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小魚、回る
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「ウ、ウィズ!! なんとかして!」
「出来ねぇよ! とりあえず回収する!」
リズの元に向かったドラゴンだったが、位置的に俺の方が近かった。
最速でリズのところまで泳ぎ、竜宮城に行った時のように俺がモーターになってリズを運ぶ。
しかし、リズを連れて泳いでいるのにドラゴンから逃げられるはずもない。
「これどうすんだ。完全に詰みだぞ」
「本当にやりたくないんだけど、一つだけ案があるわ」
「どうするんだ! 逃げながら魔法ぶっ放すか?」
「ウィズがゲットした回転するスキルあるでしょ。あれを使って」
リズが言ってるのはspeed gyro shotのことなんだろうけど、あれを使うだけでドラゴンをどうにか出来るとは思えない。
「べ、別にいいけどあれだけで倒せるとは思えんぞ」
「良いから! 思いっきりいきなさい!!」
「わ、分かったよ」
迫るドラゴンはもうすぐそこまで来ているし、時間もない。
仕方がないので、ドラゴンに向けてspeed gyro shotを発動させる。
もしかしたら、リズは俺の突破力を利用して何かの魔法を使うのかもしれない。
そうか、蒼炎の力で俺のスキルを強化することが出来れば、突破口になる。
「speed jyro shot」
「いきなさい蒼炎-大加速-」
俺がスキルを発動したのにあわせ、リズも魔法を発動させる。
やはり俺の読みは正しかった。
いけ、リズの魔法でドラゴンを八つ裂きにするんだ。
「行きなさい。本物の魚雷を見せてやるのよ」
不意に重さが消える。
どうやらリズが俺から手を離したらしい。
「え?」
一緒に攻撃をするんじゃなかったのか。
どうして俺のことを手放しているのか、なぜ意味の分からないことを言っているのか。
すぐに身をもって理解させられることになった。
「あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”」
ただでさえこのスキルは加速しすぎで訳がわからないのに、どうしてか俺の尾には蒼い炎が燃えて今までの数倍の速度で加速させられている。
「決めなさい!」
「かっこいい感じでセリフ言ってんじゃねぇぇぇえええ!!!」
ちらりと姿が見えたが、リズはドラゴンを指さし、キメ顔をしていた。
人のことを生贄にした女の表情とは思えない、勇ましい顔だ。
リズごと道ずれにしてやりたいが、そうはいかない。
俺が抵抗しようとも動きは止められない。
尾からブーストがかかっている俺は、めちゃくちゃな回転をしながらドラゴンの腹をぶちぬく。
「グォォォア!!?」
一瞬でワープしたかのような速度に、ドラゴンは何もできない。
最速で最強の裏切り攻撃によって、ドラゴンのHPはなくなり、消滅した。
俺は地面にぶつかった後も回転をし続け、悲惨な思いをしばらくした後にようやくスキルが切れて解放された。
「やったわね。危なかったわ」
「おめぇ……。人を生贄にして一言目がそれか」
「倒せたんだから良いじゃない。結果的に正解でしょ?」
確かに。確かにドラゴンを倒すことも出来たし、どちらも死ななかったのでリズの選択は正解なんだが!
なんとなく納得できない。
「まぁ、な。そういや、これがドロップ品みたいだな」
ドラゴンが倒れた場所に、真っ白な角らしきものが落ちている。
拾ってみると、ドロップ品の情報が表示された。
こうして考えるとアイテムを獲得すること自体ここまでやってきて始めてだ。
その事実にショックを受けながらも、どんなものかを確認する。
『ドラゴンボーン』☆6
ドラゴンの魂が込められた角。加工すれば強力な武器になる。
これが乙姫が言っていた武器で間違いないだろう。
目的はこれで達成された。
アイテムを確認したのと同タイミングで衝撃的なポップアップが表示された。
「出来ねぇよ! とりあえず回収する!」
リズの元に向かったドラゴンだったが、位置的に俺の方が近かった。
最速でリズのところまで泳ぎ、竜宮城に行った時のように俺がモーターになってリズを運ぶ。
しかし、リズを連れて泳いでいるのにドラゴンから逃げられるはずもない。
「これどうすんだ。完全に詰みだぞ」
「本当にやりたくないんだけど、一つだけ案があるわ」
「どうするんだ! 逃げながら魔法ぶっ放すか?」
「ウィズがゲットした回転するスキルあるでしょ。あれを使って」
リズが言ってるのはspeed gyro shotのことなんだろうけど、あれを使うだけでドラゴンをどうにか出来るとは思えない。
「べ、別にいいけどあれだけで倒せるとは思えんぞ」
「良いから! 思いっきりいきなさい!!」
「わ、分かったよ」
迫るドラゴンはもうすぐそこまで来ているし、時間もない。
仕方がないので、ドラゴンに向けてspeed gyro shotを発動させる。
もしかしたら、リズは俺の突破力を利用して何かの魔法を使うのかもしれない。
そうか、蒼炎の力で俺のスキルを強化することが出来れば、突破口になる。
「speed jyro shot」
「いきなさい蒼炎-大加速-」
俺がスキルを発動したのにあわせ、リズも魔法を発動させる。
やはり俺の読みは正しかった。
いけ、リズの魔法でドラゴンを八つ裂きにするんだ。
「行きなさい。本物の魚雷を見せてやるのよ」
不意に重さが消える。
どうやらリズが俺から手を離したらしい。
「え?」
一緒に攻撃をするんじゃなかったのか。
どうして俺のことを手放しているのか、なぜ意味の分からないことを言っているのか。
すぐに身をもって理解させられることになった。
「あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”あ”あ”あ”」
ただでさえこのスキルは加速しすぎで訳がわからないのに、どうしてか俺の尾には蒼い炎が燃えて今までの数倍の速度で加速させられている。
「決めなさい!」
「かっこいい感じでセリフ言ってんじゃねぇぇぇえええ!!!」
ちらりと姿が見えたが、リズはドラゴンを指さし、キメ顔をしていた。
人のことを生贄にした女の表情とは思えない、勇ましい顔だ。
リズごと道ずれにしてやりたいが、そうはいかない。
俺が抵抗しようとも動きは止められない。
尾からブーストがかかっている俺は、めちゃくちゃな回転をしながらドラゴンの腹をぶちぬく。
「グォォォア!!?」
一瞬でワープしたかのような速度に、ドラゴンは何もできない。
最速で最強の裏切り攻撃によって、ドラゴンのHPはなくなり、消滅した。
俺は地面にぶつかった後も回転をし続け、悲惨な思いをしばらくした後にようやくスキルが切れて解放された。
「やったわね。危なかったわ」
「おめぇ……。人を生贄にして一言目がそれか」
「倒せたんだから良いじゃない。結果的に正解でしょ?」
確かに。確かにドラゴンを倒すことも出来たし、どちらも死ななかったのでリズの選択は正解なんだが!
なんとなく納得できない。
「まぁ、な。そういや、これがドロップ品みたいだな」
ドラゴンが倒れた場所に、真っ白な角らしきものが落ちている。
拾ってみると、ドロップ品の情報が表示された。
こうして考えるとアイテムを獲得すること自体ここまでやってきて始めてだ。
その事実にショックを受けながらも、どんなものかを確認する。
『ドラゴンボーン』☆6
ドラゴンの魂が込められた角。加工すれば強力な武器になる。
これが乙姫が言っていた武器で間違いないだろう。
目的はこれで達成された。
アイテムを確認したのと同タイミングで衝撃的なポップアップが表示された。
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