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第147話 [攻略組創設Part3]
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2人が模擬戦を終わらせて戻ってくるとリーグさんは声を掛けた。
「2人共良くやった。特にルークの実力は目を見張るものがあるのぅ。」
「「有り難き幸せ。」」
リーグさんがそう言うと2人共片膝を着いて礼を言った。
「シュウト殿、ここまで息子を強くして頂いて感謝する。」
「う~ん・・・。」
「ん?どうしたのじゃ?」
「あぁ、いえ、何でもありません。」
「何でも無い事はないじゃろ。」
「いやぁ、親の前だからテンションが上がったのも有るのかもしれませんが先程の戦いには無駄が多過ぎるなぁと思いまして。」
「あれ程の戦いでか!?」
「はい。もう少し鍛え直さないといけないかなぁって思いまして。」
俺がそう言うとルークは青ざめていた。
「まぁ余の前じゃし許してやってはくれんかのぅ?」
「そうですね。今回は良いでしょう。」
俺がそう言うとルークはホッとしていた。するとそこへ話を終えたのか、セドさんとレイが戻ってきた。
リーグさんが戻ってきたセドさんを見るとお互い頷き合い話し始めた。
「いよいよ、明日、シュウト殿の攻略組が創設される。そこでルーク、レイ、両名に明日に向けて今一度確認する。」
「「ハッ!」」
「シュウト殿の部下となる事の覚悟は出来ておるか?」
「「覚悟は出来ております。」」
俺は4人の反応に疑問を浮かべているとその様子を無視する様にリーグさんは続きを話し始めた。
「お主達は使徒様の部下として各国に知られるわけじゃ。よってお主達には王位、爵位の継承権の放棄、ならびにこの王国での官職には着く事が出来ん様になるが、それでも良いか?」
「「はい。」」
「え?」
俺はリーグさんの言葉に驚いて声を上げてしまった。するとルーク達を見て話していたリーグさんが此方を見て話し掛けてきた。
「シュウト殿、やはり分かって無いようじゃのぅ。」
「あっ、すいません。ですけどそこまでする必要があるんですか?」
「それはそうじゃ。そうでもせんと各国に妬まれるからのぅ。」
「妬まれる?」
「シュウト殿、シュウト殿は使徒様、それもアストライアー様の使徒様なのじゃ。その使徒様が一国と強く繋がっておると思われれば、外交面でも非常に面倒な事になるのは目に見えて明らかなのじゃ。」
「そんなにですか。」
「そうじゃ。そこで、この王国に攻略組という組織の本部を創設してもらう代わりに王家の者と公爵家の者を王国から切り離して仕えさせる事で実現したと対外的に見せる必要があるのじゃ。」
「なら、ふりという事ですか?」
「いや、実際そうなる。そうせねば、使徒様がこの王国側の者になったと戦争を考え促進しようとする輩が出てくるでな。」
「強硬派ですか。」
「そうじゃ。そして、おそらく攻略組に参加しようともするであろう。」
「え?そんな人は要らないんですけど。」
「じゃから攻略組に入る者はこの国の王子であっても王国の官職には着く事が出来ん様にする必要があるのじゃ。」
「でもそれって・・・。」
「安心せい。官職や皇太子に成れんでも親子である事は変わらんよ。」
「なら、良かった。」
「それにシュウト殿の創設する組織のトップという事は余と同等の権力は有るしのぅ。」
「へっ!?」
「常識的に見ればそうなるのじゃ。」
「そうなるんですかぁ。」
「そうじゃ、やはり理解しておらんだようじゃのぅ。まぁ良い明日のお披露目の式典で大々的に公表すれば、余計な輩は去って行くじゃろうしの。」
「分かりました。なら、明日の式典はどうするんですか?」
「とりあえずは余の城に使徒様として来てもらいたいのじゃ。その後、攻略組に参加を表明している者たちの前で、あの土地を使徒様へ譲渡すると表明を行う。」
「あの土地?一角じゃないんですか?」
「余も最初は観光地にするつもりじゃったが、あの場所をシュウト殿に譲った方が他国への印象が良くなり、後々、此方への利益にも繋がると結論したのじゃ。というか、参加希望の者が多過ぎて、王都では賄いきれんのじゃ。」
「そんなに来たんですか!?」
「そうじゃ、おそらく半分位は邪な考えの者じゃろうが、残ると予想される者だけでも多いのに家族を連れて来ている者もおるでのぅ。」
「・・・なるほど、それなら王都よりもあちらに家を建てた方が良さそうですね。」
「そうじゃ。それにまた魔物の大軍が来たとしてもあの地の方向は攻略組に任せても良いじゃろ?」
「まぁそれは任せておいて下さい。」
「そう言うてくれると思っておった。それに観光地化は諦めておらんしの。ただ、彼処に住めるのは攻略組の家族のみという事にするだけじゃ。」
「あぁ、そういう事ですか。家族の者は家族の者、孤児院から巣立つ者、もしくは、攻略組として働けなくなった者もそこで働ける様にするという事ですか。」
「そうじゃ。辞めたとして、官職にも就けぬのであれば路頭に迷う事になってはいかんからの。」
「そこまで考えてくれてたんですね。ありがとうございます。」
「それも気にせんで良い。それこそ、あの地で必要な物資は此方から買って貰えば良いしの。それに魔物の素材は此方で売ってくれるのじゃろ?」
「はい。強制はしませんが、その予定です。」
「それなら余は土地を譲るだけで儲かるからの。」
リーグさんはそう言いながら笑いながら明日の予定を話してくれ、最後にルークとレイの方を見て話し掛けた。
「最後にお前達に言っておくが、明日からはシュウト殿の下で、使徒様の部下として恥じぬ働きを、そして自身にも部下が出来るであろうが、その者たちの管理も怠らぬ様にせよ。」
「「ハッ!」」
リーグさんは2人の決意を受け、微笑みながらその日は解散し、明日に備えて各々別々に行動した。
翌朝、俺はリーグさんとの約束通り、使徒仕様の装いで王都に入ると王都は厳粛な雰囲気で城まで到着する事が出来た。
「しかし、この雰囲気だけは慣れないなぁ。」
「そうだね、とうちゃん。」
「恵美もヤダなぁ。」
俺達がそう言いながら謁見の間に入るとそこにはリーグさんや王家の人々、王国の重臣だけではなく、ガシュウさんも厳かな装いで立っており、俺達が入るとその人々が全員、跪き頭を垂れていた。
「使徒様の御到着、心より歓迎致します。」
「うむ。此度は我の頼みを聞いて貰え、此方こそ感謝致す。皆、表を上げ立つが良い。」
俺がそう言うとリーグさん、ガシュウさんが立ち上がり、その他の人々も続く様に立ち上がった。するとリーグさんから声を掛けられた。
「使徒様がこの王国にて創設して頂ける事を感謝し、使徒様の御力で浄化された土地全てをお譲り致したいのですが、受け取って頂けますでしょうか?」
「うむ。有難く頂く事にする。では代わりにあの方角からもしもまた魔物が襲って来る事になった場合は此方で対処する事を約束しよう。」
俺がそう言うと周りから響めきが起こったがリーグさんが手を上げると直ぐに鎮まった。
「使徒様、我々としては、その申し出は有難いのですが、宜しいのでしょうか?」
「気にするでない。ところですまないが、我はまた直ぐに行かねばならんのだが。」
「ハッ!申し訳御座いません。では、此方に!」
リーグさんはそう言うと以前演説したバルコニーへ案内してくれ、リーグさんがバルコニーの先端に立って集まった人々に声を掛けた。
「皆の者、使徒様がお話されるゆえ、静かに聞く様に!」
リーグさんはそう言うと集まった人々は一斉に平伏し、それを確認したリーグさんは引き下がり、俺を手招きしたので、俺もバルコニーの先端に立つとリーグさんとガシュウさんが俺の両脇に控える様に立っていた。
「我の呼び掛けに集まってくれた事、感謝する、面を上げよ。」
そう言うと俺は全員が顔を上げて聞く体勢になるのを待って話を続けた。
「うむ。我が見る限り多種多様な種族が集まってくれてはいるが我が守って貰いたい事が有る。それは先に言った様に攻略組はダンジョン踏破を目的とした組織である。しかしその為に己の命を脅かす行為はしないで欲しい。それから種族が異なるからと差別する事はするな。以上だ。」
俺がそう言って下がるとリーグさんが前に出た。
「集まった者たちが使徒様の言葉を守る事を切に願う。コレからお前達が入る組織の者を紹介する。此方へ。」
リーグさんがそう言うとルークとレイがリーグさんの隣に立った。
「知っている者もいるであろうが、余の隣にいるのが第二王子であるルーク・ファン・シュナイダー、そしてその隣にいるのが、シン・ブリステン公爵家のレイ・シン・ブリステンである。ルークはクランマスターとして、レイは経営トップとして攻略組に入る事が決まり、双方共にそれに見合う修行をしてきており、覚悟も備えておる。両名、挨拶をせよ。」
リーグさんがそう言うとルークとレイは1歩前に進み話し始めた。
「俺はルーク。使徒様の創設された攻略組に入る覚悟として、王位継承権を放棄する!」
オォォォー。
「私はレイ・シン・ブリステンです。私も公爵家の継承権を放棄致します。」
オォォォー。
2人がそう言うと響めきが収まらない感じになっていたが、リーグさんが前に出て手をかざすと静まり返った。
「余は2人の覚悟を認める。だが、使徒様が先に言った様に何処にも属さない組織である。よって余の王国では喩え攻略組を辞めたとしても官職に就ける事はせぬが、それでも良いか?」
「「問題ありません!」」
「承知した。皆もよく聞け!余の王国では攻略組で幾ら実績を上げようとも官職に就ける事はせぬ。」
リーグさんがそう言うと少しだけ響めきが走ったが直ぐに鎮まった。
やっぱりそれ目当ての人が一定数居るんだろうなぁ。
「それと皆にはもう1つ話が有る。辞めたとしても官職には就けぬ代わりに使徒様があの土地に住まう権利を攻略組に参加する者やその家族に与える事を約束して下さった。よってこの後、使徒様が去られた後にあの地へ赴くが、希望者は家族と共に向かうが良い。」
オォォォー!!!
リーグさんの言葉に手を挙げて喜んでいる人達を見ながら別れの挨拶をして飛び立ち、姿が見えない所まで行くと転送で離れに戻り、ルーク達が戻って来るのを待った。
「2人共良くやった。特にルークの実力は目を見張るものがあるのぅ。」
「「有り難き幸せ。」」
リーグさんがそう言うと2人共片膝を着いて礼を言った。
「シュウト殿、ここまで息子を強くして頂いて感謝する。」
「う~ん・・・。」
「ん?どうしたのじゃ?」
「あぁ、いえ、何でもありません。」
「何でも無い事はないじゃろ。」
「いやぁ、親の前だからテンションが上がったのも有るのかもしれませんが先程の戦いには無駄が多過ぎるなぁと思いまして。」
「あれ程の戦いでか!?」
「はい。もう少し鍛え直さないといけないかなぁって思いまして。」
俺がそう言うとルークは青ざめていた。
「まぁ余の前じゃし許してやってはくれんかのぅ?」
「そうですね。今回は良いでしょう。」
俺がそう言うとルークはホッとしていた。するとそこへ話を終えたのか、セドさんとレイが戻ってきた。
リーグさんが戻ってきたセドさんを見るとお互い頷き合い話し始めた。
「いよいよ、明日、シュウト殿の攻略組が創設される。そこでルーク、レイ、両名に明日に向けて今一度確認する。」
「「ハッ!」」
「シュウト殿の部下となる事の覚悟は出来ておるか?」
「「覚悟は出来ております。」」
俺は4人の反応に疑問を浮かべているとその様子を無視する様にリーグさんは続きを話し始めた。
「お主達は使徒様の部下として各国に知られるわけじゃ。よってお主達には王位、爵位の継承権の放棄、ならびにこの王国での官職には着く事が出来ん様になるが、それでも良いか?」
「「はい。」」
「え?」
俺はリーグさんの言葉に驚いて声を上げてしまった。するとルーク達を見て話していたリーグさんが此方を見て話し掛けてきた。
「シュウト殿、やはり分かって無いようじゃのぅ。」
「あっ、すいません。ですけどそこまでする必要があるんですか?」
「それはそうじゃ。そうでもせんと各国に妬まれるからのぅ。」
「妬まれる?」
「シュウト殿、シュウト殿は使徒様、それもアストライアー様の使徒様なのじゃ。その使徒様が一国と強く繋がっておると思われれば、外交面でも非常に面倒な事になるのは目に見えて明らかなのじゃ。」
「そんなにですか。」
「そうじゃ。そこで、この王国に攻略組という組織の本部を創設してもらう代わりに王家の者と公爵家の者を王国から切り離して仕えさせる事で実現したと対外的に見せる必要があるのじゃ。」
「なら、ふりという事ですか?」
「いや、実際そうなる。そうせねば、使徒様がこの王国側の者になったと戦争を考え促進しようとする輩が出てくるでな。」
「強硬派ですか。」
「そうじゃ。そして、おそらく攻略組に参加しようともするであろう。」
「え?そんな人は要らないんですけど。」
「じゃから攻略組に入る者はこの国の王子であっても王国の官職には着く事が出来ん様にする必要があるのじゃ。」
「でもそれって・・・。」
「安心せい。官職や皇太子に成れんでも親子である事は変わらんよ。」
「なら、良かった。」
「それにシュウト殿の創設する組織のトップという事は余と同等の権力は有るしのぅ。」
「へっ!?」
「常識的に見ればそうなるのじゃ。」
「そうなるんですかぁ。」
「そうじゃ、やはり理解しておらんだようじゃのぅ。まぁ良い明日のお披露目の式典で大々的に公表すれば、余計な輩は去って行くじゃろうしの。」
「分かりました。なら、明日の式典はどうするんですか?」
「とりあえずは余の城に使徒様として来てもらいたいのじゃ。その後、攻略組に参加を表明している者たちの前で、あの土地を使徒様へ譲渡すると表明を行う。」
「あの土地?一角じゃないんですか?」
「余も最初は観光地にするつもりじゃったが、あの場所をシュウト殿に譲った方が他国への印象が良くなり、後々、此方への利益にも繋がると結論したのじゃ。というか、参加希望の者が多過ぎて、王都では賄いきれんのじゃ。」
「そんなに来たんですか!?」
「そうじゃ、おそらく半分位は邪な考えの者じゃろうが、残ると予想される者だけでも多いのに家族を連れて来ている者もおるでのぅ。」
「・・・なるほど、それなら王都よりもあちらに家を建てた方が良さそうですね。」
「そうじゃ。それにまた魔物の大軍が来たとしてもあの地の方向は攻略組に任せても良いじゃろ?」
「まぁそれは任せておいて下さい。」
「そう言うてくれると思っておった。それに観光地化は諦めておらんしの。ただ、彼処に住めるのは攻略組の家族のみという事にするだけじゃ。」
「あぁ、そういう事ですか。家族の者は家族の者、孤児院から巣立つ者、もしくは、攻略組として働けなくなった者もそこで働ける様にするという事ですか。」
「そうじゃ。辞めたとして、官職にも就けぬのであれば路頭に迷う事になってはいかんからの。」
「そこまで考えてくれてたんですね。ありがとうございます。」
「それも気にせんで良い。それこそ、あの地で必要な物資は此方から買って貰えば良いしの。それに魔物の素材は此方で売ってくれるのじゃろ?」
「はい。強制はしませんが、その予定です。」
「それなら余は土地を譲るだけで儲かるからの。」
リーグさんはそう言いながら笑いながら明日の予定を話してくれ、最後にルークとレイの方を見て話し掛けた。
「最後にお前達に言っておくが、明日からはシュウト殿の下で、使徒様の部下として恥じぬ働きを、そして自身にも部下が出来るであろうが、その者たちの管理も怠らぬ様にせよ。」
「「ハッ!」」
リーグさんは2人の決意を受け、微笑みながらその日は解散し、明日に備えて各々別々に行動した。
翌朝、俺はリーグさんとの約束通り、使徒仕様の装いで王都に入ると王都は厳粛な雰囲気で城まで到着する事が出来た。
「しかし、この雰囲気だけは慣れないなぁ。」
「そうだね、とうちゃん。」
「恵美もヤダなぁ。」
俺達がそう言いながら謁見の間に入るとそこにはリーグさんや王家の人々、王国の重臣だけではなく、ガシュウさんも厳かな装いで立っており、俺達が入るとその人々が全員、跪き頭を垂れていた。
「使徒様の御到着、心より歓迎致します。」
「うむ。此度は我の頼みを聞いて貰え、此方こそ感謝致す。皆、表を上げ立つが良い。」
俺がそう言うとリーグさん、ガシュウさんが立ち上がり、その他の人々も続く様に立ち上がった。するとリーグさんから声を掛けられた。
「使徒様がこの王国にて創設して頂ける事を感謝し、使徒様の御力で浄化された土地全てをお譲り致したいのですが、受け取って頂けますでしょうか?」
「うむ。有難く頂く事にする。では代わりにあの方角からもしもまた魔物が襲って来る事になった場合は此方で対処する事を約束しよう。」
俺がそう言うと周りから響めきが起こったがリーグさんが手を上げると直ぐに鎮まった。
「使徒様、我々としては、その申し出は有難いのですが、宜しいのでしょうか?」
「気にするでない。ところですまないが、我はまた直ぐに行かねばならんのだが。」
「ハッ!申し訳御座いません。では、此方に!」
リーグさんはそう言うと以前演説したバルコニーへ案内してくれ、リーグさんがバルコニーの先端に立って集まった人々に声を掛けた。
「皆の者、使徒様がお話されるゆえ、静かに聞く様に!」
リーグさんはそう言うと集まった人々は一斉に平伏し、それを確認したリーグさんは引き下がり、俺を手招きしたので、俺もバルコニーの先端に立つとリーグさんとガシュウさんが俺の両脇に控える様に立っていた。
「我の呼び掛けに集まってくれた事、感謝する、面を上げよ。」
そう言うと俺は全員が顔を上げて聞く体勢になるのを待って話を続けた。
「うむ。我が見る限り多種多様な種族が集まってくれてはいるが我が守って貰いたい事が有る。それは先に言った様に攻略組はダンジョン踏破を目的とした組織である。しかしその為に己の命を脅かす行為はしないで欲しい。それから種族が異なるからと差別する事はするな。以上だ。」
俺がそう言って下がるとリーグさんが前に出た。
「集まった者たちが使徒様の言葉を守る事を切に願う。コレからお前達が入る組織の者を紹介する。此方へ。」
リーグさんがそう言うとルークとレイがリーグさんの隣に立った。
「知っている者もいるであろうが、余の隣にいるのが第二王子であるルーク・ファン・シュナイダー、そしてその隣にいるのが、シン・ブリステン公爵家のレイ・シン・ブリステンである。ルークはクランマスターとして、レイは経営トップとして攻略組に入る事が決まり、双方共にそれに見合う修行をしてきており、覚悟も備えておる。両名、挨拶をせよ。」
リーグさんがそう言うとルークとレイは1歩前に進み話し始めた。
「俺はルーク。使徒様の創設された攻略組に入る覚悟として、王位継承権を放棄する!」
オォォォー。
「私はレイ・シン・ブリステンです。私も公爵家の継承権を放棄致します。」
オォォォー。
2人がそう言うと響めきが収まらない感じになっていたが、リーグさんが前に出て手をかざすと静まり返った。
「余は2人の覚悟を認める。だが、使徒様が先に言った様に何処にも属さない組織である。よって余の王国では喩え攻略組を辞めたとしても官職に就ける事はせぬが、それでも良いか?」
「「問題ありません!」」
「承知した。皆もよく聞け!余の王国では攻略組で幾ら実績を上げようとも官職に就ける事はせぬ。」
リーグさんがそう言うと少しだけ響めきが走ったが直ぐに鎮まった。
やっぱりそれ目当ての人が一定数居るんだろうなぁ。
「それと皆にはもう1つ話が有る。辞めたとしても官職には就けぬ代わりに使徒様があの土地に住まう権利を攻略組に参加する者やその家族に与える事を約束して下さった。よってこの後、使徒様が去られた後にあの地へ赴くが、希望者は家族と共に向かうが良い。」
オォォォー!!!
リーグさんの言葉に手を挙げて喜んでいる人達を見ながら別れの挨拶をして飛び立ち、姿が見えない所まで行くと転送で離れに戻り、ルーク達が戻って来るのを待った。
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