雨の日のお伽噺

雨月 千疾

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人と呼ばれない人

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廃れた街は人はいない
人と呼ばれない人たちがいた
その人たちは
ただ人を恨み
人を妬み
人を嫉む
街の外れの建物にも人はいた
大きい人と小さい人がいた
大きい人は小さい人をぶった
何度も何度ぶった
小さい人は許しを乞うこともなく
ただその行為を受け続けた
大きい人は行為をやめたと思うと
建物を出ていった
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