雨の日のお伽噺

雨月 千疾

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透明色な笑い声

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僕はどうなんだろう
僕はいつか見失うのかな
『珍しいね僕がそんなに弱気だなんて』
なんかね
あの女の子はボクだったんだけど
少し違った気がしたからね
『ふーんそう
まぁ自分が何色かも分かってないんだから無理だよ』
僕に色を付けるとするなら透明っていう色だよ
『それは色じゃなくて逃げてるんだよ』
そうかもね
『なにさ今日はいやに素直だね』
さっきも同じようなこと言ってたでしょ
『まぁね』
乾いた声で僕は笑った
ボクじゃなくて僕が笑ったんだ
『ボクはその笑い方好きだよ』
そうか僕は嫌いだな
けど何とは無しに笑えてくるんだよ
中身のない笑いが止まらなくてね
これこそ透明な笑い声じゃないかな
僕の問い掛けのような独り言に
ボクがぽつりと返し
『僕の身体はボクの物でもあるんだから壊さないでよ』
分かってるよ
それは分かってる
僕の笑い声が止んだ
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