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第144話 [攻略組創設Part1]

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執務室に入るとリーグさんとセドさんが出迎えてくれた。

「おぉシュウト殿、久しぶりじゃのぅ。」

「お久しぶりですリーグさん。」

「此度は余の息子達がが迷惑を掛けたのぅ。」

「いえいえ、別に迷惑とは思ってないですから気にしなくても良いですよ。」

俺がリーグさんにそう言うとセドさんが徐ろに近付いてきて、涙を流しながら俺に握手を求めてきたので、俺は素直に受けた。

「シュウト様、誠に誠にありがとうございます。父上から報告を受けた時は涙が止まりませんでした。」

「・・・今も泣いておろう。じゃが、余からも礼を言う。これで他に悩んでいる者も希望が出るじゃろうて、感謝する。で、どの位なのじゃ?」

「・・・今の所は冒険者でいうとCランク位には成っていると思いますよ。」

「そうか!それ程か!是非見たいものじゃ。」

「まぁもう少し鍛えたいので、お披露目は攻略組創設前日にしますね。」

「そうか・・・残念じゃのぅ。」

「その代わりアノスさんが見た時よりも確実に強いレイを見せますよ。」

「そうか、ならば仕方ないのぅ。セドもそれで良いか?」

「はい。シュウト様がそう言うのであれば、今は我慢致します。」

「あっ!リーグさんに頼みたい事があって来たんでした。」

「ん?なんじゃ?余に出来る事なら何でもするぞ。」

「実は急ぎという訳ではないんですけど、神託が降りまして、攻略組創設の後に火山地帯に行きたいんですけど、その為にはドワーフの里?自治区?に行かなくてはいけないらしくて、許可が欲しいんです。」

「火山地帯か、確かに行くならばドワーフの里で通常は装備を整える必要があるが、シュウト殿に必要かのぅ?」

「そうなんですね。確かにそれなら自分は要らないかもしれませんが、サスケやツバキは必要だと思うんで、寄っておこうかと思います。」

「ん?あの2人も連れて行くのか?」

「そのつもりです。まだ修行も始めたばかりですし、今はレイを優先してるんで。」

「なるほどのぅ。セド、書類を持ってまいれ、それとバトロスを呼んでまいれ。」

「ハッ!では、シュウト様、少々お待ち下さい。」

セドさんはそう言うと執務室から出て行ったので、俺はリーグさんと雑談しながら待っていた。

暫くするとセドさんがバトロスさんを連れて入ってきた。

「あっお久しぶりですバトロスさん。」

「久しぶりだな、シュウト様。ところで俺に用があると聞いたが?」

「バトロス、用というのはシュウト殿が火山地帯に行く様なので、お前も自治区まで同行せよ。」

「御意!」

「え?何も聞かないんですか?」

「ん?使徒様としての行動では無いのか?」

「そ、そうですけど・・・。」

「それにあの様な場所に行くのは冒険者が依頼で行くか、ドワーフの作る物が欲しい者、現地調査の騎士だけだからな。そう考えるとシュウト様の場合、冒険者の依頼でも何かが欲しいという訳でもないだろ?」

「なるほど、でも火山地帯なら温泉とか保養施設とかも有るんじゃないんですか?」

「それは有るが自治区とは離れた場所にあるゆえ、火山地帯に態々行く事はないな。」

「なるほど。」

「それでなんだが、自治区に行く為には父上にも話を通しておきたいのだが、シュウト様の事を話しても良いか?」

そう言われた俺はリーグさんを見るとリーグさんが頷いたので、俺は問題無い事を伝えた。

「では、出立は何時に?」

「それは攻略組創設後にしようかと。」

「承知した。それではそれまでに準備をしておこう。」

バトロスさんがそう言うとリーグさんから声が掛かった。

「バトロスよ。セドの時の様に向こうで滞在してきても良いからな。」

「それは有難いが俺は父上とはそれ程話す事もないので、シュウト様の話が終われば戻るぞ。」

「相変わらずじゃのぅ。」

「え?もしかして仲が悪いんですか?」

「いや、そんな事はない。」

「シュウト殿、そうじゃないのじゃ。仲は良いのだが、バトロスの家系なのか全員がほぼほぼ話をする事はないのじゃよ。」

「え?」

「シュウト様、口で話さずとも筋肉を見て触れ合えば分かる。」

え・・・何それ?

「理解出来ぬじゃろ?余も最初は苦労したがそういうモノだと思うしかないぞ。」

「はぁ、分かりました。」

「ところでシュウト殿、攻略組に参加する者だが、攻略組創設の日に選別するという事で問題ないかの?」

「それで良いですよ。ただ、経理や孤児院の方は創設日前にお願いしたいんですけど良いですか?」

「それは余とガシュウでするゆえ、気にせずとも良いぞ。」

「ありがとうございます。ではその様にお願いします。」

俺はそう言うと部屋出て、離れに戻った。

「おう。シュウト、父上とは話が終わったのか?」

「あぁ。」

「で、これからどうするんだ?」

「とりあえず、創設日まではお前達の修行に費やすつもりだ。創設後はお前達が今度は指導や指揮をする立場になって中々相手は出来ないだろうからな。」

「まぁそうか。例えアイテムボックス改の中で会えたとしても修行する程、時間はないだろうしな。」

「まぁ、それでも時折、模擬戦でもして様子は見るつもりだけどな。」

「え?マジで?」

「そりゃそうだろう。弟子の強さを見るのは師匠として当然だろ。」

「あぁそうか、そうだよなぁ。」

「て事で、今日はお前達2人は休んで良いから自由な。」

「分かった。で、シュウトお前はどうするんだ?」

「俺は一旦、ハロルドさんに会いに行こうかと思ってる。」

「師匠に?」

「あぁ、一寸用が有ってな。」

俺がそう言うとバトさんが声を掛けてきた。

「シュウト様、お客様ですが、お通ししても宜しいでしょうか?」

「自分に客ですか?」

「はい。ハロルド様で御座います。」

「あっ、そうなんですか。なら、是非呼んで下さい。」

「承知しました。」

バトさんはそう言うとハロルドさんを連れてきた。

「シュウト様、お久しぶりで御座います。」

「お久しぶりです。丁度、会いに行こうかと思ってたんです。」

「おぉそうでしたか、してどの様な御用件でしたかな?」

「先にハロルドさんからで良いですよ。」

「いえ、私はシュウト様へご挨拶とレイの様子を見に来ただけですので。」

「あっそうなんですね。なら、レイと先に話をしますか?」

「いえいえ、今の顔を見れば問題ないのも分かりますし、教えれる事は全て教えましたので大丈夫です。」

「そうなんですね。レイも良かったか?」

「師匠がそう言うのであれば後は攻略組で実践するだけだな。」

「そうか。なら、ハロルドさん・・・あっその前にお前達は解散しても良いぞ。今日は自由に過ごしてくれ。」

「「分かった。」」

そう言うと2人はハロルドさんに挨拶をしてからそれぞれ別の方向に向かった。

「で、話なんですけど、良いですか?」

「2人には話せない事なのですか?」

「いや、そうじゃないんですけど、聞いたら自由にを履き違えて自分に着いてきそうなんで。」

「あぁ、お優しいですね。」

「そんな事は無いですよ。で、ハロルドさんに聞きたいんですけど、ガルンさんてドワーフの国の出身でしたよね。」

「はい。」

「そうかぁ。」

「どうされましたか?」

「いや、攻略組創設後に火山地帯に行くんですけど、話を聞きたいなぁって思って。」

「あぁ、それなら聞けると思いますよ。確かに里とドワーフ王国とは干渉しない間柄ですが、それは個人もそうという訳ではないので、知り合いは居るはずですよ。」

「そうなんですね。じゃあガルンさんは今も工房に?」

「いえ、私と共にこの王都に来ております。」

「え?此処に居るんですか?」

「はい。丁度、城の鍛冶場で指導をしております。」

「指導ですか?」

「はい。年に1度だけ鍛治の指導もしておりますので。」

「もしかして、リョーマと同じ感じですか?」

「そうですね。あの者も自由に研究する方が良いそうなので。」

「そうなんですね。・・・じゃあ終わるまで待ってますね。」

「いえ、もう終わってる頃合なので迎えに行く次いでに昼食でも如何でしょうか?」

「じゃあ、お願いします。」

俺達はそう言うと城の鍛冶場へ向かった。すると丁度、指導が終わったのかガルンさんが鍛冶場の前で御礼を言われていた。

「挨拶も終わりましたか?」

「おう。今終わったとこだ。ってシュウトも久しぶりだな!」

「ガルンさんお久しぶりです。」

「ガルン、お前は・・・まぁ良い、これからシュウト様と食事に行くからガルンも着いて来なさい。」

「・・・承知しました。」

ガルンさんはハロルドさんが怒ってるのに気付いたのか、姿勢を正して丁寧に対応していた。

その後、俺はハロルドさんに連れられて城を出て、ハロルドさんが経営しているというレストランのVIPが使う様な部屋に通された。

「凄く豪華ですね。」

「それは勿論、此処でしたらシュウト様が気兼ねなくお話が出来ますので。」

「なるほど、ありがとうございます。」

「いえいえ、お気になさらずに。」

「ところでセバスさん・・・ってやっぱり居ますよね。お久しぶりです。」

「お久しぶりです、シュウト様。」

相変わらず気配が無いというか、何で気付けないんだろう?殺意とかが無いからかなぁ。

俺がそう思っているとセバスさんは微笑んでいた。

「では、シュウト様、ガルンと話す前に先ずは食事に致しませんか?」

「はい。分かりました。」

「俺に話?」

「そうだ、聞きたい事が有る様なので食事の後に話を聞いておあげなさい。」

「分かった。」

俺達がそう話していると食事が届いたので俺達は食事を済ませ、俺はガルンさんに質問した。

「ガルンさん良いですか?」

「あぁ何だ?」

「何日かしたら火山地帯に行くんですけど、ドワーフの里に御知り合いっていますか?」

「なんだ彼処で何か問題でも起こるのか?」

「いや、そんな事は聞いてないので大丈夫だと思いますよ。」

俺がそう言うとガルンさんは安心した様だった。

「そうか、親戚は居ねぇけど、義弟がいるぞ。」

「ご兄弟が居るんですか?」

「いや、家族じゃねぇ、俺を兄貴って慕ってくるだけだ。」

「あぁ、なるほど。」

「だがなぁ其奴を紹介するのは止めといた方が良いかも知れねぇぞ。」

ガルンさんはそう言うと困った顔をしていた。
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