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第54話 [質問と国王]
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俺はあれから私生活での力加減に慣れるのは5日でなんとかなったのだが、ハロルドさんから急な反応をする時でも加減が出来るまではということで邸から外に出るのに最終的には10日も掛かってしまい、そこから更に工房での手加減の訓練にも5日も掛かってしまい、計15日の間にハロルドさんの邸の離れは半壊させ、庭の一部は壊し、工房に在った木人は在庫が無くなってからは作った側から壊してしまった上に木人破壊の余波で工房の一部も壊してしまった為か、ダンジョンでの大量殲滅の所為かは分からないが、破壊王という称号まで手に入れてしまった。
ハロルドさんには破壊してしまった様々な物の修理費用を自分が出すと言ったが受け取りを拒否され、それでも食い下がると息子の魔道具が完成した後にお願いしたい事があると言われたので了承した。
その他、俺が動けない間に例のマギリの件は俺の予想通りの位置にいた敵とマギリの巣周辺にいた敵の殲滅は滞りなく終了し、街に潜伏していたゲオルギ帝國の間者、次いでに他の敵対している国や貴族の間者も処理する事が出来たとハロルドさん、セルジュさんから感謝された。
マギリの件が、終了してから数日後、セルジュさんから国王に会って貰うことは出来るかという打診が有ったが、セルジュさんに初めて会った時も緊張したのに国のトップに会うなんて考えられないし、前の話からすると国王まで、初めて会った時のセルジュさん達みたいになるのか、聞くとほぼほぼそうなるとの事だったので、丁重にお断りをした。
それから数日後、工房の帰りに魔道具の魔力充填の為に教会へ行くとガシュウさんが出迎えてくれ、教会の2Fに案内された。
「ガシュウさん、あらためて忙しいのに10日も付き合ってくれて、ありがとうございました。」
「それはあの時も言いましたがお気になさらずに。本日も充填ですか?」
「それもありますけど、アストライアー様にこの前、聞くのを忘れてた事を聞けたらなぁと思って。」
「なるほど。では私は魔力を充填しておきますね。」
俺は「お願いします」と言ってから祈り始めた。
ライヤ様、ライヤ様、聞こえますか?
暫く待つが、反応がなかったので、今日は無理かなぁと思っていると《ピコン♪》と鳴ったのでステータスを見てみる。
『何?今のところ、シュウトが動ける範囲には神託を降さなきゃダメな子は居ないわよ。』
あっ今回はそっちに行けないんだ。
『そんなに頻繁には呼べないわよ。』
そうなんだ。それよりも2つほど聞きたいんだけど・・・。
『何?』
1つはステータスってもっと見易くならないのかなって事。
『まぁ普通は貴方みたいに数多くのスキルや称号を持つ事は出来ないから忘れてたわ。とりあえず、言っておくからその内変わると思うわよ。』
そうなんだ。それならお願いします。後はスキルの転生がレベルアップしてたんだけど、何か変わるのかなって。
『一寸待ってて。』
・・・
・・・
・・・結構掛かってるなぁ。
・・・
・・・
《ピコン♪》
『分ったわ。今までと違うのは2点あるわ。先ずは転生する子の同意が必要だったけど、それが必要無くなるの。もう1つはこれまでみたいに同意して転生させた時だけ貰えるスキルを選択出来るみたいね。』
へぇ~なら今まで通り同意してもらった方が良さそうだな。
『そうなるわね。とりあえず、後はもう良い?私も忙しいから。』
あぁ今回はそのくらいかな。忙しい中、教えてくれてありがとう。
『いいのよ。じゃあね。』
まぁとりあえず、ステータスの事は様子をみるか。
「ガシュウさん、こっちは終わりました。」
「こちらも終わりましたよ。」
「そうですか。では、帰りますね。」
俺がそう言うとガシュウさんは凄く良い笑顔で頷いたので、俺はそんなガシュウさんに一寸違和感を感じながらも邸へ帰って行った。
邸に着くとセバスさんが出迎えてくれた。
「シュウト様、おかえりなさいませ。応接室にて、お客様がおいでですが、お着替えなさいますか?」
「いえ、待たせるのも悪いんでこのまま行きます。」
「承知致しました。では、クリーンだけ掛けさせて頂きますね。」
「ありがとうございます。では、お願いします。ところで、お客様って自分が知ってる人ですか?」
「お会いしたことはないかと。」
「そうなんですね。」
会ったことがないって誰だろう?
そう思いながら応接室に入ると格好的に明らかに普通ではない2人が俺達を見るなり、土下座をしていた。
「御挨拶が遅れて申し訳ありません。使徒様、聖獣白虎様におかれましては・・・」
え?誰?何この状況?
俺はそう思いながら周りを見ると皆んなが申し訳なさそうにしている中、セルジュさんが話し掛けてきた。
「シュウト殿、申し訳ない。之がウチの国王と宰相だ。」
え!?何でここに国王と宰相がいるの!?え?王都って近いの?
「シュウト殿、王都は此処から何処も寄らずに行ったとしても片道だけで20日以上は掛かるぞ。」
え!?じゃあ、どうや・・・ガシュウさんか!だから何時もより良い笑顔してたのか!
「シュウト殿の思ってる通り、教皇様が昼過ぎに連れて来られた。」
え?教皇って教国の皇帝って事だよねぇ。そんな事に他国の王様使っていいの?
「教皇様とウチの陛下は昔から仲が良いんで、よく一緒に遊びに行っては隣にいるセドリックに怒られてるのはよく聞くな。」
「な、なるほど。ところでこの状況何とかして貰えませんか?」
俺がそう言うとハロルドさんが土下座して何かを言い続けている2人の前に仁王立ちした。
「お主達、立たぬか!此方に居らっしゃる方々はその様な事は望まぬと言ったであろう!」
「し、しかし・・・。」
「しかしでは無い!現に困らせているであろう!リーグ!!セド!!立て!!!」
ハロルドさんがそう一喝すると2人はビシッと立った。
え?国王と宰相だよねぇ・・・ハロルドさんいいの?
「シュウト殿、アレに関しては問題ない。俺もそうだが、リーグもセドリックも父が現役だった頃に鍛えられたのと彼等の憧れ人でもあるので、彼等は父には逆らえないのだ。」
「現役?」
「あぁ知らなかったんだな。父は元公爵で有りながら元近衛騎士団総団長だったんだ。」
「え!?」と驚きながらハロルドさんを見るとハロルドさんは困った顔をしていた。
「セルジュ、何故言うのだ。それに今はしがない商人でしかないのですよ。シュウト様。」
ハロルドさんがそう言うと先程、立たされた2人が叫んだ。
「「そんな事はありません!!!」」
「我々団員を守る為に己を犠牲にした所為じゃないですか!」
「セルジュさん、守るって何の事ですか?」
「父はスタンピードで王都の民を先王を近衛騎士団を守る為に先代の聖獣白虎様の御力を借りて、守った所為で武技系統のスキルを使えなくなってしまったんだ。」
「白虎の力?」
俺はそう言いながら腕の中にいる息子を見た。
「そう本来は万人に見せてはいけない契約になっているのを父は皆を守る為に使ってしまったんだ。文字通り命を代償にするつもりで、しかし先代の聖獣白虎様は父の行動を鑑みて、命を取るには値せずと言って、父の代わりにお隠れになられたのだ。だが、それでも父は戦えなくなってしまい、儂に跡目を譲り、貴族である事も捨てたんだ。」
「何故に?」
「シュウト様、シュウト様にはお伝えするつもりはありませんでしたが、お話します。私が貴族を辞めた理由の1つですが、貴族である者は、どの様な局面であろうと民を守るべし!という信念がございましたので、武力でしか、民を守れぬ状況で力無き者が貴族では民を不幸にしてしまうと思ったのもあるのでございます。」
はぁ~カッコいいなぁ。
ハロルドさんの言葉に俺が感動しているとセバスさんも語り掛けてきた。
「私もそんな大旦那様を見て、この人に生涯を捧げようと冒険者を辞めて、大旦那様についていったのです。」
まぁそんな人なら皆んなが憧れるのも無理はないよなぁ。
「まぁそんな昔の事はよいではありませんか、それよりもリーグ!セド!シュウト様に挨拶をせぬか!」
それを聞いた2人はまだ自己紹介をしていないのに気づき、ハッ!とした顔をして、俺の方を向いた。
「自分は・・・」
「すいません自分に畏まった感じではなく、普通にして貰えませんか?」
「いや・・・はい分かり・・・分かった。ふぅ・・・余はシュナイダー王国国王、リーグ・ファン・シュナイダーである。以後はリーグと呼んで貰えばいい。」
「いや、そういう訳にはいけないので内々ではリーグさんとお呼びしますね。」
「使徒様・・・いや、シュウト殿のお好きにすればよい。」
「では、次は私ですね。シュウト様、私はこの国で宰相を務めさせて頂いております。シン・ブリステン公爵家の者でセドリック・シン・ブリステンでございます。以後はセドとお呼び下さい、」
「いやいやそういう訳には、ではリーグさんと同様にセドさんとお呼びしますね。ところでセドさんは公爵様なのですか?」
「いえ、公爵は私の父となります。」
なるほど。宰相だと領地経営するのが、難しいからかなぁ。
俺がそう思っているとセドさんはそれを察したのか話し掛けてきた。
「その通り、宰相というのは激務なので、領地を持つ程、暇ではないのです。特にこの直ぐ遊びに行ってしまう阿呆の所為で余計に。」
「なっ!それは今は関係なかろう!」
「あ゛。今回も突然行くと騒いだ所為で来たんだろうが!今もその所為で仕事が溜まってってるんだろ!」
「いや、それは・・・「それは何だ!」・・・すいません。」
えぇ・・・この国大丈夫?
「シュウト殿、リーグはこんなんだが頭はかなり良いから仕事は誰よりも早いんだ。」
「あぁそれでリーグさんが処理した仕事を部下の人に指示するのにセドさんが奮闘して激務になると。」
「シュウト様!分かって頂けますか!そうなのです!此奴は自分が出来る事は誰でも出来ると思ってるんです!」
「いやいや、出来てるじゃん。」
「黙れ阿呆が!毎度毎度、皆が無理してるって言ってるだろうが!」
「いや・・・すいません。」
「しかしセドさん、国王なのに良いんですか?」
「腐れ縁と激務なのを皆んなが知ってるから私が宰相をやってるだけなんで、辞めれるなら今すぐにでも辞めたいので、良いのです。」
「いや!それはセドが宰相でないと困る!」
「自分が楽する為だろう!」
「いや、その・・・そんな事は・・・。」
あっ図星なんだ。
「なら、今すぐ帰って仕事をするか!私が辞めるか!どうする!」
「帰ります。」
リーグさんがそう言うと一陣の風が吹いた。
ハロルドさんには破壊してしまった様々な物の修理費用を自分が出すと言ったが受け取りを拒否され、それでも食い下がると息子の魔道具が完成した後にお願いしたい事があると言われたので了承した。
その他、俺が動けない間に例のマギリの件は俺の予想通りの位置にいた敵とマギリの巣周辺にいた敵の殲滅は滞りなく終了し、街に潜伏していたゲオルギ帝國の間者、次いでに他の敵対している国や貴族の間者も処理する事が出来たとハロルドさん、セルジュさんから感謝された。
マギリの件が、終了してから数日後、セルジュさんから国王に会って貰うことは出来るかという打診が有ったが、セルジュさんに初めて会った時も緊張したのに国のトップに会うなんて考えられないし、前の話からすると国王まで、初めて会った時のセルジュさん達みたいになるのか、聞くとほぼほぼそうなるとの事だったので、丁重にお断りをした。
それから数日後、工房の帰りに魔道具の魔力充填の為に教会へ行くとガシュウさんが出迎えてくれ、教会の2Fに案内された。
「ガシュウさん、あらためて忙しいのに10日も付き合ってくれて、ありがとうございました。」
「それはあの時も言いましたがお気になさらずに。本日も充填ですか?」
「それもありますけど、アストライアー様にこの前、聞くのを忘れてた事を聞けたらなぁと思って。」
「なるほど。では私は魔力を充填しておきますね。」
俺は「お願いします」と言ってから祈り始めた。
ライヤ様、ライヤ様、聞こえますか?
暫く待つが、反応がなかったので、今日は無理かなぁと思っていると《ピコン♪》と鳴ったのでステータスを見てみる。
『何?今のところ、シュウトが動ける範囲には神託を降さなきゃダメな子は居ないわよ。』
あっ今回はそっちに行けないんだ。
『そんなに頻繁には呼べないわよ。』
そうなんだ。それよりも2つほど聞きたいんだけど・・・。
『何?』
1つはステータスってもっと見易くならないのかなって事。
『まぁ普通は貴方みたいに数多くのスキルや称号を持つ事は出来ないから忘れてたわ。とりあえず、言っておくからその内変わると思うわよ。』
そうなんだ。それならお願いします。後はスキルの転生がレベルアップしてたんだけど、何か変わるのかなって。
『一寸待ってて。』
・・・
・・・
・・・結構掛かってるなぁ。
・・・
・・・
《ピコン♪》
『分ったわ。今までと違うのは2点あるわ。先ずは転生する子の同意が必要だったけど、それが必要無くなるの。もう1つはこれまでみたいに同意して転生させた時だけ貰えるスキルを選択出来るみたいね。』
へぇ~なら今まで通り同意してもらった方が良さそうだな。
『そうなるわね。とりあえず、後はもう良い?私も忙しいから。』
あぁ今回はそのくらいかな。忙しい中、教えてくれてありがとう。
『いいのよ。じゃあね。』
まぁとりあえず、ステータスの事は様子をみるか。
「ガシュウさん、こっちは終わりました。」
「こちらも終わりましたよ。」
「そうですか。では、帰りますね。」
俺がそう言うとガシュウさんは凄く良い笑顔で頷いたので、俺はそんなガシュウさんに一寸違和感を感じながらも邸へ帰って行った。
邸に着くとセバスさんが出迎えてくれた。
「シュウト様、おかえりなさいませ。応接室にて、お客様がおいでですが、お着替えなさいますか?」
「いえ、待たせるのも悪いんでこのまま行きます。」
「承知致しました。では、クリーンだけ掛けさせて頂きますね。」
「ありがとうございます。では、お願いします。ところで、お客様って自分が知ってる人ですか?」
「お会いしたことはないかと。」
「そうなんですね。」
会ったことがないって誰だろう?
そう思いながら応接室に入ると格好的に明らかに普通ではない2人が俺達を見るなり、土下座をしていた。
「御挨拶が遅れて申し訳ありません。使徒様、聖獣白虎様におかれましては・・・」
え?誰?何この状況?
俺はそう思いながら周りを見ると皆んなが申し訳なさそうにしている中、セルジュさんが話し掛けてきた。
「シュウト殿、申し訳ない。之がウチの国王と宰相だ。」
え!?何でここに国王と宰相がいるの!?え?王都って近いの?
「シュウト殿、王都は此処から何処も寄らずに行ったとしても片道だけで20日以上は掛かるぞ。」
え!?じゃあ、どうや・・・ガシュウさんか!だから何時もより良い笑顔してたのか!
「シュウト殿の思ってる通り、教皇様が昼過ぎに連れて来られた。」
え?教皇って教国の皇帝って事だよねぇ。そんな事に他国の王様使っていいの?
「教皇様とウチの陛下は昔から仲が良いんで、よく一緒に遊びに行っては隣にいるセドリックに怒られてるのはよく聞くな。」
「な、なるほど。ところでこの状況何とかして貰えませんか?」
俺がそう言うとハロルドさんが土下座して何かを言い続けている2人の前に仁王立ちした。
「お主達、立たぬか!此方に居らっしゃる方々はその様な事は望まぬと言ったであろう!」
「し、しかし・・・。」
「しかしでは無い!現に困らせているであろう!リーグ!!セド!!立て!!!」
ハロルドさんがそう一喝すると2人はビシッと立った。
え?国王と宰相だよねぇ・・・ハロルドさんいいの?
「シュウト殿、アレに関しては問題ない。俺もそうだが、リーグもセドリックも父が現役だった頃に鍛えられたのと彼等の憧れ人でもあるので、彼等は父には逆らえないのだ。」
「現役?」
「あぁ知らなかったんだな。父は元公爵で有りながら元近衛騎士団総団長だったんだ。」
「え!?」と驚きながらハロルドさんを見るとハロルドさんは困った顔をしていた。
「セルジュ、何故言うのだ。それに今はしがない商人でしかないのですよ。シュウト様。」
ハロルドさんがそう言うと先程、立たされた2人が叫んだ。
「「そんな事はありません!!!」」
「我々団員を守る為に己を犠牲にした所為じゃないですか!」
「セルジュさん、守るって何の事ですか?」
「父はスタンピードで王都の民を先王を近衛騎士団を守る為に先代の聖獣白虎様の御力を借りて、守った所為で武技系統のスキルを使えなくなってしまったんだ。」
「白虎の力?」
俺はそう言いながら腕の中にいる息子を見た。
「そう本来は万人に見せてはいけない契約になっているのを父は皆を守る為に使ってしまったんだ。文字通り命を代償にするつもりで、しかし先代の聖獣白虎様は父の行動を鑑みて、命を取るには値せずと言って、父の代わりにお隠れになられたのだ。だが、それでも父は戦えなくなってしまい、儂に跡目を譲り、貴族である事も捨てたんだ。」
「何故に?」
「シュウト様、シュウト様にはお伝えするつもりはありませんでしたが、お話します。私が貴族を辞めた理由の1つですが、貴族である者は、どの様な局面であろうと民を守るべし!という信念がございましたので、武力でしか、民を守れぬ状況で力無き者が貴族では民を不幸にしてしまうと思ったのもあるのでございます。」
はぁ~カッコいいなぁ。
ハロルドさんの言葉に俺が感動しているとセバスさんも語り掛けてきた。
「私もそんな大旦那様を見て、この人に生涯を捧げようと冒険者を辞めて、大旦那様についていったのです。」
まぁそんな人なら皆んなが憧れるのも無理はないよなぁ。
「まぁそんな昔の事はよいではありませんか、それよりもリーグ!セド!シュウト様に挨拶をせぬか!」
それを聞いた2人はまだ自己紹介をしていないのに気づき、ハッ!とした顔をして、俺の方を向いた。
「自分は・・・」
「すいません自分に畏まった感じではなく、普通にして貰えませんか?」
「いや・・・はい分かり・・・分かった。ふぅ・・・余はシュナイダー王国国王、リーグ・ファン・シュナイダーである。以後はリーグと呼んで貰えばいい。」
「いや、そういう訳にはいけないので内々ではリーグさんとお呼びしますね。」
「使徒様・・・いや、シュウト殿のお好きにすればよい。」
「では、次は私ですね。シュウト様、私はこの国で宰相を務めさせて頂いております。シン・ブリステン公爵家の者でセドリック・シン・ブリステンでございます。以後はセドとお呼び下さい、」
「いやいやそういう訳には、ではリーグさんと同様にセドさんとお呼びしますね。ところでセドさんは公爵様なのですか?」
「いえ、公爵は私の父となります。」
なるほど。宰相だと領地経営するのが、難しいからかなぁ。
俺がそう思っているとセドさんはそれを察したのか話し掛けてきた。
「その通り、宰相というのは激務なので、領地を持つ程、暇ではないのです。特にこの直ぐ遊びに行ってしまう阿呆の所為で余計に。」
「なっ!それは今は関係なかろう!」
「あ゛。今回も突然行くと騒いだ所為で来たんだろうが!今もその所為で仕事が溜まってってるんだろ!」
「いや、それは・・・「それは何だ!」・・・すいません。」
えぇ・・・この国大丈夫?
「シュウト殿、リーグはこんなんだが頭はかなり良いから仕事は誰よりも早いんだ。」
「あぁそれでリーグさんが処理した仕事を部下の人に指示するのにセドさんが奮闘して激務になると。」
「シュウト様!分かって頂けますか!そうなのです!此奴は自分が出来る事は誰でも出来ると思ってるんです!」
「いやいや、出来てるじゃん。」
「黙れ阿呆が!毎度毎度、皆が無理してるって言ってるだろうが!」
「いや・・・すいません。」
「しかしセドさん、国王なのに良いんですか?」
「腐れ縁と激務なのを皆んなが知ってるから私が宰相をやってるだけなんで、辞めれるなら今すぐにでも辞めたいので、良いのです。」
「いや!それはセドが宰相でないと困る!」
「自分が楽する為だろう!」
「いや、その・・・そんな事は・・・。」
あっ図星なんだ。
「なら、今すぐ帰って仕事をするか!私が辞めるか!どうする!」
「帰ります。」
リーグさんがそう言うと一陣の風が吹いた。
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