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6章 アルフォース・ディナスという異端
137話 何十通り
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それからは、4人で交代しながら、外れのパターンを潰していった。
魔王様もバール様も参加して、地図を埋め続ける。どんどん進んでいくにつれて、完全に外れの道がある事に気づいた。
完全外れの道は、最初に使った1番左の道から右に5コの道全て。そこに至るまで27のパターンを試した。
パターンの数を見たら、少ないが、1通りを試し切るまでがとても長い。距離にして4~7km歩かなければならない。
常日頃訓練と掃除で体力に自慢のある僕でも、連続して試すのはやや疲れる。何より風景が変わらないのが辛い。
そして、左から6番目の道を用いた記念すべき30通り目。ついに、3人の後ろ姿ではないものが見えてきた。
「あれは・・・金床?」
まず最初に見えたシルエットは。金床とその上に置かれたハンマー。近づいて見てみると、かなり使い込まれているが、時間経過で錆びてしまっている。
「ここは100年前の魔族が使っていた鍛冶場なのかな?」
失われた技術の1つ。魔族の鍛治。金属を打つ過程で、魔法を練り込む事によって、強度と魔法エンチャントが付与される魔族独特の技術。
魔族があっという間に地上を侵略しかけた原因の1つとされている。勇者が最初に破壊したと言われている。
「技術が書かれた書物とかはあるかな?」
魔王様が1番取り戻したがっていた技術だ。出来るなら、欲しい。しかし、鍛冶場の端っこには本棚だったであろう物が破壊されており、本は燃やされて灰になってしまっている。
「これじゃあ、無理そうだ。剣はどうかな?一本でも残ってたら良いんだけど・・・」
しかし、何処にも剣はない。回収されているようだ。もう2度とこの技術は取り戻せないのかとガッカリしていると、土が不自然に盛り上がっている箇所を見つける。
「・・・まさか!」
シャドウ・ハンドを使って、効率よく丁寧に掘り進めていくと、硬い感触が指先に触れる。その周りを掘り進めて行くと、大きな箱が姿を現した。
箱には鍵がかかっており、その鍵は見つからなかったので、破壊して中を見ると、中には数本の剣が入っていた。
全て見た事のない装飾が施されており、ほんのりと魔力を感じるので、恐らくこれが失われた技術で作られた魔族の剣なのだろう。
「これさえあれば、もしかしたら魔族の鍛治を復活させる事ができるかも!!」
一本握ってみると、刀身に刻まれた文字が赤く光り始める。殺傷能力などを高めるための技術だというのに、何処か美しさを感じてしまう。
僕は箱ごと剣を持ち、スキップ気味に3人の元へと戻って行った。
神殿は見つからなかったが、収穫はあったので良しとしよう。
魔王様もバール様も参加して、地図を埋め続ける。どんどん進んでいくにつれて、完全に外れの道がある事に気づいた。
完全外れの道は、最初に使った1番左の道から右に5コの道全て。そこに至るまで27のパターンを試した。
パターンの数を見たら、少ないが、1通りを試し切るまでがとても長い。距離にして4~7km歩かなければならない。
常日頃訓練と掃除で体力に自慢のある僕でも、連続して試すのはやや疲れる。何より風景が変わらないのが辛い。
そして、左から6番目の道を用いた記念すべき30通り目。ついに、3人の後ろ姿ではないものが見えてきた。
「あれは・・・金床?」
まず最初に見えたシルエットは。金床とその上に置かれたハンマー。近づいて見てみると、かなり使い込まれているが、時間経過で錆びてしまっている。
「ここは100年前の魔族が使っていた鍛冶場なのかな?」
失われた技術の1つ。魔族の鍛治。金属を打つ過程で、魔法を練り込む事によって、強度と魔法エンチャントが付与される魔族独特の技術。
魔族があっという間に地上を侵略しかけた原因の1つとされている。勇者が最初に破壊したと言われている。
「技術が書かれた書物とかはあるかな?」
魔王様が1番取り戻したがっていた技術だ。出来るなら、欲しい。しかし、鍛冶場の端っこには本棚だったであろう物が破壊されており、本は燃やされて灰になってしまっている。
「これじゃあ、無理そうだ。剣はどうかな?一本でも残ってたら良いんだけど・・・」
しかし、何処にも剣はない。回収されているようだ。もう2度とこの技術は取り戻せないのかとガッカリしていると、土が不自然に盛り上がっている箇所を見つける。
「・・・まさか!」
シャドウ・ハンドを使って、効率よく丁寧に掘り進めていくと、硬い感触が指先に触れる。その周りを掘り進めて行くと、大きな箱が姿を現した。
箱には鍵がかかっており、その鍵は見つからなかったので、破壊して中を見ると、中には数本の剣が入っていた。
全て見た事のない装飾が施されており、ほんのりと魔力を感じるので、恐らくこれが失われた技術で作られた魔族の剣なのだろう。
「これさえあれば、もしかしたら魔族の鍛治を復活させる事ができるかも!!」
一本握ってみると、刀身に刻まれた文字が赤く光り始める。殺傷能力などを高めるための技術だというのに、何処か美しさを感じてしまう。
僕は箱ごと剣を持ち、スキップ気味に3人の元へと戻って行った。
神殿は見つからなかったが、収穫はあったので良しとしよう。
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