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第41話 [バレる理由]

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「あのぅそろそろ普通に話して頂いてもいいですか?」

俺がそう言うとゴルドさん達は「いや・・・」と言いかけたが先程までの事を思い出して「おう。・・・これでいいか?」と聞いてきたので頷いた。

「1つ聞きたいんだけどいいか?」

「おう。何だ?何でも聞いてくれ!」

「何で俺やこの子が使徒や聖獣って分かったんだ?」

「そりゃその方が聖獣様って・・・」

「一寸待って。」

「ん?どうした?」

「1つお願いがあるんだが良いか?」

「おう。いいぞ。」

「後、ハロルドさん、セバスさん、ミーシャさんもお願いしたいんですが。」

俺がそう言うと3人とも頷いた。

「お願いを言う前にここにいる方には聞いて頂きたいことがあります。」

そう言うと4人は黙って聞く体勢になった様なので話し始めた。

「ハロルドさんとセバスさんは自分には前世の記憶がある事は話しましたね。」

2人は頷き、ゴルドさん達は分かっていたのか驚いた風には見えなかった。

「前世の最後の記憶で自分達はライヤ様・・・いや、アストライアー様と言った方がいいですよね。」

4人を見るが別段反応は無かったので続けた。

「それで最後はアストライアー様の空間と言えばいいのかは分かりませんがそこに家族といました。」

「そこで転生する為に家族はバラバラになったのです。」

そこまで話すとミーシャさんが「それであの時。」と小声で言ったのを聞いて頷いた。

「で、転生した息子がこの子なんです。」

そう言うといつの間にか寝てしまった息子を皆んなが見ていた。

「そしてこの子はまだ子供です。ですので、尊大な大人にはなって欲しくない。このままは難しいかもしれませんが、人々に慕われる良い大人になって欲しいのです。」

「ですので、自分からのお願いはこの子にも自分の様に普通に接し、悪いことは悪いと叱ってやってくれませんか?」

それを聞いた4人はそれぞれが考え込み、少し話し合っていた。暫くするとハロルドさんが話し始めた。

「白虎様のその安心しきった御顔を見れば納得いきますので我々はそうさせて頂きます。」

「ありがとうございます。後、この子の名前は真司です。今後ともよろしくお願いします。」

俺は息子の為のお願いを聞いて貰えた事にホッとしながらゴルドさんの方を向いた。

「話を切ってしまってすいません。ゴルドさんお願いします。」

「おう。じゃあ続きだな。え~と何故、使徒様や聖獣様って分かったかだったな。」

おれが頷くとゴルドさんは続けた。

「先ず聖獣様の事だがそれはハロルド様の方がよくご存知だと思うぞ。」

そう言われたのでハロルドさんを見るとハロルドさんは話し始めた。

「先ずシュウト様、我々公爵家の紋章を思い出して下さい。」

そう言われ、そういえば白虎だったと思い出すとハロルドさんは話を続けた。

「そうなのです。何故我々の紋章が白虎様なのかというと我々一族は聖獣である白虎様とは遠い昔から深く繋がりがあるのです。」

そう言われたので、息子を見るとハロルドさんは頷きながら続けた。

「実際は今の白虎様いえ、シンジ様ではなく、先代の白虎様なのですが。」

あぁだから分かったのかぁと思っているとハロルドさんは首を横に振った。

「確かに我々は姿は見えずとも感じますがそれよりも分かりやすいのがその色なのです。」

「色ですか?」

「はい。その純白と漆黒なのは白虎様ただお独りだからです。」

「独り?」

「はい。世界中探したとしても。」

「では、先代が亡くなられたらどうなるのですか?」

「伝承ではまたあの聖域で独りでに生まれるそうです。」

あぁフェンリルがそう言ってたって息子が言ってたなぁアレはそのままの意味だったのかぁ

「そして、我が公爵領ではその姿、その伝承が数多くありますので、誰が見ても白虎様と分かるのです。特にそこのゴルドを含む獣人族の里では神とされています。」

「だからあれ程の礼をしていたのか。だけどそれなら自分は?」

「それは俺が話す。それは俺の里には白虎様の伝承と共にある言い伝えがあったんだ。」

「言い伝え?」

「そう。いつかそういつの日か里を救う為に白虎様を従えて、現れる人がおり、その者はアストライアー様の使徒様であり、敵対する事を禁ずるというのがあるんだ。それと伝承では1度既に訪れて、一族全てが捕まり奴隷にされた時、助けてくれたのが使徒様と白虎様だったとされているんだ。」

なるほどなぁ

「だから白虎様を抱いてる姿とそれにシンジ様を見た時に聖域を思い出して、シュウトが爆発させた時に感じた気配が酷似してたんだ。」

「だから思い出したその瞬間、シンジ様を抱く姿、伝承、言い伝え、そして聖域と酷似する力を使う事、その全てが使徒様であると結論付けるものになったんだ。」

それを聞いた俺は今のこの状況は全て俺の所為と言う事がわかり、反省した。

「なら、え~とセバスさん、どうやらこの状況の責任は自分にある様なので、ゴルドさん達を許して貰う事は出来ませんか?」

そう言うとゴルドさん達は救世主を見る様な目で俺を見ていた。

アレ?失敗したかなぁ。

「はぁ~シュウト様がそう言うのであれば仕方ありません。お前達、今後は気を付けるのですよ。」

「「ハッ!」」

2人はピシッと敬礼の様なことをすると俺に会釈してきた。

「ところでよぅシュウト。1つ言っとくとこの辺の獣人の殆どはこの話を知ってるからシンジ様を見たらバレるぞ。」

え!?マジ!?え?どうしよう。

ゴルドさんのその言葉に動揺しているとハロルドさんに声を掛けられた。

「シュウト様、お任せ下さい。今直ぐにとはいきませんが此方で何とか致しましょう。
それに従魔を連れて歩くのであれば、首輪等の装具が必要となりますが、シンジ様を含め、聖獣様方に従魔の首輪は意味を成さないので、その代わりに伸縮自在とカラーリングの魔法を付与した物をお造り致しますので、それ迄の間は街ではお姿を見せない様に馬車移動して・・・」

ハロルドさんが今後の対策を話してもらっていると何かの気配を感じたので其方を見ると少しづつ人の形をした何かが現れたと思った瞬間、そこにはハイエルフの姿の教皇であるガシュウさんがいた。

『とうちゃん♪あのひとだれ?』

「ん?起きたのか?あの人は教皇・・・教会で1番偉い人でガシュウさんって言う人だよ。」

『へぇ~あ!こんにちは。』

「これはこれはご丁寧にありがとうございます。こんにちは。お初にお目にかかります。私、光星教で教皇を務めさせて頂いております。ガシュウ・ハレルヤと申します。聖獣白虎様にお会い出来て光栄の至りに存じます。」

ん?息子の言葉が分かった?

『ボク、シンジよろしくね。』

「シンジ様、こちらこそお願いします。」

「え!?ガシュウさん真司の言葉が分かるんですか!!!」

「はい。これでも教皇なので。」

「教皇が関係してるんですか?」

「教皇というよりも信仰心です。」

「信仰心ですか?」

「はい。聖獣様は神の眷属なので。」

「ならウチの真司もそうなんですか?」

『とうちゃん。ライヤさまのけんぞくってかいてあるよ。』

俺たちの話を聞いていた息子がステータスを見て話し掛けてきた。

「おぉ世界神のアストライアー様の眷属様で在られましたか!」

そう言うとガシュウさんは跪き、頭を垂れた。

「ガシュウさん自分と一緒で息子もそういうのは一寸・・・。」

「息子?」

あっヤベッこの人には真司との前世の話はしてなかった。

するとガシュウさんは「そういえばシンジ様も父と言ってたよぅな、しかし、聖獣様に親は存在しないはず、ならば育ての親?いやいや、それこそありえない、いや、使徒様なら・・・」とブツブツ言っていたので、うわぁどうしようと思っていると思わぬ所からフォローがきた。

『とうちゃん、ガシュウさんはせっかくおしゃべりできるのに、ともだちになってくれないの?』

!!?

「わ、私とお友達ですか?」

息子の発言でガシュウさんは驚き、考えが吹っ飛んだ様に見えた。

よし!ナイスだ息子よ!このまま有耶無耶にしてしまえ!

「そうなんですよ。シンジはまだ子供なので、人と話す時は念話でしか話せないんですよ。もし、ガシュウさんさえ、良ければ話し相手というか、お友達になってやってもらえませんか?」

「そんな!私などが・・・」

そのガシュウさんの反応に息子は悲しそうにしているのを見たガシュウさんは「私で良ければ。」と言ってくれた。

『やったぁー!とうちゃんボクおともだちができたよ♪』

「良かったなぁ」

『うん♪』と言うと息子は俺の周りをポテポテピョンと変な動きで喜びを現していた。

「ところでガシュウさんは何をしに?」

「・・・あ、あぁ忘れておりました。此方をどうぞ。」

ガシュウさんはそう言うと1枚のスカーフと留め具を渡してきた。

「これは?」

「それが此方にきた理由でございます。」

「これが?」

「はい。神託により、シュウト様とシンジ様がお困りになっているということで、私の変身魔法を付与した物をお渡しに参ったという訳です。」

おぉコレで問題解決か!

「ですが、幾ら私の変身魔法とはいえ、聖獣様を変身させる事は出来ません。精々、御色を変える程度ですが。」

『なんだぁせっかくヒーローにへんしんできるとおもったのにぃ。』

「コラ!シンジそんな事言ったら駄目だろ!」

俺が怒ると息子はガシュウさんの足元に隠れ、此方を伺いながら『ごめんなさい。』と言っていた。

「誰に言わなくちゃいけないんだ?」

そう言うと息子はガシュウさんを見上げながら『ごめんなさい。』と言ったので俺は屈むと笑顔で手を広げると喜んで胸に飛び込んできた。

「すいませんガシュウさん。」

「いえいえ、こちらこそ期待に応えられなくて申し訳ございません。
それと使い方ですが、スカーフを巻き、その魔道具で留めて下さい。それで魔法が掛かります。但し、1日1回、教会に来てもらい、私が魔力供給をしなけばいけません。
しかし、シュウト様には使命がおありですので、シュウト様かシンジ様の魔力で出来る物をハロルド殿に作って頂くまでの一時しのぎにしか過ぎませんが。」

「なるほど一時しのぎだとしても有難いです。」
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