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小魚、役に立つ
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しばらく海底洞窟を進んでいくと、洞窟の最深部らしき場所にたどり着いた。
「ここが最後、であってるよな?」
「この扉の先に乙姫が言っていたボスがいるのかもしれないわね」
目の前にあるのは岩で作られた扉だ。
扉には強そうなモンスターが描かれている。
この扉に封印されているってことでもないだろうし、祀られてるって感じなのかもしれない。
扉の前に立っても何も起きないので、扉を少し押してみる。
扉は重さを全く感じさせず、ゴゴゴと低い音を立てながら開いた。奥は大きめの部屋になってる。
そして、部屋の中心には大きさ2メートル近くのドラゴンが目を瞑っていた。
「ボスだな」
「間違いないわね」
部屋の中には中には何もなく、強そうなモンスターが1匹。
このシチュエーションでボスじゃない方がおかしい。
「眠ってるみたいだけど、そのまま攻撃ぶっぱなしてやろうぜ」
「もちろん、わざわざ起こしてあげる義理もないわ」
俺はドラゴンに接近せず、リズに攻撃をお願いする。
「蒼炎-青龍-」
おそらくリズにとって最大火力を出せる魔法が放たれる。
今まで使ってきた大蛇よりも大きく、迫力のある蒼いドラゴンが放たれた。
「グァ!?」
さすがに攻撃自体には気づいたらしい。直前でドラゴンは目を覚ましたが、回避行動は間に合わなかった。
青龍がドラゴンにぶつかり、ボスであろうドラゴンのHPを削りとる。
「意外と減るのね。まぁ、ここからが本番なんだけど」
リズは泳げないので、この戦いではほぼ固定砲台だ。
いかに俺がドラゴンの動きをうまく操れるかで勝負が決まる。
リズが攻められればその時点でかなり苦しい。
引っ掻き回してやる。
「グルァァァァァ!!」
眠っていたところに強攻撃をぶっぱなされてドラゴンは怒り心頭だ。目を血走らせ、俺たちのことを睨みつける。
「ウィズ、頼んだからね」
「任せとけよ。うまくやる」
『スインドラゴン』BOSS Lv20
近づくと情報が表示されたが、やはり強敵だ。
HPも防御もほとんどない俺が攻撃をくらえばすぐに死ぬことになるだろう。
俺はスインドラゴンのことを翻弄するように、ぐるぐると周りながらダメージを与えていく。
「ひょっ!?」
爪で、牙で、色んな攻撃手段を用いてくるが小さくすばしっこい俺に攻撃が当たらない。
その隙にリズが魔法でダメージを与えていく。
良いリズムで攻撃を当て続けていくと、ドラゴンのHPが半分になった。
ここで、ドラゴンの動きが変化する。
今まで俺のことを集中的に物理攻撃で狙っていたのに、一度距離をとった。
口を大きく開き、炎の球を吐きつける。
「やべぇ!?」
なんとかかわしたが、無駄にホーミング性能がついているせいで炎の球は俺にピッタリついてくる。
それも俺より速い速度でだ。
炎の球に追いつかれそうになったので、一か八かでスキルを発動させる。
『Hoch springen』
体を赤く光らせ、俺を跳ねさせたクソスキルだ。
ろくに逃げることも出来ないので、めちゃくちゃにスキルを発動させた。
「グァ!?」
「えっ。そんなスキルだったの」
すると、予想外の事態が起こる。
『Hoch springen』を発動させて炎の球にぶつけると、炎の球はドラゴンに向けて一直線に進み、爆発したのだ。
自分のスキルによって、ドラゴンのHPがさらに削られる。
ドラゴンは訝しげながら俺に炎の球を打ってくる。
「ホアタァァ!」
しかし、跳ね返せることが分かっていれば何も苦しむことはない。連続で畳みかけてくる炎の弾も全て尾で跳ねかえした。
「ただ跳ねるスキルだと思ってたけど、意外と使えるスキルだったっぽい!」
これならいける。直接攻撃は俺に当たらないし、遠距離攻撃も当たらないならドラゴンはジリ貧だ。
「グルァ!!」
ブレス攻撃も通用しないと分かったドラゴンは、次の一手を打つ。ついに俺に攻撃するのを止め、標的をリズにしたのだ。
「ここが最後、であってるよな?」
「この扉の先に乙姫が言っていたボスがいるのかもしれないわね」
目の前にあるのは岩で作られた扉だ。
扉には強そうなモンスターが描かれている。
この扉に封印されているってことでもないだろうし、祀られてるって感じなのかもしれない。
扉の前に立っても何も起きないので、扉を少し押してみる。
扉は重さを全く感じさせず、ゴゴゴと低い音を立てながら開いた。奥は大きめの部屋になってる。
そして、部屋の中心には大きさ2メートル近くのドラゴンが目を瞑っていた。
「ボスだな」
「間違いないわね」
部屋の中には中には何もなく、強そうなモンスターが1匹。
このシチュエーションでボスじゃない方がおかしい。
「眠ってるみたいだけど、そのまま攻撃ぶっぱなしてやろうぜ」
「もちろん、わざわざ起こしてあげる義理もないわ」
俺はドラゴンに接近せず、リズに攻撃をお願いする。
「蒼炎-青龍-」
おそらくリズにとって最大火力を出せる魔法が放たれる。
今まで使ってきた大蛇よりも大きく、迫力のある蒼いドラゴンが放たれた。
「グァ!?」
さすがに攻撃自体には気づいたらしい。直前でドラゴンは目を覚ましたが、回避行動は間に合わなかった。
青龍がドラゴンにぶつかり、ボスであろうドラゴンのHPを削りとる。
「意外と減るのね。まぁ、ここからが本番なんだけど」
リズは泳げないので、この戦いではほぼ固定砲台だ。
いかに俺がドラゴンの動きをうまく操れるかで勝負が決まる。
リズが攻められればその時点でかなり苦しい。
引っ掻き回してやる。
「グルァァァァァ!!」
眠っていたところに強攻撃をぶっぱなされてドラゴンは怒り心頭だ。目を血走らせ、俺たちのことを睨みつける。
「ウィズ、頼んだからね」
「任せとけよ。うまくやる」
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近づくと情報が表示されたが、やはり強敵だ。
HPも防御もほとんどない俺が攻撃をくらえばすぐに死ぬことになるだろう。
俺はスインドラゴンのことを翻弄するように、ぐるぐると周りながらダメージを与えていく。
「ひょっ!?」
爪で、牙で、色んな攻撃手段を用いてくるが小さくすばしっこい俺に攻撃が当たらない。
その隙にリズが魔法でダメージを与えていく。
良いリズムで攻撃を当て続けていくと、ドラゴンのHPが半分になった。
ここで、ドラゴンの動きが変化する。
今まで俺のことを集中的に物理攻撃で狙っていたのに、一度距離をとった。
口を大きく開き、炎の球を吐きつける。
「やべぇ!?」
なんとかかわしたが、無駄にホーミング性能がついているせいで炎の球は俺にピッタリついてくる。
それも俺より速い速度でだ。
炎の球に追いつかれそうになったので、一か八かでスキルを発動させる。
『Hoch springen』
体を赤く光らせ、俺を跳ねさせたクソスキルだ。
ろくに逃げることも出来ないので、めちゃくちゃにスキルを発動させた。
「グァ!?」
「えっ。そんなスキルだったの」
すると、予想外の事態が起こる。
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自分のスキルによって、ドラゴンのHPがさらに削られる。
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しかし、跳ね返せることが分かっていれば何も苦しむことはない。連続で畳みかけてくる炎の弾も全て尾で跳ねかえした。
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これならいける。直接攻撃は俺に当たらないし、遠距離攻撃も当たらないならドラゴンはジリ貧だ。
「グルァ!!」
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