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本編
メール
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「はぁ・・・結局収穫は無しも同然か・・・」
「そう落胆するな。まだ捜査開始して1日しか経ってないだろう?きっとこれから情報を見つけられるはずだ」
署に帰ってきた私と月島警部補はパソコンに今日集めた少ない情報をパソコンに記録する作業を終え、帰る途中だった。
普段は1人で帰るのだが、「もしかしたらまだ近くに犯人が潜んでいる可能性があるから家の近くまで送ろう」と月島警部補と一緒に帰宅しているのだ。
「着いた。ここが私の住んでるマンションです」
「防犯対策がしっかりとされているな。随分と家賃が高そうだ」
「新社会人が住める場所じゃないと思うんですが、学生時代にアルバイトでかなり稼いでたおかげで何とか住めてます」
「学生時代のアルバイト代でか・・・立派だな。俺の学生時代とは大違いだ。俺はバイト代が出たらすぐに遊びに使ってしまった」
「意外ですね。月島警部補はマメに貯金する人だと思ってました」
「今は奥さんに給料を管理されてるから後先考えずに使う事はなくなったけどね」
「奥さんもいたんですかっ!?」
「俺はもう45だぞ?奥さんぐらいいてもおかしくないだろう。高校2年生になる子供だっている」
「ご家族とは仲はよろしいんですか?」
「まあ、良い方かな?各々の誕生日をケーキを囲んで祝うくらいには」
いつもは仏頂面の月島警部補は家族の話をしている時だけ、何だかとても嬉しそうだった。奥さんとお子さんを相当愛しているのだろう。
「このままだと長話した挙げ句帰る時間が遅くなりそうだ。名残惜しいが俺はここで帰らせてもらうよ」
「ハイッ!ありがとうございました!!」
私は最寄駅へと走って向かう月島警部補に向かって大きく手を振り送っていった。警部補の姿が闇に隠れて見えなくなったのを確認してからマンションに入って自分の部屋へと戻る。
「ハァ・・・疲れた」
鍵とドアガードを閉め、スーツを脱ぎ、シャワーを浴びる。炎天下の中で何時間も歩いていた為、シャワーのぬるま湯がとても気持ち良かった。
パリパリに乾いたバスタオルで全身についた水滴を吸収し、寝間着を着る。
長時間労働をした足へと感謝として足裏マッサージをしながら好きな実況者の生配信を視聴する。
テレビは嫌いではないが、最近あまりおもしろい物がない為、最近全く見ていない。テレビを使う時は大体ネットフリスクとデズニープラスを観るときだけだ。
粗方足裏をマッサージし終わったら、帰る時に買ってきた唐揚げと昨日炊いて冷凍していたご飯をレンチンして口の中に放り込む。
湿気った唐揚げが私は大好物なのだ。嫌な事があったときはこれに限る。勿論ビールも忘れてはいけない。度数は5%。勿論肉と米とお酒だけじゃなくサラダも。ドレッシングは青じそで。
「んま・・・ん?」
パソコンの右上にメールが届きましたという通知。友人と仕事仲間の数人にメールアドレスは教えているので別におかしな事ではない。時刻もまだ19時。メールが来てもおかしくな時間帯だ。
しかし─────。
「何・・・これ・・・」
送り主『SS』。全く見覚えも身に覚えもない上に、名前ではない送り主名に私は戦慄した。
チェーンメールか?今頃一世代前の事をする人がいるのか?では、架空請求か?いや、如何わしいサイトを使った覚えはない。
私は怖くてメールをゴミ箱へ送ろうとするが、メールの題名を見て思い止まった。
『清水組に関しての情報。上司の方と見てください』
明らかに私こと森島茜に向けて送ってきたメールだ。更にメールの内容は今追っている清水組の情報ときた。
何故、このメールを送ってきた人は私が清水組を追っている事を知っているのか?そもそも何故、私のメールアドレスを知っているのか?
謎が多すぎて怖くなってくる。
幸いどのメールアドレスで送ってきたかは分かる。そのメールアドレスに私からメールを送る事もできる。
メールアドレスはバレているのだからと私はメールを『SS』さんに向けて発信した。
「貴方は誰ですか?何故、私のメールアドレスを知っているのですか?」
ありきたりな質問だが、それくらいしか頭に思い浮かばなかったので、とりあえず打ってみる。ウォーミングアップのようなものだ。
送信し終えてから15秒ぐらいだろうか。返信がすぐに返ってきた。
『いつか直に会うときが来る。それまで待っていてくれ。私は君達警察の味方だ』
「この人・・・身元まで・・・!!」
個人情報を知られ過ぎていて最早恐怖が反転して何にも感じなくなる。
味方だと書いてあるが、到底信じる事はできなかった。もしかしたら昨日の殺人の証拠隠滅の為に清水組の輩が動いているかもしれないと。
「仕方ない・・・月島警部補に見せるか・・・」
これ以上の会話は危険だと感じた私はノートパソコンを閉じ、晩御飯をビールで掻き込み、歯磨きして眠りについた。
しかし、恐怖心が煽ってきた為、3時まで眠りにつくことができなかった。
「そう落胆するな。まだ捜査開始して1日しか経ってないだろう?きっとこれから情報を見つけられるはずだ」
署に帰ってきた私と月島警部補はパソコンに今日集めた少ない情報をパソコンに記録する作業を終え、帰る途中だった。
普段は1人で帰るのだが、「もしかしたらまだ近くに犯人が潜んでいる可能性があるから家の近くまで送ろう」と月島警部補と一緒に帰宅しているのだ。
「着いた。ここが私の住んでるマンションです」
「防犯対策がしっかりとされているな。随分と家賃が高そうだ」
「新社会人が住める場所じゃないと思うんですが、学生時代にアルバイトでかなり稼いでたおかげで何とか住めてます」
「学生時代のアルバイト代でか・・・立派だな。俺の学生時代とは大違いだ。俺はバイト代が出たらすぐに遊びに使ってしまった」
「意外ですね。月島警部補はマメに貯金する人だと思ってました」
「今は奥さんに給料を管理されてるから後先考えずに使う事はなくなったけどね」
「奥さんもいたんですかっ!?」
「俺はもう45だぞ?奥さんぐらいいてもおかしくないだろう。高校2年生になる子供だっている」
「ご家族とは仲はよろしいんですか?」
「まあ、良い方かな?各々の誕生日をケーキを囲んで祝うくらいには」
いつもは仏頂面の月島警部補は家族の話をしている時だけ、何だかとても嬉しそうだった。奥さんとお子さんを相当愛しているのだろう。
「このままだと長話した挙げ句帰る時間が遅くなりそうだ。名残惜しいが俺はここで帰らせてもらうよ」
「ハイッ!ありがとうございました!!」
私は最寄駅へと走って向かう月島警部補に向かって大きく手を振り送っていった。警部補の姿が闇に隠れて見えなくなったのを確認してからマンションに入って自分の部屋へと戻る。
「ハァ・・・疲れた」
鍵とドアガードを閉め、スーツを脱ぎ、シャワーを浴びる。炎天下の中で何時間も歩いていた為、シャワーのぬるま湯がとても気持ち良かった。
パリパリに乾いたバスタオルで全身についた水滴を吸収し、寝間着を着る。
長時間労働をした足へと感謝として足裏マッサージをしながら好きな実況者の生配信を視聴する。
テレビは嫌いではないが、最近あまりおもしろい物がない為、最近全く見ていない。テレビを使う時は大体ネットフリスクとデズニープラスを観るときだけだ。
粗方足裏をマッサージし終わったら、帰る時に買ってきた唐揚げと昨日炊いて冷凍していたご飯をレンチンして口の中に放り込む。
湿気った唐揚げが私は大好物なのだ。嫌な事があったときはこれに限る。勿論ビールも忘れてはいけない。度数は5%。勿論肉と米とお酒だけじゃなくサラダも。ドレッシングは青じそで。
「んま・・・ん?」
パソコンの右上にメールが届きましたという通知。友人と仕事仲間の数人にメールアドレスは教えているので別におかしな事ではない。時刻もまだ19時。メールが来てもおかしくな時間帯だ。
しかし─────。
「何・・・これ・・・」
送り主『SS』。全く見覚えも身に覚えもない上に、名前ではない送り主名に私は戦慄した。
チェーンメールか?今頃一世代前の事をする人がいるのか?では、架空請求か?いや、如何わしいサイトを使った覚えはない。
私は怖くてメールをゴミ箱へ送ろうとするが、メールの題名を見て思い止まった。
『清水組に関しての情報。上司の方と見てください』
明らかに私こと森島茜に向けて送ってきたメールだ。更にメールの内容は今追っている清水組の情報ときた。
何故、このメールを送ってきた人は私が清水組を追っている事を知っているのか?そもそも何故、私のメールアドレスを知っているのか?
謎が多すぎて怖くなってくる。
幸いどのメールアドレスで送ってきたかは分かる。そのメールアドレスに私からメールを送る事もできる。
メールアドレスはバレているのだからと私はメールを『SS』さんに向けて発信した。
「貴方は誰ですか?何故、私のメールアドレスを知っているのですか?」
ありきたりな質問だが、それくらいしか頭に思い浮かばなかったので、とりあえず打ってみる。ウォーミングアップのようなものだ。
送信し終えてから15秒ぐらいだろうか。返信がすぐに返ってきた。
『いつか直に会うときが来る。それまで待っていてくれ。私は君達警察の味方だ』
「この人・・・身元まで・・・!!」
個人情報を知られ過ぎていて最早恐怖が反転して何にも感じなくなる。
味方だと書いてあるが、到底信じる事はできなかった。もしかしたら昨日の殺人の証拠隠滅の為に清水組の輩が動いているかもしれないと。
「仕方ない・・・月島警部補に見せるか・・・」
これ以上の会話は危険だと感じた私はノートパソコンを閉じ、晩御飯をビールで掻き込み、歯磨きして眠りについた。
しかし、恐怖心が煽ってきた為、3時まで眠りにつくことができなかった。
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