15 / 37
小魚、進化する
しおりを挟む
-初ダンジョンボス攻略! 経験値50000を獲得しました-
「ふぁっ!?」
今までとは桁が違う。
15だったレベルが一気に上がり、20になった。
「え、なに?」
「いやボーナスでめっちゃ経験値入った」
「そんな仕様普通ついてないんだけど……」
リズは少し恨めしそうな、そんな表情だ。
俺からしたらリズの種族、堕天使の方が羨ましい。
「あれ、なんか身体の形変わってきてる。進化だわ」
「次はかっこいいのになってくれると良いわね」
ママに貰った光が胸で輝くと、一気に体の形が変わった。
身体が大きくなるかと思ったがそうではない。
俺の身体からは小さな手足が生えてきたのだ。
身体は今までの魚魚しい形から変わり、トカゲのような形になった。これなら、陸地に上がっても動き回れるかもしれない。
「結構カッコよくなったんじゃない? 相変わらず小さいけど」
「そこに関しては残念だけど、これは希望のある進化だわ! ついに陸地進出だぞ」
名前:『ウィズ』
種族:小魚?
レベル:20
HP 520/520
MP 310/310
筋力:30+12
知性:21
敏捷:59+13
器用:21
幸運:21
スキル:『Hoch springen』 『speed gyro shot』
残ステータスポイント:0
残スキルポイント:17
ステータスも爆上がりしているし、装備がないわりにはかなり高水準だ。スキルがほぼないのは気になるが、それは追々なんとかなるだろう。
ここまで来るのが長かった。
ようやく、俺はようやく水の呪いから解き放たれるのだ。
「アイテムも回収出来たわけだし、これで完全に海底洞窟でのイベントは終わりかな?」
「さすがにもうないでしょうね。それじゃ、帰りましょうか」
海底洞窟を完全攻略したので、始まりの街に戻ることにした。
◆
「倒したぞ」
「私たちにかかれば楽勝ね」
「えっ? そ、そんなにあっさり倒せるものでは無いと思うのですが……」
竜宮城に戻ってすぐに早速乙姫に報告する。
リズは完全に嘘をついているが、まぁ良い。
乙姫は完全に嘘に引っ掛けられているようで、目をまん丸にして驚いていた。
「それで、こいつを拾ってきたんだけどどうにか出来ないか?」
「でしたら、私たちの城で一番の鍛冶師をご紹介しましょう。とっておきの装備に仕上げさせていただきますよ」
持ってきたドラゴンボーンはとんでもなく量が多い。俺の装備も作れるが、リズの装備をフルで作っても余りそうな量だ。
「そいつは良い。案内してくれ」
「かしこまりました」
乙姫の案内によって鍛冶師のもとに案内される。
俺にとっては初めての装備だ。
ベテランの風格漂う魚人の鍛冶師は、ドラゴンボーンを見てニヤリと笑った。
「こんな素材を使えるなんて鍛冶師名利につきるね。良い出来のものに仕上げるぜ」
「頼むわよ。もうあの洞窟には行きたく無いし」
「おうよ。任せておきな」
どんな装備を作って欲しいのか伝えると、鍛冶師のおっちゃんはすぐに装備の生成にとりかかる。
火とか使って色々やるのかと思ってたけど、スキルひとつで作れてしまうようだ。
おっさんはスキルを発動させるとドラゴンボーンの形をグニグニといじっていく。そこに素材を加え、あっという間に二つの装備を作り出した。
「おらよっ。これがこの素材で作れる最高装備だ」
リズには杖、俺には加工された爪が渡される。
見た感じかなり大きく、俺がつけるサイズではなかったが、装備すると収縮してフィットした。
さすがゲーム。
『ドラゴンクロー』
ドラゴンの骨で作られた強固な武器。
つけることで強力な力を得る。装備者によってステータス上昇値があがる。
筋力+21
敏捷+15
これ、どうなんだろう。
装備の説明から察するに今の俺の状態だとこの装備の力を引き出せて無い気がするぞ。
やはり、まだ進化が足りない。
今のところレベル10ごとに進化しているので、次の進化はレベル30の時に発生するはずだ。
「海でやれることは全部終わりかなぁ。ウィズ、これからどうする?」
「陸にあがりたい。ゲーム始めてから一度も上がってないんだよ」
「なら、一緒にあがりましょうか。ウィズがいないと水死体みたいな浮かびかたしか出来ないからね」
「おう、あとあれだ。街を案内してくれ。人の群れに入ったら俺は確実に珍獣扱いだからな」
「いいわよ。私のペットってことで連れ回してあげる。首輪つけるからね?」
リズはどこから取り出したのか、トゲ付きの首輪を俺にくくりつける。なんたる屈辱……。
しかし、これぐらいで陸上で普通に動き回れるなら我慢しよう。トゲのせいでエリマキトカゲのような姿になってるが、気にしないのだ。
「いくぞ」
リズを連れて竜宮城を飛び出し、俺は地上を目指す。
トゲ付き珍獣、上陸します!!
「ふぁっ!?」
今までとは桁が違う。
15だったレベルが一気に上がり、20になった。
「え、なに?」
「いやボーナスでめっちゃ経験値入った」
「そんな仕様普通ついてないんだけど……」
リズは少し恨めしそうな、そんな表情だ。
俺からしたらリズの種族、堕天使の方が羨ましい。
「あれ、なんか身体の形変わってきてる。進化だわ」
「次はかっこいいのになってくれると良いわね」
ママに貰った光が胸で輝くと、一気に体の形が変わった。
身体が大きくなるかと思ったがそうではない。
俺の身体からは小さな手足が生えてきたのだ。
身体は今までの魚魚しい形から変わり、トカゲのような形になった。これなら、陸地に上がっても動き回れるかもしれない。
「結構カッコよくなったんじゃない? 相変わらず小さいけど」
「そこに関しては残念だけど、これは希望のある進化だわ! ついに陸地進出だぞ」
名前:『ウィズ』
種族:小魚?
レベル:20
HP 520/520
MP 310/310
筋力:30+12
知性:21
敏捷:59+13
器用:21
幸運:21
スキル:『Hoch springen』 『speed gyro shot』
残ステータスポイント:0
残スキルポイント:17
ステータスも爆上がりしているし、装備がないわりにはかなり高水準だ。スキルがほぼないのは気になるが、それは追々なんとかなるだろう。
ここまで来るのが長かった。
ようやく、俺はようやく水の呪いから解き放たれるのだ。
「アイテムも回収出来たわけだし、これで完全に海底洞窟でのイベントは終わりかな?」
「さすがにもうないでしょうね。それじゃ、帰りましょうか」
海底洞窟を完全攻略したので、始まりの街に戻ることにした。
◆
「倒したぞ」
「私たちにかかれば楽勝ね」
「えっ? そ、そんなにあっさり倒せるものでは無いと思うのですが……」
竜宮城に戻ってすぐに早速乙姫に報告する。
リズは完全に嘘をついているが、まぁ良い。
乙姫は完全に嘘に引っ掛けられているようで、目をまん丸にして驚いていた。
「それで、こいつを拾ってきたんだけどどうにか出来ないか?」
「でしたら、私たちの城で一番の鍛冶師をご紹介しましょう。とっておきの装備に仕上げさせていただきますよ」
持ってきたドラゴンボーンはとんでもなく量が多い。俺の装備も作れるが、リズの装備をフルで作っても余りそうな量だ。
「そいつは良い。案内してくれ」
「かしこまりました」
乙姫の案内によって鍛冶師のもとに案内される。
俺にとっては初めての装備だ。
ベテランの風格漂う魚人の鍛冶師は、ドラゴンボーンを見てニヤリと笑った。
「こんな素材を使えるなんて鍛冶師名利につきるね。良い出来のものに仕上げるぜ」
「頼むわよ。もうあの洞窟には行きたく無いし」
「おうよ。任せておきな」
どんな装備を作って欲しいのか伝えると、鍛冶師のおっちゃんはすぐに装備の生成にとりかかる。
火とか使って色々やるのかと思ってたけど、スキルひとつで作れてしまうようだ。
おっさんはスキルを発動させるとドラゴンボーンの形をグニグニといじっていく。そこに素材を加え、あっという間に二つの装備を作り出した。
「おらよっ。これがこの素材で作れる最高装備だ」
リズには杖、俺には加工された爪が渡される。
見た感じかなり大きく、俺がつけるサイズではなかったが、装備すると収縮してフィットした。
さすがゲーム。
『ドラゴンクロー』
ドラゴンの骨で作られた強固な武器。
つけることで強力な力を得る。装備者によってステータス上昇値があがる。
筋力+21
敏捷+15
これ、どうなんだろう。
装備の説明から察するに今の俺の状態だとこの装備の力を引き出せて無い気がするぞ。
やはり、まだ進化が足りない。
今のところレベル10ごとに進化しているので、次の進化はレベル30の時に発生するはずだ。
「海でやれることは全部終わりかなぁ。ウィズ、これからどうする?」
「陸にあがりたい。ゲーム始めてから一度も上がってないんだよ」
「なら、一緒にあがりましょうか。ウィズがいないと水死体みたいな浮かびかたしか出来ないからね」
「おう、あとあれだ。街を案内してくれ。人の群れに入ったら俺は確実に珍獣扱いだからな」
「いいわよ。私のペットってことで連れ回してあげる。首輪つけるからね?」
リズはどこから取り出したのか、トゲ付きの首輪を俺にくくりつける。なんたる屈辱……。
しかし、これぐらいで陸上で普通に動き回れるなら我慢しよう。トゲのせいでエリマキトカゲのような姿になってるが、気にしないのだ。
「いくぞ」
リズを連れて竜宮城を飛び出し、俺は地上を目指す。
トゲ付き珍獣、上陸します!!
0
お気に入りに追加
931
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―
山田 武
ファンタジー
今よりも科学が発達した世界、そんな世界にVRMMOが登場した。
Every Holiday Online 休みを謳歌できるこのゲームを、俺たち家族全員が始めることになった。
最初のチュートリアルの時、俺は一つの願いを言った――そしたらステータスは最弱、スキルの大半はエラー状態!?
ゲーム開始地点は誰もいない無人の星、あるのは求めて手に入れた生産特化のスキル――:DIY:。
はたして、俺はこのゲームで大車輪ができるのか!? (大切)
1話約1000文字です
01章――バトル無し・下準備回
02章――冒険の始まり・死に続ける
03章――『超越者』・騎士の国へ
04章――森の守護獣・イベント参加
05章――ダンジョン・未知との遭遇
06章──仙人の街・帝国の進撃
07章──強さを求めて・錬金の王
08章──魔族の侵略・魔王との邂逅
09章──匠天の証明・眠る機械龍
10章──東の果てへ・物ノ怪の巫女
11章──アンヤク・封じられし人形
12章──獣人の都・蔓延る闘争
13章──当千の試練・機械仕掛けの不死者
14章──天の集い・北の果て
15章──刀の王様・眠れる妖精
16章──腕輪祭り・悪鬼騒動
17章──幽源の世界・侵略者の侵蝕
18章──タコヤキ作り・幽魔と霊王
19章──剋服の試練・ギルド問題
20章──五州騒動・迷宮イベント
21章──VS戦乙女・就職活動
22章──休日開放・家族冒険
23章──千■万■・■■の主(予定)
タイトル通りになるのは二章以降となります、予めご了承を。
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる