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第71話 [奔走]
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食事が終盤に差し掛かるとリーグさんが話し掛けてきた。
「シュウト殿、父上を転生させてくれた御礼があるので受け取ってもらえぬか?」
リーグさんはそう言うと部屋の奥を指さした。
俺は使命でやった事だけど、皆さんの嬉しそうな顔に断るのも悪いと思い奥の方を見るとそこには山積みになった虹水晶があった。
「す、凄い量ですね。」
「城に飾ってあった全ての物を集めたのだ。受け取ってほしい。それとおそらく欲しいと思われる物を離れに置いてあるので、それも受け取ってほしい。」
「いやいや、こんなにも受け取るのは流石に・・・。」
「そう言われると思ったが、王都は広い。報告によると父上以外にも取り残されている者が居るようなのだ。放置する訳にもいかんが、シュウト殿の正体がバレる訳にもいかんので、報告のあった場所へ騎士団団長のアルトスと共にスタンピードの期日までに急いで向かってほしい。その報酬も兼ねておる。」
なるほど、もしもの時に魔物化しない様にという事か。
「分かりました。なら、アルトスさんに問題が無ければ、明日朝一から動き出します。」
「そう言ってくれると助かる。」
俺は食事を終わらせてから虹水晶を全て吸収し、明日に備えるために離れに戻っていった。
「おぉもしかしてコレですか?」
「はい。シュウト様の喜び様を陛下にお伝えしたところ、陛下が御用意されました。」
そこには状況が落ち着いたらダンジョンに潜ってでも手に入れようと思っていた畳が用意されていた。
「シュウト様がハロルド様から譲り受けた移動式家屋をお持ちという事でしたので、それに合う様に加工した畳で御座います。」
「それは有難く頂戴致します。」
俺は畳をアイテムボックスにしまうと再度、バトさんに礼を言って就寝した。
翌朝、朝食を終えた俺はアルトスさんと共に王都中を駆け回って転生させていった。
「シュウト殿、もう日が落ち始めましたが、どうされますか?」
「スキルとマップで確認出来た方は後1人なので、アルトスさんが良ければ向かいたいです。」
「問題ありません。で、最後は何処になりますか?」
「彼処の建物だと思います。」
俺は他の建物より高い塀に囲まれた場所を指した。
「彼処ですか・・・1度、城に戻っても宜しいですか?」
「何か問題でも?」
「いえ、彼処は魔法研究施設なのでネクロさんの方が詳しいと思われるので。」
「あっそうなんですか。なら、戻りますか。」
俺がそう言うと声を掛けられた。
「シュウト殿、儂に何か用があるのかのぅ?」
振り向くとそこにはネクロさんが立っていた。
「え?丁度いい所にネクロさん申し訳ないんですけど、この施設の中を案内してもらえませんか?」
「この施設に何の用じゃ?」
「ネクロさん、シュウト殿は例の仕事で中に入る必要がある様なんです。」
ネクロさんはその言葉で理解したのか真剣な表情に変わり「承知した。」と言って施設の門に向かって歩き始めた。
「シュウト殿、行きましょう。」
ネクロさんの後を追って門に着くとネクロさんが門居た兵士と話してから此方を向いた。
「シュウト殿、申し訳ないが、メダルを持ってらっしゃるかのぅ?無ければ、城まで取りに行かなくてはいけないのじゃが。」
そう言われた俺はアイテムボックスからメダルを出して兵士に見せた。すると兵士の方は敬礼をして、通してくれた。
「しかし、シュウト殿、此処はかなり厳重に結界を張ってあるのによく分かりましたな。」
「多分、ダンジョンの奥でも場所が分かるくらいなんで、人が張った結界だとあまり意味がないのかもしれません。」
「なるほどのぅ。流石としか、言い様がないですな。では、何方に向かわれますかの?」
「此処の地下の様ですね。」
「地下ですか・・・という事は、2週間程前に亡くなったあの者の研究室かのぅ。それならとりあえず、こっちじゃ。」
ネクロさんはそう言うと施設の奥へ進んでいくと扉があった。
「階段で降りないんですか?」
「それだとかなり時間が掛かるでのぅこの魔道式昇降機を使うのじゃよ。」
あっエレベーターか。
俺達は昇降機に乗り込むと下へ降りていった。
「シュウト殿は魔道式昇降機に乗った事があるのかのぅ?」
「似た様な物にはありますね。」
「なるほどのぅ。どの様な物かは、聞きたいが着いたようじゃ。」
昇降機を降りるとかなり広い場所にただ1人ポツンと立っていた。
「やはり彼奴じゃったか。」
「お知り合いですか?」
「昔からの腐れ縁と申しましょうかのぅ。彼奴は防御系や拠点作成を得意とし、儂は攻撃系を得意とし、若い頃から色々とあったのですじゃ。歳を取ってからはそれぞれ研究職と現場に別れましたがな。」
「あぁそうじゃ。彼奴の性格からして転生したくは無いとか言うかもしれんのじゃが無視してもらってよいからの。彼奴が魔物化してしまったら最悪リッチになってしまうでの。」
「分かりました。話をしてみてダメそうならそうします。」
俺達はそんな話をしながら歩いていった。
『誰じゃ、儂の研究を邪魔する者は?』
「儂じゃ!ネクロじゃヘリオス!」
『なんじゃお前か、横の者は誰じゃ?』
「使徒様じゃ、お前に用があっていらしたのじゃ。」
ネクロさんがそう言うとヘリオスさんは跪く形になった。
『使徒様が何用で、このヘリオスに?』
「お前を転生させる為じゃ。何時までも留まっておらんで早よいけ。」
『なんと!儂はまだ行けん!もう少しで新たな魔法が完成出来るのじゃ!』
「そんなものもう少しと言うて何年も経つじゃろ。」
『五月蝿い!お前に何が分かると言うんじゃ!』
「完成せん事ぐらいは分かるわ。それにお前、このままだと魔物になるのじゃぞ。」
『例え魔物になろうと研究の邪魔はさせんぞ!』
「あのぅネクロさん、1ついいですか?」
「何ですかな?」
「ヘリオスさんの言ってることが分かるんですか?」
「いや、分かりませんぞ。」
「じゃあ・・・。」
「彼奴の言いそうな事ぐらい分かりますぞ。何せ生前も同じ事を繰り返し言っておったゆえ。」
あぁなるほど。
「では、ヘリオスさんにお聞きしますが、転生する意思は御座いますか?」
『いや、それは新たな魔法が完成すれば・・・。』
「それは後、数時間で完成しますか?」
『いや、それは・・・。』
「では、質問を変えますね。完成したとして、別の魔法を作り出したくはなりませんか?」
『いや、そのぅ・・・。』
「それで人に危害を加えようとも関係ないと?」
『いや、そんな事は・・・。』
「でしたら転生しますね。」
『しかし、それでは完成させる事が・・・。』
「他の方に任せる事は出来ないのですか?」
ヘリオスさんはネクロさんの方を見ながら『それは・・・。』と言葉を濁していた。
「では、ネクロさんに質問です。例えばネクロさんにヘリオスさんの魔法の完成を引き継いで貰う事は可能ですか?」
「本人が望むのであれば、やらんではないのじゃ。」
「ヘリオスさん、ネクロさんはこう仰ってますが、如何ですか?」
『ネクロがそこまで言うなら任せても良いのじゃ。』
「分かりました。ではネクロさん、ヘリオスさんの魔法の完成をお願い致します。」
「分かったのじゃ。ヘリオス、これ迄やってきた資料は何処にあるのじゃ?」
ネクロさんがそう言うとヘリオスさんは奥の方に進み始めたので、皆んなで着いていった。
『ここですじゃ。今研究してるのはコレですじゃ。』
案内された場所には机や棚があり、所狭しと資料と巻物が置かれていた。
「まさか、ネクロさんが引き継がなかったらコレ全部を完成させる迄、転生しないつもりだったんですか?」
俺がそう言うとヘリオスさんは目を逸らした。
「コレか・・・お主コレ完成しとるぞ。」
『何!!?では、何故発動しない!!!』
「だが、発動はせんじゃろうな。」
『何故だ!何故そう言い切れる!』
ヘリオスさんがそう言いながらネクロさんに迫るも何を言っているか分からないネクロさんは首を傾げていた。
「ネクロさん、ヘリオスさんは何で言い切れるかを教えほしいみたいですよ。」
「あぁそういう事か、それはココの計算が間違っておるから必要な魔力量が間違っておるのじゃよ。」
『何!?間違っておるだと!?・・・なんと・・・。』
そう言うとヘリオスさんは落ち込んでいた。
「ネクロさん、どういう魔法なんですか?」
「特定の場所と空を繋ぎ、燃え盛る星を落とす魔法です。」
メテオか。確かに凄い魔法だろうけど、火魔法と土魔法と魔法操作を使えば似た事は出来そうだよなぁ。
「で、どのくらいの魔力が必要なんですか?」
「計算上は10万程いるのですじゃ。そんなもの1人の人間で出来る様なものではないのですじゃ。」
「10万ですかぁ、魔力だけなら問題無さそうですね。」
「『はぁ?』」
『使徒様はどれ程の魔力量をお持ちで?』
「10回くらいは発動出来ますよ。」
「『ひゃ・・・。』」
2人は俺の答えに絶句していた。
「シュウト殿にお聞きしたいのですが、闇と火と土の適性は高いですかな?」
「いや、1つは高いですけど他はそんなに。」
「そうですか。それは残念なのじゃ。完成が見えると思ったのじゃが。」
『そうじゃのぅ。』
2人は俺の答えに残念そうにしていた。
「あのぅそれって1人でやる必要があるんですか?それに魔石とかで魔力を補うことも出来ないんですか?」
「『ハッ!それじゃ!』」
2人は意気揚々と筆談で話をしていた。
「あのぅ盛り上がっているところ申し訳ないのですが、結構掛かりますか?」
「おぉ申し訳ない。もう大丈夫じゃ、ヘリオスよ、コレで進めて完成させておくでの。他の魔法も完成出来る様に進めておくでの。」
『あぁ、頼んだ。では、使徒様お願い致します。』
「分かりました。では。」
俺は複数の選択肢の中から消費魔力減少(大)を選んで転生させた。
《ショウヒマリョクゲンショウ(ダイ)ヲカクトクシマシタ。》
またレベルは上がらなかったか。
俺は明日が期日だった事もあって王都中を奔走して28人も転生させたのにレベルが上がらなかった事に落ち込みつつも城の離れに戻って就寝する事にした。
「シュウト殿、父上を転生させてくれた御礼があるので受け取ってもらえぬか?」
リーグさんはそう言うと部屋の奥を指さした。
俺は使命でやった事だけど、皆さんの嬉しそうな顔に断るのも悪いと思い奥の方を見るとそこには山積みになった虹水晶があった。
「す、凄い量ですね。」
「城に飾ってあった全ての物を集めたのだ。受け取ってほしい。それとおそらく欲しいと思われる物を離れに置いてあるので、それも受け取ってほしい。」
「いやいや、こんなにも受け取るのは流石に・・・。」
「そう言われると思ったが、王都は広い。報告によると父上以外にも取り残されている者が居るようなのだ。放置する訳にもいかんが、シュウト殿の正体がバレる訳にもいかんので、報告のあった場所へ騎士団団長のアルトスと共にスタンピードの期日までに急いで向かってほしい。その報酬も兼ねておる。」
なるほど、もしもの時に魔物化しない様にという事か。
「分かりました。なら、アルトスさんに問題が無ければ、明日朝一から動き出します。」
「そう言ってくれると助かる。」
俺は食事を終わらせてから虹水晶を全て吸収し、明日に備えるために離れに戻っていった。
「おぉもしかしてコレですか?」
「はい。シュウト様の喜び様を陛下にお伝えしたところ、陛下が御用意されました。」
そこには状況が落ち着いたらダンジョンに潜ってでも手に入れようと思っていた畳が用意されていた。
「シュウト様がハロルド様から譲り受けた移動式家屋をお持ちという事でしたので、それに合う様に加工した畳で御座います。」
「それは有難く頂戴致します。」
俺は畳をアイテムボックスにしまうと再度、バトさんに礼を言って就寝した。
翌朝、朝食を終えた俺はアルトスさんと共に王都中を駆け回って転生させていった。
「シュウト殿、もう日が落ち始めましたが、どうされますか?」
「スキルとマップで確認出来た方は後1人なので、アルトスさんが良ければ向かいたいです。」
「問題ありません。で、最後は何処になりますか?」
「彼処の建物だと思います。」
俺は他の建物より高い塀に囲まれた場所を指した。
「彼処ですか・・・1度、城に戻っても宜しいですか?」
「何か問題でも?」
「いえ、彼処は魔法研究施設なのでネクロさんの方が詳しいと思われるので。」
「あっそうなんですか。なら、戻りますか。」
俺がそう言うと声を掛けられた。
「シュウト殿、儂に何か用があるのかのぅ?」
振り向くとそこにはネクロさんが立っていた。
「え?丁度いい所にネクロさん申し訳ないんですけど、この施設の中を案内してもらえませんか?」
「この施設に何の用じゃ?」
「ネクロさん、シュウト殿は例の仕事で中に入る必要がある様なんです。」
ネクロさんはその言葉で理解したのか真剣な表情に変わり「承知した。」と言って施設の門に向かって歩き始めた。
「シュウト殿、行きましょう。」
ネクロさんの後を追って門に着くとネクロさんが門居た兵士と話してから此方を向いた。
「シュウト殿、申し訳ないが、メダルを持ってらっしゃるかのぅ?無ければ、城まで取りに行かなくてはいけないのじゃが。」
そう言われた俺はアイテムボックスからメダルを出して兵士に見せた。すると兵士の方は敬礼をして、通してくれた。
「しかし、シュウト殿、此処はかなり厳重に結界を張ってあるのによく分かりましたな。」
「多分、ダンジョンの奥でも場所が分かるくらいなんで、人が張った結界だとあまり意味がないのかもしれません。」
「なるほどのぅ。流石としか、言い様がないですな。では、何方に向かわれますかの?」
「此処の地下の様ですね。」
「地下ですか・・・という事は、2週間程前に亡くなったあの者の研究室かのぅ。それならとりあえず、こっちじゃ。」
ネクロさんはそう言うと施設の奥へ進んでいくと扉があった。
「階段で降りないんですか?」
「それだとかなり時間が掛かるでのぅこの魔道式昇降機を使うのじゃよ。」
あっエレベーターか。
俺達は昇降機に乗り込むと下へ降りていった。
「シュウト殿は魔道式昇降機に乗った事があるのかのぅ?」
「似た様な物にはありますね。」
「なるほどのぅ。どの様な物かは、聞きたいが着いたようじゃ。」
昇降機を降りるとかなり広い場所にただ1人ポツンと立っていた。
「やはり彼奴じゃったか。」
「お知り合いですか?」
「昔からの腐れ縁と申しましょうかのぅ。彼奴は防御系や拠点作成を得意とし、儂は攻撃系を得意とし、若い頃から色々とあったのですじゃ。歳を取ってからはそれぞれ研究職と現場に別れましたがな。」
「あぁそうじゃ。彼奴の性格からして転生したくは無いとか言うかもしれんのじゃが無視してもらってよいからの。彼奴が魔物化してしまったら最悪リッチになってしまうでの。」
「分かりました。話をしてみてダメそうならそうします。」
俺達はそんな話をしながら歩いていった。
『誰じゃ、儂の研究を邪魔する者は?』
「儂じゃ!ネクロじゃヘリオス!」
『なんじゃお前か、横の者は誰じゃ?』
「使徒様じゃ、お前に用があっていらしたのじゃ。」
ネクロさんがそう言うとヘリオスさんは跪く形になった。
『使徒様が何用で、このヘリオスに?』
「お前を転生させる為じゃ。何時までも留まっておらんで早よいけ。」
『なんと!儂はまだ行けん!もう少しで新たな魔法が完成出来るのじゃ!』
「そんなものもう少しと言うて何年も経つじゃろ。」
『五月蝿い!お前に何が分かると言うんじゃ!』
「完成せん事ぐらいは分かるわ。それにお前、このままだと魔物になるのじゃぞ。」
『例え魔物になろうと研究の邪魔はさせんぞ!』
「あのぅネクロさん、1ついいですか?」
「何ですかな?」
「ヘリオスさんの言ってることが分かるんですか?」
「いや、分かりませんぞ。」
「じゃあ・・・。」
「彼奴の言いそうな事ぐらい分かりますぞ。何せ生前も同じ事を繰り返し言っておったゆえ。」
あぁなるほど。
「では、ヘリオスさんにお聞きしますが、転生する意思は御座いますか?」
『いや、それは新たな魔法が完成すれば・・・。』
「それは後、数時間で完成しますか?」
『いや、それは・・・。』
「では、質問を変えますね。完成したとして、別の魔法を作り出したくはなりませんか?」
『いや、そのぅ・・・。』
「それで人に危害を加えようとも関係ないと?」
『いや、そんな事は・・・。』
「でしたら転生しますね。」
『しかし、それでは完成させる事が・・・。』
「他の方に任せる事は出来ないのですか?」
ヘリオスさんはネクロさんの方を見ながら『それは・・・。』と言葉を濁していた。
「では、ネクロさんに質問です。例えばネクロさんにヘリオスさんの魔法の完成を引き継いで貰う事は可能ですか?」
「本人が望むのであれば、やらんではないのじゃ。」
「ヘリオスさん、ネクロさんはこう仰ってますが、如何ですか?」
『ネクロがそこまで言うなら任せても良いのじゃ。』
「分かりました。ではネクロさん、ヘリオスさんの魔法の完成をお願い致します。」
「分かったのじゃ。ヘリオス、これ迄やってきた資料は何処にあるのじゃ?」
ネクロさんがそう言うとヘリオスさんは奥の方に進み始めたので、皆んなで着いていった。
『ここですじゃ。今研究してるのはコレですじゃ。』
案内された場所には机や棚があり、所狭しと資料と巻物が置かれていた。
「まさか、ネクロさんが引き継がなかったらコレ全部を完成させる迄、転生しないつもりだったんですか?」
俺がそう言うとヘリオスさんは目を逸らした。
「コレか・・・お主コレ完成しとるぞ。」
『何!!?では、何故発動しない!!!』
「だが、発動はせんじゃろうな。」
『何故だ!何故そう言い切れる!』
ヘリオスさんがそう言いながらネクロさんに迫るも何を言っているか分からないネクロさんは首を傾げていた。
「ネクロさん、ヘリオスさんは何で言い切れるかを教えほしいみたいですよ。」
「あぁそういう事か、それはココの計算が間違っておるから必要な魔力量が間違っておるのじゃよ。」
『何!?間違っておるだと!?・・・なんと・・・。』
そう言うとヘリオスさんは落ち込んでいた。
「ネクロさん、どういう魔法なんですか?」
「特定の場所と空を繋ぎ、燃え盛る星を落とす魔法です。」
メテオか。確かに凄い魔法だろうけど、火魔法と土魔法と魔法操作を使えば似た事は出来そうだよなぁ。
「で、どのくらいの魔力が必要なんですか?」
「計算上は10万程いるのですじゃ。そんなもの1人の人間で出来る様なものではないのですじゃ。」
「10万ですかぁ、魔力だけなら問題無さそうですね。」
「『はぁ?』」
『使徒様はどれ程の魔力量をお持ちで?』
「10回くらいは発動出来ますよ。」
「『ひゃ・・・。』」
2人は俺の答えに絶句していた。
「シュウト殿にお聞きしたいのですが、闇と火と土の適性は高いですかな?」
「いや、1つは高いですけど他はそんなに。」
「そうですか。それは残念なのじゃ。完成が見えると思ったのじゃが。」
『そうじゃのぅ。』
2人は俺の答えに残念そうにしていた。
「あのぅそれって1人でやる必要があるんですか?それに魔石とかで魔力を補うことも出来ないんですか?」
「『ハッ!それじゃ!』」
2人は意気揚々と筆談で話をしていた。
「あのぅ盛り上がっているところ申し訳ないのですが、結構掛かりますか?」
「おぉ申し訳ない。もう大丈夫じゃ、ヘリオスよ、コレで進めて完成させておくでの。他の魔法も完成出来る様に進めておくでの。」
『あぁ、頼んだ。では、使徒様お願い致します。』
「分かりました。では。」
俺は複数の選択肢の中から消費魔力減少(大)を選んで転生させた。
《ショウヒマリョクゲンショウ(ダイ)ヲカクトクシマシタ。》
またレベルは上がらなかったか。
俺は明日が期日だった事もあって王都中を奔走して28人も転生させたのにレベルが上がらなかった事に落ち込みつつも城の離れに戻って就寝する事にした。
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