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2章 2度目の人生の目標
21話 切り札
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「どういう事!?あんなヤツ、ディナス領襲った時にはいなかったよ!?」
「多分、隠れていたんだろうな。しかし、アルに弟がいたなんて知らなかった・・・いや、よくよく考えたら、いてもおかしくはないな」
アルとアクアの剣は、刃毀れなど気にせずぶつかり合う。互いに防具と呼べる物を装備していないからである。
「びっくりだよ!おにいちゃんがこんなにも、強いだなんてね」
「僕もびっくりだ。しっかりと教育を受けた君が、僕と大差ないなんてね!!」
「大差だと・・・!!今に見てろ、その発言訂正させてやる・・・!!」
アクアの攻撃速度が上がる。同時に、攻撃精度が荒くなる。
「お前が肩を持ってる奴らのせいでぼくがどれだけ苦労したと思ってるんだ!!」
「なんとなく想像できるよ。でも、そのお陰で僕は幸せになれた。大嫌いな君達が不幸になる事でね」
「パパは死んだ!ママも死んだ!約束されていた領主の地位は無くなった!!お前らのお陰で何もかもすっからかんだ!!」
「7年間、僕は君達に奪われ続けたけど?その程度で喘いでいるんなら、君はまだまだこどとだよ?」
「ぼくはガキじゃない!!」
更に攻撃が荒くなる。アルは冷静に軌道を見ると、アクアの剣を弾き飛ばした。
「くっ・・・!!」
「そのための復讐か。行動的なのは良いけど、少し幼稚だ。たった100人で、ディナス領を滅ぼしたバール軍に勝てるわけがないだろう?」
アクアの剣を蹴り飛ばし、ゴップにキャッチしてもらう。腰には、剣以外の武器はない。予備のナイフぐらい持っていてもおかしくはないのだけれど。
「そういえば、アクア。君はなんで、鎧を着ていない?」
アルは、いきなりの襲撃から急いでやってきてから、鎧をきていない。しかし、アクアはしっかりと準備した上で襲撃している。
敵兵のほとんどが鎧を着ているのに、アクアだけが着ていない。
指摘すると、アクアは何がおかしいのか、爆笑し始めた。
「アヒャヒャヒャ!!このぼくが100人程度の戦力で攻めてくると思う?バカなの?ねえねえ、バカなの?魔族がくれる食べ物の栄養が、頭に行き届いてないの?」
「・・・秘策があるんだな?」
「正か─────うわぁ!?何すんだよ!!」
「秘策を出される前に殺す」
斬りかかるアル。しかし、既に秘策は動いていた。
壁の外からドシン!と効果音がつきそうな重い足音が聞こえてくる。次の瞬間、壁が勢いよく破壊された。爆発によるものではない。純粋な物理攻撃によるものだ。
驚いて手を止めて、壁の方向を見ると、全長約3mの巨人のシルエットが見えてきた。
「巨人!?すげぇ!初めてみた!!」
「いや、巨人にしては挙動がおかしい。まるで、別の生き物・・・いや、別の存在だ」
「紹介するよ!ぼくの鎧を!!自律機能付対巨人対戦用絡繰鎧ゴリアテを!!」
姿を現したのは、巨大なロボット。頭部が無く、搭乗する事の出来る、僕からしたらロマン溢れる兵器だった。
「ディナス家にわずかに残された財産で作った最終兵器をとくと味わうが良い!!」
「多分、隠れていたんだろうな。しかし、アルに弟がいたなんて知らなかった・・・いや、よくよく考えたら、いてもおかしくはないな」
アルとアクアの剣は、刃毀れなど気にせずぶつかり合う。互いに防具と呼べる物を装備していないからである。
「びっくりだよ!おにいちゃんがこんなにも、強いだなんてね」
「僕もびっくりだ。しっかりと教育を受けた君が、僕と大差ないなんてね!!」
「大差だと・・・!!今に見てろ、その発言訂正させてやる・・・!!」
アクアの攻撃速度が上がる。同時に、攻撃精度が荒くなる。
「お前が肩を持ってる奴らのせいでぼくがどれだけ苦労したと思ってるんだ!!」
「なんとなく想像できるよ。でも、そのお陰で僕は幸せになれた。大嫌いな君達が不幸になる事でね」
「パパは死んだ!ママも死んだ!約束されていた領主の地位は無くなった!!お前らのお陰で何もかもすっからかんだ!!」
「7年間、僕は君達に奪われ続けたけど?その程度で喘いでいるんなら、君はまだまだこどとだよ?」
「ぼくはガキじゃない!!」
更に攻撃が荒くなる。アルは冷静に軌道を見ると、アクアの剣を弾き飛ばした。
「くっ・・・!!」
「そのための復讐か。行動的なのは良いけど、少し幼稚だ。たった100人で、ディナス領を滅ぼしたバール軍に勝てるわけがないだろう?」
アクアの剣を蹴り飛ばし、ゴップにキャッチしてもらう。腰には、剣以外の武器はない。予備のナイフぐらい持っていてもおかしくはないのだけれど。
「そういえば、アクア。君はなんで、鎧を着ていない?」
アルは、いきなりの襲撃から急いでやってきてから、鎧をきていない。しかし、アクアはしっかりと準備した上で襲撃している。
敵兵のほとんどが鎧を着ているのに、アクアだけが着ていない。
指摘すると、アクアは何がおかしいのか、爆笑し始めた。
「アヒャヒャヒャ!!このぼくが100人程度の戦力で攻めてくると思う?バカなの?ねえねえ、バカなの?魔族がくれる食べ物の栄養が、頭に行き届いてないの?」
「・・・秘策があるんだな?」
「正か─────うわぁ!?何すんだよ!!」
「秘策を出される前に殺す」
斬りかかるアル。しかし、既に秘策は動いていた。
壁の外からドシン!と効果音がつきそうな重い足音が聞こえてくる。次の瞬間、壁が勢いよく破壊された。爆発によるものではない。純粋な物理攻撃によるものだ。
驚いて手を止めて、壁の方向を見ると、全長約3mの巨人のシルエットが見えてきた。
「巨人!?すげぇ!初めてみた!!」
「いや、巨人にしては挙動がおかしい。まるで、別の生き物・・・いや、別の存在だ」
「紹介するよ!ぼくの鎧を!!自律機能付対巨人対戦用絡繰鎧ゴリアテを!!」
姿を現したのは、巨大なロボット。頭部が無く、搭乗する事の出来る、僕からしたらロマン溢れる兵器だった。
「ディナス家にわずかに残された財産で作った最終兵器をとくと味わうが良い!!」
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