転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

文字の大きさ
上 下
31 / 344

第30話 [質疑応答]

しおりを挟む
「ハロルドさん聞きたい事があるのですがいいですか?」

「何でしょう、私に分かることであれば何でも聞いて下さい。」

俺は意を決して転生のスキルの事を話した。

「・・・実は自分が使徒であり、使命が何故あるかというと自分には特殊なスキルがあるからなんです。」

そう言うと3人は真剣な表情に変わった。

「で・・・」

「シュウト様!少しお待ち下さい!セバス!もう一度、結界の確認をしろ!」

「御意!」というとセバスさんは一瞬にして姿を消し、数秒後また現れたセバスさんはハロルドさんに「問題ありません!」と言っていた。

セバスさんってやっぱ何者!?

「シュウト様、お話を遮って申し訳ありません再確認致しましたので、お願い致します。」

「あ、あぁ分かりました。・・・えぇと・・・で、そのスキルなんですが、転生という名のスキルなんです。」

「転生というと・・・何度も転生出来ると?」

ハロルドさんは俺と同じ勘違いをしていた。

「いいえ、そうではありません。死んでしまい彷徨う魂を転生させる能力なんです。」

ハロルドさん達は始め、どういう事なんだ?と不思議そうな顔をしていたが、一拍置いて気付いた様でハッ!としていた。

「で、ではミレーヌを転生させてくれたのはシュウト様ということですね!」

「本人の同意が必要ですが、そうなりますね。」

それを聞いて3人はまた頭を下げた。

「あのぅ~すいません、申し訳ないんですが話が進まなくなりそうなんで頭を上げてもらってもいいですか?」

「あ、あぁ申し訳ありません。つい・・・ど、どうぞ。」

俺は流石にこのままだと自分が聞きたい事を教えてもらうのに朝まで掛かってしまいそうな雰囲気だったので悪いなぁ~とは思ったが強制的に話を戻した。

「それでライヤ様が示す場所に行き、転生させに行くんですが、転生させる際に運が良ければ転生させた相手のスキルをまぁ能力的には殆どが1割程度になってしまいますが、1つだけ継承する事が出来るんです。」

「おぉそれは凄い!」

「それがそうでも無いんですよ。」

「何故ですか?」

「このスキルが在る所為でどれだけ頑張ってもレベルも熟練度も上がらないので。」

「え?それは御自身のレベルもですか?」

「そうですね。唯一上がるのは転生させた時だけです。」

「あぁだからあの時“自分にも利がある”と仰っていたのですね。」

「その通りです。」

「では、信頼出来る護衛を探したいと?」

「あぁそれは結構です。スキルと虹水晶のお陰でこの辺にいる魔物なら傷一つ付かないので。」

「あぁだからあの時、爆発で周りが酷い事になっていたのに無傷だったのですね。」

「あぁはい。・・・そ、それに今、武具も作って貰ってますし・・・それになんていうか護衛されるのが嫌というか・・・あ!話を戻しますね。」

自分の発言から困った方向に話が行きそうだったので無理矢理話を戻した。

「それで聞きたいのはミレーヌさんを転生させた時に運良くユニークスキル・アイテムボックスを継承する事が出来たんですがどの位入るものなのかを聞きたかったんです。」

「おぉミレーヌから良いスキルを貰えましたね。」

「そのスキルですが、ステータスのスキルの横に数字が載っていませんでしょうか?」

「あ、はい。熟練度か何かでしょうか?」

「いいえ、違います。それは収納出来る重量を示すモノで、シュウト様の最大魔力量で重量が変わります。なので・・・聞いていいのか分かりませんがシュウト様の現在の魔力量はどの位になりますでしょうか?」

「えぇと1030ですね。」

「えっ?1030ですか?という事はレベルもそれなりに高いのですか?」

「いや、10です。」

「これはまたアンバランスな・・・あっ!失礼しました。そこまで聞く気はなかったのですがあまりにアンバランスだったので、申し訳ありません。」

「いや、別にいいですよ。ところでそんなに変なんですか?」

「そうですねぇ。一般的には、そこまでの魔力量ならレベル40~50位の中級魔法使いがその位だと認識しております。そうだったのぅセバス。」

「はい。大旦那様、その認識で間違いありません。」

「なるほど確かにそれなら自分の魔力量は可笑しいですね。」

「まぁ有って困るということはそんなには無いと思いますので宜しいのではないですか。それにアイテムボックスを所有したのであればより良いと思います。何故なら今シュウト様が収納出来る重量は数字そのままの1030kgもの量を入れる事が出来ますので。」

え!?1トン超!?・・・良かったぁ魔石食べといて。

「あっ!そうだ。かなりの量が入れれるのは分かりましたけど中が見えないのに欲しい物をどうやって出せば良いんですか?」

「それは大丈夫です。何故かはミレーヌにも分からなかったそうですが、どれだけ滅茶苦茶に入れても欲しい物は思い浮かべて手を入れるだけで出せるらしいので、それにに出す時は手を入れる必要はありますが入れる時は白い円状の部分を近づけて入れ!って思うだけで入るそうです。」

あぁそれは便利そうだな、後でやってみよ。

「ただミレーヌ曰く、生き物は入れられないとの事でしたので、その点はお気を付けて下さい。」

それは異世界物を読んだまんまか。

「他には何かありますでしょうか?」

「それなら・・・一般的にはレベル10って弱いんですか?」

「申し上げにくいのですが、冒険者にも成れないレベルとなりますね。」

「え?っていうことは・・・」

「あぁすいません。シュウト様が冒険者になるのは問題ありません。登録には試験はありますがレベルの提示を求められる事はありませんので。」

「試験!?何をするんですか?」

「通常は・・・セバス、シュウト様に詳しく教えて差し上げなさい。」

ハロルドさんがそう言うと元Aランク冒険者であるセバスさんが「承知致しました。」と言って俺に話してくれた。

「通常の試験ですと近接戦闘の場合、試験官との模擬戦や威力判定の為に木人に攻撃。遠距離の場合、武器によるものは遠方にある的や移動する的等への攻撃と此方も威力判定。魔法の場合は威力判定と発動スピードが測定されます。」

「ただ魔法には攻撃ばかりではないので補助系は補助系の試験がありますが回復系はある程度、申告してもらい、その申告通りかを実際の怪我人相手に使ってもらうだけでどれだけ回復力が弱くても無条件で冒険者になれます。」

「後は特殊な場合ですと元騎士団所属であったり、傭兵ギルドであったりする場合はある程度の戦闘は最低限出来ると判断されますので、試験は免除、但しその場合は前の所属場所からの紹介状が必要になります。」

「他にも今回のシュウト様と同様に大量の魔物の討伐などで有名に成っていたり高ランクの魔物の討伐を経験している場合も試験は免除されます。」

「え?でもそれなら嘘をついたり、お金で傭兵とか騎士に手伝ってもらって討伐、なんて事も出来てしまうのでは?」

「それならば問題ありません。嘘の場合は真偽を判定する魔道具があるので不可能ですし、お金で高ランクの魔物を討伐出来る様な金額を持っているなら冒険者などなる必要もないですし、もしもそうなら1年も経たない内に依頼を失敗しすぎて辞めるてしまうので問題ありません。」

「それに試験と申しましたが、それはその冒険者の始めのランクを決める為のもので、強くなければギルドの登録を出来ない様にするという事はありません。何せ、身分証代わりに登録をする方もいますので、そういう方は試験も致しません。」

「えっ?じゃあ大金を払ってまで冒険者になる必要なんてないんじゃ?」

「そこは見栄を張ってと言えばいいのか・・・貴族の三男以降の方だったり、豪商の息子だったりとそんな感じですね。」

あぁなるほど、地位や名誉が大事ってやつか。

「なるほどギルドも依頼を完遂出来るなら問題なしと黙認してる感じですか。」

「その通りです。しかし、そういう方に限って高慢過ぎる態度で依頼主に接触したり、ギルド内で問題を起こしたりするので、ギルドカードすら没収される方も多いのが実情ですね。」

「なら始めから登録させなければ良いのでは?」

「それでも一定数は新たな商売の足掛かりや自身が貴族になる為だったりと様々な理由から真面目といいましょうかキチンと完遂し続ける方もいるので。」

「なるほど難しい問題ですね。」

「はい。ですが、そう方は早々に消えてしまうので。」

「なるほど一寸の我慢ってところですか。」

「はい。依頼主である皆さんそういう認識です。」

まぁそうか、商売やるなり、領地持ちにでもならなきゃお金も続かないだろうし、皆んながそう考えてても不思議じゃないなら多少の問題として片付けられるか。

「なら自分の場合も試験無しとなるんですか?」

「おそらくはならないと思われます。」

「それは何故ですか?」

「先程この部屋に入って来た時に大旦那様が仰った、英雄としての登壇でもしない限り、世間には認識されないので坊っちゃまの手配・・・」

「セバス!坊っちゃまはやめい!!!」

セバスさんがセルジュさんの事を坊っちゃまと言った瞬間、セルジュさんが抗議していた。

「失礼しました。公爵様の手配だけでは、ギルドの上層部しか知る事がないので形だけでも試験をしなくてはいけなくなるということです。」

あぁコレは俺の所為か。

「それとも今からでも英雄として凱旋、登壇なさいますか?」

俺はセバスさんにそう言われ、首が取れるんじゃないかと思わせるぐらい勢い良く首を横に振った。

「そうですよね。なので形だけですが、試験を受けなければいけなくなると思われます。」

ただ、心配なのはこれだけ形だけって言われると何かフラグが立った様な・・・やっぱりギルド行く時は準備を万全にしてから行くか。

その後はまた分からない事があったら教えて下さいということで、お開きとなり、そのまま就寝した。

翌朝、朝食を終えた俺はセバスさんに工房の方へ行く事を伝え、武具はまだ出来てないだろうけど実験室で練習しようと思い、工房へ向かった。
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

ファンタジー
 高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。 見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。 確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!? ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・ 気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。 誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!? 女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話 保険でR15 タイトル変更の可能性あり

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~

樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。 無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。 そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。 そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。 色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しています。

オカン公爵令嬢はオヤジを探す

清水柚木
ファンタジー
 フォルトゥーナ王国の唯一の後継者、アダルベルト・フォルトゥーナ・ミケーレは落馬して、前世の記憶を取り戻した。  ハイスペックな王太子として転生し、喜んだのも束の間、転生した世界が乙女ゲームの「愛する貴方と見る黄昏」だと気付く。  そして自身が攻略対象である王子だったと言うことも。    ヒロインとの恋愛なんて冗談じゃない!、とゲームシナリオから抜け出そうとしたところ、前世の母であるオカンと再会。  オカンに振り回されながら、シナリオから抜け出そうと頑張るアダルベルト王子。  オカンにこき使われながら、オヤジ探しを頑張るアダルベルト王子。  あげく魔王までもが復活すると言う。  そんな彼に幸せは訪れるのか?   これは最初から最後まで、オカンに振り回される可哀想なイケメン王子の物語。 ※ 「第15回ファンタジー小説大賞」用に過去に書いたものを修正しながらあげていきます。その為、今月中には完結します。 ※ 追記 今月中に完結しようと思いましたが、修正が追いつかないので、来月初めに完結になると思います。申し訳ありませんが、もう少しお付き合い頂けるとありがたいです。 ※追記 続編を11月から始める予定です。まずは手始めに番外編を書いてみました。よろしくお願いします。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

チートを極めた空間魔術師 ~空間魔法でチートライフ~

てばくん
ファンタジー
ひょんなことから神様の部屋へと呼び出された新海 勇人(しんかい はやと)。 そこで空間魔法のロマンに惹かれて雑魚職の空間魔術師となる。 転生間際に盗んだ神の本と、神からの経験値チートで魔力オバケになる。 そんな冴えない主人公のお話。 -お気に入り登録、感想お願いします!!全てモチベーションになります-

処理中です...