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私は命じられたまま、お披露目の場を去り、部屋へと戻り公爵邸を後にするための荷物をまとめた。 再び公爵様が私に興味を持っては困ると、これからは神殿に仕えるようにと言われていたためだ。
「お姉ちゃん……本当にあのような方で良かったのかしら……」
私はポソリと呟き、逃げるように神殿へと向かうのだ。
何しろ、公爵様が背負う業は深い。
それは呪いのようで、側にいれば息が詰まるほど。
彼は喰らう者。
お姉ちゃんは大丈夫なのかしら?
心配ではあるけれど、近寄るなと言われたのだから仕方がありません。 公子様の問題からお姉ちゃんを引き離すための行為は、公爵家の方々にとってみれば意地悪に思えたのでしょう。
その後、私は神殿へと向かい巫女として仕える事にしました。
ここには、私のお父さんもいます。
父は私を守ってくれました。
私の外見に群がる有象無象から。
私は穏やかに過ごす事が出来たのです。
だけど
ある日、王子様が狩りの中……矢を受けて命に係わる致命傷を受け、父さんは私に頭を下げ泣きながら王子様を助けて欲しいと頼んできました。
だから……私はお姉ちゃんのために封じていた慈悲の力を使いました。 その力で王子を癒し、それを切っ掛けに私は再び聖女の認定を受ける事となりました。
そして私は、王子の婚約者として迎えられました。
姉は子を産み。
私も子を産む。
「お姉様、貴方は幸せですか?」
永遠と繰り返される夫の不貞があったとしても……
貴方は幸せですか?
おわり
「お姉ちゃん……本当にあのような方で良かったのかしら……」
私はポソリと呟き、逃げるように神殿へと向かうのだ。
何しろ、公爵様が背負う業は深い。
それは呪いのようで、側にいれば息が詰まるほど。
彼は喰らう者。
お姉ちゃんは大丈夫なのかしら?
心配ではあるけれど、近寄るなと言われたのだから仕方がありません。 公子様の問題からお姉ちゃんを引き離すための行為は、公爵家の方々にとってみれば意地悪に思えたのでしょう。
その後、私は神殿へと向かい巫女として仕える事にしました。
ここには、私のお父さんもいます。
父は私を守ってくれました。
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私は穏やかに過ごす事が出来たのです。
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ある日、王子様が狩りの中……矢を受けて命に係わる致命傷を受け、父さんは私に頭を下げ泣きながら王子様を助けて欲しいと頼んできました。
だから……私はお姉ちゃんのために封じていた慈悲の力を使いました。 その力で王子を癒し、それを切っ掛けに私は再び聖女の認定を受ける事となりました。
そして私は、王子の婚約者として迎えられました。
姉は子を産み。
私も子を産む。
「お姉様、貴方は幸せですか?」
永遠と繰り返される夫の不貞があったとしても……
貴方は幸せですか?
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