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3章 潜入せよ、不信と獣の領地
33話 裏切りの準備を始めよう
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「コルセットは、非常に貪欲な男です。騎士団長という地位を得たにも拘わらず、まだ権力を求めています」
「それ以上の権力って何です?」
「領主です」
「大分貪欲だなぁ・・・確かにコルセット騎士団長は強そうだけど、イヴ領主に勝てるか?って聞かれたら微妙だよね・・・」
「はい、だから今まで何もしていないんです。本当にチキンですよね、ネコ科のビーストマンなのに」
ちょこちょこ毒を吐くシームさん。心の底から嫌っている事が分かる。
「なので、貴方が唆して下さい。イヴ・シフォンヌを倒せるんだって」
「成程、それで、襲撃する際に領主サイドに密告するという算段ですね?」
「はい。かなり危険な綱渡りとなりますが、受けてくれますか?」
「受けます。でも、その前にコルセット騎士団長に会わないと。なるべく1人の時にそんな場所とか知ってますか?」
「ええ、知ってますよ。今日の夜の12時に、このメモに書いてある場所に行ってください。必ず、コルセットに会えるので」
シームさんからメモを渡されると、僕達は解散した。
★
「はぁ・・・疲れた」
今日の業務も中々大変だった。あの虎女め、この俺様を顎で使いやがって。俺様よりも弱かったら、すぐに反乱を起こしてやるのに・・・。
「あのヒュームの小僧と言い、上司と言い、最悪だ。毎日ストレスしかたまらない」
そんなストレスを解放してくれる品物がある。それは、酒だ。酒は良い、自分の欲望を解放してくれる。だから、今日も行きつけのバー『ショート』へ向かう。
「いらっしゃい。おおっ、騎士団長の旦那か」
「悪いが度数が強いのを頼む。今日は速く酔いたい」
「分かった。なあ、旦那。アンタに会いたいって奴が来てるぞ」
「どんな奴だ?」
「ヒュームのガキだ。何故か旦那がここに来るのを知ってた」
ヒュームのガキ・・・まさか!!昼にやってきたディナス領の?
「個室に入ってるから、興味があるなら行きな。酒は持ってくから」
店主が指差す先には、防音が施された個室。扉を開けて中に入ると、ノンアルコールのドリンクを楽しむガキがいた。アルフォース・ディナスだ。
「何の用だ?」
「まあ、座ってくださいよ。貴方を呼んだのはほかでもない。貴方の力を貸してほしいのです」
「力?はんっ!何が目的か分からんが、猿ごときに俺様は力は貸さないぞ!どんな事があってもな!!」
「ほう・・・では、イヴ・シフォンヌ暗殺計画はまた別の人に話す事にしましょう」
立ち上がり、個室を出ようとするディナスのガキの腕を咄嗟に掴む。これは、もしかしたら、人生最大のチャンスかもしれない。
「待て・・・詳しく聞かせてもらおうか」
「・・・ありがとうございます」
ディナスのガキは不敵な笑みを浮かべて再び席に座った。
「それ以上の権力って何です?」
「領主です」
「大分貪欲だなぁ・・・確かにコルセット騎士団長は強そうだけど、イヴ領主に勝てるか?って聞かれたら微妙だよね・・・」
「はい、だから今まで何もしていないんです。本当にチキンですよね、ネコ科のビーストマンなのに」
ちょこちょこ毒を吐くシームさん。心の底から嫌っている事が分かる。
「なので、貴方が唆して下さい。イヴ・シフォンヌを倒せるんだって」
「成程、それで、襲撃する際に領主サイドに密告するという算段ですね?」
「はい。かなり危険な綱渡りとなりますが、受けてくれますか?」
「受けます。でも、その前にコルセット騎士団長に会わないと。なるべく1人の時にそんな場所とか知ってますか?」
「ええ、知ってますよ。今日の夜の12時に、このメモに書いてある場所に行ってください。必ず、コルセットに会えるので」
シームさんからメモを渡されると、僕達は解散した。
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「はぁ・・・疲れた」
今日の業務も中々大変だった。あの虎女め、この俺様を顎で使いやがって。俺様よりも弱かったら、すぐに反乱を起こしてやるのに・・・。
「あのヒュームの小僧と言い、上司と言い、最悪だ。毎日ストレスしかたまらない」
そんなストレスを解放してくれる品物がある。それは、酒だ。酒は良い、自分の欲望を解放してくれる。だから、今日も行きつけのバー『ショート』へ向かう。
「いらっしゃい。おおっ、騎士団長の旦那か」
「悪いが度数が強いのを頼む。今日は速く酔いたい」
「分かった。なあ、旦那。アンタに会いたいって奴が来てるぞ」
「どんな奴だ?」
「ヒュームのガキだ。何故か旦那がここに来るのを知ってた」
ヒュームのガキ・・・まさか!!昼にやってきたディナス領の?
「個室に入ってるから、興味があるなら行きな。酒は持ってくから」
店主が指差す先には、防音が施された個室。扉を開けて中に入ると、ノンアルコールのドリンクを楽しむガキがいた。アルフォース・ディナスだ。
「何の用だ?」
「まあ、座ってくださいよ。貴方を呼んだのはほかでもない。貴方の力を貸してほしいのです」
「力?はんっ!何が目的か分からんが、猿ごときに俺様は力は貸さないぞ!どんな事があってもな!!」
「ほう・・・では、イヴ・シフォンヌ暗殺計画はまた別の人に話す事にしましょう」
立ち上がり、個室を出ようとするディナスのガキの腕を咄嗟に掴む。これは、もしかしたら、人生最大のチャンスかもしれない。
「待て・・・詳しく聞かせてもらおうか」
「・・・ありがとうございます」
ディナスのガキは不敵な笑みを浮かべて再び席に座った。
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