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幼い子のように言う王子に、正直を言えば状況を考えろと心の中で思った。 この時点で、私は王族としての敬意は向けたとしても、この王子自身と関わる事は身を亡ぼす可能性があると警戒ばかりが増していったのですから……。
「光栄です。 我が家ではお嫁さんのご紹介は……しておりませんが?」
いや、紹介してくれと言わんばかりの令嬢達は大勢いるのだけど、ソワソワチラチラと私を見る王子を見る限り、お嫁さんと言う言葉は私の聞き間違いではないのだと思う。
在庫確認をしていたため、男性用の仕事着を身に着けている私に、なぜこの人はこんな態度を示す事が出来るのでしょうか?
とりあえず私は礼儀を優先し床に膝をつき敬意を向ける。
「ぇ、いえ……ちょっ、立って下さい。 その、それでは……あの。 社交界で貴方を見た日から……貴方に心を奪われました。 それで僕のお嫁さんになって欲しいなって思って、君を探し出したんだ。 えっと、とりあえず立ってもらえるかな?」
私より3つ年上ではあるが、幼さが残る顔立ちをした端正な顔立ちの青年は、周囲が彼に求めるだろう人柄のままに、甘えた様子で告白を続けて来る。
「私、ですか? 誰かほかの方と間違ってはいませんか?」
「そんな事無い!! 貴方を間違えるはずがない。 その美しい緑の瞳、凛とした立ち姿。 僕が貴方を間違う等無い!!」
熱っぽい視線が向けられた。
年不相応に幼いと言われる第二王子バルトルト様には、女性に関する噂は無い。 武芸を好み政務に対しても余り積極的ではないと言う方。 王族として活動するには頼りなく、奔放なままに放置されていると言う方で、商売人仲間の中では余り良い噂は無い。
それでも、彼の言葉は嘘には思えなかった。
必死に、まるで縋るかのようにすら思えた。
「私のようなものが殿下に相応しいとは思えません。 美しい花々に囲まれた殿下にとってカボチャの花が物珍しく感じただけでしょう」
「カボチャが好きですよ!!」
無邪気な様子で返された。
「貴方がいいんです。 僕は貴方でないとダメなんだ!!」
「そう言われましても、我が家は爵位こそ頂いておりますが、卑しい商売人でございます。 貴族のルールも知らず、ましてや王族の方に嫁ぐような教育等何一つ受けておりません。 そんな私が殿下とお付き合いしては、殿下に恥をかかせる事になってしまいます。 どうか、お戯れはお控えくださいませ」
私は礼儀を守りながら、辞退の言葉を並べ立てた。
「どうして、どうして、サーシャは喜んではくれないのですか? 僕は貴方と出会い、お付き合いし、結婚出来るなんて考えると嬉しくて嬉しくて仕方がないのに……」
政治的なものを持ち出し、聞きようによっては脅しと聞こえてしまう。 だけれど、マジマジと私の顔を覗き込んだ殿下の顔は、幼い子のように不思議だなぁ?? と、分かりやすく、私を見続けていた。
「ねぇ、どうして? どうしてなの? 僕の何がダメなの?」
何って……。
彼は隠し事が出来ず、情報を与えれば自滅をもたらす等と言われている。 実際に、扱いやすい馬鹿だと彼を丸め込もうとして家を潰されたものさえいるのだ。
無邪気に無意識に、破滅をもたらす相手は……商売人の娘としては、とても怖い。 私だけの問題では済まないのですから。
「殿下は王家の方です。 私のような者が妻となれば、殿下が笑い者になるからです」
「ソレは僕達がお似合いって事かな?」
もう反論する気さえなくなってしまうところを必死に堪えた。
「私は王家の方に相応しくありません。 貴族として必要な教育すら満足に受けていないのですから」
苦笑いを浮かべてしまう私に手が差し出された。
「立って、僕は貴方を困らせる事はしない。 何かあっても僕が何とかする。 貴方のためならなんだってする。 お願い、僕を選んでよ」
それを望めるのは、政略として余程割り切っているか、王族に嫁ぐ覚悟が半端ない相手だけではないでしょうか? だからと言って、それを説明して理解してもらえるような気がしなくて……、どんな言葉なら通じるのか? そんな事を考えているうちに、王子付きの護衛騎士が声をかけた。
「殿下、彼女は貴族女性よりも庶民に近い価値観を持たれております」
「そう、見たいだな。 僕の前でこんな格好を見せる女性は初めて見る。 だけど、そんな貴方も僕は素敵だと思うんだ」
無邪気に……殿下は何故か嬉しそうに語っていた。
「それに加えて、キルシュ家は国内有数の富豪です。 王家大きな価値を見出す必要はありません」
「見出していない? それは……特別な何かを与えなければいけないって事? えっと、なら、父上に頼んで商会の税率を下げてくれるよう頼んでみると言うのはどうだ?」
それは確かに美味しいけれど……。
違う……違うわ。 そうじゃないんです。
「違います殿下。 キルシュ家は貴族同士の確執等無く、その枠組みに嵌っていません。 その価値観は庶民に近く、だからこそ恋した相手と結婚するものなのですよ」
「僕は、サーシャに恋をしている。 僕は人目見た時から彼女を綺麗だと思ったんだ。 僕の心は彼女に奪われたんだ。 サーシャ、もし、僕の心を受け止めてくれるなら。 僕は剣にかけて貴方への永遠の愛を誓うよ!!」
我が家は王家との縁組に対して利益を求めていない。 求めてはいないが利益が無い訳ではない。 それに……バルトルト殿下が本気であれば、税率を上げる等と幾らでも事業の足を引っ張る事ができる。
結局、どれほど拒絶したとしても私は彼を拒絶等出来ないのだ。 と、言うのは言い訳で……私は、純粋に私を見つめ、愛情を語る彼を可愛いと思ってしまったのだ。
王子は、その幼さが侮られ、国王夫婦には余り良くは見られてはいなかった。 だから……彼は王子でありながら、ささやかな結婚披露の後に私の家に居座った。
彼は、私を妻として欲したと言うよりも……家族が欲しかったのだと言うように見えた。 彼は誰よりも早く目を覚まし、そして、品出しの準備をし、帳簿を学び、接客を学び、仕入れを学び、あらゆる事を学び吸収していく。
噂の馬鹿王子とはなんだったのだろう? と言う勢いで。
「サーシャ、今度、仕入れの旅に連れて来るかって誘われたんだけど、サーシャも一緒に行く? 行くよね!! きっと楽しいよね!!」
まるで彼こそが父の子であるかのように聞いて来たけれど、私は以前よりもずっと彼の事が好きになっていた。
「そうですね。 バルトルト様と一緒なら楽しいかもしれませんわ」
「だよね!!」
バルトルト様は身分を隠した旅だった。 何時もと変わらない旅だけれど、見るもの全てに興味を持ち、不思議そうに瞳をきらめかせる彼が可愛らしかった。 そんな彼を私が見つめていれば、彼は恥ずかしそうに微笑みながら、私に軽く口づける。
「家の者が見ています」
「だって、サーシャが可愛かったから、つい」
そうして、また笑うのだ。
彼との婚姻生活を続け3年が経過した頃には、私の方が彼に惚れ込んでいた。
彼自身の身分を隠していたが、商売は拡大し、拠点は王都から海を眺める都市へと移動し、新しい屋敷を持ち、海運貿易を大々的に行うようになり、彼自身を訪ねて仕事を手伝わせて欲しいと言ってくるものも出て来た。
「とてもモテルのね」
今の私は嫉妬を露わにしてしまう。
「僕はサーシャにモテていればイイよ」
「そう? その割に、貴方は仕事にぞっこんに見えるわ」
「うん、思っていたよりも全然楽しかったからね。 つい……でも、一番はサーシャだよ」
そう言って私を抱きしめてくれる。
「バルトルト様、私……貴方との子供が欲しいの」
私を抱きしめる腕が少しだけ力を増す。
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
困ったように彼は言う。
私は不安なのです……。
彼の周りには人が集まっている。
幼い頃から参加していた騎士の訓練。 そこで一緒だった人達が集まってきていた。 早朝早く起きて彼等は騎士としての訓練を行い、その後、全員が統制の取れた動きで荷運びを行う。
各地へと行商に出向き、有益な情報を集めて来る。
祖父母が始めた商会の8割は、もうバルトルト様が仕切っていると言えるでしょう。 私は怖い……怖いのです。 私の持っていたものが、彼のものになると同時に……私が捨てられてしまうのではないかと……。
そんな不安が欠片も解けないまま、彼は王宮に呼び戻された。
私の元に戻ってきた私にこう言ったのだ。
「サーシャ……国王陛下が、僕に側妃を迎えるように言ってきたんだ」
彼は私を抱きしめながら、彼に恋する私をより深い不安へと突き落とすのだった。
「光栄です。 我が家ではお嫁さんのご紹介は……しておりませんが?」
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「そんな事無い!! 貴方を間違えるはずがない。 その美しい緑の瞳、凛とした立ち姿。 僕が貴方を間違う等無い!!」
熱っぽい視線が向けられた。
年不相応に幼いと言われる第二王子バルトルト様には、女性に関する噂は無い。 武芸を好み政務に対しても余り積極的ではないと言う方。 王族として活動するには頼りなく、奔放なままに放置されていると言う方で、商売人仲間の中では余り良い噂は無い。
それでも、彼の言葉は嘘には思えなかった。
必死に、まるで縋るかのようにすら思えた。
「私のようなものが殿下に相応しいとは思えません。 美しい花々に囲まれた殿下にとってカボチャの花が物珍しく感じただけでしょう」
「カボチャが好きですよ!!」
無邪気な様子で返された。
「貴方がいいんです。 僕は貴方でないとダメなんだ!!」
「そう言われましても、我が家は爵位こそ頂いておりますが、卑しい商売人でございます。 貴族のルールも知らず、ましてや王族の方に嫁ぐような教育等何一つ受けておりません。 そんな私が殿下とお付き合いしては、殿下に恥をかかせる事になってしまいます。 どうか、お戯れはお控えくださいませ」
私は礼儀を守りながら、辞退の言葉を並べ立てた。
「どうして、どうして、サーシャは喜んではくれないのですか? 僕は貴方と出会い、お付き合いし、結婚出来るなんて考えると嬉しくて嬉しくて仕方がないのに……」
政治的なものを持ち出し、聞きようによっては脅しと聞こえてしまう。 だけれど、マジマジと私の顔を覗き込んだ殿下の顔は、幼い子のように不思議だなぁ?? と、分かりやすく、私を見続けていた。
「ねぇ、どうして? どうしてなの? 僕の何がダメなの?」
何って……。
彼は隠し事が出来ず、情報を与えれば自滅をもたらす等と言われている。 実際に、扱いやすい馬鹿だと彼を丸め込もうとして家を潰されたものさえいるのだ。
無邪気に無意識に、破滅をもたらす相手は……商売人の娘としては、とても怖い。 私だけの問題では済まないのですから。
「殿下は王家の方です。 私のような者が妻となれば、殿下が笑い者になるからです」
「ソレは僕達がお似合いって事かな?」
もう反論する気さえなくなってしまうところを必死に堪えた。
「私は王家の方に相応しくありません。 貴族として必要な教育すら満足に受けていないのですから」
苦笑いを浮かべてしまう私に手が差し出された。
「立って、僕は貴方を困らせる事はしない。 何かあっても僕が何とかする。 貴方のためならなんだってする。 お願い、僕を選んでよ」
それを望めるのは、政略として余程割り切っているか、王族に嫁ぐ覚悟が半端ない相手だけではないでしょうか? だからと言って、それを説明して理解してもらえるような気がしなくて……、どんな言葉なら通じるのか? そんな事を考えているうちに、王子付きの護衛騎士が声をかけた。
「殿下、彼女は貴族女性よりも庶民に近い価値観を持たれております」
「そう、見たいだな。 僕の前でこんな格好を見せる女性は初めて見る。 だけど、そんな貴方も僕は素敵だと思うんだ」
無邪気に……殿下は何故か嬉しそうに語っていた。
「それに加えて、キルシュ家は国内有数の富豪です。 王家大きな価値を見出す必要はありません」
「見出していない? それは……特別な何かを与えなければいけないって事? えっと、なら、父上に頼んで商会の税率を下げてくれるよう頼んでみると言うのはどうだ?」
それは確かに美味しいけれど……。
違う……違うわ。 そうじゃないんです。
「違います殿下。 キルシュ家は貴族同士の確執等無く、その枠組みに嵌っていません。 その価値観は庶民に近く、だからこそ恋した相手と結婚するものなのですよ」
「僕は、サーシャに恋をしている。 僕は人目見た時から彼女を綺麗だと思ったんだ。 僕の心は彼女に奪われたんだ。 サーシャ、もし、僕の心を受け止めてくれるなら。 僕は剣にかけて貴方への永遠の愛を誓うよ!!」
我が家は王家との縁組に対して利益を求めていない。 求めてはいないが利益が無い訳ではない。 それに……バルトルト殿下が本気であれば、税率を上げる等と幾らでも事業の足を引っ張る事ができる。
結局、どれほど拒絶したとしても私は彼を拒絶等出来ないのだ。 と、言うのは言い訳で……私は、純粋に私を見つめ、愛情を語る彼を可愛いと思ってしまったのだ。
王子は、その幼さが侮られ、国王夫婦には余り良くは見られてはいなかった。 だから……彼は王子でありながら、ささやかな結婚披露の後に私の家に居座った。
彼は、私を妻として欲したと言うよりも……家族が欲しかったのだと言うように見えた。 彼は誰よりも早く目を覚まし、そして、品出しの準備をし、帳簿を学び、接客を学び、仕入れを学び、あらゆる事を学び吸収していく。
噂の馬鹿王子とはなんだったのだろう? と言う勢いで。
「サーシャ、今度、仕入れの旅に連れて来るかって誘われたんだけど、サーシャも一緒に行く? 行くよね!! きっと楽しいよね!!」
まるで彼こそが父の子であるかのように聞いて来たけれど、私は以前よりもずっと彼の事が好きになっていた。
「そうですね。 バルトルト様と一緒なら楽しいかもしれませんわ」
「だよね!!」
バルトルト様は身分を隠した旅だった。 何時もと変わらない旅だけれど、見るもの全てに興味を持ち、不思議そうに瞳をきらめかせる彼が可愛らしかった。 そんな彼を私が見つめていれば、彼は恥ずかしそうに微笑みながら、私に軽く口づける。
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「そう? その割に、貴方は仕事にぞっこんに見えるわ」
「うん、思っていたよりも全然楽しかったからね。 つい……でも、一番はサーシャだよ」
そう言って私を抱きしめてくれる。
「バルトルト様、私……貴方との子供が欲しいの」
私を抱きしめる腕が少しだけ力を増す。
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
困ったように彼は言う。
私は不安なのです……。
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各地へと行商に出向き、有益な情報を集めて来る。
祖父母が始めた商会の8割は、もうバルトルト様が仕切っていると言えるでしょう。 私は怖い……怖いのです。 私の持っていたものが、彼のものになると同時に……私が捨てられてしまうのではないかと……。
そんな不安が欠片も解けないまま、彼は王宮に呼び戻された。
私の元に戻ってきた私にこう言ったのだ。
「サーシャ……国王陛下が、僕に側妃を迎えるように言ってきたんだ」
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