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清廉ナ執事
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老人がシルクハットを手放すと、そこに剣が出現した。
いや
シルクハットを持っていた腕が剣となっていた
(あの姿にあの詠唱…契約者ですか…)
ファルスも懐から拳銃を突きつける。
(なら、出し惜しみは出来ませんね。)
「我が身命を弾丸に」
引き金を引くとけたたましい破裂音が鳴り響く。
目に見えない弾丸が老人の胸を貫く。
老人の体が出来たての血溜まりへと倒れ込む。
そのはずだった。
いつの間にか老人の胸の位置に構えられた剣から硝煙が立ち上っていた。
「成程。必中必殺の上に不可視な弾丸ですか…厄介な事この上ないですな。」
エンヴィーとファルス共に驚愕の表情を浮かべる。
無理もない。未だかつてこの弾丸から生き延びた者、ましてや弾丸を弾いた者などいなかったのだ。
「しかし、狙いが正確な故、読み易い。」
その声は
ファルスの背後から聞こえていた。
「本日は美味な紅茶を頂いた事ですし、この位にしておいてあげましょう。」
言い終わるのが先か、ファルスの肩より腰まで斜め一直線に紅い鮮血が溢れ出す。
「ファルス!!!」
少女の声が遠く聞こえる。
もはや、
声すらも
出すこと は出来なかっ た 。
いや
シルクハットを持っていた腕が剣となっていた
(あの姿にあの詠唱…契約者ですか…)
ファルスも懐から拳銃を突きつける。
(なら、出し惜しみは出来ませんね。)
「我が身命を弾丸に」
引き金を引くとけたたましい破裂音が鳴り響く。
目に見えない弾丸が老人の胸を貫く。
老人の体が出来たての血溜まりへと倒れ込む。
そのはずだった。
いつの間にか老人の胸の位置に構えられた剣から硝煙が立ち上っていた。
「成程。必中必殺の上に不可視な弾丸ですか…厄介な事この上ないですな。」
エンヴィーとファルス共に驚愕の表情を浮かべる。
無理もない。未だかつてこの弾丸から生き延びた者、ましてや弾丸を弾いた者などいなかったのだ。
「しかし、狙いが正確な故、読み易い。」
その声は
ファルスの背後から聞こえていた。
「本日は美味な紅茶を頂いた事ですし、この位にしておいてあげましょう。」
言い終わるのが先か、ファルスの肩より腰まで斜め一直線に紅い鮮血が溢れ出す。
「ファルス!!!」
少女の声が遠く聞こえる。
もはや、
声すらも
出すこと は出来なかっ た 。
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