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6章 アルフォース・ディナスという異端
131話 どうして今更闇の魔法属性が?
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日記は進むにつれて文字数が少なくなっていき、いきなり元の分量へと戻った。戻ったのは、ドット・ディナスが魔王との決戦の日から1年が経過してからの事だった。
『△/○○
こんなに気分の良い日は丁度1年ぶりだ。本当に幸運だった。まさかあんな腕の良い解呪師がこの世にいるだなんて。彼は、金を貰ったら、さっさと屋敷から出て行ってしまったが、感謝はしたかった。いや、もしかしたらこの日記を読む事があるかもしれないから書いておこう。「ありがとう」。さて、1年も寝ていたんだから、その分を取り返さなくては・・・まずは結婚相手を探そう。せっかく、国王から領地を貰えたんだから、永遠に続く領地を作って見せる!!』
ここで日記は終わり、残りは真っ白なページが続く。どうやら、ばい菌による弱体化ではなく、本当に呪いだったらしい。1年もの間苦しめるだなんて恐ろしい呪いだ。そしてそれを解いた人も凄い。
「魔王の血か・・・もしかしたら関係あるかも」
「可能性としてはあるだろうねぇ。魔法属性は遺伝する者だ。血液は、遺伝情報の塊。もしかしたら、ドット・ディナスの体に魔王様の遺伝情報がしみ込んだのかも」
「そんな事あり得るんですか?」
「前例はないね。けど、1年も継続する呪いを練り上げる魔王様の事だから、あり得るかもしれないね」
「それはあり得るかもな・・・お父様は妾と比べて極めて聡明な方だったからな。そのくらいの芸当なら可能かもな。となると、アルは、妾の血族という事になるのでは?」
「かなり特殊ですけどね・・・それと、いつの間に僕の膝の上に座ってたんです?」
「勇者が、日記を読み始めた頃だな。あまりに集中していたんで、簡単に座れたぞ。凄いだろ」
フンスと鼻息を出しながら胸を張る魔王様。あまりにも可愛かったので撫でてしまった。本人は撫でなれているのか、違和感を覚えずに撫でられてくれた。
「ていうかアスタロト様の領地に来ていたんですね」
「視察でな。話を戻すとしよう。バール、それでは少し不自然ではないか?」
「そうですねぇ・・・確かに不自然だ。ディナス家はそこから繁栄を続け、アルの時点で6代目になった。分家が出来るくらい大きな貴族にね。けどそんなに大きくなっても、今まで闇の魔法属性を持つディナスの子はアルのみ。もう2人くらいいてもおかしくはないと思うけど・・・」
「僕みたいに地下牢に閉じこめられたり、殺されたりしたとか?」
「それかも知れないね!」
あっけなく終わってしまった僕の魔法属性の真実。こんなにもあっさりとしたものなのか?
いや、意外と真実というのは意外性のないモノばかりだ。僕のもそれに、当て嵌まっていただけだろう。
「・・・おや?ケルビム。今度は何を読んでいるんだい?」
「生前のヴァネス教官の日記。アルフォースの事が書かれてる」
「ほぉ~~う!それは興味深い!どれどれ?見せてごらん」
父さんの日記?ロクな事書いてなさそうだ。
『△/○○
こんなに気分の良い日は丁度1年ぶりだ。本当に幸運だった。まさかあんな腕の良い解呪師がこの世にいるだなんて。彼は、金を貰ったら、さっさと屋敷から出て行ってしまったが、感謝はしたかった。いや、もしかしたらこの日記を読む事があるかもしれないから書いておこう。「ありがとう」。さて、1年も寝ていたんだから、その分を取り返さなくては・・・まずは結婚相手を探そう。せっかく、国王から領地を貰えたんだから、永遠に続く領地を作って見せる!!』
ここで日記は終わり、残りは真っ白なページが続く。どうやら、ばい菌による弱体化ではなく、本当に呪いだったらしい。1年もの間苦しめるだなんて恐ろしい呪いだ。そしてそれを解いた人も凄い。
「魔王の血か・・・もしかしたら関係あるかも」
「可能性としてはあるだろうねぇ。魔法属性は遺伝する者だ。血液は、遺伝情報の塊。もしかしたら、ドット・ディナスの体に魔王様の遺伝情報がしみ込んだのかも」
「そんな事あり得るんですか?」
「前例はないね。けど、1年も継続する呪いを練り上げる魔王様の事だから、あり得るかもしれないね」
「それはあり得るかもな・・・お父様は妾と比べて極めて聡明な方だったからな。そのくらいの芸当なら可能かもな。となると、アルは、妾の血族という事になるのでは?」
「かなり特殊ですけどね・・・それと、いつの間に僕の膝の上に座ってたんです?」
「勇者が、日記を読み始めた頃だな。あまりに集中していたんで、簡単に座れたぞ。凄いだろ」
フンスと鼻息を出しながら胸を張る魔王様。あまりにも可愛かったので撫でてしまった。本人は撫でなれているのか、違和感を覚えずに撫でられてくれた。
「ていうかアスタロト様の領地に来ていたんですね」
「視察でな。話を戻すとしよう。バール、それでは少し不自然ではないか?」
「そうですねぇ・・・確かに不自然だ。ディナス家はそこから繁栄を続け、アルの時点で6代目になった。分家が出来るくらい大きな貴族にね。けどそんなに大きくなっても、今まで闇の魔法属性を持つディナスの子はアルのみ。もう2人くらいいてもおかしくはないと思うけど・・・」
「僕みたいに地下牢に閉じこめられたり、殺されたりしたとか?」
「それかも知れないね!」
あっけなく終わってしまった僕の魔法属性の真実。こんなにもあっさりとしたものなのか?
いや、意外と真実というのは意外性のないモノばかりだ。僕のもそれに、当て嵌まっていただけだろう。
「・・・おや?ケルビム。今度は何を読んでいるんだい?」
「生前のヴァネス教官の日記。アルフォースの事が書かれてる」
「ほぉ~~う!それは興味深い!どれどれ?見せてごらん」
父さんの日記?ロクな事書いてなさそうだ。
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