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第149話 [聖騎士のメモリーホルダー。]
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俺が離れに着くとリーグさんとガシュウさんが話をしながら通り過ぎようとしていたので、声を掛けた。
「ガシュウさん、丁度良かった。」
「おや?シュウト様どうされましたか?」
「攻略組に入ってきた聖騎士の方の事が聞きたいんですけど、お時間宜しいですか?」
「はい、大丈夫です。もしかして、アキト君の事ですか?」
「はい、そうです。どういう人物なんですか?」
「シュウト様が考えていらっしゃる通り、彼はメモリーホルダーですよ。」
「やっぱりそうなんですね。」
「そして、私が育てた子です。」
「エルフなんですか?」
「いえ、彼の親は人族です。しかし盗賊に襲われて、もう少しで彼も殺されそうになっていたところを私が助け、赤子だった彼を育てたのです。」
「なるほど、そういう事ですか。じゃあ何であの名前なんですか?」
「名前は人族の英雄の名を付け、家名は彼が聖騎士長として功績を挙げた時に自ら付けました。」
「え?聖騎士長って良かったんですか?」
「はい。彼程信用出来、彼程周りと共闘出来ない者はいませんでしたので。」
「ガシュウさんが1番信用出来る方ですか・・・なら、彼にも自分の正体を明かしますね。同じメモリーホルダーとして、話もしたいですし。」
「おぉ、ありがとうございます。では、今から行きますか?」
「あっ、それなら今から実力を見る為にルークと模擬戦をする為にアイテムボックス改の中に行く予定なので、来ますか?」
俺がそう言うとリーグさんが話し掛けてきた。
「此処では彼処に行くには不用心じゃから余の執務室に行かぬか?」
あぁ、そうか。バトさんがあっちに居るから此処で行く訳にはいかないのか。
「分かりました。お願いします。」
俺がそう言うとリーグさんが執務室の方へ歩いて行ったので、俺達はその後を着いていき、執務室に入るとセドさんがリーグさんの帰りを待っていた。
「おや?何か問題がありましたでしょうか?」
「セドよ、違うのじゃ。シュウト殿が離れであの場所へ行こうとしたでのぅ。連れて来たのじゃ。」
「そういう事ですか。シュウト様、彼処は今、立ち入り禁止を解除しておりますので、誰が来るか分からないのです。」
「なるほど、そうなんですね。止めてくれてありがとうございますリーグさん。」
「良いのじゃ。余も説明しておらんだしの。」
その後、少し雑談をして、アイテムボックス改の中に入った。因みにリーグさんも着いて来ようとしたが、仕事が溜まっていた様でセドさんに睨まれ、来るのを断念していた。
中に入るとルークともう1人が立っていた。
「え?教皇陛下がどうして此方に?その方は?」
「国を出たのに父とは呼んでくれないのですか?」
「いやっそれは・・・はぁ~父上は何をしてるんですか?」
「貴方に契約させる為に来ました。」
「契約?ですか?」
「はい。契約です。」
「分かりました。」
「では。」
ガシュウさんはそう言うと契約を成立させてしまった。
「え?何も聞かずに契約したんですか?」
「父上が意味の無い事をするはずが無いので。」
「はぁ。絆ですかね。」
「では、アキトよ良くお聞きなさい。この方は・・・・・」
ガシュウさんが俺の事を説明すると予想通り平伏した。
「まぁまぁ、俺はそういう事をされるのが苦手だから立ってくれ。」
「ハッ!」
「ところでアキト、アキトって呼んでいいか?」
「はい、問題ありません。」
「じゃあアキト、お前はメモリーホルダーか?」
「はい。その通りで御座います。」
「話し方も普通でいいぞ。でだ、ここからが大事な事なんだけど、お前のホンジョウって前世の記憶から付けたのか?」
「はい。そうな・・・そうだよ。」
アキトは丁寧に話そうとするのを止めて普通に話してくれた。
「何でその名前にしたんだ?」
「前世でもアキトだったから。」
それを聞いた俺は少し考えてから本題を切り出した。
「なぁ。覚えてるかどうかは分からないけど、お前って前世で寺の子じゃなかったか?」
「どうしてそれを!?」
「やっぱりそうだよな!俺だよ俺!」
「俺?」
「どうされましたか?シュウト様?」
「シュウト?・・・!?ま、まさか、大山嵐 脩斗!?」
「そうだよ!アキト!いやぁお前も転生してるとは思ってなかったぜ。」
「それはこっちの台詞だよ。まさか、シュウトが転生してしかも使徒様だとは驚きだよ。」
そう言うと俺達はお互いの肩を叩き、肩を組んで笑い合った。
「シュウト様!?アキト!?ど、どうされました?」
「あぁ、すいません。なんて言えばいいか、アキトとは前世の頃の竹馬の友・・・赤子の時から親が友達だった事もあって兄弟みたいな関係だったんですよ。」
「ほう。それは素晴らしい。シュウト様とその様な繋がりが、これもアストライアー様の導きでしょう。」
ガシュウさんはそう言うと祈りを捧げる様に動かなくなった。
「父上はあぁなると暫く動かなくなるんだよ。」
「そうなのか。っていうか、なるほどな。だから通常攻撃も範囲攻撃なのか。」
「どういう事だ?」
俺がそう言うとルークが質問してきたので、アキトの前世の事を教える事にした。
「俺が大山嵐流双杖術を継承してた様にアキトも我修院流槍術を継承してる家だったんだけど、攻撃全てに気を乗せて飛ばし、範囲攻撃を得意とした槍術だったんだよ。」
「へぇ~って事はアキトも気を使えるのか?」
「気・・・あぁ、そういう事か。だから範囲攻撃になってたのか。」
「知らなかったのか?」
「あぁ、全部を覚えてる訳じゃなかったからね。」
「あぁ、そうか。普通は殆ど覚えてないんだったな。」
「シュウトは覚えてるのかい?」
「あぁ、大事な事は忘れてるけどな。大体は覚えてるぞ。」
「へぇ~良いなぁ。」
「そんな事ないよ。死に際まで覚えてるからな。そんな事より、我修院流槍術を覚えてなかったのか?」
「あぁ、シュウトに教えてもらったから今、思い出したぐらいさ。まぁ出来てたのは身体がというか、魂が覚えてるんだろうね。」
「お前の家は厳しかったもんなぁ。」
「いやいや、シュウトに比べたら大人しいものだよ。」
「そうかぁ?まぁ厳しかったかな。」
「ところで、クランマスター。」
「ルークでいいよ。公式な場所じゃねぇんだ。それにシュウトのダチだったんだろ?なら、俺ともダチだ。」
「分かったよ。じゃあルーク、聞くけど修行ってシュウトに師事されてたのかい?」
「そうだ。」
「よく死ななかったね。」
「やっぱり分かるのか?」
「そりゃ分かるよ。どうせ、死ななければ大丈夫とか言ってたんでしょ?」
「よく分かるな。」
「前世からそうだもん。」
「そうなのか?」
「僕もそう言われてよく付き合わされたからね。」
「散々だったんだな。」
「お互いにね。」
ルークとアキトはそう言いながら笑いあっていた。
「お前ら、仲良くなったみたいだな。そうか、そうか。じゃあ2人共、俺と模擬戦をしたいって事で良いか?」
「「いやいや、冗談だって。」」
俺がそう言うと2人は声を合わせて焦りながら返答してきた。
「まぁ冗談はさておき、アキトじゃあ我修院流槍術を全部思い出したのか?」
「多分ね。」
「・・・なら、ルークと模擬戦してみてくれ。ルーク、本気で戦わないと痛い目をみるから本気で行けよ。」
「魔法も使うのか?」
「あぁ、全力の方が良い。」
「分かった。」
「アキトも良いか?」
「一寸待って、父上を正気に戻してからで良いかい?」
「あぁ。」
俺がそう言うとアキトはガシュウさんの耳元で何かを言うとガシュウさんは焦った表情になって俺の方を見て、話し掛けてきた。
「シュウト様、申し訳ありません。急用が出来ましたので、出して貰っても宜しいでしょうか?」
「良いですよ。」
俺はそう言うとガシュウさんを外に送り出して、ルーク達の下へ戻った。
「アキト、ガシュウさんになんて言ったんだ?」
「あぁ、ここ数年、国に戻ってなかったから母上が御立腹ですって言ったんだよ。」
「数年?」
「そう、数年。父上はハイエルフだから時間の感覚が普通じゃないんだよ。」
「なるほどなぁ。それで焦ってたのか。」
「そう言う事。」
「まぁ、それならいいや。じゃあ始めるぞ。2人共、準備は良いか?」
俺がそう言うと2人共、頷いたので手を上げた。
「じゃあ、危ないと思ったら俺が止めるからな。・・・それじゃあ、始め!」
俺が開始の合図をしたと同時にルークは魔法を放ち、アキトは気を全身と槍に巡らせ、金色に発光するとルークが放った魔法を無視してルークの方に突っ込んでいき、魔法を蹴散らしながら距離を詰めると気を込めた槍で横薙ぎに振るい、気の刃で範囲攻撃を繰り出した。
ルークはどの程度か把握する為か、魔法を使い、距離を空け、今度は槍から戦斧に切り替えて、アキトに投擲をした。
アキトはその投擲も無視し、距離を詰めようとした。
「チッ!硬ぇなぁ。これならどうだ!」
ルークはそう言うと一定の距離を保ちつつ、今度は戦斧に魔力を込めて、投擲するとアキトはそれも無視して突っ込んで行こうとしたが、当たった瞬間、後退させられていた。
「チッ!Sランクの魔物でも直撃すれば身を抉れる攻撃なのに無傷かよ。なら、これならどうだ!」
ルークはそう言うと拾っておいた戦斧に今度は気を込めて、アキトに投擲した。すると先程までルークの攻撃を無視していたアキトが槍を使って戦斧を弾いた。
「おっ、これなら効くみたいだなぁ。」
ルークはそう言うと気を込めた攻撃に切り替え、多種多様な武器で攻撃を繰り出し、アキトは最初の方は線の範囲攻撃で退けようとしていたが、ルークが範囲攻撃を避けつつもアキトの嫌な間合いで攻撃してきた為、線の範囲攻撃から円の範囲攻撃に切り替え、ルークが離れると気を集約した点の遠距離攻撃を繰り出していたが、ルークも点の遠距離攻撃を避けつつ、負けじと縄鏢で応戦し、接近しては大槌で円の範囲攻撃ごと吹き飛ばしたりしていた。
暫く攻防を繰り返していた2人だったが、最後は、アキトの体から金色の光が消えたと同時に電池切れの玩具の様にぶっ倒れて、終了した。
「ガシュウさん、丁度良かった。」
「おや?シュウト様どうされましたか?」
「攻略組に入ってきた聖騎士の方の事が聞きたいんですけど、お時間宜しいですか?」
「はい、大丈夫です。もしかして、アキト君の事ですか?」
「はい、そうです。どういう人物なんですか?」
「シュウト様が考えていらっしゃる通り、彼はメモリーホルダーですよ。」
「やっぱりそうなんですね。」
「そして、私が育てた子です。」
「エルフなんですか?」
「いえ、彼の親は人族です。しかし盗賊に襲われて、もう少しで彼も殺されそうになっていたところを私が助け、赤子だった彼を育てたのです。」
「なるほど、そういう事ですか。じゃあ何であの名前なんですか?」
「名前は人族の英雄の名を付け、家名は彼が聖騎士長として功績を挙げた時に自ら付けました。」
「え?聖騎士長って良かったんですか?」
「はい。彼程信用出来、彼程周りと共闘出来ない者はいませんでしたので。」
「ガシュウさんが1番信用出来る方ですか・・・なら、彼にも自分の正体を明かしますね。同じメモリーホルダーとして、話もしたいですし。」
「おぉ、ありがとうございます。では、今から行きますか?」
「あっ、それなら今から実力を見る為にルークと模擬戦をする為にアイテムボックス改の中に行く予定なので、来ますか?」
俺がそう言うとリーグさんが話し掛けてきた。
「此処では彼処に行くには不用心じゃから余の執務室に行かぬか?」
あぁ、そうか。バトさんがあっちに居るから此処で行く訳にはいかないのか。
「分かりました。お願いします。」
俺がそう言うとリーグさんが執務室の方へ歩いて行ったので、俺達はその後を着いていき、執務室に入るとセドさんがリーグさんの帰りを待っていた。
「おや?何か問題がありましたでしょうか?」
「セドよ、違うのじゃ。シュウト殿が離れであの場所へ行こうとしたでのぅ。連れて来たのじゃ。」
「そういう事ですか。シュウト様、彼処は今、立ち入り禁止を解除しておりますので、誰が来るか分からないのです。」
「なるほど、そうなんですね。止めてくれてありがとうございますリーグさん。」
「良いのじゃ。余も説明しておらんだしの。」
その後、少し雑談をして、アイテムボックス改の中に入った。因みにリーグさんも着いて来ようとしたが、仕事が溜まっていた様でセドさんに睨まれ、来るのを断念していた。
中に入るとルークともう1人が立っていた。
「え?教皇陛下がどうして此方に?その方は?」
「国を出たのに父とは呼んでくれないのですか?」
「いやっそれは・・・はぁ~父上は何をしてるんですか?」
「貴方に契約させる為に来ました。」
「契約?ですか?」
「はい。契約です。」
「分かりました。」
「では。」
ガシュウさんはそう言うと契約を成立させてしまった。
「え?何も聞かずに契約したんですか?」
「父上が意味の無い事をするはずが無いので。」
「はぁ。絆ですかね。」
「では、アキトよ良くお聞きなさい。この方は・・・・・」
ガシュウさんが俺の事を説明すると予想通り平伏した。
「まぁまぁ、俺はそういう事をされるのが苦手だから立ってくれ。」
「ハッ!」
「ところでアキト、アキトって呼んでいいか?」
「はい、問題ありません。」
「じゃあアキト、お前はメモリーホルダーか?」
「はい。その通りで御座います。」
「話し方も普通でいいぞ。でだ、ここからが大事な事なんだけど、お前のホンジョウって前世の記憶から付けたのか?」
「はい。そうな・・・そうだよ。」
アキトは丁寧に話そうとするのを止めて普通に話してくれた。
「何でその名前にしたんだ?」
「前世でもアキトだったから。」
それを聞いた俺は少し考えてから本題を切り出した。
「なぁ。覚えてるかどうかは分からないけど、お前って前世で寺の子じゃなかったか?」
「どうしてそれを!?」
「やっぱりそうだよな!俺だよ俺!」
「俺?」
「どうされましたか?シュウト様?」
「シュウト?・・・!?ま、まさか、大山嵐 脩斗!?」
「そうだよ!アキト!いやぁお前も転生してるとは思ってなかったぜ。」
「それはこっちの台詞だよ。まさか、シュウトが転生してしかも使徒様だとは驚きだよ。」
そう言うと俺達はお互いの肩を叩き、肩を組んで笑い合った。
「シュウト様!?アキト!?ど、どうされました?」
「あぁ、すいません。なんて言えばいいか、アキトとは前世の頃の竹馬の友・・・赤子の時から親が友達だった事もあって兄弟みたいな関係だったんですよ。」
「ほう。それは素晴らしい。シュウト様とその様な繋がりが、これもアストライアー様の導きでしょう。」
ガシュウさんはそう言うと祈りを捧げる様に動かなくなった。
「父上はあぁなると暫く動かなくなるんだよ。」
「そうなのか。っていうか、なるほどな。だから通常攻撃も範囲攻撃なのか。」
「どういう事だ?」
俺がそう言うとルークが質問してきたので、アキトの前世の事を教える事にした。
「俺が大山嵐流双杖術を継承してた様にアキトも我修院流槍術を継承してる家だったんだけど、攻撃全てに気を乗せて飛ばし、範囲攻撃を得意とした槍術だったんだよ。」
「へぇ~って事はアキトも気を使えるのか?」
「気・・・あぁ、そういう事か。だから範囲攻撃になってたのか。」
「知らなかったのか?」
「あぁ、全部を覚えてる訳じゃなかったからね。」
「あぁ、そうか。普通は殆ど覚えてないんだったな。」
「シュウトは覚えてるのかい?」
「あぁ、大事な事は忘れてるけどな。大体は覚えてるぞ。」
「へぇ~良いなぁ。」
「そんな事ないよ。死に際まで覚えてるからな。そんな事より、我修院流槍術を覚えてなかったのか?」
「あぁ、シュウトに教えてもらったから今、思い出したぐらいさ。まぁ出来てたのは身体がというか、魂が覚えてるんだろうね。」
「お前の家は厳しかったもんなぁ。」
「いやいや、シュウトに比べたら大人しいものだよ。」
「そうかぁ?まぁ厳しかったかな。」
「ところで、クランマスター。」
「ルークでいいよ。公式な場所じゃねぇんだ。それにシュウトのダチだったんだろ?なら、俺ともダチだ。」
「分かったよ。じゃあルーク、聞くけど修行ってシュウトに師事されてたのかい?」
「そうだ。」
「よく死ななかったね。」
「やっぱり分かるのか?」
「そりゃ分かるよ。どうせ、死ななければ大丈夫とか言ってたんでしょ?」
「よく分かるな。」
「前世からそうだもん。」
「そうなのか?」
「僕もそう言われてよく付き合わされたからね。」
「散々だったんだな。」
「お互いにね。」
ルークとアキトはそう言いながら笑いあっていた。
「お前ら、仲良くなったみたいだな。そうか、そうか。じゃあ2人共、俺と模擬戦をしたいって事で良いか?」
「「いやいや、冗談だって。」」
俺がそう言うと2人は声を合わせて焦りながら返答してきた。
「まぁ冗談はさておき、アキトじゃあ我修院流槍術を全部思い出したのか?」
「多分ね。」
「・・・なら、ルークと模擬戦してみてくれ。ルーク、本気で戦わないと痛い目をみるから本気で行けよ。」
「魔法も使うのか?」
「あぁ、全力の方が良い。」
「分かった。」
「アキトも良いか?」
「一寸待って、父上を正気に戻してからで良いかい?」
「あぁ。」
俺がそう言うとアキトはガシュウさんの耳元で何かを言うとガシュウさんは焦った表情になって俺の方を見て、話し掛けてきた。
「シュウト様、申し訳ありません。急用が出来ましたので、出して貰っても宜しいでしょうか?」
「良いですよ。」
俺はそう言うとガシュウさんを外に送り出して、ルーク達の下へ戻った。
「アキト、ガシュウさんになんて言ったんだ?」
「あぁ、ここ数年、国に戻ってなかったから母上が御立腹ですって言ったんだよ。」
「数年?」
「そう、数年。父上はハイエルフだから時間の感覚が普通じゃないんだよ。」
「なるほどなぁ。それで焦ってたのか。」
「そう言う事。」
「まぁ、それならいいや。じゃあ始めるぞ。2人共、準備は良いか?」
俺がそう言うと2人共、頷いたので手を上げた。
「じゃあ、危ないと思ったら俺が止めるからな。・・・それじゃあ、始め!」
俺が開始の合図をしたと同時にルークは魔法を放ち、アキトは気を全身と槍に巡らせ、金色に発光するとルークが放った魔法を無視してルークの方に突っ込んでいき、魔法を蹴散らしながら距離を詰めると気を込めた槍で横薙ぎに振るい、気の刃で範囲攻撃を繰り出した。
ルークはどの程度か把握する為か、魔法を使い、距離を空け、今度は槍から戦斧に切り替えて、アキトに投擲をした。
アキトはその投擲も無視し、距離を詰めようとした。
「チッ!硬ぇなぁ。これならどうだ!」
ルークはそう言うと一定の距離を保ちつつ、今度は戦斧に魔力を込めて、投擲するとアキトはそれも無視して突っ込んで行こうとしたが、当たった瞬間、後退させられていた。
「チッ!Sランクの魔物でも直撃すれば身を抉れる攻撃なのに無傷かよ。なら、これならどうだ!」
ルークはそう言うと拾っておいた戦斧に今度は気を込めて、アキトに投擲した。すると先程までルークの攻撃を無視していたアキトが槍を使って戦斧を弾いた。
「おっ、これなら効くみたいだなぁ。」
ルークはそう言うと気を込めた攻撃に切り替え、多種多様な武器で攻撃を繰り出し、アキトは最初の方は線の範囲攻撃で退けようとしていたが、ルークが範囲攻撃を避けつつもアキトの嫌な間合いで攻撃してきた為、線の範囲攻撃から円の範囲攻撃に切り替え、ルークが離れると気を集約した点の遠距離攻撃を繰り出していたが、ルークも点の遠距離攻撃を避けつつ、負けじと縄鏢で応戦し、接近しては大槌で円の範囲攻撃ごと吹き飛ばしたりしていた。
暫く攻防を繰り返していた2人だったが、最後は、アキトの体から金色の光が消えたと同時に電池切れの玩具の様にぶっ倒れて、終了した。
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