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第151話 [パイラー]
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「リーグさん、すいません。」
俺がそう言いながら影から声を掛けるとリーグさんとセドさんはビクッとして周りを探してたので、俺はスルッと影から出てきた。
「おぉ、シュウト殿か。もう行くのかの?」
「はい。そうしようかと思ったんですけど、バトロスさんってまだ準備って出来てないですか?」
「いや、そんな事は無いはずじゃ。セドよ、バトロスを呼んで参れ。」
「ハッ!」
セドさんはそう言うと執務室を出て行ったのでリーグさんと雑談をしているとバトロスさんを伴ってセドさんが戻ってきた。
「シュウト様、お待たせ致しました。」
「いえいえ大丈夫ですよ。それでですねぇ・・・・・」
俺はそう言いながらリーグさんから貰った地図を広げて、自分が行った事の有る南のダンジョンを示した。
「何処が1番近いですか?」
俺がそう言うとバトロスさんは俺が行った事のある最南端のダンジョンを示した。
「という事はこの街ですか?」
「そうだ。そこが領都のパイラーになるな。」
「分かりました。じゃあ少し待ってて下さい。・・・あっ、そういえば直接、領都の中に入って良いんですか?」
「・・・なら、パイラーの前に有るこの森に転送してくれぬか?それと馬は一緒に転送出来るか?」
「多分、大丈夫だと思います。ただ・・・。」
「どうされた?」
「馬が怯えないかなと。」
「それならば問題ない、俺の愛馬は動じんからな。」
「なら、大丈夫です。・・・でも良いんですか?」
「何がだ?」
「いや、軍務大臣のバトロスさんが普通に馬で行って・・・。」
「あぁ、それならば問題ない。領都に戻る時はいつも馬で帰るゆえ、誰も怪しまんよ。」
「そ、そうなんですかぁ・・・。」
「その通りじゃ。余達には隊列を組んで身の安全をとか、言うのにのぅ。」
「いや、リーグはそれを守らないだろ。」
リーグさんが愚痴のように言うとすかさずセドさんにツッコまれていた。
「まぁ、バトロスを襲いに来る者など殆どいないがのぅ。なんせ、バースよりも強い上に付き添う者も元Aランク暗殺者でバトロスを殺そうとした者じゃしのぅ。」
「へっ?・・・それって逆に危なくないですか?」
そう俺がリーグさんに聞くとバトロスさんが答えた。
「それは問題ない。暗殺者からは足も洗ったし、俺の妻だ。」
「はい?」
「そうなんじゃよ。バトロスは周りの反対を押し切って、その暗殺者であるラスティと夫婦になりおったのじゃ。」
「おぉ、凄いですね。」
俺とリーグさんがそう言うとバトロスさんが少し恥ずかしそうに話してくれた。
「アレ程、強く美しい者は居らんだでな。」
「では、奥様も共に行かれますか?」
「いや、妻は身重なのでな。今回は王都に残る。」
「おぉ、それはおめでとうございます。」
「シュウト様にそう言われるとは此方こそ有難い。」
「ん?」
俺がバトロスさんの返答に違和感を覚えながら首を傾げるとリーグさんが答えた。
「何故という顔をしておるがシュウト殿はアストライアー様の使徒様で王都を救いし者じゃ。軍務の者、いや、王都に住まう者にとっては神に祝福されたと思う者も居るという事じゃ。」
「え?」
「相変わらずじゃのぅ。ところで急いでいるのではなかったのかの?」
「あっ、そうでした。バトロスさん、じゃあ少し待っていて下さい。」
俺はそう言うと先程確認したポイントへ転送し、領都パイラーだと思われる街の近くの森へ行き、戻ってきた。
「早いのぅ。」
「それ程離れてなかったので、転送を繰り返したので。」
「なるほどのぅ。では行くのか?」
「はい。バトロスさん馬の居る場所まで案内して貰えますか?」
「承知した。では陛下、行ってまいります。」
「うむ。行って参れ。シュウト殿も気を付けての。」
「はい。」
俺はそう言うとバトロスさんに案内されて城の厩舎まで行き、城を出て人目の付かない場所から森に転送した。
「シュウト様、迷惑を掛けてすまぬ。」
「いえいえ、自分が頼んで着いて来てもらってるんで、気にしないで下さい。」
「そう言ってもらえると助かる。」
「ところでバトロスさんの愛馬は凄く大きいですね。」
「俺のクローはバトルホースという魔馬で普通の馬ではない。通常気性が荒く、人すら襲うのだが、産まれた頃から飼っておるゆえ、従順なのだ。」
「なるほど、だから大人しいんですね。」
「いや、これはシュウト様の強さを感じてるのだと思うぞ。」
「そうなんですか?」
「初めて会った者には威嚇行為をするのだが、本能的にバレておるのだろう。シュウト様の強さも優しさも。」
「なるほど。」
俺はそう言いながらバトルホースのクローに手を伸ばすとクローは頭を下げ、俺が撫でるのを受け入れていた。
「ところでシュウト様はどうされるのだ?」
「どうするとは?」
「俺は馬でパイラーに入るが、俺の後ろに乗る訳には行かんだろ?」
「あっ!そうですね。一寸待ってて貰ってもいいですか?」
「あぁ。」
俺はバトロスさんにそう言うとアイテムボックス改の中に入った。
「スキア、居るか?」
「はい。」
「真司はまだ迷宮に居るか?」
「いえ、今は森/川フィールドに居るはずです。」
「そうか、ありがとう。」
俺はスキアに礼を言うと真司を呼びに行ってバトロスさんの下に戻った。
「お待たせしました。じゃあ行きましょうか。」
俺が真司に乗ってそう言うとバトロスさんが先導する形でパイラーに向かった。
「他の街より煙突が多いですね。」
「それはそうだ。此処パイラーはドワーフの里が近い事もあって鍛治職人が多いからな。」
「なるほど、ドワーフの技術が近くで見れるというのが大きいんですかね?」
「そうであろうな。だが公爵家があるこのパイラーの方針も理由の1つであるな。」
「方針ですか?」
「あぁ、この地は火山地帯に近い事もあって食糧関係での税収はほぼ無い上に他領から食糧を買っているのだ。その為、製造関係者にはかなりの高待遇になる様にしてきたのだ。」
「なるほど、だから鍛冶屋が多いんですね。」
「それだけでは無い、木工職人や魔道具職人の工房も多いぞ。」
「そうなんですね。具体的にはどんな待遇なんですか?」
「職人のランクと工房の規模によって変わるが、税を抑えて必要な資材が手に入り易いように価格帯を抑える為に此方の方で割合を決めて払っている。」
「なるほど・・・。」
「ん?シュウト様、俺が何か拙い事を言ったか?」
「いや、大した事・・・でもないのか?」
「どうされた?」
「いやぁ何で言えば・・・前世の事なんで、当て嵌るかは分からないんで・・・。」
「ほう、それは聞いてみたいな。」
「そうですか、分かりました。でも気分を害したらすいません。」
「構わん。聞かせてくれ。」
「前世だとそうやって全ての会社というか此処だと工房になるのかな?高待遇になり過ぎると市井の人達への横暴、更には購入した高価な資材は裏で売り捌き、安価な資材もしくは安価な資材を混ぜて作り、そこで得た利益の一部を賄賂として渡し、更に悪事を繰り返す。そしてそういう輩は自分の地位を守る為には何でもするんです。」
「なるほど。」
「因みにですが、今話した事は高待遇の期間が長ければ長い程、そう成りやすい傾向にあります。」
「・・・。」
「すみません。気分を害されましたか?」
「いや、そんな事はないが、そうならない様にするにはどうすれば良いかを考えていたのだがシュウト様ならばどう考えるか、聞いても良いか?」
「・・・そうですねぇ・・・ランクはどう決めてるんですか?」
「それは各ギルドがどの素材まで扱えるのか、それと新しい工法を見出してギルドに貢献出来るのかで決まっているはずだ。」
「それなら工房の規模ではなくランクのみで均一の量、素材ごとで均一化を先ずはします。それから第三者に工房への立入検査を行わせます。」
「なるほど、だが均一化は反発をうまないか?」
「それはどこまで汚職が進んでいるかで決めれるんじゃないですか?」
「どういう事だ?」
「汚職の度合いで捕縛し、刑罰を与えたタイミングで今後この様な事が無い様にこう法律を変えると言えば犯罪者を恨み、公爵家に対しては称賛はあっても反発はないと思いますよ。」
「なるほど、だが第三者はどうするのだ?」
「それなら自分だと信頼が出来、鑑定能力も優れているハロルドさんみたいな商人にされるか、嘘を見抜ける教会にお願いします。もしくはライバル関係にある工房にお願いします。」
「なるほど・・・必要とあれば契約すれば良いか。」
「そうですね。あっもう直ぐ着きますね。」
「おぉ、有難い話を聞かせてもらって感謝する。」
その後少し雑談をすると門に着いたが、門兵はバトロスさんの顔を見ると俺の事も何も調べず素通りさせてくれた。
「え?良いんですか?」
「何がだ?」
「自分の事を調べずに素通り出来ましたけど。」
「あぁ、それなら問題ない俺が居るからな。」
「いや、で変装とかしてたら分からないですよねぇ。」
「それも問題ない。伊達に製造業で成り立っている都市だからな。」
「そういう魔道具が有るんですか?」
「そういう事だ。物によっては王都よりも進んだ技術がある。試験的に使う事も有るからな。」
「なるほど。それは面白そうですね。」
「あぁ、楽しみにしてくれて構わない。シュウト様の使・・・用事が終わって予定がなければ観光するのも良いと思うぞ。」
バトロスさんは使命と言いかけたがグッと堪えてくれた。
「それは楽しみです。」
「そう言って貰えると嬉しいな。ところでもう直ぐ邸に着くがメダルだけは用意して貰えるか?」
「あぁ、流石にそこまでは無理なんですね。」
「いや、無理というわけではないが、そうしないとシンジ様が入れなくなるんだ。」
「なるほど、分かりました。」
俺はそう言うとメダルを取り出した。そうして暫くすると前世に在った10階建てのビルが敷地内にある庭園が見えてきた。
「コレが公爵家の邸だ。」
「他とはかなり違うんですね。」
「遺跡から発掘された魔道具を使用してるらしい。」
「らしい?」
「あぁ、実際のところは俺も分からない。」
えっ・・・怖くない?
俺がそう言いながら影から声を掛けるとリーグさんとセドさんはビクッとして周りを探してたので、俺はスルッと影から出てきた。
「おぉ、シュウト殿か。もう行くのかの?」
「はい。そうしようかと思ったんですけど、バトロスさんってまだ準備って出来てないですか?」
「いや、そんな事は無いはずじゃ。セドよ、バトロスを呼んで参れ。」
「ハッ!」
セドさんはそう言うと執務室を出て行ったのでリーグさんと雑談をしているとバトロスさんを伴ってセドさんが戻ってきた。
「シュウト様、お待たせ致しました。」
「いえいえ大丈夫ですよ。それでですねぇ・・・・・」
俺はそう言いながらリーグさんから貰った地図を広げて、自分が行った事の有る南のダンジョンを示した。
「何処が1番近いですか?」
俺がそう言うとバトロスさんは俺が行った事のある最南端のダンジョンを示した。
「という事はこの街ですか?」
「そうだ。そこが領都のパイラーになるな。」
「分かりました。じゃあ少し待ってて下さい。・・・あっ、そういえば直接、領都の中に入って良いんですか?」
「・・・なら、パイラーの前に有るこの森に転送してくれぬか?それと馬は一緒に転送出来るか?」
「多分、大丈夫だと思います。ただ・・・。」
「どうされた?」
「馬が怯えないかなと。」
「それならば問題ない、俺の愛馬は動じんからな。」
「なら、大丈夫です。・・・でも良いんですか?」
「何がだ?」
「いや、軍務大臣のバトロスさんが普通に馬で行って・・・。」
「あぁ、それならば問題ない。領都に戻る時はいつも馬で帰るゆえ、誰も怪しまんよ。」
「そ、そうなんですかぁ・・・。」
「その通りじゃ。余達には隊列を組んで身の安全をとか、言うのにのぅ。」
「いや、リーグはそれを守らないだろ。」
リーグさんが愚痴のように言うとすかさずセドさんにツッコまれていた。
「まぁ、バトロスを襲いに来る者など殆どいないがのぅ。なんせ、バースよりも強い上に付き添う者も元Aランク暗殺者でバトロスを殺そうとした者じゃしのぅ。」
「へっ?・・・それって逆に危なくないですか?」
そう俺がリーグさんに聞くとバトロスさんが答えた。
「それは問題ない。暗殺者からは足も洗ったし、俺の妻だ。」
「はい?」
「そうなんじゃよ。バトロスは周りの反対を押し切って、その暗殺者であるラスティと夫婦になりおったのじゃ。」
「おぉ、凄いですね。」
俺とリーグさんがそう言うとバトロスさんが少し恥ずかしそうに話してくれた。
「アレ程、強く美しい者は居らんだでな。」
「では、奥様も共に行かれますか?」
「いや、妻は身重なのでな。今回は王都に残る。」
「おぉ、それはおめでとうございます。」
「シュウト様にそう言われるとは此方こそ有難い。」
「ん?」
俺がバトロスさんの返答に違和感を覚えながら首を傾げるとリーグさんが答えた。
「何故という顔をしておるがシュウト殿はアストライアー様の使徒様で王都を救いし者じゃ。軍務の者、いや、王都に住まう者にとっては神に祝福されたと思う者も居るという事じゃ。」
「え?」
「相変わらずじゃのぅ。ところで急いでいるのではなかったのかの?」
「あっ、そうでした。バトロスさん、じゃあ少し待っていて下さい。」
俺はそう言うと先程確認したポイントへ転送し、領都パイラーだと思われる街の近くの森へ行き、戻ってきた。
「早いのぅ。」
「それ程離れてなかったので、転送を繰り返したので。」
「なるほどのぅ。では行くのか?」
「はい。バトロスさん馬の居る場所まで案内して貰えますか?」
「承知した。では陛下、行ってまいります。」
「うむ。行って参れ。シュウト殿も気を付けての。」
「はい。」
俺はそう言うとバトロスさんに案内されて城の厩舎まで行き、城を出て人目の付かない場所から森に転送した。
「シュウト様、迷惑を掛けてすまぬ。」
「いえいえ、自分が頼んで着いて来てもらってるんで、気にしないで下さい。」
「そう言ってもらえると助かる。」
「ところでバトロスさんの愛馬は凄く大きいですね。」
「俺のクローはバトルホースという魔馬で普通の馬ではない。通常気性が荒く、人すら襲うのだが、産まれた頃から飼っておるゆえ、従順なのだ。」
「なるほど、だから大人しいんですね。」
「いや、これはシュウト様の強さを感じてるのだと思うぞ。」
「そうなんですか?」
「初めて会った者には威嚇行為をするのだが、本能的にバレておるのだろう。シュウト様の強さも優しさも。」
「なるほど。」
俺はそう言いながらバトルホースのクローに手を伸ばすとクローは頭を下げ、俺が撫でるのを受け入れていた。
「ところでシュウト様はどうされるのだ?」
「どうするとは?」
「俺は馬でパイラーに入るが、俺の後ろに乗る訳には行かんだろ?」
「あっ!そうですね。一寸待ってて貰ってもいいですか?」
「あぁ。」
俺はバトロスさんにそう言うとアイテムボックス改の中に入った。
「スキア、居るか?」
「はい。」
「真司はまだ迷宮に居るか?」
「いえ、今は森/川フィールドに居るはずです。」
「そうか、ありがとう。」
俺はスキアに礼を言うと真司を呼びに行ってバトロスさんの下に戻った。
「お待たせしました。じゃあ行きましょうか。」
俺が真司に乗ってそう言うとバトロスさんが先導する形でパイラーに向かった。
「他の街より煙突が多いですね。」
「それはそうだ。此処パイラーはドワーフの里が近い事もあって鍛治職人が多いからな。」
「なるほど、ドワーフの技術が近くで見れるというのが大きいんですかね?」
「そうであろうな。だが公爵家があるこのパイラーの方針も理由の1つであるな。」
「方針ですか?」
「あぁ、この地は火山地帯に近い事もあって食糧関係での税収はほぼ無い上に他領から食糧を買っているのだ。その為、製造関係者にはかなりの高待遇になる様にしてきたのだ。」
「なるほど、だから鍛冶屋が多いんですね。」
「それだけでは無い、木工職人や魔道具職人の工房も多いぞ。」
「そうなんですね。具体的にはどんな待遇なんですか?」
「職人のランクと工房の規模によって変わるが、税を抑えて必要な資材が手に入り易いように価格帯を抑える為に此方の方で割合を決めて払っている。」
「なるほど・・・。」
「ん?シュウト様、俺が何か拙い事を言ったか?」
「いや、大した事・・・でもないのか?」
「どうされた?」
「いやぁ何で言えば・・・前世の事なんで、当て嵌るかは分からないんで・・・。」
「ほう、それは聞いてみたいな。」
「そうですか、分かりました。でも気分を害したらすいません。」
「構わん。聞かせてくれ。」
「前世だとそうやって全ての会社というか此処だと工房になるのかな?高待遇になり過ぎると市井の人達への横暴、更には購入した高価な資材は裏で売り捌き、安価な資材もしくは安価な資材を混ぜて作り、そこで得た利益の一部を賄賂として渡し、更に悪事を繰り返す。そしてそういう輩は自分の地位を守る為には何でもするんです。」
「なるほど。」
「因みにですが、今話した事は高待遇の期間が長ければ長い程、そう成りやすい傾向にあります。」
「・・・。」
「すみません。気分を害されましたか?」
「いや、そんな事はないが、そうならない様にするにはどうすれば良いかを考えていたのだがシュウト様ならばどう考えるか、聞いても良いか?」
「・・・そうですねぇ・・・ランクはどう決めてるんですか?」
「それは各ギルドがどの素材まで扱えるのか、それと新しい工法を見出してギルドに貢献出来るのかで決まっているはずだ。」
「それなら工房の規模ではなくランクのみで均一の量、素材ごとで均一化を先ずはします。それから第三者に工房への立入検査を行わせます。」
「なるほど、だが均一化は反発をうまないか?」
「それはどこまで汚職が進んでいるかで決めれるんじゃないですか?」
「どういう事だ?」
「汚職の度合いで捕縛し、刑罰を与えたタイミングで今後この様な事が無い様にこう法律を変えると言えば犯罪者を恨み、公爵家に対しては称賛はあっても反発はないと思いますよ。」
「なるほど、だが第三者はどうするのだ?」
「それなら自分だと信頼が出来、鑑定能力も優れているハロルドさんみたいな商人にされるか、嘘を見抜ける教会にお願いします。もしくはライバル関係にある工房にお願いします。」
「なるほど・・・必要とあれば契約すれば良いか。」
「そうですね。あっもう直ぐ着きますね。」
「おぉ、有難い話を聞かせてもらって感謝する。」
その後少し雑談をすると門に着いたが、門兵はバトロスさんの顔を見ると俺の事も何も調べず素通りさせてくれた。
「え?良いんですか?」
「何がだ?」
「自分の事を調べずに素通り出来ましたけど。」
「あぁ、それなら問題ない俺が居るからな。」
「いや、で変装とかしてたら分からないですよねぇ。」
「それも問題ない。伊達に製造業で成り立っている都市だからな。」
「そういう魔道具が有るんですか?」
「そういう事だ。物によっては王都よりも進んだ技術がある。試験的に使う事も有るからな。」
「なるほど。それは面白そうですね。」
「あぁ、楽しみにしてくれて構わない。シュウト様の使・・・用事が終わって予定がなければ観光するのも良いと思うぞ。」
バトロスさんは使命と言いかけたがグッと堪えてくれた。
「それは楽しみです。」
「そう言って貰えると嬉しいな。ところでもう直ぐ邸に着くがメダルだけは用意して貰えるか?」
「あぁ、流石にそこまでは無理なんですね。」
「いや、無理というわけではないが、そうしないとシンジ様が入れなくなるんだ。」
「なるほど、分かりました。」
俺はそう言うとメダルを取り出した。そうして暫くすると前世に在った10階建てのビルが敷地内にある庭園が見えてきた。
「コレが公爵家の邸だ。」
「他とはかなり違うんですね。」
「遺跡から発掘された魔道具を使用してるらしい。」
「らしい?」
「あぁ、実際のところは俺も分からない。」
えっ・・・怖くない?
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