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第107話 [再会〜新たなる仲間]

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俺が転送で指示された場所に着くと本当に周りに何も無い、海崖の上だった。

「おぉ、本当に海だ。潮の香りがするなぁ。」

俺はそう思いながらも一応、魔力の回復をして息子を呼ぶ為にアイテムボックス改の森/川フィールドに入ると息子は大の字になって寝ていた。

「真司、真司。」

『ん?・・・んんんんん、なにぃ~とうちゃん。』

「多分、大丈夫なんだけど戦闘になったらお前の力も借りなきゃいけないかもしれないから起きてくれるか?」

俺がそう言うと息子は瞬時に体を起こし、伸びをすると真剣な表情に変わった。

おっ、あの甘えん坊が・・・やっぱり1人この世界に転生して頑張ってたんだな。

俺が1人感慨深い想いに浸っていると息子から声を掛けられた。

『とうちゃん、いかないの?』

「そうだな。」

そう言いながら撫でてやると不思議そうな顔をしながら俺に着いて森/川フィールドを出た。

「さて、魔力を放出するから一寸下がっててな。」

俺はそう言うと息子が離れたのを確認して、魔力操作で抑え込んでいた魔力を一気に放出した。

さて、後は待つだけ・・・ん?

俺が放出した瞬間、息子が東の方をじっとみていたので、イーグルアイを発動して上空から東の方を確認した。

ん?・・・龍?・・・物凄いスピードでこっちに来てる!?

とんでもないスピードで龍らしきものが近づき、次の瞬間通り過ぎたと思ったらそのまま上空で旋回し、ボン!と煙になったと思った瞬間、人型になって落ちてきた。

「ん?・・・!?・・・め、恵美!!?」

「とうちゃーーーん!」

ドーーーン!!!

前世の恵美の姿になった龍はそのまま落ちてきたので俺は慌てて受け止めた。

「ゲホッゴホッ・・・お、お前なのか?」

「うん♪めぐみだよ♪」

「何で前世の姿・・・いや、角が生えてる?」

「そうだよ。今の私は青龍なんだぁ。けど、いつか父ちゃんが来ると思って人化の練習をいっぱいしたんだよ♪」

「そうなのか・・・。」

「あれ?父ちゃん泣いてる?」

「あぁ、嬉しくてな。」

「そうなんだぁ・・・グズッ・・・わーーーーん!父ちゃん会いたがったよぅーーー!!」

俺が涙を零すと恵美も相当寂しかったのか大泣きしながら俺に抱き着いてきたので、俺も抱きしめて、頭を撫でてあげた。

暫く撫でていると泣き止んだので声を掛けてみた。

「恵美も生まれた時から1人だったのか?」

「うん。おばあちゃんは居たけど、聖獣に親は居ないんだって。」

「おばあちゃん?」

「多分、もうすぐ来るよ。ところで父ちゃん、めぐみもってどういう事?」

「そこに真司が居るからな。」

「真司!?・・・真司は魔物になったの?」

変装したままの真司を見て、恵美がそう言うと真司は変装を解いて胸を張った。

『ちがうもん。ボクもせいじゅうだもん。』

「わ!?白黒に成った!どういう事?」

「真司は人化が出来ないから魔道具で色を変えてるんだよ。」

「何でそんなに面倒くさい事してるの?」

「白虎のまま、街に行くと騒ぎになるんだよ。で、真司が白虎になった時点で、父さんの正体もバレるから街に居づらくなるんだ。」

「何で?」

恵美がそう言うと辺りが暗くなったと思ったら上の方から恵美に対して返答が帰ってきた。

「それはシュウト様がアストライアー様の使徒様だからよ。」

その声の方向を見ると山の様に大きい海龍の頭が有った。

!!?

俺が余りの大きさに唖然としていると恵美の笑い声が聞こえた。

「アハハッ、父ちゃん変な顔。アハハッ。」

俺は悪しき者では無い事が何となく分かると恵美に話し掛けていた海龍に声を掛けた。

「何方ですか?」

「おばあちゃんだよ♪」

「コレ!それじゃあ分からないでしょ。」

「ごめんなさ~い。」

「失礼しましたシュウト様、私は海龍の聖獣リヴィアタンでございます。」

「それはご丁寧に、自分はシュウト・オオヤマジと申します。」

「父ちゃん、おばあちゃんが生まれたばかりのめぐみに色々教えてくれたんだよ、」

「そうなのですか!?此の度は本当にありがとうございます。」

「礼は不要です。私もハク様から仰せつかった事ですので。」

「そうなのですね。なら、また会った時にでもお礼を言っておきます。」

俺がそう言うとリヴィアタンさんは目を見開いて驚いていたが、直ぐに冷静になった。

「流石、アストライアー様の使徒様ですね。」

「何がですか?」

「アストライアー様以外の神々の使徒様は御声は直接聞けても会う事は出来ないそうです。」

「そうなんですか?何回か呼ばれてたんで、使徒とはそういうものかと思っていました。」

「そこまでの余力が無いとハク様から聞いた事がございます。」

「なるほど、そういうモノなんですね。」

俺とリヴィアタンさんが話していると恵美は飽きたのか、真司に人化の魔法を教えていた。

「そういえば、リヴィアタンさんも人化は出来るんですか?」

「リヴィアで良いですよ。人化は出来ますが、必要がないのでしていません。それに人化をして人型になってしまうと本来の力の10分の1しか力を出す事が出来ないので聖域を護る我々はしない方が良いのです。」

「なるほど、確かにその方が良さそうですね。ところで聖域とは何処に在るのですか?」

「此処から東にある島ですが、何故それを?」

「いや、恵美に会いに行くのに場所が分からないと拙いと思いまして。」

俺がそう言うと恵美が振り返ってそのまま走ってきて、俺に抱き着いてきた。

「めぐみは一緒に行ったら邪魔なの?」

恵美は涙を浮かべながらそう言ってきたのでリヴィアさんを見た。

「連れて行ってもらっても問題ないですよ。」

「良いんですか!恵美!一緒に行けるって!」

「ホント?」

「ええ、ハク様にもシュウト様が来たらメグミをシュウト様の従魔として、お仕え出来る様に鍛えなさいとの仰せつかったので。」

「ヤッター!!真司、一緒に行けるって♪」

そう言うと恵美は真司に抱き着いて嬉しそうにしていた。

「何から何まで本当にありがとうごさいました。何かお礼を差し上げたいのですが。」

「そうですねぇ不要と言いたいところですが、それではシュウト様のお気が済まないと思いますので・・・先程、放出したであろう魔力はこの子達が食べてしまったので、もう一度、放出して頂いてもよろしいですか?」

「それぐらいなら全然良いですけど1つ聞きたい事があるんですけど良いですか?」

俺の言葉にリヴィアさんは嬉しそうに「何でしょう?」と言われたので質問した。

「前から思ってたんですけど、自分の魔力って、そんなに良いモノなんですか?」

俺の質問に悩みながらリヴィアさんは答えてくれた。

「そうですねぇ、何と言えば・・・聖域で発生している魔力をの凝縮したとでも言えば分かりやすいですか?」

「それが良いんですか?」

「はい。我々聖獣からすると魔物の魔石以上に濃い聖域の魔力は傷を癒し、尚且つ成長出来るモノなので。」

俺はその返答に少し考えてある物をリヴィアさんに差し出した。

「なら、コレは如何ですか?」

「何でしょう。更に濃厚な感じがするのですが。」

「魔宝玉と言いまして、自分の魔力を合成した物です。普通の人間には、魔力が膨大に回復し過ぎて危険ですが、聖獣の方ならば受け入れられるかなっと。」

「では。」

リヴィアさんはそう言うと俺の前で口を開けたので、俺は魔宝玉を投げ入れた。

「こ、これは!?・・・!!?」

リヴィアさんがそう言うとリヴィアさんは一回り大きくなった。

「ど、どうですか?」

「シュウト様、ありがとうございます。もう限界だと思っていた壁を越える事が出来ました。これ以上のお礼はありません。」

リヴィアさんがいたく喜んでくれたので、聖獣にお礼する時はコレにしようと決め、1つ質問をした。

「リヴィアさん、聖獣を成長させれるのであれば、コレを子供達にあげても大丈夫なんですか?」

「それは止めておいた方が良いでしょう。彼女達はまだ聖獣の中でも幼聖体の段階です。そして、メグミもこれからはシュウト様の濃い魔力で成長していく事になるでしょう。そうすれば、現時点で最強種の我々よりも強く、そして成長次第では神獣になる事も可能かもしれません。ですが、大人の聖獣になる前に魔宝玉を与えてしまっては、逆に成長を止めてしまう結果になるかもしれません。もし、与えるのであれば、大人の聖獣になってからか、そうは無いとは思いますが、致命傷になる様な攻撃を受けた時やシュウト様の魔力を過剰に摂取していまい、魔力暴走してしまった時に与えると良いでしょう。」

「なるほど、分かりました。では、大人の聖獣との判断はどうすれば分かるのですか?」

「それは本人が何れ自覚するでしょうが、分かりやすく言うのであれば、大人の聖獣になると自分のステータスが見られる様になります。」

「では、逆にいうと大人になるまでは、ステータスが分からないという事ですか?」

「はい。おそらくですが、日々というか、魔力を摂取した瞬間にも強くなる事があるので、変動が激し過ぎてステータスを表示するのが難しいのかもしれません。」

「なるほど、分かりました。ではこの子達が魔力暴走を起こしているとの判断は出来ますか?」

「それは簡単です。周りに被害を与えるつもりも無いのに歩くだけ、動くだけで、その子の特性、メグミでいうならば、水属性の魔法が暴発してしまう事になりますね。」

「え?それって街中でなったらかなり危険じゃないですか?」

「それ程気にしなくても大丈夫ですよ。例えば、日に何度も満腹状態にする様な事をしなければ、問題ありません。」

危ねぇ・・・やってたよ。

「その顔は心当たりが有りそうですね。」

「はい。」

「では、これからは気をつける事をオススメ致します。」

「分かりました。」

俺はリヴィアさんとの話が終わると一先ず、恵美が俺の従魔になっている事を確認して、恵美に俺達が今、お世話になっている場所に行く事を伝えた。

「おばあちゃん、私行くね。今までありがとう。」

「海に来れば、何時でも会えます。これからも頑張るのですよ。」

「はい。」

恵美は涙を堪えながら、リヴィアさんに別れの挨拶をしていたので、撫でながら俺も感謝の意を込めて、お辞儀をして、城の邸へ戻った。
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