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第146話 [クランマスターと経営トップの実力]
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リーグさんが合図をするとアルトスさんもレイも得物を抜いた。
「ほう。二刀流ですか。」
「はい。コレが今のベストなので。」
レイはそう言うと舞い始めた。
「ほう。コレが貴方の戦闘スタイルですか。」
アルトスさんはそう言うと先程までの余裕そうな表情とは違い、真剣な眼差しでバスターソードを構え直していた。
レイの動きを見たリーグさんが声を掛けてきた。
「シュウト殿、コレが剣舞というモノかのぅ。美しく洗練された舞じゃのぅ。」
「そうですね。ですが今は護身剣舞というスキルに変わったので、連携の繋ぎ目は無くなりました。」
「ほう。報告にあった2つのスキルが1つになったのかのぅ。」
「そうですね。おっと、そろそろアルトスさんに注意しないと。」
「アルトスさん!レイの技は舞えば舞うほど強くなって行くんで止めないと手が付けられなくなりますよ!」
俺がそう言うとアルトスさんは一気に間合いを詰めて、詰めた勢いのまま横薙ぎの一閃を繰り出したが、レイは舞を続けながら一閃されたバスターソードに剣を合わせる様に動き、弾き返し、そのまま二刀での連撃を繰り出した。
アルトスさんはレイの連撃をなんとか防ぐと一旦、レイから離れた。
「ん?何故追撃せぬのじゃ?今のはチャンスじゃったじゃろうに。」
「あぁ、それは追撃したくても舞を乱す行動が出来ないんですよ。」
「そうかぁ、折角勝てるチャンスじゃったのにのぅ。」
「そうですねぇ、今行けばアルトスさんが勝っていたのに勿体なかったですね。」
「ん?どうしてそうなるのじゃ?」
「レイは舞えば舞うほど強くなると言ったじゃないですか。それに自分自身が強くなるだけじゃないんですよ。」
「どういう事じゃ?」
「見ていれば分かると思いますよ。」
そう言って暫く様子を見ているとレイがだんだん押していき、アルトスさんも最初は避けれていた攻撃も避ける事が出来なくなってバスターソードで防ぐのでやっとの状態になっていた。
「何じゃ?アルトスの動きが悪くなってきた様な気がするのぅ。」
「その通りです。レイの舞に魅了されればされる程、デバフ効果が気づかない程度で付き、レイは舞えば舞うほど、バフ効果が付くんです。」
「なんと!それは凄いのぅ。あの様な見事な舞を見て魅了されずに戦うのは難しいじゃろ。」
「そうですね。魔物相手でも多少の知力があれば効いてましたからね。」
「なるほどのぅ。」
「後は戦ってるアルトスさんが一番分かっていると思いますが、かなり戦い難いと思いますよ。」
「なるほどのぅ。しかし、あの様に舞っておっては体力は大丈夫なのかのぅ。」
「それも心配ないと思います。」
「何故じゃ?」
「12時間は休まず舞う事が出来る様にしましたし、それ以上だとしても回復丸が有るんで。」
「おぉアレか!しかしなんじゃな。シュウト殿の修行は無茶苦茶じゃのぅ。」
「何がですか?」
「12時間は舞える様にという事はそうしたのじゃろ?」
「それはそうですよ。舞えなければ戦えないんですからそうする他はないでしょう?」
「まぁ理屈は分かるがのぅ。」
「それにハロルドさんにもレイの身を自分で守れる力の必要性を言われたので。」
「なるほどのぅ。」
「あっもう終わった様ですよ。」
俺がそう言うとアルトスさんが膝から崩れ落ちバスターソードを地面に突き立てて何とか倒れない様にしていた。
「参りました。」
アルトスさんがそう言うとレイは舞を止めて、アルトスさんにお辞儀をした。
「ありがとうございました。」
レイはそう言うとアルトスさんに肩を貸して、俺達の方に戻ってきた。
「陛下、申し訳ありません。」
「気にするでない。シュウト殿の異常な修行をこなしたレイもまた普通では無いのだ。レイもよくそこまで強く成った。セドも泣いとらんで、レイと向こうで話をしてまいれ。」
「陛下、ありがとうございます。シュウト様、ありがとうございます。レイよ、あちらへ行こうか。」
セドさんがそう言ったので、俺はレイからアルトスさんを受け取ると近くにあった椅子に座らせた。するとリーグさんがアルトスさんに質問した。
「アルトスよ。体力自慢のお主がどうしたというのじゃ?」
「・・・。」
リーグさんの質問に答えられずアルトスさんが黙っているとバースさんが声を掛けた。
「アルトス!陛下の問に答えぬか!」
「バース、静かにせよ。」
「ハッ!申し訳ありません!」
「して、アルトスよ。何故答えぬのじゃ?」
リーグさんがバースさんを制止して再度質問するとアルトスさんが悩みながら答えた。
「・・・何といえばいいか、舞に翻弄されていたかもしれませんが、それだけではなく、剣を合わせる度に力が抜ける様な感覚が有り、それを補おうとすると体力が大幅に削られていったという感じでございます。」
リーグさんがアルトスさんの答えに首を傾げているとバースさんがまた声を掛けた。
「何を訳の分からん事を・・・。」
俺がバースさんを制止するとバースさんは言うのを止めて、引き下がった。
「アルトスさんが言った通りです。」
「どういう事じゃな?余に分かりやすい様に説明してくれんか?」
「説明と言われてもアルトスさんが言った通りですし・・・なら、リーグさんが体験してみますか?」
「どうすれば良いのじゃ?」
「陛下!・・・。」
リーグさんが体験すると言うとバースさんが止めに入ろうとしたが、リーグさんが
手で制止した。
「じゃあ自分に殴り掛かってきてくれませんか?」
俺がそう言うとリーグさんは軽くパンチを繰り出し、俺はそれを受け止めて再度、声を掛けた。
「リーグさん、軽くでは無く、出来るだけ本気で殴り掛かってきて下さい。」
俺がそう言うと今度は本気で殴り掛かってきたので、レイが剣でやったのと同じ様に太極拳で勢いを奪った。
「な、なんじゃ!?何が起こった?シュウト殿が余に触れたと思った瞬間、力が抜けてしまった。・・・コレをレイがアルトスにしていたのか!」
「その通りです。コレがレイの護身剣舞の防御の舞で行われていたんです。」
「なるほど、確かにアルトスの言う通りじゃし、最初の質問の時に答えられぬ訳じゃ。余もなんと言えば良いか分からんのぅ。」
「相手が本気でやればやるほど、効果が強くなるので、アルトスさんは予想以上に疲れたんでしょうね。」
俺がそう言うとアルトスさんがリーグさんに声を掛けた。
「陛下、申し訳ありません。シュウト様への質問させて頂いても宜しいでしょうか?」
「うむ。」
「では、シュウト様、戦い方を間違えたのでしょうか?」
「確かに必要以上に力を込め過ぎたのは失敗と言わざるを得ないですが、アルトスさんは剛の剣ですので、必ずしも間違いとは言えませんが、相手が悪かった。レイは極端な柔の剣ですので、打ち合う事は無いです。」
「剛や柔とは何ですか?」
「端的に言うと剛は破壊力、柔は躱しながら一撃といった所でしょうか。」
「では、剛よりも柔の方が強いと?」
「確かに柔よく剛を制すという言葉は有りますが、結局は力量差です。それにアルトスさんは初見なので、対処は難しいでしょう。」
「なるほど、勉強になります。」
「それは良かったです。まぁ、ただ、先程の言葉の続きに剛よく柔を断つという言葉があり、それが合わさって柔剛一体となり、武を極めるには双方必要という事ですね。」
「なるほど、双方が合わさる事でどの様な状況も突破出来ると。」
「そうですね。それが全てという訳ではないですが、今からルークの番ですので、学べる事があると思いますよ。」
「承知致しました。感謝致します。」
「よし。では、ルーク、バースよ前へ。」
「「ハッ!」」
リーグさんがそう言うと2人は中央へ進んで行った。
「シュウト殿、先程の柔剛一体とは武だけの事なのかのぅ?」
「いえ、全ての事柄に通じると思います。」
「さようか。」
リーグさんは微笑みながらそう言うと中央に進んだ2人を見た。
「殿下、武器はどうされたのですか?まさか、自分と戦うのに武器は必要ないとでも?」
「そんな事はねぇよ。ちゃんとこの中にあるさ。」
ルークはそう言うと両手中指に嵌めた指輪を見せた。
「指輪型のマジックバッグですか。あれ程、手に装飾品を嵌めるのを嫌がっていた殿下が嵌めるとは戦闘スタイルを変えたのですか?」
「あぁ。」
ルークはそう言うと指輪型マジックバッグから2本の槍を取り出した。
「しかし、今から模擬戦をする相手に見せても宜しいのですか?」
「バースなら見抜くだろ。」
「他にも色々出てきそうですな。」
バースさんはそう言うとバスターソードを構えた。
「2人共良いな。では、始め!」
ルークは開始の合図と同時に槍を投げ、バースさんはその槍を弾き飛ばし、一気に間合いを詰めて一閃するとルークはもう一本の槍で巧みにバスターソードの威力を消し去ると空いた手に片手剣を出して、バースさんの頭に振り落とすとバースさんは深追いせず、一旦距離を開けて構え直した。
「やはり他の武器も使いますか。」
「やっぱり対応されたな。」
「コレでも総団長を任されている身ですから。」
「そうだな!」
ルークはそう言って片手剣と槍を投げると今度は両手に戦斧を出して、バースさんが片手剣と槍を弾いている隙をついて、一気に接近し、戦斧で連撃を繰り出し、巧みに戦斧でバスターソードを奪い、戦斧で地面に固定するとバースさんは即座に離れ、弾き飛ばした片手剣を取ろうとした。
ルークはそれを見逃さず、縄鏢を取り出すとバースさんではなく、片手剣を弾き、上空へ飛ばし、それだけではなく今まで投げた武器全てを縄鏢を当てる事で操り、一気にバースさん目掛けて飛ばし、最終的には飛んでくる武器から何とか逃れたバースさんの首元に槍を当てて、模擬戦を終了させた。
「参りました。使徒様の修行で強くなっているとは思っていましたが、まさか、手加減された上でここまで圧倒されるとは思っておりませんでした。」
「まぁ、それだけの修行だったからな。」
ルークはそう言いながらバースさんと握手をしてから戻ってきた。
「ほう。二刀流ですか。」
「はい。コレが今のベストなので。」
レイはそう言うと舞い始めた。
「ほう。コレが貴方の戦闘スタイルですか。」
アルトスさんはそう言うと先程までの余裕そうな表情とは違い、真剣な眼差しでバスターソードを構え直していた。
レイの動きを見たリーグさんが声を掛けてきた。
「シュウト殿、コレが剣舞というモノかのぅ。美しく洗練された舞じゃのぅ。」
「そうですね。ですが今は護身剣舞というスキルに変わったので、連携の繋ぎ目は無くなりました。」
「ほう。報告にあった2つのスキルが1つになったのかのぅ。」
「そうですね。おっと、そろそろアルトスさんに注意しないと。」
「アルトスさん!レイの技は舞えば舞うほど強くなって行くんで止めないと手が付けられなくなりますよ!」
俺がそう言うとアルトスさんは一気に間合いを詰めて、詰めた勢いのまま横薙ぎの一閃を繰り出したが、レイは舞を続けながら一閃されたバスターソードに剣を合わせる様に動き、弾き返し、そのまま二刀での連撃を繰り出した。
アルトスさんはレイの連撃をなんとか防ぐと一旦、レイから離れた。
「ん?何故追撃せぬのじゃ?今のはチャンスじゃったじゃろうに。」
「あぁ、それは追撃したくても舞を乱す行動が出来ないんですよ。」
「そうかぁ、折角勝てるチャンスじゃったのにのぅ。」
「そうですねぇ、今行けばアルトスさんが勝っていたのに勿体なかったですね。」
「ん?どうしてそうなるのじゃ?」
「レイは舞えば舞うほど強くなると言ったじゃないですか。それに自分自身が強くなるだけじゃないんですよ。」
「どういう事じゃ?」
「見ていれば分かると思いますよ。」
そう言って暫く様子を見ているとレイがだんだん押していき、アルトスさんも最初は避けれていた攻撃も避ける事が出来なくなってバスターソードで防ぐのでやっとの状態になっていた。
「何じゃ?アルトスの動きが悪くなってきた様な気がするのぅ。」
「その通りです。レイの舞に魅了されればされる程、デバフ効果が気づかない程度で付き、レイは舞えば舞うほど、バフ効果が付くんです。」
「なんと!それは凄いのぅ。あの様な見事な舞を見て魅了されずに戦うのは難しいじゃろ。」
「そうですね。魔物相手でも多少の知力があれば効いてましたからね。」
「なるほどのぅ。」
「後は戦ってるアルトスさんが一番分かっていると思いますが、かなり戦い難いと思いますよ。」
「なるほどのぅ。しかし、あの様に舞っておっては体力は大丈夫なのかのぅ。」
「それも心配ないと思います。」
「何故じゃ?」
「12時間は休まず舞う事が出来る様にしましたし、それ以上だとしても回復丸が有るんで。」
「おぉアレか!しかしなんじゃな。シュウト殿の修行は無茶苦茶じゃのぅ。」
「何がですか?」
「12時間は舞える様にという事はそうしたのじゃろ?」
「それはそうですよ。舞えなければ戦えないんですからそうする他はないでしょう?」
「まぁ理屈は分かるがのぅ。」
「それにハロルドさんにもレイの身を自分で守れる力の必要性を言われたので。」
「なるほどのぅ。」
「あっもう終わった様ですよ。」
俺がそう言うとアルトスさんが膝から崩れ落ちバスターソードを地面に突き立てて何とか倒れない様にしていた。
「参りました。」
アルトスさんがそう言うとレイは舞を止めて、アルトスさんにお辞儀をした。
「ありがとうございました。」
レイはそう言うとアルトスさんに肩を貸して、俺達の方に戻ってきた。
「陛下、申し訳ありません。」
「気にするでない。シュウト殿の異常な修行をこなしたレイもまた普通では無いのだ。レイもよくそこまで強く成った。セドも泣いとらんで、レイと向こうで話をしてまいれ。」
「陛下、ありがとうございます。シュウト様、ありがとうございます。レイよ、あちらへ行こうか。」
セドさんがそう言ったので、俺はレイからアルトスさんを受け取ると近くにあった椅子に座らせた。するとリーグさんがアルトスさんに質問した。
「アルトスよ。体力自慢のお主がどうしたというのじゃ?」
「・・・。」
リーグさんの質問に答えられずアルトスさんが黙っているとバースさんが声を掛けた。
「アルトス!陛下の問に答えぬか!」
「バース、静かにせよ。」
「ハッ!申し訳ありません!」
「して、アルトスよ。何故答えぬのじゃ?」
リーグさんがバースさんを制止して再度質問するとアルトスさんが悩みながら答えた。
「・・・何といえばいいか、舞に翻弄されていたかもしれませんが、それだけではなく、剣を合わせる度に力が抜ける様な感覚が有り、それを補おうとすると体力が大幅に削られていったという感じでございます。」
リーグさんがアルトスさんの答えに首を傾げているとバースさんがまた声を掛けた。
「何を訳の分からん事を・・・。」
俺がバースさんを制止するとバースさんは言うのを止めて、引き下がった。
「アルトスさんが言った通りです。」
「どういう事じゃな?余に分かりやすい様に説明してくれんか?」
「説明と言われてもアルトスさんが言った通りですし・・・なら、リーグさんが体験してみますか?」
「どうすれば良いのじゃ?」
「陛下!・・・。」
リーグさんが体験すると言うとバースさんが止めに入ろうとしたが、リーグさんが
手で制止した。
「じゃあ自分に殴り掛かってきてくれませんか?」
俺がそう言うとリーグさんは軽くパンチを繰り出し、俺はそれを受け止めて再度、声を掛けた。
「リーグさん、軽くでは無く、出来るだけ本気で殴り掛かってきて下さい。」
俺がそう言うと今度は本気で殴り掛かってきたので、レイが剣でやったのと同じ様に太極拳で勢いを奪った。
「な、なんじゃ!?何が起こった?シュウト殿が余に触れたと思った瞬間、力が抜けてしまった。・・・コレをレイがアルトスにしていたのか!」
「その通りです。コレがレイの護身剣舞の防御の舞で行われていたんです。」
「なるほど、確かにアルトスの言う通りじゃし、最初の質問の時に答えられぬ訳じゃ。余もなんと言えば良いか分からんのぅ。」
「相手が本気でやればやるほど、効果が強くなるので、アルトスさんは予想以上に疲れたんでしょうね。」
俺がそう言うとアルトスさんがリーグさんに声を掛けた。
「陛下、申し訳ありません。シュウト様への質問させて頂いても宜しいでしょうか?」
「うむ。」
「では、シュウト様、戦い方を間違えたのでしょうか?」
「確かに必要以上に力を込め過ぎたのは失敗と言わざるを得ないですが、アルトスさんは剛の剣ですので、必ずしも間違いとは言えませんが、相手が悪かった。レイは極端な柔の剣ですので、打ち合う事は無いです。」
「剛や柔とは何ですか?」
「端的に言うと剛は破壊力、柔は躱しながら一撃といった所でしょうか。」
「では、剛よりも柔の方が強いと?」
「確かに柔よく剛を制すという言葉は有りますが、結局は力量差です。それにアルトスさんは初見なので、対処は難しいでしょう。」
「なるほど、勉強になります。」
「それは良かったです。まぁ、ただ、先程の言葉の続きに剛よく柔を断つという言葉があり、それが合わさって柔剛一体となり、武を極めるには双方必要という事ですね。」
「なるほど、双方が合わさる事でどの様な状況も突破出来ると。」
「そうですね。それが全てという訳ではないですが、今からルークの番ですので、学べる事があると思いますよ。」
「承知致しました。感謝致します。」
「よし。では、ルーク、バースよ前へ。」
「「ハッ!」」
リーグさんがそう言うと2人は中央へ進んで行った。
「シュウト殿、先程の柔剛一体とは武だけの事なのかのぅ?」
「いえ、全ての事柄に通じると思います。」
「さようか。」
リーグさんは微笑みながらそう言うと中央に進んだ2人を見た。
「殿下、武器はどうされたのですか?まさか、自分と戦うのに武器は必要ないとでも?」
「そんな事はねぇよ。ちゃんとこの中にあるさ。」
ルークはそう言うと両手中指に嵌めた指輪を見せた。
「指輪型のマジックバッグですか。あれ程、手に装飾品を嵌めるのを嫌がっていた殿下が嵌めるとは戦闘スタイルを変えたのですか?」
「あぁ。」
ルークはそう言うと指輪型マジックバッグから2本の槍を取り出した。
「しかし、今から模擬戦をする相手に見せても宜しいのですか?」
「バースなら見抜くだろ。」
「他にも色々出てきそうですな。」
バースさんはそう言うとバスターソードを構えた。
「2人共良いな。では、始め!」
ルークは開始の合図と同時に槍を投げ、バースさんはその槍を弾き飛ばし、一気に間合いを詰めて一閃するとルークはもう一本の槍で巧みにバスターソードの威力を消し去ると空いた手に片手剣を出して、バースさんの頭に振り落とすとバースさんは深追いせず、一旦距離を開けて構え直した。
「やはり他の武器も使いますか。」
「やっぱり対応されたな。」
「コレでも総団長を任されている身ですから。」
「そうだな!」
ルークはそう言って片手剣と槍を投げると今度は両手に戦斧を出して、バースさんが片手剣と槍を弾いている隙をついて、一気に接近し、戦斧で連撃を繰り出し、巧みに戦斧でバスターソードを奪い、戦斧で地面に固定するとバースさんは即座に離れ、弾き飛ばした片手剣を取ろうとした。
ルークはそれを見逃さず、縄鏢を取り出すとバースさんではなく、片手剣を弾き、上空へ飛ばし、それだけではなく今まで投げた武器全てを縄鏢を当てる事で操り、一気にバースさん目掛けて飛ばし、最終的には飛んでくる武器から何とか逃れたバースさんの首元に槍を当てて、模擬戦を終了させた。
「参りました。使徒様の修行で強くなっているとは思っていましたが、まさか、手加減された上でここまで圧倒されるとは思っておりませんでした。」
「まぁ、それだけの修行だったからな。」
ルークはそう言いながらバースさんと握手をしてから戻ってきた。
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