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小魚、飛ばされる
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階段を降りて下の階層に出来た扉を開く。
嫌な音を立てながら扉が開かれると、そこには地獄のような世界が広がっている。
地面には人骨が落ちており、草木は朽ちた荒野だ。
何故か空には真っ赤な月が登っていた。
聖堂の地下とは思えないような光景に思わずごくりと生唾を飲み込んだ。
「これ、何処に来たんだ?」
「分からないわ。とりあえず退路だけは確保って、あれ?」
リズが慌てた様子で俺たちの後ろを指差す。
そちらを見てみると、俺たちが入ったはずの扉が消滅していた。
「これ、どうやって戻るんだ?」
「分かるわけないじゃない……。でも、何かしら手段があるはずよ」
「でも周りに何もありませんね。これが天罰というやつですか」
連れてきた張本人は呑気に周りを見ている。
かなりホラーな景色なはずだが、アリスは全然余裕そうだ。
実際に化物が出てこなければ問題ないらしい。
「天罰って……。自分たちで扉開いて入ったんでしょうが」
「確かに……。それで罰っていうのも変な話ですね」
「それは良いとしてさ、ここからどうするんだよ。周りを見ても何もないし」
「それだったら炙り出してみるのはどうですか? ほら、さっきのアンコウとか使えば何が分かるかもしれないじゃないですか」
アンコウじゃねぇ……。
ホーリーフラッシュだ!!
言い返しても長引きそうなので心に抑える。
しかし、アリスのアイデアは悪くない。
さっき出てきたアンデットにも効果があったわけだし、俺たちをつけ狙ってる奴がいるならホーリーフラッシュを使えば出てくるかもしれない。
すぐにスキルを使おうとすると、アリスがさっきと同じように支援魔法を俺にかける。
ニョキリと生えた触覚の先端には巨大な球体が生まれ、外にいるにもかかわらず周囲の景色を真っ白に染め上げた。
「がァァァァァア!!?」
あたりが照らされるのと同時に、なにかの叫び声が辺りに響く。少し離れた位置から聞こえてきたので、確実に俺たちのメンバーではない。
そもそもかなりの低音ボイスだったので、リズもアリスもありえないが……。
「な、な、なんですかあれ!?」
「狼人間、かしら。それにしても随分と大きいわね」
光がやみ、声の主が明らかになったがかなりのサイズだ。
おそらく5メートル近くはあるだろう狼人間。
鋭い牙を持ち、目を真っ赤に光らせていた。
息遣いは荒く、ギロリと鋭い目つきで俺たちのことを睨みつけくる。
「今からあれと戦うんだよな。ちょっと気合いれる」
「今まででいちばんの大物かもしれないわね」
いきなりボス戦かよ……。
しかも、この場所には障壁なるようなものもないし、この巨体を相手に逃げるのも無理だ。
真っ向からこの巨大狼男を潰さないといけない。
『ウルフマン』BOSS Lv35
名前ダサいのにレベル高いなぁ!!
「強いので、私の真の力を見せます」
「た、頼むぞ? このレベルのボスはマジで油断ならん」
「支援魔法には期待してるわ。普通にぶつかったら瞬殺されそうだからね」
「分かってます。アクセルブースター。アンチマジックシールド。ブロックレジスト」
アリスがこれでもかというぐらいに支援魔法を俺たちにかけまくる。淡い色の光が俺たちを包み込み、すべての能力が強化されていく。
さっきの戦いでもその魔法使えよ……
「グルァァァァァ!!!」
俺たちの様子を見て、ウルフマンが雄叫びを上げた。
強くなったのがわかるマンらしい。
ウルフマンが動くときの勢いで地面が大きく削れる。
数十メートルは離れていたはずのウルフマンはあっという間に距離を詰めてきた。
嫌な音を立てながら扉が開かれると、そこには地獄のような世界が広がっている。
地面には人骨が落ちており、草木は朽ちた荒野だ。
何故か空には真っ赤な月が登っていた。
聖堂の地下とは思えないような光景に思わずごくりと生唾を飲み込んだ。
「これ、何処に来たんだ?」
「分からないわ。とりあえず退路だけは確保って、あれ?」
リズが慌てた様子で俺たちの後ろを指差す。
そちらを見てみると、俺たちが入ったはずの扉が消滅していた。
「これ、どうやって戻るんだ?」
「分かるわけないじゃない……。でも、何かしら手段があるはずよ」
「でも周りに何もありませんね。これが天罰というやつですか」
連れてきた張本人は呑気に周りを見ている。
かなりホラーな景色なはずだが、アリスは全然余裕そうだ。
実際に化物が出てこなければ問題ないらしい。
「天罰って……。自分たちで扉開いて入ったんでしょうが」
「確かに……。それで罰っていうのも変な話ですね」
「それは良いとしてさ、ここからどうするんだよ。周りを見ても何もないし」
「それだったら炙り出してみるのはどうですか? ほら、さっきのアンコウとか使えば何が分かるかもしれないじゃないですか」
アンコウじゃねぇ……。
ホーリーフラッシュだ!!
言い返しても長引きそうなので心に抑える。
しかし、アリスのアイデアは悪くない。
さっき出てきたアンデットにも効果があったわけだし、俺たちをつけ狙ってる奴がいるならホーリーフラッシュを使えば出てくるかもしれない。
すぐにスキルを使おうとすると、アリスがさっきと同じように支援魔法を俺にかける。
ニョキリと生えた触覚の先端には巨大な球体が生まれ、外にいるにもかかわらず周囲の景色を真っ白に染め上げた。
「がァァァァァア!!?」
あたりが照らされるのと同時に、なにかの叫び声が辺りに響く。少し離れた位置から聞こえてきたので、確実に俺たちのメンバーではない。
そもそもかなりの低音ボイスだったので、リズもアリスもありえないが……。
「な、な、なんですかあれ!?」
「狼人間、かしら。それにしても随分と大きいわね」
光がやみ、声の主が明らかになったがかなりのサイズだ。
おそらく5メートル近くはあるだろう狼人間。
鋭い牙を持ち、目を真っ赤に光らせていた。
息遣いは荒く、ギロリと鋭い目つきで俺たちのことを睨みつけくる。
「今からあれと戦うんだよな。ちょっと気合いれる」
「今まででいちばんの大物かもしれないわね」
いきなりボス戦かよ……。
しかも、この場所には障壁なるようなものもないし、この巨体を相手に逃げるのも無理だ。
真っ向からこの巨大狼男を潰さないといけない。
『ウルフマン』BOSS Lv35
名前ダサいのにレベル高いなぁ!!
「強いので、私の真の力を見せます」
「た、頼むぞ? このレベルのボスはマジで油断ならん」
「支援魔法には期待してるわ。普通にぶつかったら瞬殺されそうだからね」
「分かってます。アクセルブースター。アンチマジックシールド。ブロックレジスト」
アリスがこれでもかというぐらいに支援魔法を俺たちにかけまくる。淡い色の光が俺たちを包み込み、すべての能力が強化されていく。
さっきの戦いでもその魔法使えよ……
「グルァァァァァ!!!」
俺たちの様子を見て、ウルフマンが雄叫びを上げた。
強くなったのがわかるマンらしい。
ウルフマンが動くときの勢いで地面が大きく削れる。
数十メートルは離れていたはずのウルフマンはあっという間に距離を詰めてきた。
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2024年10月追記
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