。お義父さん。」
「何か気持ち悪いな。」
「何だよドゥーラ!」
「お前はそれで良いんだよ。」
「チッ!真面目にしたのによぅ。で、親父達の条件って何だよ!」
ドラウがそう言うとトールキンさんは真剣な顔でドラウに向き合うと話し始めた。
「儂らからの条件は1つ、シュウト殿の為に尽力せよ。」
「分かった。」
「え?」
俺が驚いて声を上げたが何故か全員にスルーされ、そのまま話が進んで行き、ドラウ達は一旦様々な道具を取りに行ってこのまま此処に残る事なった。
「本当に良かったんですか?」
「このまま此処で居たとしても儂らが里長や族長を交代した時に里から追い出される事は目に見えておるからな。のぅドラン。」
「そうだな。間違いなくそうなるだろうな。今は儂らが長として抑えておるが、それが無くなれば・・・自ずとだな。」
そんな話をしているとドラウが戻ってきて黒陽樹を何本か欲しいという事と洞窟フィールドに家を建てて良いかを聞かれたので、エダを呼んで後を頼んでからアイテムボックス改を出ていった。
「何じゃな?」
「トールキンさん達って背が高いですよね?」
「あぁ、その事か。ドワーフの里と言われておるが正確にはドワーフの里では無いのじゃ。」
「えっそれは龍人族の事ですか?」
「いや、そうでは無いのじゃ。儂らはエルダードワーフじゃから正確に言えばエルダードワーフの里となるのじゃ。」
「エルダードワーフ?もしかしてドワーフから進化した種族なんですか?」
「いや、その辺は分からぬ。この里では最初からエルダードワーフしか居らんからのぅ。」
「なるほど、成り立ちは分からないと。」
「そうじゃのぅ。分かりやすい違いは背の高さと自身で戦うか戦わないかの違いじゃないかのぅ。それに歴代の工法や素材の場所の記述はあっても歴史などは無いからのぅ。」
「じゃあ龍人族の人から聞けば分かるんじゃ?」
俺がトールキンさんにそう聞くと気持ちが落ち着いたのか、ドランさんが答えてくれた。
「それは無理だ。」
「どうしてですか?」
「先も言った通り、儂らは戦闘以外出来ん。」
「あぁ。なるほど。」
「そうじゃのぅもし、知りたければドワーフの国に行ったら分かるんじゃないかのぅ。」
「分かりました。」
「それでもう1つは何かのぅ?」
トールキンさんにそう言われた俺はガルンさんに渡された紹介状を手渡した。
「何じゃな?・・・なるほど、確かに儂の息子じゃ。」
「ん?俺がどうしたんだ?」
「ガルンからの紹介状じゃ。」
「ガルン?何で兄貴が出てくるんだ?」
「シュウト殿はお前を誘いに来たのじゃ。」
「俺を?」
「シュウト殿はドワーフの鍛冶師を探してるそうでな。ガルンに相談したらお前を紹介された様じゃ。」
「兄貴が俺を?」
「そうじゃ。彼奴はお前が里で孤立してる上に里の資材を使い過ぎて追い出されないか心配してくれておったみたいじゃ。」
「そうか・・・だが、幾ら兄貴がそう言っても素材が無けりゃ俺は行かねぇぞ。」
「素材か・・・ドラウプニル、いやドラウで良いか?」
「あぁ、問題ねぇ。」
「じゃあドラウはどんな素材が必要なんだ?」
「色々だ。例えば、ミスリルは必須だな。他にも最近は黒陽樹も必要だな。後は宝石類に魔物の素材だな。」
「ミスリルと黒陽樹は大丈夫だな。宝石類は確か火山が在ればとか言ってたから大丈夫だと思う。後は魔物の素材か・・・皆んなに頼めばいけるか?」
「火山が在ればって何だ?」
「あぁ、俺のダンジョンが在るんだけど、確か俺の精霊がそう言ってだと思う。」
「俺のダンジョン?」
「あぁ、見せた方が早いか。」
俺はそう言いながらアイテムボックス改を開いてドラウに触れた。
「な、何だこの門は!?」
「俺のダンジョンに繋がってるというか、ラビリス様に改良して貰ってアイテムボックス改っていうスキルに俺のダンジョンが在るんだ。」
俺がそう言うとドラウは口を開けて動きが止まっていた。するとトールキンさんが声を掛けてきた。
「ドラウプニル、何を言っておるのじゃ?」
「親父には見えねぇのか?」
「何がじゃ?」
俺はそう言って不思議そうにしているトールキンさんの肩に触れた。
「な、何じゃ!?門が現れたぞ!?」
「自分が触れないと見えないし、触れないんですよ。」
「な、なるほど・・・息子、ドラウプニルはこの中で生活するのか・・・。」
「心配でしたら中に入って見ますか?どちらにしてもトールキンさんの許可も無しに連れて行く気は無いんで。」
俺がそう言うと他の2人も近寄ってきた。
「皆さんも行きますか?」
俺がそう言うとリングスさん以外全員が頷いたので、全員俺に触れて貰って森/川フィールドに入っていった。
「おぉ、此処がダンジョンなのか。なんと聖域の様じゃな。」
「そうですね。聖域に近いらしいです。」
「ほう。」
「後、襲って来る様な魔物はいませんよ。」
「それはダンジョンなのか?」
「まぁ戦闘を行うダンジョンは別のフィールドに在るんで。」
その後も矢継ぎ早にドランさんとトールキンさんに質問され、答えられる事は答えて行くとドラウはいつの間にか、俺が魔力を与え過ぎて黒陽樹になってしまった木を見たり触ったりしていたので、トールキンさん達に説明し終わった俺は近付いて声を掛けた。
「どうだ?気にいったか?」
「あぁ。聖域で此処まで良い質の物を探すのは難しいな。」
「そうか、あっそうだ。次いでにミスリルも見るか?」
「有るのか?」
「そこに置いてあるぞ。」
俺がミスリルが置いてある場所を指すとドランだけじゃなく、トールキンさんも一緒に走って行き、親子揃ってミスリルを持って色んな角度から眺めていた。
親子だなぁと思いながら歩いていき、ドラウに話し掛けた。
「どうだ?気に入ったか?」
「コレをどこで手に入れたんだ!?」
「駄目だったか?」
「違ぇよ!こんな高純度!いや、精製しなくても分かる!純度100%混じりっけなしのミスリルなんて何処で手に入れたんだ!?」
「別のフィールドだ。」
「じゃ、じゃあそこに案内してくれねぇか?」
「あぁ、別に良いけど。」
俺はそう言うと残った面々を見ると全員が頷いたので、洞窟フィールドに案内した。
「うぉおおおー!!!な、なんじゃあこりゃー!!!入口から既にミスリル鉱石じゃねぇーか!!!」
あれ?なんで?
俺がそう思っているとエダが地中から現れた。
「どうですじゃ?」
「どうですじゃ?って何したんだ?」
「頂いた魔力で奥の方から土壌改良しておったのじゃが、浸透力の関係で手前の方はミスリル鉱石に変わってしまったのじゃ。いかんかったかのぅ?」
「いや、とりあえずは良いんじゃないか?」
「まぁそうじゃよなぁ。普通の魔鉄鋼石は洞窟以外にしか取れなくなったでのぅ。採掘してもらわんとその内、外もミスリル鉱石になってしまうのじゃ。」
「お、おい!ど、どういう事だよ!」
「誰じゃお主は?」
「もしかしたら此処で鍛治を行ってくれるかもしれないドラウだ。」
「そうか、そなたがフローガの要望じゃった鍛冶師かのぅ。・・・じゃが、こやつには既に火の精霊が着いておるぞ。」
「駄目なのか?」
「いや、そうでもないのじゃが、1人でやるよりも仕事量が減ってしまうでのぅ。」
「あぁ、そういう事か。なら問題ないかな。もう少ししたら火山フィールドも作れると思うし。」
「なるほど、それなら問題ないのぅ。」
「なら、採掘もしてくれるじゃろうし、儂としては歓迎じゃ。」
「何話を進めてんだよ。」
「あれ?反応が良かったから良いのかと。」
「いや、それよりも何でミスリル鉱石ばかりなんだ?」
「あぁその事か、此処が俺のダンジョンっていうのは言ったよな。」
「あぁ。」
「俺の魔力をフィールドに撒くと精霊達がそのフィールドで出来る事をしてくれてるんだ。」
「じゃあなんだ。シュウトが魔力を放てばミスリル鉱石が出来るってぇのか?」
「いや、そうじゃないのじゃ。余波でミスリル鉱石に成ってるだけじゃ。」
「余波?」
「そうじゃ。奥で種を作っておるからその余波じゃの。じゃから奥に行けば違う鉱石が在るのじゃ。」
「じゃあ此処でなら全ての鉱石が手に入るのか?」
「今は無理じゃがその内そうなるじゃろう。」
エダの返答で心が揺らいでるのを感じた俺は再度ドラウに聞いてみた。
「どうだ?此処へ来るか?」
「・・・。」
「渋る理由は何なんだ?」
俺がそう言うとドラウはチラチラと同じ方向ばかりを見ていたので、その方向に目をやるとニップルさんが立っている方向だった。
「ん?もしかして「わーーー!!!」んか?」
俺がニップルさんの事を言おうとするとドラウは必死に声を上げて防ごうとした。するとニップルさん以外から盛大なため息が漏れ、トールキンさんが声を掛けてきた。
「ドラウプニル、お前まだ儂らにバレて無いとでも思ってるのか?今日初めて会ったシュウト殿にもバレておるのに・・・はぁ。」
「「え!?」」
トールキンさんがそう言うとドラウとニップルさんが同時に反応した。すると今度はドランさんが声を掛けた。
「ニップル、この里の警備やその他、物作り以外をしているのは龍人族だ。その長である儂がお前達の逢い引きに気付かないとでも思っていたのか?のぅドゥーラ。」
「「あっ。」」
「この様子だと本人達は隠せていると思っている様ですよ。」
「お、俺達の事、反対じゃないのか?」
「反対などせんよ。それに何時言ってくるか待っておったしの。のぅドランよ。」
「そうだな。親の儂が言う事では無いがニップルは忌み子として家族以外の同族には嫌われており、その所為か本人の好みも同族には向いて居らんのも知っておる。」
「そうじゃな。儂の息子も同じ様なものじゃ、成る可くして成ったといった感じかのぅ。」
お互いの親の反応を見て、2人は近付き、お互いの親に向き合った。
「なら、俺達が夫婦になる事を認めてくれるのか?」
ドラウのその言葉にドランさんとトールキンさんはお互いに頷き、トールキンさんが答えた。
「条件がある。」
「何だよ。俺が出来る事なら何でもするぞ。」
「言うたな、違えるなよ。」
「分かって・・・いや、分かりました。お義父さん。」
「何か気持ち悪いな。」
「何だよドゥーラ!」
「お前はそれで良いんだよ。」
「チッ!真面目にしたのによぅ。で、親父達の条件って何だよ!」
ドラウがそう言うとトールキンさんは真剣な顔でドラウに向き合うと話し始めた。
「儂らからの条件は1つ、シュウト殿の為に尽力せよ。」
「分かった。」
「え?」
俺が驚いて声を上げたが何故か全員にスルーされ、そのまま話が進んで行き、ドラウ達は一旦様々な道具を取りに行ってこのまま此処に残る事なった。
「本当に良かったんですか?」
「このまま此処で居たとしても儂らが里長や族長を交代した時に里から追い出される事は目に見えておるからな。のぅドラン。」
「そうだな。間違いなくそうなるだろうな。今は儂らが長として抑えておるが、それが無くなれば・・・自ずとだな。」
そんな話をしているとドラウが戻ってきて黒陽樹を何本か欲しいという事と洞窟フィールドに家を建てて良いかを聞かれたので、エダを呼んで後を頼んでからアイテムボックス改を出ていった。
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