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第105話 [会談]
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アノスさんとラクスさんと使命の協力を約束するとセドさんが、話し掛けてきた。
「シュウト様、シュウト様はこの後のご予定はございますか?」
「この後は、とりあえずルークと宿泊する場所に案内してもらった後は、使命があるので、この街に留まっている方々の所に行こうかと思います。」
「承知致しました。それでは夜だけでも良いので、食事だけでも御一緒出来ませんでしょうか?」
「それなら良いですよ。そこまでの人数ではないので。」
俺とセドさんが話しているとアノスさんが声を掛けて来た。
「シュウト殿、先程から気になっておったのじゃが、差し支えが無いのなら使命とは何をするのじゃ?」
「父上!」
「何じゃ、捕まえたり、討伐じゃったりするのであれば手伝えるかもしれんじゃろ。」
尚も聞こうとするアノスさんにセドさんが再び何かを言おうとしていたが、俺が手で制止すると引き下がってくれた。
「別に自分の事を使徒だと分かっている人なら使命の事は隠さなくても良いですよ。ただ人によっては不安になる人もいるかもしれない事なんで、聞くのであれば多少の覚悟は必要かも知れませんけどね。」
俺がそういうとアノスさんは皆んなの方を向いて確認するといつの間にか眠ってしまったミントちゃん以外の全員が頷いた。
「お願いする、教えてくだされ。」
「分かりました。自分の使命は・・・」
転生の事、王都で誰を転生させたか、自身のスキル、スキルによる弊害と恩恵を話した。
「な、なるほど確かに多少の覚悟が必要じゃし、儂のように年寄りには身近過ぎて少々恐ろしいのぅ。だが、それでもシュウト殿が居れば、少しは安心出来るのぅ。」
「まぁ今のところ、そこまで不安視する程の事では無いと思いますよ。もし、その様な魂が在るのなら今回の様に使命が降りて来ると思うんで。」
「そうじゃの、それが1番安心じゃて。しかし、そうするとこのブリステンの中にも迷える魂がおるのかのぅ。」
「はい。此処に26箇所、大まかな場所は分かっていますので、廻ろうと思っています。」
「そうか、ならばラーゴ、お前がついて行け、お前ならばブリステンの表も裏も熟知し、顔も効くであろう。」
「承知致しました。では、コンラット夫妻もそういう事で、案内した後、デニムの方は着いて来なさい。」
「承知致しました。」
ラーゴさんにそう言われ、いつの間にか帰ってきていた執事の方はラーゴさんに綺麗なお辞儀をしながら返事をすると俺の方を向き直った。
「よろしくお願い致します。デニムと申します。」
「こちらこそお願いします。」
俺はそう言うとチラッとメイドさんの方を見るとメイドさんも挨拶をしてくれた。
「オリジャです。何かありましたら御申しつけ下さい。」
「分かりました。お願いします。」
俺は2人に挨拶をするとルークの方を向いて話し掛けた。
「ルーク、今日は1日休みにするからキッドさんと親交を深めるといい。」
「良いのか?」
「あぁ、だが明日からは厳しく行くからな。」
「お、おう。」
俺とルークが話しているとアノスさんが話し掛けてきた。
「シュウト殿、明日から厳しくとはどういう事なのじゃ?」
「あぁ、レイと違って、自分が創る攻略組の長として、ルークには頑張って貰うんで、弟子として鍛えていくんです。出来たばかりなのに長が弱いなんて有り得ないですからね。」
「よ、弱いとな。しかしルーク様は確かAランク冒険者ではなかったか?」
「そうですね。」
「シュウト殿の基準ではそれが弱いというのかぁ。」
「そうですね。Bランク程度のダンジョンにフル装備で、踏破するのに1日以上掛かってては、長になる者としては弱いと言わざるを得ないですね。」
「それは単独で、という事かのぅ。」
「そうですね。最低限の装備でも踏破出来る様に成らないと話にならないんでそこまでは1週間を予定してますね。」
俺がそう言うとルークは崩れ落ちていた。
「シュウト殿、ルーク様が崩れ落ちておるのは置いておいて、最低限の装備とは?」
「衣服ですけど?」
俺がさも当然の様に言うと唖然としながらアノスさんは話を続けた。
「シュウト殿、衣服は装備とは言わんと思うのだが・・・。」
「そうですか?前世では衣服を使った攻防技術を使った護身術もありますし、自分としては装備の1つと思っていますし、それに此方の世界の方が防御力の高い、耐久性のある素材もあると思うんですが。」
俺のその言葉に即座に反応して、ラグナさんが凄い勢いで近づいてきて、聞いてきた。
「シュウト様!それはどの様な技があるのですか!!?」
「シュウトで良いですよ。」
「そ、それならば、父上同様、シュウト殿とお呼びします。いや!そうでは無く、どの様な技が!?」
「じゃあ時間が無いので、簡単な物で少しだけ、お教えしますね。ルーク、そんな所で落ち込んでないで、一寸協力してくれ。」
話の間ずっと崩れ落ちた形のまま、動かなくなっていたルークを呼ぶと何で呼ばれたか分からないという感じで、立ち上がって近づいてきた。
「何だ?何をすれば良いんだ?」
「今から衣服を使った護身術をラグナさんに見せるから相手をしてくれ。」
「そんな事が出来るのか?まぁいいや。」
ルークはそう言うと少し興味があるのか、進んで前に立ってくれた。
「じゃあ、そのコートって言えば良いのか誰でも良いのでボロボロになるかもしれないですけど、上の服を貸して貰って良いですか?後、ベルトも良いですか?」
俺がそう言うとアノスさんが脱いで渡してくれた。
「では、先ず男性の方から・・・」
俺はそう言うとコートみたいな服を振り回し、ルークが出てきた拳を巻き込んで、最終的に身動きが取れない状態にした。
「なるほど、見事な捕縛術ですな。」
「骨格の構造を理解していれば、力が入らない状態に出来るので、動く事は出来ません。」
そう言っていると床に転がされているルークが声を掛けてきた。
「おーい。動けないんだから、助けてくれ。」
「ほう~。Aランク冒険者でもあるルーク様でも抜け出せないと。」
「感心してないで解いてくれって!」
「悪い悪い、今解くな。」
俺がそう言いながらルークを解いてやった。
「マジで動けなかったから一寸焦ったぜ。まさか服で動けなくなるとは思わなかったぜ。」
「だろ、こういう事もあるから気をつけろよ。まぁ解く方法もあるんだけどな。」
「どうするんだ?」
「関節を外せば抜けれるぞ。」
「マジか、痛そうだな。」
「慣れても痛いからな。」
「やった事あるのかよ。」
「そりゃあ、教える人間が出来ないでどうするんだよ。」
「そりゃまぁそうか。」
「じゃあ次にいきますね。」
俺はそう言うとベルトを手にした。
「コレはベルトで無くても近い物なら何でも大丈夫です。」
俺はそう言うとルークに対してムチの様に動かし攻撃した。
「なるほど、確かにそれならば誰でも出来そうですな。」
「はい。女性ですとスカーフやカーディガンを水で濡らす事で威力を上げれるでしょう。詳しく知りたい場合はまた後日という事で、ただ1つ疑問なんですが、身の回りの物で闘う事は誰もしないんですか?」
「う~ん。投げたり、その物で殴ったりという事はあっても、それ自体で闘うという話は聞いた事がございませんな。」
「そうなんですね。前世では干してあるカーテンなどの布を棍棒として使う技があったりしましたけど、やっぱりスキルが有るからどうしてもそっちに思考が固まってしまうんですかね。」
「そうかもしれないですな。」
「じゃあ時間もないんで行きますね。ルークはどうする?」
「俺は場所は知ってるし、キッドと話をするから晩飯の後で良いや。」
「そうか分かった。じゃあ皆さん自分は失礼します。デニムさんよろしくお願いします。」
「承知致しました。」
俺はそう言うとその場を後にした。
そのまま案内された場所に行くととんでもない広さの邸が城の敷地内にあったのに驚きつつも王家が泊まる場所ならそういうものかと納得し、俺はラーゴさんと馬車で市街地を廻り、下水道、牢屋、公爵領の施設に入って転生させて行き、丁度全員の転生が終わった時点で日が傾き沈みそうになっていたので、城へ戻っていき、食堂に案内されると既に全員が、揃っていた。
「あっ、遅くなってすいません。いや、問題ないぞ。食事が終わったら、今日の話を聞かせて貰ってよいかのぅ?」
「はい。問題ないですよ。まぁそんな、面白い話じゃないとは思いますが。」
「よいよい、ラーゴ、お主にも感想を聞かせて貰ってよいか?」
「承知致しました。」
その後、豪華な食事が出てきたと思ったらかなり大きな魚が出てきた。
「魚!?もしかして海で捕れたやつですか?」
「そうじゃ、海は此処から3日程掛かるでのぅ。生きたまま、この城の地下に生かしておるゆえ、偶に食しておる。」
「後で見させて貰っても良いですか?」
「好きにするといい。」
俺はその後、久しぶりの海の魚を堪能し、食事を終わらせた。
「で、どうじゃった?」
「このブリステンに居た方は全てスムーズに転生させる事が出来ましたよ。」
「スムーズでは無い場合は時間が掛かるのか?」
「偶に素直に転生してくれない方もいるんで。」
「そういう場合はどうするんじゃ?」
「納得出来るまで付き合うか、強制的に転生させてしまうかですね。」
「なるほどのぅ。やはり使徒様になられる方は、お優しいのぅ。」
「そんな事ないですよ。納得して転生してくれた方が自分にも利があるんで。」
「言っておった恩恵というやつかのぅ。」
「そうですね。」
「では、ラーゴよ。お主から見て、シュウト殿がスキルを使った時にどう感じたのじゃ?」
「なんと言いますか、非常に幻想的で感動致しました。」
「そうかぁ。儂も着いて行けばよかったのぅ。」
アノスさんがそう言うとセドさんが声を掛けた。
「父上、それをしてしまうとシュウト殿が迷惑してしまい、使命が果たせなくなってしまうと思いますので。」
「分かっておるわ。ただそう思っただけじゃろう。」
「いえ、父上にはそう言っておかないと着いて行きそうなので。」
セドさんがそう言うと周りの人達が頷いていた。
その反応にアノスさんが拗ねた感じで横を向くと全員がドッと笑い、アノスさんもその笑いに誘われて笑っていた。その後も楽しい雰囲気で食事会が終了し、俺とルークはデニムさんに案内されて王家の邸にむかっていった。
「シュウト様、シュウト様はこの後のご予定はございますか?」
「この後は、とりあえずルークと宿泊する場所に案内してもらった後は、使命があるので、この街に留まっている方々の所に行こうかと思います。」
「承知致しました。それでは夜だけでも良いので、食事だけでも御一緒出来ませんでしょうか?」
「それなら良いですよ。そこまでの人数ではないので。」
俺とセドさんが話しているとアノスさんが声を掛けて来た。
「シュウト殿、先程から気になっておったのじゃが、差し支えが無いのなら使命とは何をするのじゃ?」
「父上!」
「何じゃ、捕まえたり、討伐じゃったりするのであれば手伝えるかもしれんじゃろ。」
尚も聞こうとするアノスさんにセドさんが再び何かを言おうとしていたが、俺が手で制止すると引き下がってくれた。
「別に自分の事を使徒だと分かっている人なら使命の事は隠さなくても良いですよ。ただ人によっては不安になる人もいるかもしれない事なんで、聞くのであれば多少の覚悟は必要かも知れませんけどね。」
俺がそういうとアノスさんは皆んなの方を向いて確認するといつの間にか眠ってしまったミントちゃん以外の全員が頷いた。
「お願いする、教えてくだされ。」
「分かりました。自分の使命は・・・」
転生の事、王都で誰を転生させたか、自身のスキル、スキルによる弊害と恩恵を話した。
「な、なるほど確かに多少の覚悟が必要じゃし、儂のように年寄りには身近過ぎて少々恐ろしいのぅ。だが、それでもシュウト殿が居れば、少しは安心出来るのぅ。」
「まぁ今のところ、そこまで不安視する程の事では無いと思いますよ。もし、その様な魂が在るのなら今回の様に使命が降りて来ると思うんで。」
「そうじゃの、それが1番安心じゃて。しかし、そうするとこのブリステンの中にも迷える魂がおるのかのぅ。」
「はい。此処に26箇所、大まかな場所は分かっていますので、廻ろうと思っています。」
「そうか、ならばラーゴ、お前がついて行け、お前ならばブリステンの表も裏も熟知し、顔も効くであろう。」
「承知致しました。では、コンラット夫妻もそういう事で、案内した後、デニムの方は着いて来なさい。」
「承知致しました。」
ラーゴさんにそう言われ、いつの間にか帰ってきていた執事の方はラーゴさんに綺麗なお辞儀をしながら返事をすると俺の方を向き直った。
「よろしくお願い致します。デニムと申します。」
「こちらこそお願いします。」
俺はそう言うとチラッとメイドさんの方を見るとメイドさんも挨拶をしてくれた。
「オリジャです。何かありましたら御申しつけ下さい。」
「分かりました。お願いします。」
俺は2人に挨拶をするとルークの方を向いて話し掛けた。
「ルーク、今日は1日休みにするからキッドさんと親交を深めるといい。」
「良いのか?」
「あぁ、だが明日からは厳しく行くからな。」
「お、おう。」
俺とルークが話しているとアノスさんが話し掛けてきた。
「シュウト殿、明日から厳しくとはどういう事なのじゃ?」
「あぁ、レイと違って、自分が創る攻略組の長として、ルークには頑張って貰うんで、弟子として鍛えていくんです。出来たばかりなのに長が弱いなんて有り得ないですからね。」
「よ、弱いとな。しかしルーク様は確かAランク冒険者ではなかったか?」
「そうですね。」
「シュウト殿の基準ではそれが弱いというのかぁ。」
「そうですね。Bランク程度のダンジョンにフル装備で、踏破するのに1日以上掛かってては、長になる者としては弱いと言わざるを得ないですね。」
「それは単独で、という事かのぅ。」
「そうですね。最低限の装備でも踏破出来る様に成らないと話にならないんでそこまでは1週間を予定してますね。」
俺がそう言うとルークは崩れ落ちていた。
「シュウト殿、ルーク様が崩れ落ちておるのは置いておいて、最低限の装備とは?」
「衣服ですけど?」
俺がさも当然の様に言うと唖然としながらアノスさんは話を続けた。
「シュウト殿、衣服は装備とは言わんと思うのだが・・・。」
「そうですか?前世では衣服を使った攻防技術を使った護身術もありますし、自分としては装備の1つと思っていますし、それに此方の世界の方が防御力の高い、耐久性のある素材もあると思うんですが。」
俺のその言葉に即座に反応して、ラグナさんが凄い勢いで近づいてきて、聞いてきた。
「シュウト様!それはどの様な技があるのですか!!?」
「シュウトで良いですよ。」
「そ、それならば、父上同様、シュウト殿とお呼びします。いや!そうでは無く、どの様な技が!?」
「じゃあ時間が無いので、簡単な物で少しだけ、お教えしますね。ルーク、そんな所で落ち込んでないで、一寸協力してくれ。」
話の間ずっと崩れ落ちた形のまま、動かなくなっていたルークを呼ぶと何で呼ばれたか分からないという感じで、立ち上がって近づいてきた。
「何だ?何をすれば良いんだ?」
「今から衣服を使った護身術をラグナさんに見せるから相手をしてくれ。」
「そんな事が出来るのか?まぁいいや。」
ルークはそう言うと少し興味があるのか、進んで前に立ってくれた。
「じゃあ、そのコートって言えば良いのか誰でも良いのでボロボロになるかもしれないですけど、上の服を貸して貰って良いですか?後、ベルトも良いですか?」
俺がそう言うとアノスさんが脱いで渡してくれた。
「では、先ず男性の方から・・・」
俺はそう言うとコートみたいな服を振り回し、ルークが出てきた拳を巻き込んで、最終的に身動きが取れない状態にした。
「なるほど、見事な捕縛術ですな。」
「骨格の構造を理解していれば、力が入らない状態に出来るので、動く事は出来ません。」
そう言っていると床に転がされているルークが声を掛けてきた。
「おーい。動けないんだから、助けてくれ。」
「ほう~。Aランク冒険者でもあるルーク様でも抜け出せないと。」
「感心してないで解いてくれって!」
「悪い悪い、今解くな。」
俺がそう言いながらルークを解いてやった。
「マジで動けなかったから一寸焦ったぜ。まさか服で動けなくなるとは思わなかったぜ。」
「だろ、こういう事もあるから気をつけろよ。まぁ解く方法もあるんだけどな。」
「どうするんだ?」
「関節を外せば抜けれるぞ。」
「マジか、痛そうだな。」
「慣れても痛いからな。」
「やった事あるのかよ。」
「そりゃあ、教える人間が出来ないでどうするんだよ。」
「そりゃまぁそうか。」
「じゃあ次にいきますね。」
俺はそう言うとベルトを手にした。
「コレはベルトで無くても近い物なら何でも大丈夫です。」
俺はそう言うとルークに対してムチの様に動かし攻撃した。
「なるほど、確かにそれならば誰でも出来そうですな。」
「はい。女性ですとスカーフやカーディガンを水で濡らす事で威力を上げれるでしょう。詳しく知りたい場合はまた後日という事で、ただ1つ疑問なんですが、身の回りの物で闘う事は誰もしないんですか?」
「う~ん。投げたり、その物で殴ったりという事はあっても、それ自体で闘うという話は聞いた事がございませんな。」
「そうなんですね。前世では干してあるカーテンなどの布を棍棒として使う技があったりしましたけど、やっぱりスキルが有るからどうしてもそっちに思考が固まってしまうんですかね。」
「そうかもしれないですな。」
「じゃあ時間もないんで行きますね。ルークはどうする?」
「俺は場所は知ってるし、キッドと話をするから晩飯の後で良いや。」
「そうか分かった。じゃあ皆さん自分は失礼します。デニムさんよろしくお願いします。」
「承知致しました。」
俺はそう言うとその場を後にした。
そのまま案内された場所に行くととんでもない広さの邸が城の敷地内にあったのに驚きつつも王家が泊まる場所ならそういうものかと納得し、俺はラーゴさんと馬車で市街地を廻り、下水道、牢屋、公爵領の施設に入って転生させて行き、丁度全員の転生が終わった時点で日が傾き沈みそうになっていたので、城へ戻っていき、食堂に案内されると既に全員が、揃っていた。
「あっ、遅くなってすいません。いや、問題ないぞ。食事が終わったら、今日の話を聞かせて貰ってよいかのぅ?」
「はい。問題ないですよ。まぁそんな、面白い話じゃないとは思いますが。」
「よいよい、ラーゴ、お主にも感想を聞かせて貰ってよいか?」
「承知致しました。」
その後、豪華な食事が出てきたと思ったらかなり大きな魚が出てきた。
「魚!?もしかして海で捕れたやつですか?」
「そうじゃ、海は此処から3日程掛かるでのぅ。生きたまま、この城の地下に生かしておるゆえ、偶に食しておる。」
「後で見させて貰っても良いですか?」
「好きにするといい。」
俺はその後、久しぶりの海の魚を堪能し、食事を終わらせた。
「で、どうじゃった?」
「このブリステンに居た方は全てスムーズに転生させる事が出来ましたよ。」
「スムーズでは無い場合は時間が掛かるのか?」
「偶に素直に転生してくれない方もいるんで。」
「そういう場合はどうするんじゃ?」
「納得出来るまで付き合うか、強制的に転生させてしまうかですね。」
「なるほどのぅ。やはり使徒様になられる方は、お優しいのぅ。」
「そんな事ないですよ。納得して転生してくれた方が自分にも利があるんで。」
「言っておった恩恵というやつかのぅ。」
「そうですね。」
「では、ラーゴよ。お主から見て、シュウト殿がスキルを使った時にどう感じたのじゃ?」
「なんと言いますか、非常に幻想的で感動致しました。」
「そうかぁ。儂も着いて行けばよかったのぅ。」
アノスさんがそう言うとセドさんが声を掛けた。
「父上、それをしてしまうとシュウト殿が迷惑してしまい、使命が果たせなくなってしまうと思いますので。」
「分かっておるわ。ただそう思っただけじゃろう。」
「いえ、父上にはそう言っておかないと着いて行きそうなので。」
セドさんがそう言うと周りの人達が頷いていた。
その反応にアノスさんが拗ねた感じで横を向くと全員がドッと笑い、アノスさんもその笑いに誘われて笑っていた。その後も楽しい雰囲気で食事会が終了し、俺とルークはデニムさんに案内されて王家の邸にむかっていった。
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