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今の私は弱々しく無ければいけません。
世間では、流産で身体が弱っていると言う事になっていますからね。
はぁ……熱っぽい溜息をつき……、バルトルト様と私の身体の隙間を利用し……私は自分の太腿をつねり瞳を溢れる涙で濡らす。
痛い……。
バルトルト様に身体を預けながら、ヴァロリー・ストロープ伯爵令嬢を不安そうな視線で見つめた。
痛いのは嫌だから……悲しい事を考えてみようかしら? と考えていた。
私は……ヴァロリー・ストロープ伯爵令嬢を観察する。 これでも商売人として多くの人間を見て来た。
キルシュ商会の金や業績を目当てに媚びを売る者、脅す者、哀れみを誘う者、自分を大きく見せる者。
当然色仕掛けもある。
潤んだ熱のこもった瞳。
絡みつくような視線を向けてくる。
語るたびに吐き出される吐息には色が香る。
着乱れたドレス。
ふらつく足元。
ほつれる髪。
ソレ等を一歩間違うなら浮浪者となりかねないが、ストロープ伯爵令嬢の美貌と絶妙なバランスを持ち合わせて見たなら、閨を想像させる女性となる……。 同じ女として不安を感じない訳ではなく、バルトルト様を見上げれば……きっと……演じるまでもなく不安を浮かべていたと思う。
情けない……。
周囲で噂していた女性達も黙り込み、いえ、彼女をチラチラと見ては頬を赤らめ息を飲んでいた。
空気が……止まっていた。
沈黙が続く。
不安を覚えた私は、きゅっとバルトルト様の胸元にしがみ付く。
「大丈夫だよ。 好き、大好きだよサーシャ」
うっとりとしながらバルトルト様は髪に口付けされ、回される手に力が入れられた。 不安なまま微笑み見上げれば何時もと変わらないままにバルトルト様は笑みを浮かべてくれた。 何時もと変わらない甘い触れ合いの中に、微かに戸惑いが混ざって居るような……感じがした。
それでも、優しく背を撫でながらバルトルト様は沈黙を破った。
「ヴァロリー・ストロープ伯爵令嬢貴方は、僕と彼女の関係をさ理解しているの? していないよね? 僕達は仲良かったことなんて一瞬たりとも無かったんだよ」
哀れな嘆き女が、伯爵令嬢である事を強調するようにバルトルト様は語りだした。
「それは子供の頃の事でしょう? 今は、お二人とも大人、お互いの立場を考え、理解しあう時期ではないかしら? いいえ……もっとはっきりと言うなら、年ごろの見目の良い男女がおぜん立てされて何もないなんて思えるかしら?」
「はぁああああああ? あり得ないなんだけど。 僕を節操無しのように言わないでよね」
「節操無しだなんて誰も言いませんわ。 お二人は陛下が定めた婚約者ですもの。 むしろ、欲情のままに身を任せたとしても可笑しい事はありませんわ」
「え~~何それ、無理なものは無理だってばぁ。 しつこいなぁ」
本気でバルトルト様はイラついていた。
へらへらと冗談のように何時まで耐える事が出来るかしら? と、心配になってくる。 が、今の所は拗ねたように、私の肩口に顔を埋めて……いえ、なんだか……すっごく匂いを嗅いでくるんですけど……。
「貴方が婚姻披露に出ないと宣言した事で、あの方がどのような思いをされたか分かっているのですか? 関係ない、関係ないとおっしゃりますが、あの方を不幸にしたのは、貴方ですのよ」
その言葉に……自分の幸福の裏側を突き付けられた気になって、罪悪感を覚えてしまった。
「でもさ、側妃の話だって、僕もあの人も、それに僕の保護者だった人だって良い顔をしていないよね? リービヒ公爵が勝手に張り切って押し切った訳でしょう? 僕と親との関係性の悪さは有名な話だし、僕の親側から得られる物がない事は予測出来た訳じゃない? 出来ないなら……当主の座は交代したほうが良いと勧めるよ。 だからね、僕は彼に何があっても自業自得だと思うんだよね」
「そのような理屈が通用するなら。 最初から配慮を持って……婚姻を避けられた事でしょうね。 世の中、全てが合理的に進む訳ではありませんわ。 むしろ理不尽な事が多いものです。 ですが、全ての止めは貴方でしたわ。 ミリヤム様から婚姻披露に貴方が代理人を立てると言った事を耳にし、公爵様がどれほどお怒りになられたか……ミリヤム様は……不当な暴力を受け、お可哀そうに……屋敷を放り出されてしまったのですよ……。 責任をとって差し上げるべきでしょう」
そう言われたバルトルト様は、へぇ~~とニヤニヤとした表情を浮かべた。
「だから、どう聞いても公爵の責任でしょう。 僕よりも公爵を説得するだろうね? それに、可哀そう可哀そうって言うならさ。 伯爵家で保護すればいいんじゃない? ストロープ伯爵令嬢様。 貴方の実家は公爵家にお金を貸していて強い立場にあるでしょう? 公爵を説得できるのでは? ねぇ、サーシャだってそう思うでしょう? 理不尽! 理不尽!! 理不尽!! 理不尽!!」
バルトルト様は、拍子をつけて手を叩き床をドンドンと踏み鳴らす。
貿易都市内では、幼い口調こそそのままではあるものの、貴族の間で噂になっている奇抜な行動の大半は行われる事が無かっただけに、周囲は突然のバルトルト様の行動にギョッとした表情を向けてきていた。
「バルトルト様、足を踏み鳴らしては埃が立って迷惑をかけてしまいますわ」
チュッとサーシャが頬にキスをすれば、へらりと嬉しそうな笑みを向けて来る。
「ごめんなさい」
「私ではなく、皆様に謝ってください」
病弱を演じた故の小声で耳元にコソコソと語れば、くすぐったそうに笑いながら、分かったよと言った。
バルトルト様は微笑みを浮かべて店主を招き寄せた。
「今日のお客様の分のお金は支払うからさ。 彼女達に新しい商品を出してあげてくれるかな」
ニコニコと幼く見える笑みを作ったバルトルト様は店主に言えば、緊張した様子で店主は了承した。 そして、その様子を見て私は思いついたように告げる。
「もう一つよろしいですか?」
ついうっかりと忘れそうになる弱々しい演技に気を付けながら、私は何時もよりも声を抑えて語り掛ける。
「お伺いします」
「コチラのお店のパンケーキを、こう4つに切り分けて、コチラ特製のソースをつけて食べて頂くのはどうかしら? 其方も私達が費用を請求してください」
「ぁ、えっ」
「難しいかしら?」
「いえ、その、無料となれば例え四分の一であっても、大勢の人が来るでしょうし、全てのソースを堪能したいと何度も食べる人が出るでしょう」
「えぇ、構いません。 日頃、町の皆様にはお世話になっておりますもの」
「あ、ありがとうございます!!」
「そうそう、一つだけ約束していただけるかしら?」
「なんでしょうか?」
「どんな方であっても、ご馳走してさしあげてください。 ただ、他の方に迷惑をかけるようでしたら、家から派遣する警備の者に対処させますから」
「は、はい」
「よろしくお願いしますね」
私は弱々しい演技で微笑んで見せた。
バルトルト様は彼女の要求を突き放すつもりでしょう。 彼女が3日ほど町を彷徨っていたらしいけれど、それによって私達……いえ、バルトルト様は拠点とするこの町の評価を落としかねない。 いえ……もしかすると、それを配慮した上で動いているかもしれない。
だから、私は彼女の行動こそが間違いであると、私の方がより被害者的立場を印象付けなければならない……と、体調の悪さを印象付けるようにバルトルト様に寄り添って見せたのだ。
「ストロープ……伯爵令嬢。 休業状態のわが商会とは違い、優秀な令嬢である貴方がこのような場所までおいでになるなんて、御身内の方がご心配なされているのではありませんか?」
「私の両親は、心が広いので」
「広い心で、公爵令嬢を庇護されてはよろしかったのでは? うちの商会と違って、ストロープ伯爵令嬢であるなら公爵家の家名を利用できるでしょう? それに……バルトルト様と繋がりを持っていれば、貴方達……いいえストロープ伯爵様達にまで迷惑をかけかねない。 最善を考えるなら、バルトルト様の悪評を利用し婚姻を破棄なさるのが一番ではないかしら? ねぇ……そうして頂けません? 私は……彼を愛しているの。 他の誰かと夫を共有する気になどなれません」
再び太腿をつねりながら私は嗚咽交じりに訴えた。
痣になってそうだわ……と、本気で泣きたくなってくる。
噂好きの女性達の視線は痛いけれど、こういう時は彼女達の人脈ほど有用的な物は無い事を私は知っている。
「ねぇ……お願い……」
「サーシャ様には申し訳ありませんが……どうして、貴方は、バルトルト様の寵愛を自分だけがお受けになっていると言い切れますの? 彼は愛に飢えておりますのよ?」
ストロープ伯爵令嬢は、自分を両腕で抱きしめ微笑んで見せた。
世間では、流産で身体が弱っていると言う事になっていますからね。
はぁ……熱っぽい溜息をつき……、バルトルト様と私の身体の隙間を利用し……私は自分の太腿をつねり瞳を溢れる涙で濡らす。
痛い……。
バルトルト様に身体を預けながら、ヴァロリー・ストロープ伯爵令嬢を不安そうな視線で見つめた。
痛いのは嫌だから……悲しい事を考えてみようかしら? と考えていた。
私は……ヴァロリー・ストロープ伯爵令嬢を観察する。 これでも商売人として多くの人間を見て来た。
キルシュ商会の金や業績を目当てに媚びを売る者、脅す者、哀れみを誘う者、自分を大きく見せる者。
当然色仕掛けもある。
潤んだ熱のこもった瞳。
絡みつくような視線を向けてくる。
語るたびに吐き出される吐息には色が香る。
着乱れたドレス。
ふらつく足元。
ほつれる髪。
ソレ等を一歩間違うなら浮浪者となりかねないが、ストロープ伯爵令嬢の美貌と絶妙なバランスを持ち合わせて見たなら、閨を想像させる女性となる……。 同じ女として不安を感じない訳ではなく、バルトルト様を見上げれば……きっと……演じるまでもなく不安を浮かべていたと思う。
情けない……。
周囲で噂していた女性達も黙り込み、いえ、彼女をチラチラと見ては頬を赤らめ息を飲んでいた。
空気が……止まっていた。
沈黙が続く。
不安を覚えた私は、きゅっとバルトルト様の胸元にしがみ付く。
「大丈夫だよ。 好き、大好きだよサーシャ」
うっとりとしながらバルトルト様は髪に口付けされ、回される手に力が入れられた。 不安なまま微笑み見上げれば何時もと変わらないままにバルトルト様は笑みを浮かべてくれた。 何時もと変わらない甘い触れ合いの中に、微かに戸惑いが混ざって居るような……感じがした。
それでも、優しく背を撫でながらバルトルト様は沈黙を破った。
「ヴァロリー・ストロープ伯爵令嬢貴方は、僕と彼女の関係をさ理解しているの? していないよね? 僕達は仲良かったことなんて一瞬たりとも無かったんだよ」
哀れな嘆き女が、伯爵令嬢である事を強調するようにバルトルト様は語りだした。
「それは子供の頃の事でしょう? 今は、お二人とも大人、お互いの立場を考え、理解しあう時期ではないかしら? いいえ……もっとはっきりと言うなら、年ごろの見目の良い男女がおぜん立てされて何もないなんて思えるかしら?」
「はぁああああああ? あり得ないなんだけど。 僕を節操無しのように言わないでよね」
「節操無しだなんて誰も言いませんわ。 お二人は陛下が定めた婚約者ですもの。 むしろ、欲情のままに身を任せたとしても可笑しい事はありませんわ」
「え~~何それ、無理なものは無理だってばぁ。 しつこいなぁ」
本気でバルトルト様はイラついていた。
へらへらと冗談のように何時まで耐える事が出来るかしら? と、心配になってくる。 が、今の所は拗ねたように、私の肩口に顔を埋めて……いえ、なんだか……すっごく匂いを嗅いでくるんですけど……。
「貴方が婚姻披露に出ないと宣言した事で、あの方がどのような思いをされたか分かっているのですか? 関係ない、関係ないとおっしゃりますが、あの方を不幸にしたのは、貴方ですのよ」
その言葉に……自分の幸福の裏側を突き付けられた気になって、罪悪感を覚えてしまった。
「でもさ、側妃の話だって、僕もあの人も、それに僕の保護者だった人だって良い顔をしていないよね? リービヒ公爵が勝手に張り切って押し切った訳でしょう? 僕と親との関係性の悪さは有名な話だし、僕の親側から得られる物がない事は予測出来た訳じゃない? 出来ないなら……当主の座は交代したほうが良いと勧めるよ。 だからね、僕は彼に何があっても自業自得だと思うんだよね」
「そのような理屈が通用するなら。 最初から配慮を持って……婚姻を避けられた事でしょうね。 世の中、全てが合理的に進む訳ではありませんわ。 むしろ理不尽な事が多いものです。 ですが、全ての止めは貴方でしたわ。 ミリヤム様から婚姻披露に貴方が代理人を立てると言った事を耳にし、公爵様がどれほどお怒りになられたか……ミリヤム様は……不当な暴力を受け、お可哀そうに……屋敷を放り出されてしまったのですよ……。 責任をとって差し上げるべきでしょう」
そう言われたバルトルト様は、へぇ~~とニヤニヤとした表情を浮かべた。
「だから、どう聞いても公爵の責任でしょう。 僕よりも公爵を説得するだろうね? それに、可哀そう可哀そうって言うならさ。 伯爵家で保護すればいいんじゃない? ストロープ伯爵令嬢様。 貴方の実家は公爵家にお金を貸していて強い立場にあるでしょう? 公爵を説得できるのでは? ねぇ、サーシャだってそう思うでしょう? 理不尽! 理不尽!! 理不尽!! 理不尽!!」
バルトルト様は、拍子をつけて手を叩き床をドンドンと踏み鳴らす。
貿易都市内では、幼い口調こそそのままではあるものの、貴族の間で噂になっている奇抜な行動の大半は行われる事が無かっただけに、周囲は突然のバルトルト様の行動にギョッとした表情を向けてきていた。
「バルトルト様、足を踏み鳴らしては埃が立って迷惑をかけてしまいますわ」
チュッとサーシャが頬にキスをすれば、へらりと嬉しそうな笑みを向けて来る。
「ごめんなさい」
「私ではなく、皆様に謝ってください」
病弱を演じた故の小声で耳元にコソコソと語れば、くすぐったそうに笑いながら、分かったよと言った。
バルトルト様は微笑みを浮かべて店主を招き寄せた。
「今日のお客様の分のお金は支払うからさ。 彼女達に新しい商品を出してあげてくれるかな」
ニコニコと幼く見える笑みを作ったバルトルト様は店主に言えば、緊張した様子で店主は了承した。 そして、その様子を見て私は思いついたように告げる。
「もう一つよろしいですか?」
ついうっかりと忘れそうになる弱々しい演技に気を付けながら、私は何時もよりも声を抑えて語り掛ける。
「お伺いします」
「コチラのお店のパンケーキを、こう4つに切り分けて、コチラ特製のソースをつけて食べて頂くのはどうかしら? 其方も私達が費用を請求してください」
「ぁ、えっ」
「難しいかしら?」
「いえ、その、無料となれば例え四分の一であっても、大勢の人が来るでしょうし、全てのソースを堪能したいと何度も食べる人が出るでしょう」
「えぇ、構いません。 日頃、町の皆様にはお世話になっておりますもの」
「あ、ありがとうございます!!」
「そうそう、一つだけ約束していただけるかしら?」
「なんでしょうか?」
「どんな方であっても、ご馳走してさしあげてください。 ただ、他の方に迷惑をかけるようでしたら、家から派遣する警備の者に対処させますから」
「は、はい」
「よろしくお願いしますね」
私は弱々しい演技で微笑んで見せた。
バルトルト様は彼女の要求を突き放すつもりでしょう。 彼女が3日ほど町を彷徨っていたらしいけれど、それによって私達……いえ、バルトルト様は拠点とするこの町の評価を落としかねない。 いえ……もしかすると、それを配慮した上で動いているかもしれない。
だから、私は彼女の行動こそが間違いであると、私の方がより被害者的立場を印象付けなければならない……と、体調の悪さを印象付けるようにバルトルト様に寄り添って見せたのだ。
「ストロープ……伯爵令嬢。 休業状態のわが商会とは違い、優秀な令嬢である貴方がこのような場所までおいでになるなんて、御身内の方がご心配なされているのではありませんか?」
「私の両親は、心が広いので」
「広い心で、公爵令嬢を庇護されてはよろしかったのでは? うちの商会と違って、ストロープ伯爵令嬢であるなら公爵家の家名を利用できるでしょう? それに……バルトルト様と繋がりを持っていれば、貴方達……いいえストロープ伯爵様達にまで迷惑をかけかねない。 最善を考えるなら、バルトルト様の悪評を利用し婚姻を破棄なさるのが一番ではないかしら? ねぇ……そうして頂けません? 私は……彼を愛しているの。 他の誰かと夫を共有する気になどなれません」
再び太腿をつねりながら私は嗚咽交じりに訴えた。
痣になってそうだわ……と、本気で泣きたくなってくる。
噂好きの女性達の視線は痛いけれど、こういう時は彼女達の人脈ほど有用的な物は無い事を私は知っている。
「ねぇ……お願い……」
「サーシャ様には申し訳ありませんが……どうして、貴方は、バルトルト様の寵愛を自分だけがお受けになっていると言い切れますの? 彼は愛に飢えておりますのよ?」
ストロープ伯爵令嬢は、自分を両腕で抱きしめ微笑んで見せた。
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