とある少年の入院記録

Cazh

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Uneasiness

11月15日(月)晴れのち雨

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一週間が経った今、午前の空を見上げながら書いています。
さっき朝食を終えたばかりだ。
薬を飲んだからか、頭がぼんやりしています。
看護師のおばさんに、薬をもらうときに言われた。
「私から見れば孫みたい」、そんな感じの事を言いながら
看護師さんは僕に薬を飲ませようとしてくれた(袋を持ち上げて)。
だけど当然、僕は断った。だって恥ずかしいからさ。
薬を飲み終えた後も、その看護師のおばさんは、
愛想よく笑顔で話しかけてくれていた。
でも、僕は逃げるように※給湯器の方まで行ってしまった。
笑顔をもらえば、笑顔を返すので精一杯。

自分の笑顔は…きちんと形になっているのかな。
鏡を見るのが、ちょっと怖い。でも…
鏡が、現実だとするならば、それでも立ち向かわなきゃならない。
現実から逃げない。でも、不安だな。できるかな。やらなくちゃ。

看護師のおばさん、ありがとう。元気をくれて。

昨日は、娘さんの話を聞かせてくれた看護師さんもいた。
その時も、同じような気持ちになった。
恥ずかしいけど、苦しいけど、心温まるんだ。
人と人とのふれあいって。

後、二時間程で母さんが来てくれる。
早く出かけたいな。楽しみだな。
まだまだ子供だけど、童心にかえったよう。


小 正 T     大 T

(ページの端に、正の字でトイレに行った回数を記入してある)


※自分の部屋と共有スペースとの行き来は自由で、食堂に給湯器がある。
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