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4章 魔王の肩書きを持つ少女
58話 やっぱり、新幹部はこの人
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「この馬面!」
「馬だ、バカ野郎!!」
いつもの知的な雰囲気は何処へ行ったのだろうか。まるで、子供のように罵りあう2人。ミシェル様に注意されてから、ずっとこの調子だ。物理的な喧嘩に発展しないので、ありがたいが。
「・・・・・・」
「どうしたのですか?アルさん」
「いや、アスタロト様の従者さん、どっかで見た事があると思ってさ・・・」
「何処かというと、バール領か、シフォンヌ領ですか?」
「いいや、それよりももっと前だと思う・・・・・・すみません、アスタロト様の従者さん。僕達どこかでお会いした事ありませんでしたっけ?」
考えてもらちが明かない。そもそも、目の前にその本人がいるのにいちいち考えるだけ時間の無駄だ。本人から話を聞こう。
「い、いえ!!気のせいではないでしょうか?」
「・・・・・・そうですか」
僕が話しかけた時、明らかに動揺した。まるで、ばれたらマズイと言わんばかりの動揺の仕方だ。ますます怪しくなってきた。でも、これ以上詮索したら、アスタロト様の方を怒らせてしまうかもしれない。ここらへんで詮索は止めにして、別の機会をうかがおう。
城の中は、黒と赤で統一されており、少し薄暗い印象だが、高級感のある内装となっていた。前世でよく見たRPGの魔王城のイメージピッタリだ。
「やあやあ!他幹部の皆さん!いかがお過ごしですか?」
快活かつ礼儀正しさとうさん臭さを感じる声が聞こえてくる。バール様の言う通り、やはり彼が4人目の幹部の座に座ったようだ。
「バール様以外の幹部のお二方、初めましてでございます!!私の名前はスネイク・ウィーマン。前魔王様が地上に進軍した際に地上に残った魔族の子孫でございます・・・」
紳士服に身を包んだスネイクさんが階段の上から姿を現す。僕らよりも先に到着していたようだ。
「随分と面白いやからだな。貴様の功績はなんだ?」
「イヴ・シフォンヌの夫としてシフォンヌ領へと侵入し、シフォンヌ領の大幅な弱体化を行いました」
「それなりの功績ですね。でも、それだけでは魔王軍幹部になれないと思いますが?」
「ご心配なく。これから証明してみせますので」
早速火花を散らせ合うスネイクさんと、幹部2人。スネイクさんの事だろうから、喧嘩は上手く避けてくれるだろう。
「それでは、皆さん会議室へと急ぎましょう。魔王様がお待ちですので」
「言われなくても行く。今日こそ魔王様に話をしかと聞いてもらわねば・・・」
「今後の予定も聞きたいですしね」
「わたしはもう少し研究費用を出してほしいねぇ・・・」
「不要経費だな」
「ほう・・・?」
「もう、いい加減にしてください」
「馬だ、バカ野郎!!」
いつもの知的な雰囲気は何処へ行ったのだろうか。まるで、子供のように罵りあう2人。ミシェル様に注意されてから、ずっとこの調子だ。物理的な喧嘩に発展しないので、ありがたいが。
「・・・・・・」
「どうしたのですか?アルさん」
「いや、アスタロト様の従者さん、どっかで見た事があると思ってさ・・・」
「何処かというと、バール領か、シフォンヌ領ですか?」
「いいや、それよりももっと前だと思う・・・・・・すみません、アスタロト様の従者さん。僕達どこかでお会いした事ありませんでしたっけ?」
考えてもらちが明かない。そもそも、目の前にその本人がいるのにいちいち考えるだけ時間の無駄だ。本人から話を聞こう。
「い、いえ!!気のせいではないでしょうか?」
「・・・・・・そうですか」
僕が話しかけた時、明らかに動揺した。まるで、ばれたらマズイと言わんばかりの動揺の仕方だ。ますます怪しくなってきた。でも、これ以上詮索したら、アスタロト様の方を怒らせてしまうかもしれない。ここらへんで詮索は止めにして、別の機会をうかがおう。
城の中は、黒と赤で統一されており、少し薄暗い印象だが、高級感のある内装となっていた。前世でよく見たRPGの魔王城のイメージピッタリだ。
「やあやあ!他幹部の皆さん!いかがお過ごしですか?」
快活かつ礼儀正しさとうさん臭さを感じる声が聞こえてくる。バール様の言う通り、やはり彼が4人目の幹部の座に座ったようだ。
「バール様以外の幹部のお二方、初めましてでございます!!私の名前はスネイク・ウィーマン。前魔王様が地上に進軍した際に地上に残った魔族の子孫でございます・・・」
紳士服に身を包んだスネイクさんが階段の上から姿を現す。僕らよりも先に到着していたようだ。
「随分と面白いやからだな。貴様の功績はなんだ?」
「イヴ・シフォンヌの夫としてシフォンヌ領へと侵入し、シフォンヌ領の大幅な弱体化を行いました」
「それなりの功績ですね。でも、それだけでは魔王軍幹部になれないと思いますが?」
「ご心配なく。これから証明してみせますので」
早速火花を散らせ合うスネイクさんと、幹部2人。スネイクさんの事だろうから、喧嘩は上手く避けてくれるだろう。
「それでは、皆さん会議室へと急ぎましょう。魔王様がお待ちですので」
「言われなくても行く。今日こそ魔王様に話をしかと聞いてもらわねば・・・」
「今後の予定も聞きたいですしね」
「わたしはもう少し研究費用を出してほしいねぇ・・・」
「不要経費だな」
「ほう・・・?」
「もう、いい加減にしてください」
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