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第143話 [旅立ち]
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「シュウト殿、レイの事では無いのですが1つ聞いても宜しいか?」
考えが纏まったのかラグナさんが質問してきたので、俺は頷いて返した。
「我が軍にも剣が中々成長せぬ者が居るのですが、何か助言をしては貰えませんか?」
「ラグナ!シュウト殿にその様な話を・・・!?」
ラグナさんの言葉にアノスさんが反応して説教をしようとしていたが、俺が手で制止するとアノスさんは驚いて止めた。
「アノスさん、ラグナさんは素晴らしい方ですね。」
「何を仰っているのですか?」
「これだけの地位の方が自分の恥よりも軍を良くする事だけを考え行動出来るのは優れた将のみです。」
俺がそう言うとラグナさんは頭を搔いて照れた様子を見せ、アノスさんは俺の言葉に感銘を受けたのか深々と頷いていた。
「では、ラグナさんに聞きますが、その方はどういうお立場の方ですか?」
「上級士官の者です。」
「でしたらかなりお強いのでは?それとも策略家なのですか?」
「はい。戦略を決めるには欠かせない存在の者です。」
「でしたら、強く有る必要は無いのでは?」
「それが戦えぬ者と謗られるのが耐えられないと軍務を辞めたいと言っておるのです。ですが彼奴以上に優秀な者はいないので、今は何とか引き止めている所なのです。」
「なるほど、剣の腕前はどの位なのですか?」
「スキルレベル3というところです。」
それを聞いてルークを見ると説明してくれた。
「大体冒険者でいうとDランクかCに成れるかギリギリのラインだな。軍務で言ったら中級士官に成れるかどうかってところだろ。」
「なるほど、ではもう1つ、その方は剣以外は使わないのですか?」
「使えない事も無いですが、どれもスキルレベルは2か3です。」
「なるほど、種類は?」
「槍、戦斧、片手剣、両手剣です。」
「力は強い方ですか?」
「いえ、それ程。」
「でしたら弓などは使った経験はありますか?」
「いえ軍では無いはずです。」
「飛び道具に忌避感が有るのですか?」
「・・・確か、有るはずです。」
「差し支えなければお話する事は出来ますか?」
「・・・彼の者の親は猟師をしているそうなのですが、子供の頃に憧れて練習していた時にお前は弓を使うなと怒られたそうです。」
「・・・もし、想像通りなら弓に関してはレイの様に相当駄目なのか、誰よりも才能が有るかの何方かだと思います。弓は軍務の中では馬鹿にされる様な物ですか?」
「いえ、そんな事はありません。」
「では狙った場所に10本射させて全部外れるなら前者、10本中半数以上当たるなら後者だと思われます。」
「分かりました。無理にでもやらせてみます。」
「それで拒否するのであれば元々強くなりたいと心の底からは思っていないのだと思います。それにもし、弓の実力がかなり高い者であれば戦略的に有利に出来る事も分かると思われます。」
「分かりました。御指導感謝致します。」
「いえいえ参考になったのなら良かったです。」
ラグナさんとの話が終わるとアノスさんが声を掛けてきた。
「何から何まで助けて頂いた事、感謝致す。」
「自分が出来る事をしたまでです。」
「それで、もう遅い時間だが食事など御一緒せぬか?」
「いや、アイテムボックス改の中に待ってる人達も居るんで。」
「それは彼の者達かのぅ。」
「そうですね。」
「ならば安心せよ。その者らも呼んで一緒に食事をすれば良い。」
「え?でも・・・。」
「確かに孫を傷付けようとした実行犯ではあるが本人の意思とは関係ない状態にさせられた上にあの状況では仕方ない事じゃ。」
「そんなに割り切れるものですかぁ。」
「あの様なモノを見てしまってわのぅ。」
「あぁ。」
アノスさんがそう言ったので、ツバキの過去を思い出して、何も言えなくなった。
「まぁ、兎に角、儂はあの者らに関して同情はすれど、恨みを持つ事はないでの。それにあの者らが責任を感じぬ様には難しいかもしれんが、必要以上に思う必要は無い事も伝えたいのじゃ。」
「分かりました。では一緒にお願いします。」
その後、サスケ達を呼びに行き、戻ってからアノスさん達と食事をする事にした。
流石にサスケ達は自分の罪を許せない様で終始謝っていたが、食事の最後にアノスさんが「これ以上はシュウト殿に迷惑が掛かるゆえ、謝るでない。」と言うとサスケ達は最後に深々と頭を下げて話は終わった。その後は暫く雑談をしてお開きになるタイミングでアノスさんから声が掛かった。
「シュウト殿は明日はどうされるのじゃ?」
「長い期間自由にさせてもらったので、1度教会に行こうかと思っています。」
「なるほどのぅ・・・。」
「どうされたんですか?」
「いや、ルーク王子やレイはそろそろ王都の方へ行かねばならんと思っての。」
「あっ!なるほど・・・どうしようもう少し2人を鍛えようと思ってたんですけど、それだと2人は行かせた方が良いのか。」
アノスさんと2人で話しているとラグナさんが声を掛けてきた。
「シュウト殿、明日教会に行った後、急ぎならば2人を使徒様として迎えに来た事にして、急ぎで無いのなら同行される形で此処を去られてはどうですか?」
「なるほど、それは良いですね。なら、そうします。」
俺がそう言うと明日もあるので、先に失礼して邸に戻り、就寝した。
翌朝、俺は子供達に魔力を与えると教会に向かった。
「これはこれはシュウト様、今日はお祈りでしょうか?」
教会に着くと見た目は会った事の無い人にそう言われたが、俺は誰か分かったので、小声で話し掛けた。
「ガシュウさんどうされたんですか?」
「そろそろ神託を受けに来るだろうと思いましたので、参上致しました。」
「あぁ。ありがとうございます。案内して頂けますか?」
「はい。どうぞ此方へ。」
ガシュウさんはそう言いながらVIP用の部屋に案内されたので、祈りを開始すると神域に行く事が出来た。
久しぶりだから呼ばれて良かったなぁ。
俺がそう思っていると目の前に扉が現れたので、中に入るとライヤ様が椅子に座って待っていた。
「久しぶりね。」
「あぁ、すまない。緊急か?」
「忙しいのは見てたから気にしなくても良いわよ。それに緊急って訳じゃないし、ただ南の火山地帯に貴方を待ってる子が居るから行ってあげてね。」
「やはりそうなのか?」
「それは行ってからのお楽しみね。」
もうその言い方は確定だろ。
俺がそう思っているとライヤ様は微笑んでいた。
「あっ、そうだ。頼みというか、聞きたい事が有るんだが、良いか?」
「大丈夫よ。ラビリスの作った世界の事でしょ。彼処なら私の影響は少なくて済むから。」
「気付いてたのか。」
「貴方が他の仲間が居るのにサブマスターにしなかったし、サブマスター1を空けていたから。」
「あぁ、ありがとう。あの世界を貰った時にもしかしたら人が増えるかもって思ったら俺よりもサブになるのは寿命が長い人に頼もうと思ってな。」
「確かにそれなら私ね。私が居ないとこの世界は無くなっちゃうし。」
「え!?そうなのか?」
「そりゃそうでしょ。私はこの世界の世界神なのよ。」
「それなら別の神がこの世界を守ればいいんじゃないのか?」
「それは出来ないの。だから世界神の居なくなった世界は滅びの道を必ず辿るの。」
「必ずなのか。」
「ええ、必ず。」
「そうか、まぁいいや。じゃあサブマスターに成ってくれるんだな。」
「相変わらず、そういう所は変わらないのね。」
「ん?何か言ったか?」
ライヤ様が何かを言った気がした俺が聞き返すとライヤ様は首を横に振りながら答えた。
「いいえ、何も言ってないわよ。あっ!そうだ、まだ貴方の世界には行けないからラビリスに登録をする様に言っておくわね。」
「まだ行けない?」
「えぇ。彼処は私の世界じゃないから自由には行けないのよ。」
「どうすれば、来れる様になるんだ?」
「そうね。貴方が此処に自分で転送する事が出来るようになるまでは無理ね。」
「そうなのか。出来る様になったらそれも教えてくれ。」
「ええ。良いわよ。あっ時間ね。」
ライヤ様がそう言うと俺はガシュウさんがいる部屋に戻された。
俺がスっと立ち上がるとガシュウさんに声を掛けられた。
「もう宜しいのですか?」
「はい。使命ではありませんが南の火山地帯に行く様にとの神託を受けました。」
「なるほど、でしたら1度王都の方へ行かれた方が宜しいかと。」
「そうなんですか?」
「はい。確かこの国では彼処に入るには許可が必要ですので。」
「火山地帯だからですか?」
「それも有りますが、火山地帯はある種族の自治区でもありますので、そこを無視して行く訳には行かないのです。」
「ある種族?」
「はい。ドワーフです。」
「ドワーフ?あれ?ドワーフってドワーフの国が有るんじゃなかったでしたっけ?」
「はい、御座います。ですが、彼等はドワーフの国とはお互い干渉しない約束しているそうで、人数も少ないので他の国に襲われない様にこの国では自治区として保護しているそうです。」
「そうなんですか。分かりました。リーグさんに頼んでみます。」
「その方が宜しいかと。」
そう言って教会から出た俺はアノスさんに出立の話をして、アノスさんからリーグさんとの話し合いの結果、使徒様として2人を連れて行ってもらいたいという事で、俺と子供達は使徒と聖獣として、ブリステンに入り、2人を連れて王都へ向かった。
「しかしよぅ、まさかメグミちゃんに乗って王都に戻る事になるとは思わなかったぜ。」
「レイの事を正当化するのに必要みたいだったからな。」
「・・・。」
「レイを責めてる訳じゃないぞ。それにこうしないと馬車でそれも隊列を組んで王都に向かうって言われたらこうする他ないだろ。」
「そうだな。流石に俺もそれはかったるいし、面倒だ。」
「王子のお前が言うなよ。」
「いやいや、そういう堅苦しいのが嫌で冒険者で頑張ってんだぞ。」
「まぁそうか。だからレイも気にするな。」
「・・・そうだな。分かった。」
そうこう話していると王都に到着したので、俺は使徒仕様に変装して2人を送り届け、去った様に見せかけて転送で離れに戻った。
「御苦労様で御座いますシュウト様、陛下が執務室にてお待ちで御座いますが、この後のご予定は御座いますでしょうか?」
「何も無いですし、リーグさんにお願いしたい事もあるので、案内してくれますか?」
「承知致しました。」
バトさんはそう言うと先導してくれたので俺は後を着いていった。
考えが纏まったのかラグナさんが質問してきたので、俺は頷いて返した。
「我が軍にも剣が中々成長せぬ者が居るのですが、何か助言をしては貰えませんか?」
「ラグナ!シュウト殿にその様な話を・・・!?」
ラグナさんの言葉にアノスさんが反応して説教をしようとしていたが、俺が手で制止するとアノスさんは驚いて止めた。
「アノスさん、ラグナさんは素晴らしい方ですね。」
「何を仰っているのですか?」
「これだけの地位の方が自分の恥よりも軍を良くする事だけを考え行動出来るのは優れた将のみです。」
俺がそう言うとラグナさんは頭を搔いて照れた様子を見せ、アノスさんは俺の言葉に感銘を受けたのか深々と頷いていた。
「では、ラグナさんに聞きますが、その方はどういうお立場の方ですか?」
「上級士官の者です。」
「でしたらかなりお強いのでは?それとも策略家なのですか?」
「はい。戦略を決めるには欠かせない存在の者です。」
「でしたら、強く有る必要は無いのでは?」
「それが戦えぬ者と謗られるのが耐えられないと軍務を辞めたいと言っておるのです。ですが彼奴以上に優秀な者はいないので、今は何とか引き止めている所なのです。」
「なるほど、剣の腕前はどの位なのですか?」
「スキルレベル3というところです。」
それを聞いてルークを見ると説明してくれた。
「大体冒険者でいうとDランクかCに成れるかギリギリのラインだな。軍務で言ったら中級士官に成れるかどうかってところだろ。」
「なるほど、ではもう1つ、その方は剣以外は使わないのですか?」
「使えない事も無いですが、どれもスキルレベルは2か3です。」
「なるほど、種類は?」
「槍、戦斧、片手剣、両手剣です。」
「力は強い方ですか?」
「いえ、それ程。」
「でしたら弓などは使った経験はありますか?」
「いえ軍では無いはずです。」
「飛び道具に忌避感が有るのですか?」
「・・・確か、有るはずです。」
「差し支えなければお話する事は出来ますか?」
「・・・彼の者の親は猟師をしているそうなのですが、子供の頃に憧れて練習していた時にお前は弓を使うなと怒られたそうです。」
「・・・もし、想像通りなら弓に関してはレイの様に相当駄目なのか、誰よりも才能が有るかの何方かだと思います。弓は軍務の中では馬鹿にされる様な物ですか?」
「いえ、そんな事はありません。」
「では狙った場所に10本射させて全部外れるなら前者、10本中半数以上当たるなら後者だと思われます。」
「分かりました。無理にでもやらせてみます。」
「それで拒否するのであれば元々強くなりたいと心の底からは思っていないのだと思います。それにもし、弓の実力がかなり高い者であれば戦略的に有利に出来る事も分かると思われます。」
「分かりました。御指導感謝致します。」
「いえいえ参考になったのなら良かったです。」
ラグナさんとの話が終わるとアノスさんが声を掛けてきた。
「何から何まで助けて頂いた事、感謝致す。」
「自分が出来る事をしたまでです。」
「それで、もう遅い時間だが食事など御一緒せぬか?」
「いや、アイテムボックス改の中に待ってる人達も居るんで。」
「それは彼の者達かのぅ。」
「そうですね。」
「ならば安心せよ。その者らも呼んで一緒に食事をすれば良い。」
「え?でも・・・。」
「確かに孫を傷付けようとした実行犯ではあるが本人の意思とは関係ない状態にさせられた上にあの状況では仕方ない事じゃ。」
「そんなに割り切れるものですかぁ。」
「あの様なモノを見てしまってわのぅ。」
「あぁ。」
アノスさんがそう言ったので、ツバキの過去を思い出して、何も言えなくなった。
「まぁ、兎に角、儂はあの者らに関して同情はすれど、恨みを持つ事はないでの。それにあの者らが責任を感じぬ様には難しいかもしれんが、必要以上に思う必要は無い事も伝えたいのじゃ。」
「分かりました。では一緒にお願いします。」
その後、サスケ達を呼びに行き、戻ってからアノスさん達と食事をする事にした。
流石にサスケ達は自分の罪を許せない様で終始謝っていたが、食事の最後にアノスさんが「これ以上はシュウト殿に迷惑が掛かるゆえ、謝るでない。」と言うとサスケ達は最後に深々と頭を下げて話は終わった。その後は暫く雑談をしてお開きになるタイミングでアノスさんから声が掛かった。
「シュウト殿は明日はどうされるのじゃ?」
「長い期間自由にさせてもらったので、1度教会に行こうかと思っています。」
「なるほどのぅ・・・。」
「どうされたんですか?」
「いや、ルーク王子やレイはそろそろ王都の方へ行かねばならんと思っての。」
「あっ!なるほど・・・どうしようもう少し2人を鍛えようと思ってたんですけど、それだと2人は行かせた方が良いのか。」
アノスさんと2人で話しているとラグナさんが声を掛けてきた。
「シュウト殿、明日教会に行った後、急ぎならば2人を使徒様として迎えに来た事にして、急ぎで無いのなら同行される形で此処を去られてはどうですか?」
「なるほど、それは良いですね。なら、そうします。」
俺がそう言うと明日もあるので、先に失礼して邸に戻り、就寝した。
翌朝、俺は子供達に魔力を与えると教会に向かった。
「これはこれはシュウト様、今日はお祈りでしょうか?」
教会に着くと見た目は会った事の無い人にそう言われたが、俺は誰か分かったので、小声で話し掛けた。
「ガシュウさんどうされたんですか?」
「そろそろ神託を受けに来るだろうと思いましたので、参上致しました。」
「あぁ。ありがとうございます。案内して頂けますか?」
「はい。どうぞ此方へ。」
ガシュウさんはそう言いながらVIP用の部屋に案内されたので、祈りを開始すると神域に行く事が出来た。
久しぶりだから呼ばれて良かったなぁ。
俺がそう思っていると目の前に扉が現れたので、中に入るとライヤ様が椅子に座って待っていた。
「久しぶりね。」
「あぁ、すまない。緊急か?」
「忙しいのは見てたから気にしなくても良いわよ。それに緊急って訳じゃないし、ただ南の火山地帯に貴方を待ってる子が居るから行ってあげてね。」
「やはりそうなのか?」
「それは行ってからのお楽しみね。」
もうその言い方は確定だろ。
俺がそう思っているとライヤ様は微笑んでいた。
「あっ、そうだ。頼みというか、聞きたい事が有るんだが、良いか?」
「大丈夫よ。ラビリスの作った世界の事でしょ。彼処なら私の影響は少なくて済むから。」
「気付いてたのか。」
「貴方が他の仲間が居るのにサブマスターにしなかったし、サブマスター1を空けていたから。」
「あぁ、ありがとう。あの世界を貰った時にもしかしたら人が増えるかもって思ったら俺よりもサブになるのは寿命が長い人に頼もうと思ってな。」
「確かにそれなら私ね。私が居ないとこの世界は無くなっちゃうし。」
「え!?そうなのか?」
「そりゃそうでしょ。私はこの世界の世界神なのよ。」
「それなら別の神がこの世界を守ればいいんじゃないのか?」
「それは出来ないの。だから世界神の居なくなった世界は滅びの道を必ず辿るの。」
「必ずなのか。」
「ええ、必ず。」
「そうか、まぁいいや。じゃあサブマスターに成ってくれるんだな。」
「相変わらず、そういう所は変わらないのね。」
「ん?何か言ったか?」
ライヤ様が何かを言った気がした俺が聞き返すとライヤ様は首を横に振りながら答えた。
「いいえ、何も言ってないわよ。あっ!そうだ、まだ貴方の世界には行けないからラビリスに登録をする様に言っておくわね。」
「まだ行けない?」
「えぇ。彼処は私の世界じゃないから自由には行けないのよ。」
「どうすれば、来れる様になるんだ?」
「そうね。貴方が此処に自分で転送する事が出来るようになるまでは無理ね。」
「そうなのか。出来る様になったらそれも教えてくれ。」
「ええ。良いわよ。あっ時間ね。」
ライヤ様がそう言うと俺はガシュウさんがいる部屋に戻された。
俺がスっと立ち上がるとガシュウさんに声を掛けられた。
「もう宜しいのですか?」
「はい。使命ではありませんが南の火山地帯に行く様にとの神託を受けました。」
「なるほど、でしたら1度王都の方へ行かれた方が宜しいかと。」
「そうなんですか?」
「はい。確かこの国では彼処に入るには許可が必要ですので。」
「火山地帯だからですか?」
「それも有りますが、火山地帯はある種族の自治区でもありますので、そこを無視して行く訳には行かないのです。」
「ある種族?」
「はい。ドワーフです。」
「ドワーフ?あれ?ドワーフってドワーフの国が有るんじゃなかったでしたっけ?」
「はい、御座います。ですが、彼等はドワーフの国とはお互い干渉しない約束しているそうで、人数も少ないので他の国に襲われない様にこの国では自治区として保護しているそうです。」
「そうなんですか。分かりました。リーグさんに頼んでみます。」
「その方が宜しいかと。」
そう言って教会から出た俺はアノスさんに出立の話をして、アノスさんからリーグさんとの話し合いの結果、使徒様として2人を連れて行ってもらいたいという事で、俺と子供達は使徒と聖獣として、ブリステンに入り、2人を連れて王都へ向かった。
「しかしよぅ、まさかメグミちゃんに乗って王都に戻る事になるとは思わなかったぜ。」
「レイの事を正当化するのに必要みたいだったからな。」
「・・・。」
「レイを責めてる訳じゃないぞ。それにこうしないと馬車でそれも隊列を組んで王都に向かうって言われたらこうする他ないだろ。」
「そうだな。流石に俺もそれはかったるいし、面倒だ。」
「王子のお前が言うなよ。」
「いやいや、そういう堅苦しいのが嫌で冒険者で頑張ってんだぞ。」
「まぁそうか。だからレイも気にするな。」
「・・・そうだな。分かった。」
そうこう話していると王都に到着したので、俺は使徒仕様に変装して2人を送り届け、去った様に見せかけて転送で離れに戻った。
「御苦労様で御座いますシュウト様、陛下が執務室にてお待ちで御座いますが、この後のご予定は御座いますでしょうか?」
「何も無いですし、リーグさんにお願いしたい事もあるので、案内してくれますか?」
「承知致しました。」
バトさんはそう言うと先導してくれたので俺は後を着いていった。
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