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第14話 [突撃!お嬢様!]
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紹介も終わり俺はハロルドさんに勧められてテーブルに着き、カイン達は護衛依頼の完了を報告しにギルドへ向うとの事で「じゃあまた後で会おうや」と言われたので俺も「おう」と言うと去っていった。
そして全員が席に着いた時ふと違和感を感じ其方を見るとギールさんが「何?見つめられると照れちゃうわ」モジモジしながら言われ、引いているとクリスさんが「どうせこうなると思って服を用意しておいたんです。」と言われ、違和感の原因が解り納得した。
「さっ始めるかの。では、シュウト様“アレ”を出して頂けますかな?」
俺は「はい。」というと袋から火筒を取り出した。
「シュウト様、皆に説明をして頂けますか?」
そう言われたので、俺は頷き、説明しながら実際やって見せると周りからは「ほう」「なるほど」「へぇ凄いわねぇ」等の反応が有り、セバスチャンさんは立ち上がり近づいてきて俺の両手を掴むと激しく振り「素晴らしい!コレは民の暮らしを一段と良くする発明ですな!」と想像以上の反応を見せてくれた。まぁ多少手が痛かったけど。
「後は安全性だな」とガルンさんが言った。
「そこはハロルドさんにも説明しましたが、金属製若しくは安全性は落ちるかも知れませんが陶器にする等すれば安全性は上がると思いますし、自分が知らないだけでもっと安全な方法が有ればそれでもいいですし。」
俺がそう言うと今度はセバスチャンさんが話し始めた。
「そこは私共が急ぎ進めていくとして、一先ず申請用に金属製でガルンさん、作って貰えますか?後、シュウト様が仰っていた火付け道具の簡略化をお願いします。」
「おう!一晩で申請が通るまでのもんに仕上げてやらぁ!じゃ時間もねぇし、後の報告は朝にでも聞くから俺は行くぞ!」
ガルンさんは誰の返事も聞かず部屋から出ていった。
「あの人は・・・はぁ、シュウト様申し訳ありません。」
出ていったガルンさんを見ていたセバスチャンさんは俺の方に向き直り、謝罪してきた。
「セバスチャンさん大丈夫ですよ。」
そう言うとセバスチャンさんは「ありがとうございます。しかし、私の事はセバスとお呼び下さい。」と言われたが「そういう訳には・・・」と暫し押し問答があり、最終的にセバスさんで落ち着いた。
「では次のアイデアをお願い出来ますでしょうか?」
自分とセバスさんのやり取りの終わりを見計らったハロルドさんから話があったので、もう1つの方も説明すると「あら便利そうねぇ」「これも素晴らしい」等の反応があった。
「くぅ~そうかぁ・・・その発想があったかぁ」
クリスさんは服飾のプロである事もあり、相当悔しがっていたが、頭を振って声を掛けてきた。
「ありがとうございますシュウト様、自分もまだまだ未熟で頭が固かったようです。まさに青天の霹靂、精進していきます。」
そう言いながら何故か俺に頭を下げた。それに驚いて俺は「いえいえ自分は素人なので頭を上げて下さい。」と言うしかなかった。
「ハロルド様、報告によると現在、この2件のアイデアのみでしたが、ここに来るまでの間で増えたということは有りませんでしょうか?」
「うむ、以上だ。特に関係の無い職人長を呼んだのは、今後の事も考え、顔合わせと既存の物であっても発想によっては更なる飛躍が在るということそれに無駄と思える物も有効活用の道が何処かにあるということを肝に銘じて欲しい以上の三点を伝える為に集まってもらったのだ。まぁお前達は問題ないとは思うが今回のことに固執し、周りが見えなくならない様にな。」
「「「「御意!」」」」
流石の一体感だなぁ~と感動していると
ドカーン!
扉が吹っ飛んだ。
俺がエッ!?って思っていると「お爺様!何処ですか!?」と言いながらゴスロリ系ファッションを見に纏った凄く可愛らしい少女が入ってきた。
「ソフィア、儂はここじゃよ。」
満面の笑みでハロルドさんが答え、膝を着いて両手を拡げた格好で待っていた。
「うりゃ!」そう言うと少女はハロルドさんにドロップキックを繰り出した。
「うぐっ!・・・何をするんじゃソフィア?」
「何をするんじゃじゃありませんわ!お爺様!私達に心配を掛けて顔も見せない、何があったか黙っておくなんて私達が信用出来ませんの!?」
そう言うと少女は手で顔を覆い、しゃがみこんでしまった。
「儂が悪かった泣かんでもええじゃろ?」
ハロルドさんはそう言いながらしゃがみこんでいる少女に駆け寄った。
ドフッ!
「ゴハッ!何を・・・「まだ反省してませんの?」・・・悪かったと言うて・・・分かった!今後は必ず影は連れていくから拳を緩めようか・・・のう?ソフィア?」
ハロルドさんが駆け寄った瞬間、少女の拳がハロルドさんのお腹にめり込み蹲った。更に追い打ちをかけようとするとハロルドさんは謝っていた。
「言質は取りました。聞きましたねセバス。」
「はい。お嬢様。」
少女は今後、ハロルドさんを1人で街の外に行かせない様、言質を取るとセバスさんに声を掛け、セバスさんも呼応する様に笑顔で対応した。
「ところでセバス、お爺様を助けたという御仁は何方に?」
「お嬢様、後ろの方です。」
!!?
驚いた少女は此方を振り向くと先程までの行動を無かったことにする様に正に令嬢らしく、スカートを摘み、会釈して言葉を掛けてきた。
「之は失礼しました、私、マキシマム・ベンロンド公爵長女、ソフィア・マキシマム・ベンロンドと申します。
お爺様を救って頂き、誠にありがとうございます。」
「お嬢様、流石に無理があります。シュウト様が固まってお出でです。」
「・・・はぁ~やっぱり無理でしたかぁ~何とかなるかなぁって思ってましたのに。」
俺が余りの変わり様にポカーンとしているとセバスさんが否定するとソフィア様は項垂れていた。
「では改めて、お爺様を救って頂きありがとうございます。」
そう言われた俺は「当たり前の事をしたまでなんでお気になさらずに」と返答した。
「良き御仁の様ですね。ささ行きましょうか。」
ソフィア様はそう言いながらセバスさんの方を見ると笑顔で会釈し、俺を2人で挟む様に退室を促され、出ていくと後ろからハロルドさんが「ソ、ソフィア?儂は?」という声が聞こえたので2人を見ると笑顔で何も無かったように退室させられ、おそらくソフィア様が乗ってきたであろう豪華な馬車に乗せられ、ハロルドさんを乗せずに出発してしまった。
「あのぅソフィア様?ハロルドさんは?」
「放っといても後で来ますわ。もう少し反省すればいいのです。」
ソフィア様は少し怒った様な哀しい様な何ともいえない表情で言った。
「ところでシュウト様、ソフィアでよろしくてよ。おそらく同い年だと思われますし。」
ん?同い年?
俺の動きが止まっているのを見てセバスさんが近づき「お嬢様は今年で15歳になります。」と小声で言われ、俺は固まった。
すると前で見ていたソフィア様が「やっぱり・・・」と言いながら項垂れた。
「シュウト様、お嬢様は何と言うか可愛らしい方なのですが、見た目も然ることながらあの様に趣味も可愛らしいので、より幼く見えます。ただ余りにも皆さん実年齢よりも最低5歳は下に見られることにコンプレックスを抱いておられますので、余り触れないで頂けると有難いです。」
確かにコスプレさせられてる小学生にしか見えない・・・。
「シュウト様、何やら私に対して失礼な事を考えてはいませんか?」
「いえ、何も考えていません!」
「まぁ腑に落ちませんがよろしいですわ。で、シュウト様もう一度言いますが先程も申しました様にソフィアでお願いしますね。」
「いえいえそういう訳には・・・」
「いいえ、ソフィアで」
「公爵令嬢の方を呼び捨てにする訳にも・・・」
「良いのです。ソフィアで」
暫し呼び名で押し問答があり、最終的に同い年ということもあり、ソフィア様はソフィアさんに俺はシュウトさんに落ち着いた。
そうこうしているとデカい邸が建ち並ぶゾーンに入ったのか俺が馬車の窓から物珍しそうに見ているとソフィアさんに声を掛けられた。
「シュウトさんは、貴族街は初めてですの?」
「貴族街というか街そのものが初めてです。」
「街が初めて!?」
「お嬢様、余り詮索するのは公爵令嬢と品位に関わりますのでシュウト様がお話する迄は静観することが良いかと。」
「そうですわね。私も成人した身、王太子にも御迷惑になってはいけませんもんね。」
俺はハロルドさんに気を付けてって言われたのを思い出してアッ!ってなっているとソフィアさんが興味深そうに此方を見てきたがセバスさんが、余り突っ込まない様にソフィアさんを止めてくれた。
暫くすると一際大きな邸の前で馬車が停まった。
「お嬢様、シュウト様到着致しました。」
「ん!?・・・公爵様の邸宅ですか?」
「いえいえ、公爵様の邸は彼処の奥の方に・・・ここからでは見えませんか、後日お教え致しますね。」
「当たり前ですわ。寄子とはいえ他の貴族の方達と同じ所に邸を構えては他の方が気が休まりませんもの。」
「あぁなるほど・・・でもハロルドさんは元とはいえ、公爵様だったんですよねぇ。それなのに此処に住んだら・・・いいんですか?」
「お爺様は別です。それに此処の周りに居らっしゃる方は寄子ですけどお爺様のお友達なので。」
「ささ、お話に花を咲かせるのはいいですが、皆様がお待ちです。」
停まってからも話を止めない2人を制止する様にセバスさんが声を掛けてきたので、2人共がハッとして下車した。
すると門番らしき2人が門を開き「お帰りなさいませお嬢様。」と恭しく頭を垂れた。するとセバスさんが門番の1人の所へ行き、何かを話すとその門番さんは急いで奥の方へ走っていった。
俺が疑問に思っているとなんでもない様な顔で「大旦那様が遅れますので」と答えてくれた。
セバスさんに促され、ソフィアさんの後に付いて門を潜るとそこには、邸までの道の両脇に50人位はいるであろか、メイドさんが控えており、その先頭にはセバスさんよりも年若い執事然とした人とセバスさんと同じくらいのメイドさんが並んでいた。
「「お帰りなさいませ。お嬢様。」」
「「お越し頂き有難うございます。シュウト様。」」
2人がそう言うと後ろに控えていたメイドさん達が一斉に頭を下げた。
そして全員が席に着いた時ふと違和感を感じ其方を見るとギールさんが「何?見つめられると照れちゃうわ」モジモジしながら言われ、引いているとクリスさんが「どうせこうなると思って服を用意しておいたんです。」と言われ、違和感の原因が解り納得した。
「さっ始めるかの。では、シュウト様“アレ”を出して頂けますかな?」
俺は「はい。」というと袋から火筒を取り出した。
「シュウト様、皆に説明をして頂けますか?」
そう言われたので、俺は頷き、説明しながら実際やって見せると周りからは「ほう」「なるほど」「へぇ凄いわねぇ」等の反応が有り、セバスチャンさんは立ち上がり近づいてきて俺の両手を掴むと激しく振り「素晴らしい!コレは民の暮らしを一段と良くする発明ですな!」と想像以上の反応を見せてくれた。まぁ多少手が痛かったけど。
「後は安全性だな」とガルンさんが言った。
「そこはハロルドさんにも説明しましたが、金属製若しくは安全性は落ちるかも知れませんが陶器にする等すれば安全性は上がると思いますし、自分が知らないだけでもっと安全な方法が有ればそれでもいいですし。」
俺がそう言うと今度はセバスチャンさんが話し始めた。
「そこは私共が急ぎ進めていくとして、一先ず申請用に金属製でガルンさん、作って貰えますか?後、シュウト様が仰っていた火付け道具の簡略化をお願いします。」
「おう!一晩で申請が通るまでのもんに仕上げてやらぁ!じゃ時間もねぇし、後の報告は朝にでも聞くから俺は行くぞ!」
ガルンさんは誰の返事も聞かず部屋から出ていった。
「あの人は・・・はぁ、シュウト様申し訳ありません。」
出ていったガルンさんを見ていたセバスチャンさんは俺の方に向き直り、謝罪してきた。
「セバスチャンさん大丈夫ですよ。」
そう言うとセバスチャンさんは「ありがとうございます。しかし、私の事はセバスとお呼び下さい。」と言われたが「そういう訳には・・・」と暫し押し問答があり、最終的にセバスさんで落ち着いた。
「では次のアイデアをお願い出来ますでしょうか?」
自分とセバスさんのやり取りの終わりを見計らったハロルドさんから話があったので、もう1つの方も説明すると「あら便利そうねぇ」「これも素晴らしい」等の反応があった。
「くぅ~そうかぁ・・・その発想があったかぁ」
クリスさんは服飾のプロである事もあり、相当悔しがっていたが、頭を振って声を掛けてきた。
「ありがとうございますシュウト様、自分もまだまだ未熟で頭が固かったようです。まさに青天の霹靂、精進していきます。」
そう言いながら何故か俺に頭を下げた。それに驚いて俺は「いえいえ自分は素人なので頭を上げて下さい。」と言うしかなかった。
「ハロルド様、報告によると現在、この2件のアイデアのみでしたが、ここに来るまでの間で増えたということは有りませんでしょうか?」
「うむ、以上だ。特に関係の無い職人長を呼んだのは、今後の事も考え、顔合わせと既存の物であっても発想によっては更なる飛躍が在るということそれに無駄と思える物も有効活用の道が何処かにあるということを肝に銘じて欲しい以上の三点を伝える為に集まってもらったのだ。まぁお前達は問題ないとは思うが今回のことに固執し、周りが見えなくならない様にな。」
「「「「御意!」」」」
流石の一体感だなぁ~と感動していると
ドカーン!
扉が吹っ飛んだ。
俺がエッ!?って思っていると「お爺様!何処ですか!?」と言いながらゴスロリ系ファッションを見に纏った凄く可愛らしい少女が入ってきた。
「ソフィア、儂はここじゃよ。」
満面の笑みでハロルドさんが答え、膝を着いて両手を拡げた格好で待っていた。
「うりゃ!」そう言うと少女はハロルドさんにドロップキックを繰り出した。
「うぐっ!・・・何をするんじゃソフィア?」
「何をするんじゃじゃありませんわ!お爺様!私達に心配を掛けて顔も見せない、何があったか黙っておくなんて私達が信用出来ませんの!?」
そう言うと少女は手で顔を覆い、しゃがみこんでしまった。
「儂が悪かった泣かんでもええじゃろ?」
ハロルドさんはそう言いながらしゃがみこんでいる少女に駆け寄った。
ドフッ!
「ゴハッ!何を・・・「まだ反省してませんの?」・・・悪かったと言うて・・・分かった!今後は必ず影は連れていくから拳を緩めようか・・・のう?ソフィア?」
ハロルドさんが駆け寄った瞬間、少女の拳がハロルドさんのお腹にめり込み蹲った。更に追い打ちをかけようとするとハロルドさんは謝っていた。
「言質は取りました。聞きましたねセバス。」
「はい。お嬢様。」
少女は今後、ハロルドさんを1人で街の外に行かせない様、言質を取るとセバスさんに声を掛け、セバスさんも呼応する様に笑顔で対応した。
「ところでセバス、お爺様を助けたという御仁は何方に?」
「お嬢様、後ろの方です。」
!!?
驚いた少女は此方を振り向くと先程までの行動を無かったことにする様に正に令嬢らしく、スカートを摘み、会釈して言葉を掛けてきた。
「之は失礼しました、私、マキシマム・ベンロンド公爵長女、ソフィア・マキシマム・ベンロンドと申します。
お爺様を救って頂き、誠にありがとうございます。」
「お嬢様、流石に無理があります。シュウト様が固まってお出でです。」
「・・・はぁ~やっぱり無理でしたかぁ~何とかなるかなぁって思ってましたのに。」
俺が余りの変わり様にポカーンとしているとセバスさんが否定するとソフィア様は項垂れていた。
「では改めて、お爺様を救って頂きありがとうございます。」
そう言われた俺は「当たり前の事をしたまでなんでお気になさらずに」と返答した。
「良き御仁の様ですね。ささ行きましょうか。」
ソフィア様はそう言いながらセバスさんの方を見ると笑顔で会釈し、俺を2人で挟む様に退室を促され、出ていくと後ろからハロルドさんが「ソ、ソフィア?儂は?」という声が聞こえたので2人を見ると笑顔で何も無かったように退室させられ、おそらくソフィア様が乗ってきたであろう豪華な馬車に乗せられ、ハロルドさんを乗せずに出発してしまった。
「あのぅソフィア様?ハロルドさんは?」
「放っといても後で来ますわ。もう少し反省すればいいのです。」
ソフィア様は少し怒った様な哀しい様な何ともいえない表情で言った。
「ところでシュウト様、ソフィアでよろしくてよ。おそらく同い年だと思われますし。」
ん?同い年?
俺の動きが止まっているのを見てセバスさんが近づき「お嬢様は今年で15歳になります。」と小声で言われ、俺は固まった。
すると前で見ていたソフィア様が「やっぱり・・・」と言いながら項垂れた。
「シュウト様、お嬢様は何と言うか可愛らしい方なのですが、見た目も然ることながらあの様に趣味も可愛らしいので、より幼く見えます。ただ余りにも皆さん実年齢よりも最低5歳は下に見られることにコンプレックスを抱いておられますので、余り触れないで頂けると有難いです。」
確かにコスプレさせられてる小学生にしか見えない・・・。
「シュウト様、何やら私に対して失礼な事を考えてはいませんか?」
「いえ、何も考えていません!」
「まぁ腑に落ちませんがよろしいですわ。で、シュウト様もう一度言いますが先程も申しました様にソフィアでお願いしますね。」
「いえいえそういう訳には・・・」
「いいえ、ソフィアで」
「公爵令嬢の方を呼び捨てにする訳にも・・・」
「良いのです。ソフィアで」
暫し呼び名で押し問答があり、最終的に同い年ということもあり、ソフィア様はソフィアさんに俺はシュウトさんに落ち着いた。
そうこうしているとデカい邸が建ち並ぶゾーンに入ったのか俺が馬車の窓から物珍しそうに見ているとソフィアさんに声を掛けられた。
「シュウトさんは、貴族街は初めてですの?」
「貴族街というか街そのものが初めてです。」
「街が初めて!?」
「お嬢様、余り詮索するのは公爵令嬢と品位に関わりますのでシュウト様がお話する迄は静観することが良いかと。」
「そうですわね。私も成人した身、王太子にも御迷惑になってはいけませんもんね。」
俺はハロルドさんに気を付けてって言われたのを思い出してアッ!ってなっているとソフィアさんが興味深そうに此方を見てきたがセバスさんが、余り突っ込まない様にソフィアさんを止めてくれた。
暫くすると一際大きな邸の前で馬車が停まった。
「お嬢様、シュウト様到着致しました。」
「ん!?・・・公爵様の邸宅ですか?」
「いえいえ、公爵様の邸は彼処の奥の方に・・・ここからでは見えませんか、後日お教え致しますね。」
「当たり前ですわ。寄子とはいえ他の貴族の方達と同じ所に邸を構えては他の方が気が休まりませんもの。」
「あぁなるほど・・・でもハロルドさんは元とはいえ、公爵様だったんですよねぇ。それなのに此処に住んだら・・・いいんですか?」
「お爺様は別です。それに此処の周りに居らっしゃる方は寄子ですけどお爺様のお友達なので。」
「ささ、お話に花を咲かせるのはいいですが、皆様がお待ちです。」
停まってからも話を止めない2人を制止する様にセバスさんが声を掛けてきたので、2人共がハッとして下車した。
すると門番らしき2人が門を開き「お帰りなさいませお嬢様。」と恭しく頭を垂れた。するとセバスさんが門番の1人の所へ行き、何かを話すとその門番さんは急いで奥の方へ走っていった。
俺が疑問に思っているとなんでもない様な顔で「大旦那様が遅れますので」と答えてくれた。
セバスさんに促され、ソフィアさんの後に付いて門を潜るとそこには、邸までの道の両脇に50人位はいるであろか、メイドさんが控えており、その先頭にはセバスさんよりも年若い執事然とした人とセバスさんと同じくらいのメイドさんが並んでいた。
「「お帰りなさいませ。お嬢様。」」
「「お越し頂き有難うございます。シュウト様。」」
2人がそう言うと後ろに控えていたメイドさん達が一斉に頭を下げた。
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