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第47話 [準備]
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「シュウト様、もう宜しかったのですか?」
俺はハロルドさんにそう言われたので「はい。」と言いながら頷いた。
「では、これから如何なさいますか?」
「冒険者ギルドの方にハロルドさんも一緒に行って欲しいのですが他に予定はありますか?」
俺にそう言われ、何かを察したのかハロルドさんは真剣な表情になった。
「いえ、問題ありません。ガシュウ様では失礼致します。」
「ガシュウさん、今日もありがとうございました。」
「いえいえ、では頑張って下さいませ。」
俺達は挨拶を交わすと急ぎ、ギルドへ向かい到着すると一寸、受付にミーシャさんがいた。
「ミーシャさん、ゴルドさんは居ますか?」
昨日と俺の様子が違う事に気づいたミーシャさんは「こちらです。」と言いながら直ぐに案内してくれた。
「マスター、シュウトさんが来られました。」
「良いぞ。入れ。」
そう言われ、俺達が入るとゴルドさんはミーシャさんに目配せをし、ミーシャさんは呪文を唱えた。
「よし!で、何だ?」
「地図はあるか?」
「どうしてだ?」
「あるダンジョンへ行けと神託が降りた。」
「なんて言う名のダンジョンだ?」
「それは分からない。ただ場所は分かってるんで、地図で確認して、ゴルドさんかセバスさんが知っている場所ならどんな場所なのか教えて貰いたくて。」
「分かった今、用意する。ミーシャ!」
ゴルドさんがそう言うとミーシャさんは腰のポーチから1枚の紙を取り出し、ゴルドさんが片付けた机の上に拡げた。
俺はステータスのマップと地図を見比べながらライア様が示した場所を指さした。
「ここかぁここなら丁度良いが、ウチの竜車が頑張ってでも往復3日は掛かるぞ?」
「それは問題ない。真司に乗っていくからライア様の話では往復1時間も掛からないらしい。」
「流石、シンジ様だなぁ、でもそれだとシンジ様の正体がばれないか?」
「それも問題ないな。ライア様の力で1日だけ変色したままに出来るから。」
「ならいいのか?」と言いながらゴルドさんが疑問視していたが、それよりも気になったことがあったので、聞いてみた。
「それよりも丁度良いとはどういうことだ?」
「あぁそれか。前にシュウトがAランクになる条件は話しただろ。」
「あぁBランクダンジョンの単独踏破だっけ。」
「そう、それで罠もねぇし、中も迷宮になってる訳でもねぇ、ただただ魔物が多いだけの場所を紹介しようと思っていたのが、この“マギリの巣”って呼ばれるダンジョンなんだ。」
「注意点や攻略方法なんかはあるか?」
「攻略方法はな、圧倒的なスピードで捕まる前に階段やボス部屋の前室まで行くか。隠密性を高めて、同じ様に行くか。圧倒的な破壊力で殲滅していくかだな。注意点としては、如何に囲まれない様にするかだ。後は5階事に階層ボスの部屋はあるが、そこは数が少ないから問題ねぇがダンジョンボスはそれ迄の階層ボスと一緒の奴がいるし、1番面倒なのはボス部屋に入ったらというか、ボス部屋の扉を開くと同時に雑魚を生み出し続けるんだ。しかも雑魚が一定数より数が増すと近づいてきた雑魚は爆発し始めるんだ、しかも麻痺効果付きでな。だから入ったら直ぐにボスを倒すのを進める。で、他のダンジョンと違う点もあって扉は自分で閉めないと開きぱなしになるから、それも気を付けてほしい。因みに頭を落とすか潰すしかないからな。」
「その魔物ってどんな奴なんだ?」
「マギリを知らねぇのか?」
「知らないな。」
「そうか、ギリは知ってるか?」
ゴルドさんにそう聞かれたが分からないので首を横に振った。
「そうか・・・カード作った時に渡した小冊子は持ってるか?」
俺はマジックバックから小冊子を出した。
「それの後ろの方にこの辺で頻繁に出没する魔物だったり、有名な魔物が載ってるだろ?」
「すまん。こんなに早く要るとは思わなかったから最初の方しか読んでなかった。」
俺はそう言いながらページを捲っていくと魔物が載っているゾーンに入った。
おぉウィンドウルフ、リアルだなぁ。
「絵が上手いな。そっくりだなぁ。」
「良かったな、ミーシャ。」
俺がそう言うとゴルドさんはミーシャさんに声を掛け、声をかけられたミーシャさんは恥ずかしそうにしていた。
「あっこれがマギリか。」
これは蟻か、確か虫は痛覚がないんだっけ?有るけど無視出来るんだっけ?・・・まぁいいか。
「大人と同じ位のサイズか。」
「あぁそれが大群で来る。」
「あぁだからここに単体ならCランクって書いてあるのか。」
「あぁ1匹なら大した事はねぇ。だが奴等は基本群れだ。それに何故か1匹殺すと集まってきやがる。」
「あぁそれは多分匂いだな。」
「匂いだと?奴等は鼻なんてねぇぞ?」
「鼻じゃねぇよ。」
俺はそう言うとマギリの絵の触角を指す。
「それが奴等の鼻なのか?」
「鼻って訳じゃないが、匂いや温度、振動を感じれるはずだ。」
「けど奴等を殺しても何の匂いもしねぇぞ?」
「おそらく、マギリにしか分からない匂いなんだと思う。」
「なるほどなぁ・・・ってか何でそんなに詳しいんだ?」
「アレに似た奴を知ってるからかな。」
「なるほどなぁ。他には何かあるか?」
「そうだなぁ・・・あっ、此奴らが近寄らない場所とかはないか?」
「そういえば麻痺に特化した薬草の側に居たら助かったって話は聞いた事があるなぁ。」
「あぁそういえば爆発した時に麻痺が付くって言ってたもんなぁ。生態的に奴等の身体に受け付けない匂いが発生してるのかもな。」
「なるほどなぁ。なら、それを調べればマギリの被害は減る可能性があるのか。」
「多分な。」
「ありがとう被害を被ってきた里を代表して感謝する。」
「あくまで可能性だぞ?」
「それでもだ。」
「そうか。」
「シュウト様は何処へ行っても人助けが好きですなぁ」
俺とゴルドさんが話しているとハロルドさんが急に言ってきた。
「そんな事は・・・たまたまです。」
俺は否定しようとしたが、思い当たる節があるので、たまたまと言うとハロルドさんは「そうですね。」と微笑みを返してきた。
「おっそうだ!大事な事を言うのを忘れる所だった。」
「ん?何かあるのか?」
「あぁ。あのダンジョンは特殊でな。さっき話した事ともう1つ、ダンジョンコアの破壊は止めてほしい。」
「破壊を止める?」
「そうだ。他のダンジョンはダンジョンコアを破壊すればダンジョンが消滅するんだが、何故かあのマギリの巣は、破壊された瞬間に何処かで発生するんだ。」
「それは拙いのか?」
「あぁ、アレはスタンピードって訳でも無いのに定期的に溢れるんだ。」
蜂の分蜂みたいなものなのか?
「ダンジョンに意思があるかは、分からないけど在るとしたらどんな状況でも生き残ろうとしてるのかもしれないな。」
「どういうことだ?」
「何て言えば・・・その溢れたマギリ1匹1匹にダンジョンコアの素みたいなのが身体の何処かに有ってそれが今のダンジョンコアの消滅と共にその時1番強い個体が活性化してダンジョンになる感じかな。」
「なるほどなぁ。そう考えるとそうかもしれんな!」
「あくまで仮説だぞ。」
「分かってるが、誤って誰かがダンジョンコアを破壊した時に役立つかもしれんからな!」
ゴルドさんはそう言うとミーシャさんに目配せをし、ミーシャさんは何かの本?に書いていた。
「そういえば、倒したとして素材とかはどうすればいいんだ?」
「ん?素材?彼処は素材はほぼ出ないぞ?」
「出ない?」
「他のダンジョンならいざ知らず、あのダンジョンはダンジョンボス以外からは魔石以外出ないぞ。それ以外にも宝箱すらない。」
「え?ライア様が宝箱はあるって言ってたぞ?」
「あぁダンジョンボスを倒すと確かに稀に出るな。」
「え~一寸、楽しみにしてたんだけどなぁ。」
「それも有って彼処は人気が無いんだ。んで、苦肉の策として、Aランク試験場の役割と騎士団の演習場の役割をしてるんだ。」
「演習場かぁ・・・明日、急に行って大丈夫なのか?」
「問題ねぇんじゃねぇか?彼処を使うのは公爵家の騎士団だし。ねぇ、ハロルド様。」
「シュウト様、問題なかったと新人研修の時期ではありませんし。セバスどうなってる?」
「はい。今は昨日の処理でまだ坑道の調査が終わってませんので。」
新人研修!?研修なのにBランクダンジョン!?
俺が驚いてる様子を見てハロルドさんが答えた。
「シュウト様、我々公爵家の騎士団に入るには、最低限、Cランク冒険者並の戦闘力が必須となり、基本集団戦の演習なので、問題ありませんよ。」
流石、騎士団だなぁ。
「まぁ通常ならギルドマスターの許可と公爵家との日程の調整は必要ですが、シュウト様とシンジ様が使うのですから何の問題もありませんし、此処での話し合いが終わり次第、指示致しますので。」
「ありがとうございます。では、お願いします。」
「承知致しました。」
「ゴルドさんも明日、俺達が行くのは問題ないか?」
「それは勿論問題ねぇけどそれなら言った通り、Aランク試験って事にしたいから手続きだけしてくれや。」
「ん?そういえば試験って出来るのはまだ先って言ってなかったか?」
「それはBランクまでだ!Aランク以上になる様な奴は少数だから俺らギルドマスターの許可さえあれば良いんだよ。」
まぁそうか。俺がBランクに成れたのも偶然みたいなモノだしなぁ。
「まぁでもシンジ様が居なけりゃ許可は出してねぇけどな。ガッハッハッ!」
「そうか。ありがとな真司。」
俺はそう言いながら真司の頭を撫でた。
『ボクがんばるね。』
「おう。期待してるぞ。」
そう言ってやる気を見せる息子を撫でながら手続きを終わらせると俺達は邸に帰ってきた。
「では、明日の準備は私共におまかせ下さって、本日は早目にお食事をなさってお休み下さい。」
「分かりました。ありがとうございます。」
俺はそう言うと早々に食事を終わらせて部屋に戻った。
「明日は頼むぞ真司。」
『うん♪』そう言う息子を撫でている内にいつの間にか寝ていった。
気づいたら朝になっていたので俺は真司を起こしつつ、防具に袖を通して、食堂へ向かった。
俺はハロルドさんにそう言われたので「はい。」と言いながら頷いた。
「では、これから如何なさいますか?」
「冒険者ギルドの方にハロルドさんも一緒に行って欲しいのですが他に予定はありますか?」
俺にそう言われ、何かを察したのかハロルドさんは真剣な表情になった。
「いえ、問題ありません。ガシュウ様では失礼致します。」
「ガシュウさん、今日もありがとうございました。」
「いえいえ、では頑張って下さいませ。」
俺達は挨拶を交わすと急ぎ、ギルドへ向かい到着すると一寸、受付にミーシャさんがいた。
「ミーシャさん、ゴルドさんは居ますか?」
昨日と俺の様子が違う事に気づいたミーシャさんは「こちらです。」と言いながら直ぐに案内してくれた。
「マスター、シュウトさんが来られました。」
「良いぞ。入れ。」
そう言われ、俺達が入るとゴルドさんはミーシャさんに目配せをし、ミーシャさんは呪文を唱えた。
「よし!で、何だ?」
「地図はあるか?」
「どうしてだ?」
「あるダンジョンへ行けと神託が降りた。」
「なんて言う名のダンジョンだ?」
「それは分からない。ただ場所は分かってるんで、地図で確認して、ゴルドさんかセバスさんが知っている場所ならどんな場所なのか教えて貰いたくて。」
「分かった今、用意する。ミーシャ!」
ゴルドさんがそう言うとミーシャさんは腰のポーチから1枚の紙を取り出し、ゴルドさんが片付けた机の上に拡げた。
俺はステータスのマップと地図を見比べながらライア様が示した場所を指さした。
「ここかぁここなら丁度良いが、ウチの竜車が頑張ってでも往復3日は掛かるぞ?」
「それは問題ない。真司に乗っていくからライア様の話では往復1時間も掛からないらしい。」
「流石、シンジ様だなぁ、でもそれだとシンジ様の正体がばれないか?」
「それも問題ないな。ライア様の力で1日だけ変色したままに出来るから。」
「ならいいのか?」と言いながらゴルドさんが疑問視していたが、それよりも気になったことがあったので、聞いてみた。
「それよりも丁度良いとはどういうことだ?」
「あぁそれか。前にシュウトがAランクになる条件は話しただろ。」
「あぁBランクダンジョンの単独踏破だっけ。」
「そう、それで罠もねぇし、中も迷宮になってる訳でもねぇ、ただただ魔物が多いだけの場所を紹介しようと思っていたのが、この“マギリの巣”って呼ばれるダンジョンなんだ。」
「注意点や攻略方法なんかはあるか?」
「攻略方法はな、圧倒的なスピードで捕まる前に階段やボス部屋の前室まで行くか。隠密性を高めて、同じ様に行くか。圧倒的な破壊力で殲滅していくかだな。注意点としては、如何に囲まれない様にするかだ。後は5階事に階層ボスの部屋はあるが、そこは数が少ないから問題ねぇがダンジョンボスはそれ迄の階層ボスと一緒の奴がいるし、1番面倒なのはボス部屋に入ったらというか、ボス部屋の扉を開くと同時に雑魚を生み出し続けるんだ。しかも雑魚が一定数より数が増すと近づいてきた雑魚は爆発し始めるんだ、しかも麻痺効果付きでな。だから入ったら直ぐにボスを倒すのを進める。で、他のダンジョンと違う点もあって扉は自分で閉めないと開きぱなしになるから、それも気を付けてほしい。因みに頭を落とすか潰すしかないからな。」
「その魔物ってどんな奴なんだ?」
「マギリを知らねぇのか?」
「知らないな。」
「そうか、ギリは知ってるか?」
ゴルドさんにそう聞かれたが分からないので首を横に振った。
「そうか・・・カード作った時に渡した小冊子は持ってるか?」
俺はマジックバックから小冊子を出した。
「それの後ろの方にこの辺で頻繁に出没する魔物だったり、有名な魔物が載ってるだろ?」
「すまん。こんなに早く要るとは思わなかったから最初の方しか読んでなかった。」
俺はそう言いながらページを捲っていくと魔物が載っているゾーンに入った。
おぉウィンドウルフ、リアルだなぁ。
「絵が上手いな。そっくりだなぁ。」
「良かったな、ミーシャ。」
俺がそう言うとゴルドさんはミーシャさんに声を掛け、声をかけられたミーシャさんは恥ずかしそうにしていた。
「あっこれがマギリか。」
これは蟻か、確か虫は痛覚がないんだっけ?有るけど無視出来るんだっけ?・・・まぁいいか。
「大人と同じ位のサイズか。」
「あぁそれが大群で来る。」
「あぁだからここに単体ならCランクって書いてあるのか。」
「あぁ1匹なら大した事はねぇ。だが奴等は基本群れだ。それに何故か1匹殺すと集まってきやがる。」
「あぁそれは多分匂いだな。」
「匂いだと?奴等は鼻なんてねぇぞ?」
「鼻じゃねぇよ。」
俺はそう言うとマギリの絵の触角を指す。
「それが奴等の鼻なのか?」
「鼻って訳じゃないが、匂いや温度、振動を感じれるはずだ。」
「けど奴等を殺しても何の匂いもしねぇぞ?」
「おそらく、マギリにしか分からない匂いなんだと思う。」
「なるほどなぁ・・・ってか何でそんなに詳しいんだ?」
「アレに似た奴を知ってるからかな。」
「なるほどなぁ。他には何かあるか?」
「そうだなぁ・・・あっ、此奴らが近寄らない場所とかはないか?」
「そういえば麻痺に特化した薬草の側に居たら助かったって話は聞いた事があるなぁ。」
「あぁそういえば爆発した時に麻痺が付くって言ってたもんなぁ。生態的に奴等の身体に受け付けない匂いが発生してるのかもな。」
「なるほどなぁ。なら、それを調べればマギリの被害は減る可能性があるのか。」
「多分な。」
「ありがとう被害を被ってきた里を代表して感謝する。」
「あくまで可能性だぞ?」
「それでもだ。」
「そうか。」
「シュウト様は何処へ行っても人助けが好きですなぁ」
俺とゴルドさんが話しているとハロルドさんが急に言ってきた。
「そんな事は・・・たまたまです。」
俺は否定しようとしたが、思い当たる節があるので、たまたまと言うとハロルドさんは「そうですね。」と微笑みを返してきた。
「おっそうだ!大事な事を言うのを忘れる所だった。」
「ん?何かあるのか?」
「あぁ。あのダンジョンは特殊でな。さっき話した事ともう1つ、ダンジョンコアの破壊は止めてほしい。」
「破壊を止める?」
「そうだ。他のダンジョンはダンジョンコアを破壊すればダンジョンが消滅するんだが、何故かあのマギリの巣は、破壊された瞬間に何処かで発生するんだ。」
「それは拙いのか?」
「あぁ、アレはスタンピードって訳でも無いのに定期的に溢れるんだ。」
蜂の分蜂みたいなものなのか?
「ダンジョンに意思があるかは、分からないけど在るとしたらどんな状況でも生き残ろうとしてるのかもしれないな。」
「どういうことだ?」
「何て言えば・・・その溢れたマギリ1匹1匹にダンジョンコアの素みたいなのが身体の何処かに有ってそれが今のダンジョンコアの消滅と共にその時1番強い個体が活性化してダンジョンになる感じかな。」
「なるほどなぁ。そう考えるとそうかもしれんな!」
「あくまで仮説だぞ。」
「分かってるが、誤って誰かがダンジョンコアを破壊した時に役立つかもしれんからな!」
ゴルドさんはそう言うとミーシャさんに目配せをし、ミーシャさんは何かの本?に書いていた。
「そういえば、倒したとして素材とかはどうすればいいんだ?」
「ん?素材?彼処は素材はほぼ出ないぞ?」
「出ない?」
「他のダンジョンならいざ知らず、あのダンジョンはダンジョンボス以外からは魔石以外出ないぞ。それ以外にも宝箱すらない。」
「え?ライア様が宝箱はあるって言ってたぞ?」
「あぁダンジョンボスを倒すと確かに稀に出るな。」
「え~一寸、楽しみにしてたんだけどなぁ。」
「それも有って彼処は人気が無いんだ。んで、苦肉の策として、Aランク試験場の役割と騎士団の演習場の役割をしてるんだ。」
「演習場かぁ・・・明日、急に行って大丈夫なのか?」
「問題ねぇんじゃねぇか?彼処を使うのは公爵家の騎士団だし。ねぇ、ハロルド様。」
「シュウト様、問題なかったと新人研修の時期ではありませんし。セバスどうなってる?」
「はい。今は昨日の処理でまだ坑道の調査が終わってませんので。」
新人研修!?研修なのにBランクダンジョン!?
俺が驚いてる様子を見てハロルドさんが答えた。
「シュウト様、我々公爵家の騎士団に入るには、最低限、Cランク冒険者並の戦闘力が必須となり、基本集団戦の演習なので、問題ありませんよ。」
流石、騎士団だなぁ。
「まぁ通常ならギルドマスターの許可と公爵家との日程の調整は必要ですが、シュウト様とシンジ様が使うのですから何の問題もありませんし、此処での話し合いが終わり次第、指示致しますので。」
「ありがとうございます。では、お願いします。」
「承知致しました。」
「ゴルドさんも明日、俺達が行くのは問題ないか?」
「それは勿論問題ねぇけどそれなら言った通り、Aランク試験って事にしたいから手続きだけしてくれや。」
「ん?そういえば試験って出来るのはまだ先って言ってなかったか?」
「それはBランクまでだ!Aランク以上になる様な奴は少数だから俺らギルドマスターの許可さえあれば良いんだよ。」
まぁそうか。俺がBランクに成れたのも偶然みたいなモノだしなぁ。
「まぁでもシンジ様が居なけりゃ許可は出してねぇけどな。ガッハッハッ!」
「そうか。ありがとな真司。」
俺はそう言いながら真司の頭を撫でた。
『ボクがんばるね。』
「おう。期待してるぞ。」
そう言ってやる気を見せる息子を撫でながら手続きを終わらせると俺達は邸に帰ってきた。
「では、明日の準備は私共におまかせ下さって、本日は早目にお食事をなさってお休み下さい。」
「分かりました。ありがとうございます。」
俺はそう言うと早々に食事を終わらせて部屋に戻った。
「明日は頼むぞ真司。」
『うん♪』そう言う息子を撫でている内にいつの間にか寝ていった。
気づいたら朝になっていたので俺は真司を起こしつつ、防具に袖を通して、食堂へ向かった。
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