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最終章 勝利の為なら手段は選ばず
154話 魔王城に緊急集合
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「ふぅ・・・何とかなった・・・畑は荒らされ、多くの魔物を失ったが、今は全てを失わなかったことを喜ぼう。感謝するぞ、バール軍よ」
僕らもそうだったが、天使の増援はなかった。天界の事は全く知らないので、推測でしかないが、天使にも限りがあるようだ。
「一体一体は大した事はない。寧ろ、戦いに関しててんで素人だから、頑張れば訓練兵から上がりたての兵士でも倒す事ができるだろう。しかし、翼と数が本当に厄介だ」
「それなら、ご心配なく。うちにいるケルビムが神の炎を一振りすれば、簡単に一掃できますから!!」
「・・・果たしてそれが、エンデ王領進軍の際に使えるかどうか分からないがな」
「ん?何か言いました?アスタロト様」
「いや、独り言だ。気にしないで欲しい・・・ん?」
バサッ!バサッ!
翼が羽ばたく音が聞こえてくる。一瞬天使かと思い、身構えたが、にしては羽ばたく音が小さいことに気づき、すぐに武器を納め、音が聞こえた方向を見ると、少し大きめなコウモリが僕達の方に向かってきていた。
「あのコウモリは・・・魔王様の使い魔だな」
「僕、初めて見ました」
「余もこれで2度目だ。1度目は、魔族存続の危機に使われたな。魔王様はこの自体の重さを理解できているのだろうな」
コウモリは、アスタロト様の胴の上に着地すると、魔王様と同じ声帯で喋り始めた。
『我が誇りの戦士達よ!妾の城は天使に襲われている!』
同じ声帯というよりも、録音に近い。そして、やはり魔王様も襲われていたのか。
『だが、使い魔が到着する頃には既に仕留め終えているだろう!だから、そこまで心配はしなくて良い!!』
心配しなくて良いと言われても、自分の目で確認しない限りは、安心できない。
「アル、一旦馬から降りて伝言を聞け。それからでも遅くはない」
「えっ・・・あ、すいません」
無意識のうちに乗馬していたらしい。すぐに降りて、コウモリの伝言に耳を傾ける。
『この伝言を聞くタイミングは各々違うかもしれないが、聞いた幹部は、すぐに魔王城へ向かえ。兵士達は待機させ、必要ならば従者も連れて行って良い。分かったな?』
伝言はこれで終わりのようで、コウモリは、ルシフェル領がある方向に向かって飛んでいった。
「アスタロト様。僕も・・・」
「お前が行かない方が、魔王様は気落ちするだろう。おい!クアンタ!お前もついてこい!その無駄に良い頭を使う時がまたきたぞ!!」
「は、はいぃぃぃ・・・」
いつから、僕らの近くにいたのだろうか。ぬるりと姿を現すクアンタさんに驚きながらも、僕は再び馬に乗り、アスタロト領から出て、ルシフェル領へとアスタロト様とクアンタ様の2人と向かった。
僕らもそうだったが、天使の増援はなかった。天界の事は全く知らないので、推測でしかないが、天使にも限りがあるようだ。
「一体一体は大した事はない。寧ろ、戦いに関しててんで素人だから、頑張れば訓練兵から上がりたての兵士でも倒す事ができるだろう。しかし、翼と数が本当に厄介だ」
「それなら、ご心配なく。うちにいるケルビムが神の炎を一振りすれば、簡単に一掃できますから!!」
「・・・果たしてそれが、エンデ王領進軍の際に使えるかどうか分からないがな」
「ん?何か言いました?アスタロト様」
「いや、独り言だ。気にしないで欲しい・・・ん?」
バサッ!バサッ!
翼が羽ばたく音が聞こえてくる。一瞬天使かと思い、身構えたが、にしては羽ばたく音が小さいことに気づき、すぐに武器を納め、音が聞こえた方向を見ると、少し大きめなコウモリが僕達の方に向かってきていた。
「あのコウモリは・・・魔王様の使い魔だな」
「僕、初めて見ました」
「余もこれで2度目だ。1度目は、魔族存続の危機に使われたな。魔王様はこの自体の重さを理解できているのだろうな」
コウモリは、アスタロト様の胴の上に着地すると、魔王様と同じ声帯で喋り始めた。
『我が誇りの戦士達よ!妾の城は天使に襲われている!』
同じ声帯というよりも、録音に近い。そして、やはり魔王様も襲われていたのか。
『だが、使い魔が到着する頃には既に仕留め終えているだろう!だから、そこまで心配はしなくて良い!!』
心配しなくて良いと言われても、自分の目で確認しない限りは、安心できない。
「アル、一旦馬から降りて伝言を聞け。それからでも遅くはない」
「えっ・・・あ、すいません」
無意識のうちに乗馬していたらしい。すぐに降りて、コウモリの伝言に耳を傾ける。
『この伝言を聞くタイミングは各々違うかもしれないが、聞いた幹部は、すぐに魔王城へ向かえ。兵士達は待機させ、必要ならば従者も連れて行って良い。分かったな?』
伝言はこれで終わりのようで、コウモリは、ルシフェル領がある方向に向かって飛んでいった。
「アスタロト様。僕も・・・」
「お前が行かない方が、魔王様は気落ちするだろう。おい!クアンタ!お前もついてこい!その無駄に良い頭を使う時がまたきたぞ!!」
「は、はいぃぃぃ・・・」
いつから、僕らの近くにいたのだろうか。ぬるりと姿を現すクアンタさんに驚きながらも、僕は再び馬に乗り、アスタロト領から出て、ルシフェル領へとアスタロト様とクアンタ様の2人と向かった。
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