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第134話 [部下?家来?忠臣?]
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「それで攻略組とは何だ?」
サスケが質問するとガシュウさんが詳しく3人に説明してくれた。
「なるほど、しかしそれなら俺達は何をすれば良いんだ?」
「それは後々、必要になってくると思いますが基本的には他の方とは別のランクの高いダンジョンに入って貰う事になると思われますよ。」
ガシュウさんが俺の代わりにそう言うので、気になる事を聞いてみた。
「後々とは?暗殺の類いはして欲しくないんですけど。」
「そう言う事ではありませんよ。それにその様な輩はシュウト様に近づく事は避けるでしょう。」
「なら、何を?」
「1つ目は情報で御座います。」
「情報?」
「はい。シュウト様が今後何かを必要とした時に1人では大変な場合、情報を手に入れてもらう為に動いてもらいます。2つ目ですが、仮にこの前の様な災害が発生すると分かったとして、シュウト様、御自身が動けない場合、動いてもらいます。」
「なるほど、確かに何時、神託が降りるかは分からないですからね。」
「そして、3つ目ですが、殲星会です。」
「それは危険ではないですか?」
俺がガシュウさんにそう言うとサスケさんが話に割って入ってきた。
「シュウト、殲星会が危険なのは知っているがやらせて欲しい。」
「どうしてだ?」
「俺の妻は殲星会の企みによって殺された可能性が有るんだ。」
「母上が死んだのはその所為だったのですか!?」
「あぁ、隠していてすまない。」
「良かった、ボタンの所為じゃなかったんだ。」
「誰がその様な事を言ったんだ!」
「父上の部下だったミツヒデです。」
「クッ!やはり彼奴も加担していたか!」
「父上、どうしてそうなるのですか?」
「彼奴も娘に非が無い事は知っている。それなのに娘にその様な事を吹き込むとは!」
サスケが怒りに拳を握り締めるとガシュウさんが声を掛けた。
「それは違うかもしれませんよ。」
「どういう事でしょうか?」
「これだけ長い期間、記憶を改ざんし続けるのはかなり難しい事なのです。それでこそ、かなりレベルの高い者でない限り。それが可能であるならば、忠臣であったとしても一時的に記憶の操作は可能だと思われます。」
「なるほど・・・ならばあの女狐か。」
「心当たりがあるのですか?」
「はい。ミツヒデは硬派な奴で女に入れあげる様な奴では無かったのだ。」
「確かに気になりますが確証はあるのですか?」
「いや、時期が重なるだけです。」
「そうですか。確証のないことで、手出しをすれば此方の負けです。シュウト様の部下になる以上確証のない事で動くのは良いとは思えませんよ。」
「分かっております。過去の過ちは繰り返しません。」
「それは良かった。」
ガシュウさんが話し終わったタイミングでサスケに聞いてみた。
「サスケ、俺はガシュウさんやアノスさんには悪いが、何年か後、お前達の罪を許して貰えるように動くつもりだ。その後はどうする?ヤマトへ帰るか?」
「いや、ヤマトへは仕事なら別だが、何があろうと帰れないんだ。」
「その理由は聞いても良いか?」
「大丈夫だ。先程の話と繋がるんだが、妻が死に子供達が拐われた原因だった将軍を殺めてるんだ。その所為で国外追放になってるから帰ることが許されないんだ。」
「そうなのか。悪い事を聞いたな。なら、どうする?また冒険者として、復帰するのか?」
「いや、ツバキは分からないが、俺はシュウトに着いて行きたい。」
「恩を感じてるなら気にしなくて良いぞ。」
「確かに恩は感じてるがそれだけじゃないんだ。1つは、シンジ様だ。俺の一族は白虎様を信仰してるのは言ったよな。」
「あぁ、そうらしいな。」
「その主人である使徒様に着いていくのは俺の一族にとっては何よりも誉れなんだ。そして一番は俺がそうしたいんだ。これまで話をして、行動を見て、一生を掛けて仕える主君を見つけたと思ってるんだ。」
「お、おぉ、ありがと。ところで、もう1つ聞いても良いか?」
「何だ?」
「同じヤマト出身でも語尾にござるとかそういう言い回しはしないんだなぁ。」
「俺の喋り方、何か変なのか?」
「なんていうか所々イントネーションが変で聞き取りづらいというか違和感しかないんだよ。」
「馬鹿にされるからこっちの話し方に直したつもりだったんだけどなぁ。」
「馬鹿にされる?なんで?」
「こっちに来たばかりの時に色々言われたんだ。田舎者とかござるって何だよとか。」
「ヤマトって田舎なのか?」
「いや、建物の造りが違うだけで、此処とそう変わらん。」
「ならハッキリ言うが嫌われてたんじゃないか?そいつら今の話し方にしてから何も言わなくならなかったか?」
「おう。何で分かるんだ?」
「かなり変だから。」
「そんなにか?」
「あぁ、さっきからツバキも笑いを堪えてるぞ。」
「・・・い、言わないでよ・・・耐えてるだから・・・。」
俺がそう言うと体を震わせながら返事をしてきた。その様子を見て、サスケは酷く落ち込んでいた。
「クソッ!彼奴ら・・・。」
「何で嫌われたのかは知らないけど、元に戻したらいいんじゃないか?俺はヤマトの人間らしくて良いと思うぞ。」
「そう・・・でござるか?拙者もその方が楽でござるが・・・。」
「他がどう思おうと気にする事は無いぞ。ただ不思議だよなぁ、何でリョウマは良くてサスケは駄目だったんだ?当たりが悪かったのか?」
俺がそう言うとルークが声を掛けてきた。
「それも有るだろうが、多分別の理由だと思うぞ。」
「ルークは何か知ってるのか?」
「サスケさんがというよりも獣人がというか、エルフもドワーフも同じ扱いを受けた時期が有るんだ。」
「どういう事だ?」
「・・・。」
「シュウト様、言い難いでしょうからそこからは私が説明致しましょう。」
「言い難い?」
「はい。人族がこの話をすると気まずいというか、王子としての立場上、話すべきでは無いとされてますので。」
「そうなんですか?」
「はい。殲星会が起こした世界規模の事件の後、ゲオルギ帝国も多大な被害を受けました。その所為もあって比較的被害の少なかった王国にも帝国からの難民が入って来たのですが、帝国では選民意識が強く、私達人族では無い者を亜人として蔑称で呼び、奴隷扱いが普通の人間が大多数を占めており、王国に来てからもそれによる事件が多発したのです。幸い、早目に気付いたリーグが法律を創り、沈静化しましたが、法律で取り締まるにはギリギリのラインで差別する輩が居たのです。」
「そんなに酷かったんですか。」
「はい。ただ王国は元々四聖獣を崇拝している文化なので、虎人族、鳥人族、竜人族、亀人族、蛇人族は、眷属もしくは子孫として扱われている為、馬鹿にした人間からは人が離れて行きましたので、今ではエルフもドワーフも獣人も気楽に歩ける状況になっていますね。」
「それにしては見当たらない気がするのですが。」
「それは好む環境の差ですね。実際、森に近い都市や鉱山に近い都市は比較的多く居ますよ。」
「そうなんですね。何か安心しました。」
「此方も安心致しました。シュウト様はやはり差別をされる方ではありませんでしたね。」
「区別は必要だと思いますが差別はする意味が無いですからね。気分も悪いですし。」
「そうですね。では、先程話した事を宜しくお願い致します。」
「話した事?・・・あぁ、真司の事ですね。分かりました。じゃあ入って下さい。」
そう言ってガシュウさんをアイテムボックス改に入ってもらい、続けてレイも中に入った。
!!?
「教皇様達は何処でござるか!?」
「俺のアイテムボックス改の中に入ってもらった。」
「アイテムボックス!!?アレは中に入れるモノでは無かったはずでござるよ!」
「だから改なんだ。」
「・・・流石でござるな。」
サスケが驚きを隠せ無いでいると残りの2人も口を開けて固まっていた。するとルークが声を掛けていた。
「ボタンちゃんは一緒に行くか?」
「・・・ルーク兄ちゃん?・・・御病気?」
ボタンちゃんはルークの痩せこけた顔を見て首を傾げながらそう言うとルークは頭を掻きながら答えていた。
「参ったなぁ。病気って訳じゃねぇんだよ。」
「じゃあどうしたのさ。その痩せ方は異常だよ?」
ルークがボタンちゃんにそう言うとツバキが声を掛けてきて対応に困ったのか、ルークが俺を見た所為で3人が俺の方を見てきた。
「ルーク本人の希望でかなり無茶な修行をしたんだ。」
「「修行って・・・。」」
唖然としている2人を放っておいてルークはボタンちゃんの前で膝を着き、肩に手を当て門を指さした。
「あれ?あんなのさっきまで無かったよ?」
「そうだな。さっきまでは見えなかったんだよ。」
「彼処に入るの?」
「あぁ、良い所だよ。」
「そうなんだ。」
ボタンちゃんはそう言うとルークと入ろうとするとツバキが逸早く我に返ってルークを掴まえた。
「何処に!・・・何これ?」
「この門を通れば、使徒であるシュウトの世界とも言える場所に入れるんだ。」
「そうなのか。」
ツバキはそう言うと3人で中に入っていった。
「ツバキ!ボタン!」
2人が消えて驚くサスケの肩に手を置いた。
「門?コレが言ってた門でござるか?」
「そう。じゃあ入るぞ。」
「分かったでござる。」
そう言って中に入ると子供達とボタンちゃんが一緒に遊ぼうとしていたが、俺が入ったのを気付いた子供達は俺目掛けて走ってきた。
「「父(とう)ちゃん!」」
子供達の凄まじい勢いを全身の力を使って勢いを殺し、子供達を撫でてやった。
「友達が出来たの♪」
「ボクも♪」
「そうか、良かったな。遊んでおいで、但し、加減はするんだぞ。」
「「わかったぁ♪」」
子供達はそう言うとボタンちゃんの下へ戻っていき、走り回って遊んでいた。するとサスケから話し掛けてきた。
「シュウト、拙者の聞き違いじゃ無ければあの子達はシュウトの事を父と呼んでいなかったでござるか?」
「あぁ、年齢的に可笑しいか。」
「そうでござる。確かシュウトは人族のはずでござろう?」
「確かに現世では血の繋がりはないが、前世の子供達なんだ。」
「そんなにハッキリ分かるでござるか。」
「あぁ、あの子達も見た目も全然違うのに父親って直ぐに分かったぐらいにはな。」
「その様な事が・・・強い絆で結ばれてるでござるなぁ。」
「あぁ、本当はもう1人居て何方かだとは思ってるから直ぐに逢いに行きたいんだけど、色々あって延びてるんだ。あっ、因みに男の子の方が真司で女の子の方が恵美な。」
「シンジ?・・・まさか・・・。」
「あぁ、想像通り真司は白虎だ。因みに恵美は青龍な。」
「なっ!」
サスケは驚いてボタンちゃんを止めに入ろうとしたが、俺が肩を掴んで止めた。
「今はこのままで。」
「し、しかし・・・。」
「今は人化してるだろ?」
「そ、そうでござるな。」
俺達はそのまま子供達が遊んでいるのをただ眺めていた。
サスケが質問するとガシュウさんが詳しく3人に説明してくれた。
「なるほど、しかしそれなら俺達は何をすれば良いんだ?」
「それは後々、必要になってくると思いますが基本的には他の方とは別のランクの高いダンジョンに入って貰う事になると思われますよ。」
ガシュウさんが俺の代わりにそう言うので、気になる事を聞いてみた。
「後々とは?暗殺の類いはして欲しくないんですけど。」
「そう言う事ではありませんよ。それにその様な輩はシュウト様に近づく事は避けるでしょう。」
「なら、何を?」
「1つ目は情報で御座います。」
「情報?」
「はい。シュウト様が今後何かを必要とした時に1人では大変な場合、情報を手に入れてもらう為に動いてもらいます。2つ目ですが、仮にこの前の様な災害が発生すると分かったとして、シュウト様、御自身が動けない場合、動いてもらいます。」
「なるほど、確かに何時、神託が降りるかは分からないですからね。」
「そして、3つ目ですが、殲星会です。」
「それは危険ではないですか?」
俺がガシュウさんにそう言うとサスケさんが話に割って入ってきた。
「シュウト、殲星会が危険なのは知っているがやらせて欲しい。」
「どうしてだ?」
「俺の妻は殲星会の企みによって殺された可能性が有るんだ。」
「母上が死んだのはその所為だったのですか!?」
「あぁ、隠していてすまない。」
「良かった、ボタンの所為じゃなかったんだ。」
「誰がその様な事を言ったんだ!」
「父上の部下だったミツヒデです。」
「クッ!やはり彼奴も加担していたか!」
「父上、どうしてそうなるのですか?」
「彼奴も娘に非が無い事は知っている。それなのに娘にその様な事を吹き込むとは!」
サスケが怒りに拳を握り締めるとガシュウさんが声を掛けた。
「それは違うかもしれませんよ。」
「どういう事でしょうか?」
「これだけ長い期間、記憶を改ざんし続けるのはかなり難しい事なのです。それでこそ、かなりレベルの高い者でない限り。それが可能であるならば、忠臣であったとしても一時的に記憶の操作は可能だと思われます。」
「なるほど・・・ならばあの女狐か。」
「心当たりがあるのですか?」
「はい。ミツヒデは硬派な奴で女に入れあげる様な奴では無かったのだ。」
「確かに気になりますが確証はあるのですか?」
「いや、時期が重なるだけです。」
「そうですか。確証のないことで、手出しをすれば此方の負けです。シュウト様の部下になる以上確証のない事で動くのは良いとは思えませんよ。」
「分かっております。過去の過ちは繰り返しません。」
「それは良かった。」
ガシュウさんが話し終わったタイミングでサスケに聞いてみた。
「サスケ、俺はガシュウさんやアノスさんには悪いが、何年か後、お前達の罪を許して貰えるように動くつもりだ。その後はどうする?ヤマトへ帰るか?」
「いや、ヤマトへは仕事なら別だが、何があろうと帰れないんだ。」
「その理由は聞いても良いか?」
「大丈夫だ。先程の話と繋がるんだが、妻が死に子供達が拐われた原因だった将軍を殺めてるんだ。その所為で国外追放になってるから帰ることが許されないんだ。」
「そうなのか。悪い事を聞いたな。なら、どうする?また冒険者として、復帰するのか?」
「いや、ツバキは分からないが、俺はシュウトに着いて行きたい。」
「恩を感じてるなら気にしなくて良いぞ。」
「確かに恩は感じてるがそれだけじゃないんだ。1つは、シンジ様だ。俺の一族は白虎様を信仰してるのは言ったよな。」
「あぁ、そうらしいな。」
「その主人である使徒様に着いていくのは俺の一族にとっては何よりも誉れなんだ。そして一番は俺がそうしたいんだ。これまで話をして、行動を見て、一生を掛けて仕える主君を見つけたと思ってるんだ。」
「お、おぉ、ありがと。ところで、もう1つ聞いても良いか?」
「何だ?」
「同じヤマト出身でも語尾にござるとかそういう言い回しはしないんだなぁ。」
「俺の喋り方、何か変なのか?」
「なんていうか所々イントネーションが変で聞き取りづらいというか違和感しかないんだよ。」
「馬鹿にされるからこっちの話し方に直したつもりだったんだけどなぁ。」
「馬鹿にされる?なんで?」
「こっちに来たばかりの時に色々言われたんだ。田舎者とかござるって何だよとか。」
「ヤマトって田舎なのか?」
「いや、建物の造りが違うだけで、此処とそう変わらん。」
「ならハッキリ言うが嫌われてたんじゃないか?そいつら今の話し方にしてから何も言わなくならなかったか?」
「おう。何で分かるんだ?」
「かなり変だから。」
「そんなにか?」
「あぁ、さっきからツバキも笑いを堪えてるぞ。」
「・・・い、言わないでよ・・・耐えてるだから・・・。」
俺がそう言うと体を震わせながら返事をしてきた。その様子を見て、サスケは酷く落ち込んでいた。
「クソッ!彼奴ら・・・。」
「何で嫌われたのかは知らないけど、元に戻したらいいんじゃないか?俺はヤマトの人間らしくて良いと思うぞ。」
「そう・・・でござるか?拙者もその方が楽でござるが・・・。」
「他がどう思おうと気にする事は無いぞ。ただ不思議だよなぁ、何でリョウマは良くてサスケは駄目だったんだ?当たりが悪かったのか?」
俺がそう言うとルークが声を掛けてきた。
「それも有るだろうが、多分別の理由だと思うぞ。」
「ルークは何か知ってるのか?」
「サスケさんがというよりも獣人がというか、エルフもドワーフも同じ扱いを受けた時期が有るんだ。」
「どういう事だ?」
「・・・。」
「シュウト様、言い難いでしょうからそこからは私が説明致しましょう。」
「言い難い?」
「はい。人族がこの話をすると気まずいというか、王子としての立場上、話すべきでは無いとされてますので。」
「そうなんですか?」
「はい。殲星会が起こした世界規模の事件の後、ゲオルギ帝国も多大な被害を受けました。その所為もあって比較的被害の少なかった王国にも帝国からの難民が入って来たのですが、帝国では選民意識が強く、私達人族では無い者を亜人として蔑称で呼び、奴隷扱いが普通の人間が大多数を占めており、王国に来てからもそれによる事件が多発したのです。幸い、早目に気付いたリーグが法律を創り、沈静化しましたが、法律で取り締まるにはギリギリのラインで差別する輩が居たのです。」
「そんなに酷かったんですか。」
「はい。ただ王国は元々四聖獣を崇拝している文化なので、虎人族、鳥人族、竜人族、亀人族、蛇人族は、眷属もしくは子孫として扱われている為、馬鹿にした人間からは人が離れて行きましたので、今ではエルフもドワーフも獣人も気楽に歩ける状況になっていますね。」
「それにしては見当たらない気がするのですが。」
「それは好む環境の差ですね。実際、森に近い都市や鉱山に近い都市は比較的多く居ますよ。」
「そうなんですね。何か安心しました。」
「此方も安心致しました。シュウト様はやはり差別をされる方ではありませんでしたね。」
「区別は必要だと思いますが差別はする意味が無いですからね。気分も悪いですし。」
「そうですね。では、先程話した事を宜しくお願い致します。」
「話した事?・・・あぁ、真司の事ですね。分かりました。じゃあ入って下さい。」
そう言ってガシュウさんをアイテムボックス改に入ってもらい、続けてレイも中に入った。
!!?
「教皇様達は何処でござるか!?」
「俺のアイテムボックス改の中に入ってもらった。」
「アイテムボックス!!?アレは中に入れるモノでは無かったはずでござるよ!」
「だから改なんだ。」
「・・・流石でござるな。」
サスケが驚きを隠せ無いでいると残りの2人も口を開けて固まっていた。するとルークが声を掛けていた。
「ボタンちゃんは一緒に行くか?」
「・・・ルーク兄ちゃん?・・・御病気?」
ボタンちゃんはルークの痩せこけた顔を見て首を傾げながらそう言うとルークは頭を掻きながら答えていた。
「参ったなぁ。病気って訳じゃねぇんだよ。」
「じゃあどうしたのさ。その痩せ方は異常だよ?」
ルークがボタンちゃんにそう言うとツバキが声を掛けてきて対応に困ったのか、ルークが俺を見た所為で3人が俺の方を見てきた。
「ルーク本人の希望でかなり無茶な修行をしたんだ。」
「「修行って・・・。」」
唖然としている2人を放っておいてルークはボタンちゃんの前で膝を着き、肩に手を当て門を指さした。
「あれ?あんなのさっきまで無かったよ?」
「そうだな。さっきまでは見えなかったんだよ。」
「彼処に入るの?」
「あぁ、良い所だよ。」
「そうなんだ。」
ボタンちゃんはそう言うとルークと入ろうとするとツバキが逸早く我に返ってルークを掴まえた。
「何処に!・・・何これ?」
「この門を通れば、使徒であるシュウトの世界とも言える場所に入れるんだ。」
「そうなのか。」
ツバキはそう言うと3人で中に入っていった。
「ツバキ!ボタン!」
2人が消えて驚くサスケの肩に手を置いた。
「門?コレが言ってた門でござるか?」
「そう。じゃあ入るぞ。」
「分かったでござる。」
そう言って中に入ると子供達とボタンちゃんが一緒に遊ぼうとしていたが、俺が入ったのを気付いた子供達は俺目掛けて走ってきた。
「「父(とう)ちゃん!」」
子供達の凄まじい勢いを全身の力を使って勢いを殺し、子供達を撫でてやった。
「友達が出来たの♪」
「ボクも♪」
「そうか、良かったな。遊んでおいで、但し、加減はするんだぞ。」
「「わかったぁ♪」」
子供達はそう言うとボタンちゃんの下へ戻っていき、走り回って遊んでいた。するとサスケから話し掛けてきた。
「シュウト、拙者の聞き違いじゃ無ければあの子達はシュウトの事を父と呼んでいなかったでござるか?」
「あぁ、年齢的に可笑しいか。」
「そうでござる。確かシュウトは人族のはずでござろう?」
「確かに現世では血の繋がりはないが、前世の子供達なんだ。」
「そんなにハッキリ分かるでござるか。」
「あぁ、あの子達も見た目も全然違うのに父親って直ぐに分かったぐらいにはな。」
「その様な事が・・・強い絆で結ばれてるでござるなぁ。」
「あぁ、本当はもう1人居て何方かだとは思ってるから直ぐに逢いに行きたいんだけど、色々あって延びてるんだ。あっ、因みに男の子の方が真司で女の子の方が恵美な。」
「シンジ?・・・まさか・・・。」
「あぁ、想像通り真司は白虎だ。因みに恵美は青龍な。」
「なっ!」
サスケは驚いてボタンちゃんを止めに入ろうとしたが、俺が肩を掴んで止めた。
「今はこのままで。」
「し、しかし・・・。」
「今は人化してるだろ?」
「そ、そうでござるな。」
俺達はそのまま子供達が遊んでいるのをただ眺めていた。
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