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第98話 [確認と挨拶まわり]
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演説が終わった俺はそのままバルコニーから飛び降り、王都を出て行き、変装を解いて、転送で離れに戻った。
「ふぅ~疲れたぁコレならダンジョンを幾つも踏破してる方が楽だな。」
『そうだねぇきゅうくつだもんね。』
「だな。」
俺が離れに戻ってリラックスしているとバトさんに声を掛けられた。
「申し訳ありませんがルーク様を呼び戻しては頂けませんか?」
「どうしてですか?」
「陛下がお呼びなのです。」
「分かりました。」
俺はそう言うと迷宮・中級に入った。
「えぇとルークは何処だ?・・・あっ居た。バトさん一寸待って貰ってもいいですか?もう直ぐ中継地点の場所に着きそうなんで。」
「はい。」
「・・・それじゃあ、行ってきます。」
俺はそう言うと迷宮に入り、身体強化と神速を使い、全力で追い掛けて、ルークが中継地点に到達したと同時に追いついた。
「クソ!中継地点だと思ったらボ・・・どうしたんだシュウト。」
「お前今滅茶苦茶焦ってたろ。」
「当たり前だろ、死を覚悟したぜ。で、何か有ったのか?」
「あぁリーグさんが呼んでるってバトさんが言ってたぞ。」
「そうなのか。分かった、あの水晶を触れば良いんだな。」
ルークはそう言うと水晶に触り外へ出たので、俺も後に続いた。
外に出たルークはそのまま迷宮を飛び出して行った。
「何か凄く焦って出て行きましたね。」
「普段、呼び出される時は緊急事態が多いので癖だと思われます。」
「なるほど、そういえば離れって結界は張れないんですか?」
「出来ますがどうされましたか?」
「貰った魔石を合成しようかと思うんですけど離れで出来ないかなって思って。」
「それでしたら常時離れに張っている結界の強度を上げれば問題ありませんので強度を上げてまいります。」
バトさんはそう言うと外へ出て行った。
バトさんが戻ると俺は夜は手軽に食べれる物を此処に、疲れたので今日は離れから出ない事を伝えて、貰った魔石を取り出す事にした。
「然し砕けた魔石って選別しなきゃいけないのか?とりあえずやってみるか・・・Fランクの砕けた魔石はっと・・・おっ!ってFランクって、コレだけしかないのか・・・合成!・・・発動しないか。まぁでもアイテムボックス改に入れたお陰で選別する必要はなくなったな。」
「よし!次はEだな・・・さっきより少ないって事は、合成!・・・うん、無理だな。」
俺はそう言うとF、Eランクの砕けた魔石をアイテムボックス改に仕舞い、Dランクを出そうとすると出るわ出るわで木箱の半分位は在ろう砕けた魔石が出てきた。
「おぉ・・・」
ギシギシギシ・・・。
「ヤベッ!念動力!」
俺は出したは砕けた魔石の重みで床の軋む音が聞こえたので焦ってスキルで浮かせるとそのまま空中に留めた。
「危なかったなぁ、もう一寸で床が抜けるかと思った・・・さてと、この量を一気に出来るかどうかでハロルドさんに迷惑を掛けずに建設出来るんだけどなぁ。」
そう言いながら出した全てのDランクの砕けた魔石に合成を掛けると40cm程の魔石が5つ出来上がった。
おっ!出来たなぁでもこのサイズってAランクじゃなかったっけ?
俺はそう思いながら1つの魔石に鑑定を掛けAランクである事を確認した。
「やっぱりAランクか、いいね。こんなに短時間で出来るならとりあえず、保管庫1つ分位は行けそうだけど彼処って結局どの位の廃棄魔石が有るんだろう?流石に今のアイテムボックス改の容量だと無理か。」
俺はその後も廃棄魔石を合成し続け最終的にAランク10個とBランク7個、Cランク3個にした。
「1箱分でコレだけ出来るならかなり効率良くなりそうだな。でもまぁ廃棄魔石の中にBランク以上の物が殆どないって事は使い勝手が悪いんだろうな。値段的にも高いだろうしな。」
俺はそう言いながら用意されていた食事を済ませて、就寝した。
翌朝、バトさんにまた食後に保管庫に連れて行ってもらい、保管庫の半分位を回収し、リョーマの所へ向かった。
「ようリョーマ!進捗具合はどう?」
「今日の昼過ぎには完成するでござるよ。」
「そうか、ありがとな。」
「いやいや、こちらこそでござるよ。」
「で、今後はどうするんだ?」
「今後でござるか?シュウトの移動式家屋を終わらせたら1週間後には今度は茶室を造るつもりでござるよ。」
「1週間?随分空けるんだなぁ。」
「近衛兵の研修を受けるでござる。」
「研修?」
「そうでござる。それを受けないと兵士を辞めれないでござる。」
「あっアレか、リーグさんが出した条件ってやつか。」
「そうでござる。」
「って事はハロルドさんのとこに行って宮大工として生活してくんだな。」
「そうでござるな。ただ暫くは王都を離れられないでござるから茶室を造ったらハロルド殿が派遣してくる人材の育成を任されてるでござるから拙者の家造りを兼ねて、育てて行くでござる。」
「大変そうだな。」
「大丈夫でござる。宮大工の弟子を育てるのはヤマトでもやってたでござる。まぁ宮大工としてある程度成長した後に武技を教えていくのは初めてでござるからそれが大変かもしれないでござるが。」
「まぁそれも慣れだ慣れ。まぁ頑張れ。邪魔して悪かったな。また昼過ぎにくるよ。」
「分かったでござる。それまでには完成させておくでござる。」
「おう。じゃあな。」
俺はその後、バトさんにお願いし、リーグさんの所へ向かった。
「陛下、シュウト様が御目見になりましたが宜しいでしょうか?」
「うむ。入ってもらえ。」
中に入るとリーグさんとセドさん、ルークの他に見覚えの無い青年と美少女が立っていた。
「えぇと出直して来た方が良かったですか?」
「いや、その2人なら構わん。余がシュウト殿に会わせようと待たせておいたのだ。」
「自分に・・・ですか?」
俺は何故なんだろう?と首を傾げているとリーグさんでは無く、セドさんが答えてくれた。
「リーグ、それではシュウト様が分からないだろぅ。」
「そうか。なら、自分の事なんだセドが話すか?」
「あぁそうするよ。シュウト様、紹介致します。シュウト様から見て右にいるのが、私の次男のレイでございます。」
「レイ・シン・ブリステンでございます。宜しく御願い致します。シュウト様とは同じ年齢と聞いておりますので、レイとお呼び下さい。」
セドさんが紹介するとレイは恭しくお辞儀をして自己紹介をしてきた。
「ご丁寧にどうも。自分はシュウト・オオヤマジです。堅苦しいのは苦手なんで自分もレイと呼ぶのでシュウトって呼んで下さい。」
「分かりましたシュウトって呼びますね。」
「では次にその隣にいるのが娘のミントでございます。」
「ミント・シン・ブリステンです。よろしくおねがいしましゅッ!」
セドさんが紹介すると美少女は一生懸命自己紹介していたが、最後の最後に噛んでしまい、何故かルークの後ろに隠れてしまった。
「シュウトです。よろしくね。」
俺はそう言いながら息子に目線を送ると息子は小さくなってミントちゃんの所へトテトテと歩いていくとミントちゃんは凄く良い笑顔に戻って息子を抱きしめていた。
「それでなんですが、此の度息子達を紹介しましたのは、先日、シュウト様が仰ってくれた事を御願いしようかと思いまして。そうするとシュウト様の御身分を話さなくてはいけませんので。」
「えっ!まさかこんなに小さな子にも契約させるんですか!?」
俺が契約の事を思い出して質問するとセドさんは笑顔で答えてくれた。
「問題ありません。我々とは少し契約内容が違い、問題無いであろう15歳になる迄は話したくてもシュウト様の事を知らない者には話せない魔法が掛かる様に致しますので。」
「えっ、それって大丈夫なんですか?」
「はい。契約による魔法ですので、何の問題も起こりません。」
「分かりました。」
俺が納得するとセドさんは2人を呼び寄せて契約を済ませた。
「では、2人とも心して聞く様に。」
2人が頷くとセドさんは話を続けた。
「よし!此方に御座すシュウト様はアストライアー様の使徒様なのだ。そして、ミントが先程抱きしめていたのが、使徒様の従魔である聖獣白虎様で在られるシンジ様だ。」
セドさんがそう言うと息子が変装を解いて元の白虎の色合いに戻った。するとセドさんの話と息子の姿を見た2人は当然の様に跪き頭を垂れた。
「2人ともその様な事はせずとも良い、シュウト様もシンジ様も望まれてはおらん。さぁ立ちなさい。」
セドさんがそう言うと2人はスッと立ってはくれたがまだ緊張している様に思えたので息子に目配せして、ミントちゃんの方に行ってもらった。すると息子がミントちゃんに寄り添うとミントちゃんは緊張が溶けて息子と遊び始めた。
「まぁミントちゃんも緊張してないんだし、レイも気にするなよ。」
「そ、そうだな。そうするよ。」
「おっ、話し方も砕けたな。」
「あっ!・・・まぁいいか。今練習中なんだよ。」
「そうなのか?」
「シュウト様、レイは私共とは別の意味でハロルド様の事を憧れているのですよ。」
「別の意味?」
「そうでございます。英雄としてではなく、商人として憧れているのでございます。」
「商人ですか。レイは商人に成りたいのか?」
「商人っていうより、経営をしてみたいんだ。だって凄くないか、領主から世界一の大商人になった方だぞ。元公爵という肩書きがあったとしても世界だぞ、王国を飛び越えた上で世界を股に掛けるその経営手腕は誰がなんと言おうと世界一の経営者だろ。世界だぞ!世界!元公爵という肩書きが逆に邪魔になる場合だってあるのにも関わらずだぞ!」
俺が一寸聞いただけで、物凄い熱量でレイが話始め、俺がたじろいでいると鬼の形相で後ろに立つセドさんが居た。
「レイ・シン・ブリステン!!!此処を何処だと思っておる!!!」
セドさんに一喝されたレイはブリキの玩具の様にギシギシと音が鳴りそうな感じで振り向いた。
「も、申し訳ありません。」
「お前と言う奴はシュウト様がお困りになられているではないか・・・」
「セド、セドリック、説教は後にな。今はそれよりも例の話をせんとな。」
「おぉそうであった。すまんリーグ。」
セドさんはそう言うと俺の方に向き直った。
「ふぅ~疲れたぁコレならダンジョンを幾つも踏破してる方が楽だな。」
『そうだねぇきゅうくつだもんね。』
「だな。」
俺が離れに戻ってリラックスしているとバトさんに声を掛けられた。
「申し訳ありませんがルーク様を呼び戻しては頂けませんか?」
「どうしてですか?」
「陛下がお呼びなのです。」
「分かりました。」
俺はそう言うと迷宮・中級に入った。
「えぇとルークは何処だ?・・・あっ居た。バトさん一寸待って貰ってもいいですか?もう直ぐ中継地点の場所に着きそうなんで。」
「はい。」
「・・・それじゃあ、行ってきます。」
俺はそう言うと迷宮に入り、身体強化と神速を使い、全力で追い掛けて、ルークが中継地点に到達したと同時に追いついた。
「クソ!中継地点だと思ったらボ・・・どうしたんだシュウト。」
「お前今滅茶苦茶焦ってたろ。」
「当たり前だろ、死を覚悟したぜ。で、何か有ったのか?」
「あぁリーグさんが呼んでるってバトさんが言ってたぞ。」
「そうなのか。分かった、あの水晶を触れば良いんだな。」
ルークはそう言うと水晶に触り外へ出たので、俺も後に続いた。
外に出たルークはそのまま迷宮を飛び出して行った。
「何か凄く焦って出て行きましたね。」
「普段、呼び出される時は緊急事態が多いので癖だと思われます。」
「なるほど、そういえば離れって結界は張れないんですか?」
「出来ますがどうされましたか?」
「貰った魔石を合成しようかと思うんですけど離れで出来ないかなって思って。」
「それでしたら常時離れに張っている結界の強度を上げれば問題ありませんので強度を上げてまいります。」
バトさんはそう言うと外へ出て行った。
バトさんが戻ると俺は夜は手軽に食べれる物を此処に、疲れたので今日は離れから出ない事を伝えて、貰った魔石を取り出す事にした。
「然し砕けた魔石って選別しなきゃいけないのか?とりあえずやってみるか・・・Fランクの砕けた魔石はっと・・・おっ!ってFランクって、コレだけしかないのか・・・合成!・・・発動しないか。まぁでもアイテムボックス改に入れたお陰で選別する必要はなくなったな。」
「よし!次はEだな・・・さっきより少ないって事は、合成!・・・うん、無理だな。」
俺はそう言うとF、Eランクの砕けた魔石をアイテムボックス改に仕舞い、Dランクを出そうとすると出るわ出るわで木箱の半分位は在ろう砕けた魔石が出てきた。
「おぉ・・・」
ギシギシギシ・・・。
「ヤベッ!念動力!」
俺は出したは砕けた魔石の重みで床の軋む音が聞こえたので焦ってスキルで浮かせるとそのまま空中に留めた。
「危なかったなぁ、もう一寸で床が抜けるかと思った・・・さてと、この量を一気に出来るかどうかでハロルドさんに迷惑を掛けずに建設出来るんだけどなぁ。」
そう言いながら出した全てのDランクの砕けた魔石に合成を掛けると40cm程の魔石が5つ出来上がった。
おっ!出来たなぁでもこのサイズってAランクじゃなかったっけ?
俺はそう思いながら1つの魔石に鑑定を掛けAランクである事を確認した。
「やっぱりAランクか、いいね。こんなに短時間で出来るならとりあえず、保管庫1つ分位は行けそうだけど彼処って結局どの位の廃棄魔石が有るんだろう?流石に今のアイテムボックス改の容量だと無理か。」
俺はその後も廃棄魔石を合成し続け最終的にAランク10個とBランク7個、Cランク3個にした。
「1箱分でコレだけ出来るならかなり効率良くなりそうだな。でもまぁ廃棄魔石の中にBランク以上の物が殆どないって事は使い勝手が悪いんだろうな。値段的にも高いだろうしな。」
俺はそう言いながら用意されていた食事を済ませて、就寝した。
翌朝、バトさんにまた食後に保管庫に連れて行ってもらい、保管庫の半分位を回収し、リョーマの所へ向かった。
「ようリョーマ!進捗具合はどう?」
「今日の昼過ぎには完成するでござるよ。」
「そうか、ありがとな。」
「いやいや、こちらこそでござるよ。」
「で、今後はどうするんだ?」
「今後でござるか?シュウトの移動式家屋を終わらせたら1週間後には今度は茶室を造るつもりでござるよ。」
「1週間?随分空けるんだなぁ。」
「近衛兵の研修を受けるでござる。」
「研修?」
「そうでござる。それを受けないと兵士を辞めれないでござる。」
「あっアレか、リーグさんが出した条件ってやつか。」
「そうでござる。」
「って事はハロルドさんのとこに行って宮大工として生活してくんだな。」
「そうでござるな。ただ暫くは王都を離れられないでござるから茶室を造ったらハロルド殿が派遣してくる人材の育成を任されてるでござるから拙者の家造りを兼ねて、育てて行くでござる。」
「大変そうだな。」
「大丈夫でござる。宮大工の弟子を育てるのはヤマトでもやってたでござる。まぁ宮大工としてある程度成長した後に武技を教えていくのは初めてでござるからそれが大変かもしれないでござるが。」
「まぁそれも慣れだ慣れ。まぁ頑張れ。邪魔して悪かったな。また昼過ぎにくるよ。」
「分かったでござる。それまでには完成させておくでござる。」
「おう。じゃあな。」
俺はその後、バトさんにお願いし、リーグさんの所へ向かった。
「陛下、シュウト様が御目見になりましたが宜しいでしょうか?」
「うむ。入ってもらえ。」
中に入るとリーグさんとセドさん、ルークの他に見覚えの無い青年と美少女が立っていた。
「えぇと出直して来た方が良かったですか?」
「いや、その2人なら構わん。余がシュウト殿に会わせようと待たせておいたのだ。」
「自分に・・・ですか?」
俺は何故なんだろう?と首を傾げているとリーグさんでは無く、セドさんが答えてくれた。
「リーグ、それではシュウト様が分からないだろぅ。」
「そうか。なら、自分の事なんだセドが話すか?」
「あぁそうするよ。シュウト様、紹介致します。シュウト様から見て右にいるのが、私の次男のレイでございます。」
「レイ・シン・ブリステンでございます。宜しく御願い致します。シュウト様とは同じ年齢と聞いておりますので、レイとお呼び下さい。」
セドさんが紹介するとレイは恭しくお辞儀をして自己紹介をしてきた。
「ご丁寧にどうも。自分はシュウト・オオヤマジです。堅苦しいのは苦手なんで自分もレイと呼ぶのでシュウトって呼んで下さい。」
「分かりましたシュウトって呼びますね。」
「では次にその隣にいるのが娘のミントでございます。」
「ミント・シン・ブリステンです。よろしくおねがいしましゅッ!」
セドさんが紹介すると美少女は一生懸命自己紹介していたが、最後の最後に噛んでしまい、何故かルークの後ろに隠れてしまった。
「シュウトです。よろしくね。」
俺はそう言いながら息子に目線を送ると息子は小さくなってミントちゃんの所へトテトテと歩いていくとミントちゃんは凄く良い笑顔に戻って息子を抱きしめていた。
「それでなんですが、此の度息子達を紹介しましたのは、先日、シュウト様が仰ってくれた事を御願いしようかと思いまして。そうするとシュウト様の御身分を話さなくてはいけませんので。」
「えっ!まさかこんなに小さな子にも契約させるんですか!?」
俺が契約の事を思い出して質問するとセドさんは笑顔で答えてくれた。
「問題ありません。我々とは少し契約内容が違い、問題無いであろう15歳になる迄は話したくてもシュウト様の事を知らない者には話せない魔法が掛かる様に致しますので。」
「えっ、それって大丈夫なんですか?」
「はい。契約による魔法ですので、何の問題も起こりません。」
「分かりました。」
俺が納得するとセドさんは2人を呼び寄せて契約を済ませた。
「では、2人とも心して聞く様に。」
2人が頷くとセドさんは話を続けた。
「よし!此方に御座すシュウト様はアストライアー様の使徒様なのだ。そして、ミントが先程抱きしめていたのが、使徒様の従魔である聖獣白虎様で在られるシンジ様だ。」
セドさんがそう言うと息子が変装を解いて元の白虎の色合いに戻った。するとセドさんの話と息子の姿を見た2人は当然の様に跪き頭を垂れた。
「2人ともその様な事はせずとも良い、シュウト様もシンジ様も望まれてはおらん。さぁ立ちなさい。」
セドさんがそう言うと2人はスッと立ってはくれたがまだ緊張している様に思えたので息子に目配せして、ミントちゃんの方に行ってもらった。すると息子がミントちゃんに寄り添うとミントちゃんは緊張が溶けて息子と遊び始めた。
「まぁミントちゃんも緊張してないんだし、レイも気にするなよ。」
「そ、そうだな。そうするよ。」
「おっ、話し方も砕けたな。」
「あっ!・・・まぁいいか。今練習中なんだよ。」
「そうなのか?」
「シュウト様、レイは私共とは別の意味でハロルド様の事を憧れているのですよ。」
「別の意味?」
「そうでございます。英雄としてではなく、商人として憧れているのでございます。」
「商人ですか。レイは商人に成りたいのか?」
「商人っていうより、経営をしてみたいんだ。だって凄くないか、領主から世界一の大商人になった方だぞ。元公爵という肩書きがあったとしても世界だぞ、王国を飛び越えた上で世界を股に掛けるその経営手腕は誰がなんと言おうと世界一の経営者だろ。世界だぞ!世界!元公爵という肩書きが逆に邪魔になる場合だってあるのにも関わらずだぞ!」
俺が一寸聞いただけで、物凄い熱量でレイが話始め、俺がたじろいでいると鬼の形相で後ろに立つセドさんが居た。
「レイ・シン・ブリステン!!!此処を何処だと思っておる!!!」
セドさんに一喝されたレイはブリキの玩具の様にギシギシと音が鳴りそうな感じで振り向いた。
「も、申し訳ありません。」
「お前と言う奴はシュウト様がお困りになられているではないか・・・」
「セド、セドリック、説教は後にな。今はそれよりも例の話をせんとな。」
「おぉそうであった。すまんリーグ。」
セドさんはそう言うと俺の方に向き直った。
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