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元勇者
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ティリオは両親を知らない。
物心ついた時には孤児院で暮らしていた。
そして、既に魔術の才に目覚めていたティリオはある貴族に引き取られる事となる。
アルバーン家。
代々、名だたる騎士を輩出していた一家であった。
そこで剣術を習う内に、剣術の才能にも恵まれる事となる。
「やぁっ!!」
大きく振りかぶられた剣をヒラリと躱すまだ、黒髪のティリオ。
「何度やっても同じことだよ。義兄さん」
下から剣を軽く払う。それだけで突風が巻き上がる。
「ぐあっ!!」
「風の魔法はやっぱ便利だよね。今はかなり威力を落としたけど、本気でやれば家だって吹き飛ばせる。」
「くそ…覚えておけよ…」
「嫌だよ。」
笑いながら、義兄を見下すティリオ。
「僕は世界中を旅するからね。こんな事いちいち覚えてらんないよ。」
そしてティリオは若干12歳にして勇者となった。
勇者は5人ほどの仲間と共に冒険するのがこの世界の普通だ。
しかし、ティリオはたった1人で各地を冒険していた。
蛮族の一党、封印されし魔物、果てには国を相手に戦うこともあった。
そして、その全てにティリオは勝利していた。
その事から冠した名は"全能"
万物の神から取ったものらしい。
「やばー、じゅんぷうまんぱんってやつじゃん。」
静香は笑いながらティリオの話を遮る。
「…ここまではね」
今思えば、驕りがあったのだろう。
自分一人で何でもできると。
しかし、その考えは魔王の城にて一瞬で砕け去ったのだ。
物心ついた時には孤児院で暮らしていた。
そして、既に魔術の才に目覚めていたティリオはある貴族に引き取られる事となる。
アルバーン家。
代々、名だたる騎士を輩出していた一家であった。
そこで剣術を習う内に、剣術の才能にも恵まれる事となる。
「やぁっ!!」
大きく振りかぶられた剣をヒラリと躱すまだ、黒髪のティリオ。
「何度やっても同じことだよ。義兄さん」
下から剣を軽く払う。それだけで突風が巻き上がる。
「ぐあっ!!」
「風の魔法はやっぱ便利だよね。今はかなり威力を落としたけど、本気でやれば家だって吹き飛ばせる。」
「くそ…覚えておけよ…」
「嫌だよ。」
笑いながら、義兄を見下すティリオ。
「僕は世界中を旅するからね。こんな事いちいち覚えてらんないよ。」
そしてティリオは若干12歳にして勇者となった。
勇者は5人ほどの仲間と共に冒険するのがこの世界の普通だ。
しかし、ティリオはたった1人で各地を冒険していた。
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そして、その全てにティリオは勝利していた。
その事から冠した名は"全能"
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「やばー、じゅんぷうまんぱんってやつじゃん。」
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「…ここまではね」
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