23 / 184
2章 2度目の人生の目標
21話 切り札
しおりを挟む
「どういう事!?あんなヤツ、ディナス領襲った時にはいなかったよ!?」
「多分、隠れていたんだろうな。しかし、アルに弟がいたなんて知らなかった・・・いや、よくよく考えたら、いてもおかしくはないな」
アルとアクアの剣は、刃毀れなど気にせずぶつかり合う。互いに防具と呼べる物を装備していないからである。
「びっくりだよ!おにいちゃんがこんなにも、強いだなんてね」
「僕もびっくりだ。しっかりと教育を受けた君が、僕と大差ないなんてね!!」
「大差だと・・・!!今に見てろ、その発言訂正させてやる・・・!!」
アクアの攻撃速度が上がる。同時に、攻撃精度が荒くなる。
「お前が肩を持ってる奴らのせいでぼくがどれだけ苦労したと思ってるんだ!!」
「なんとなく想像できるよ。でも、そのお陰で僕は幸せになれた。大嫌いな君達が不幸になる事でね」
「パパは死んだ!ママも死んだ!約束されていた領主の地位は無くなった!!お前らのお陰で何もかもすっからかんだ!!」
「7年間、僕は君達に奪われ続けたけど?その程度で喘いでいるんなら、君はまだまだこどとだよ?」
「ぼくはガキじゃない!!」
更に攻撃が荒くなる。アルは冷静に軌道を見ると、アクアの剣を弾き飛ばした。
「くっ・・・!!」
「そのための復讐か。行動的なのは良いけど、少し幼稚だ。たった100人で、ディナス領を滅ぼしたバール軍に勝てるわけがないだろう?」
アクアの剣を蹴り飛ばし、ゴップにキャッチしてもらう。腰には、剣以外の武器はない。予備のナイフぐらい持っていてもおかしくはないのだけれど。
「そういえば、アクア。君はなんで、鎧を着ていない?」
アルは、いきなりの襲撃から急いでやってきてから、鎧をきていない。しかし、アクアはしっかりと準備した上で襲撃している。
敵兵のほとんどが鎧を着ているのに、アクアだけが着ていない。
指摘すると、アクアは何がおかしいのか、爆笑し始めた。
「アヒャヒャヒャ!!このぼくが100人程度の戦力で攻めてくると思う?バカなの?ねえねえ、バカなの?魔族がくれる食べ物の栄養が、頭に行き届いてないの?」
「・・・秘策があるんだな?」
「正か─────うわぁ!?何すんだよ!!」
「秘策を出される前に殺す」
斬りかかるアル。しかし、既に秘策は動いていた。
壁の外からドシン!と効果音がつきそうな重い足音が聞こえてくる。次の瞬間、壁が勢いよく破壊された。爆発によるものではない。純粋な物理攻撃によるものだ。
驚いて手を止めて、壁の方向を見ると、全長約3mの巨人のシルエットが見えてきた。
「巨人!?すげぇ!初めてみた!!」
「いや、巨人にしては挙動がおかしい。まるで、別の生き物・・・いや、別の存在だ」
「紹介するよ!ぼくの鎧を!!自律機能付対巨人対戦用絡繰鎧ゴリアテを!!」
姿を現したのは、巨大なロボット。頭部が無く、搭乗する事の出来る、僕からしたらロマン溢れる兵器だった。
「ディナス家にわずかに残された財産で作った最終兵器をとくと味わうが良い!!」
「多分、隠れていたんだろうな。しかし、アルに弟がいたなんて知らなかった・・・いや、よくよく考えたら、いてもおかしくはないな」
アルとアクアの剣は、刃毀れなど気にせずぶつかり合う。互いに防具と呼べる物を装備していないからである。
「びっくりだよ!おにいちゃんがこんなにも、強いだなんてね」
「僕もびっくりだ。しっかりと教育を受けた君が、僕と大差ないなんてね!!」
「大差だと・・・!!今に見てろ、その発言訂正させてやる・・・!!」
アクアの攻撃速度が上がる。同時に、攻撃精度が荒くなる。
「お前が肩を持ってる奴らのせいでぼくがどれだけ苦労したと思ってるんだ!!」
「なんとなく想像できるよ。でも、そのお陰で僕は幸せになれた。大嫌いな君達が不幸になる事でね」
「パパは死んだ!ママも死んだ!約束されていた領主の地位は無くなった!!お前らのお陰で何もかもすっからかんだ!!」
「7年間、僕は君達に奪われ続けたけど?その程度で喘いでいるんなら、君はまだまだこどとだよ?」
「ぼくはガキじゃない!!」
更に攻撃が荒くなる。アルは冷静に軌道を見ると、アクアの剣を弾き飛ばした。
「くっ・・・!!」
「そのための復讐か。行動的なのは良いけど、少し幼稚だ。たった100人で、ディナス領を滅ぼしたバール軍に勝てるわけがないだろう?」
アクアの剣を蹴り飛ばし、ゴップにキャッチしてもらう。腰には、剣以外の武器はない。予備のナイフぐらい持っていてもおかしくはないのだけれど。
「そういえば、アクア。君はなんで、鎧を着ていない?」
アルは、いきなりの襲撃から急いでやってきてから、鎧をきていない。しかし、アクアはしっかりと準備した上で襲撃している。
敵兵のほとんどが鎧を着ているのに、アクアだけが着ていない。
指摘すると、アクアは何がおかしいのか、爆笑し始めた。
「アヒャヒャヒャ!!このぼくが100人程度の戦力で攻めてくると思う?バカなの?ねえねえ、バカなの?魔族がくれる食べ物の栄養が、頭に行き届いてないの?」
「・・・秘策があるんだな?」
「正か─────うわぁ!?何すんだよ!!」
「秘策を出される前に殺す」
斬りかかるアル。しかし、既に秘策は動いていた。
壁の外からドシン!と効果音がつきそうな重い足音が聞こえてくる。次の瞬間、壁が勢いよく破壊された。爆発によるものではない。純粋な物理攻撃によるものだ。
驚いて手を止めて、壁の方向を見ると、全長約3mの巨人のシルエットが見えてきた。
「巨人!?すげぇ!初めてみた!!」
「いや、巨人にしては挙動がおかしい。まるで、別の生き物・・・いや、別の存在だ」
「紹介するよ!ぼくの鎧を!!自律機能付対巨人対戦用絡繰鎧ゴリアテを!!」
姿を現したのは、巨大なロボット。頭部が無く、搭乗する事の出来る、僕からしたらロマン溢れる兵器だった。
「ディナス家にわずかに残された財産で作った最終兵器をとくと味わうが良い!!」
3
お気に入りに追加
100
あなたにおすすめの小説
家族全員異世界へ転移したが、その世界で父(魔王)母(勇者)だった…らしい~妹は聖女クラスの魔力持ち!?俺はどうなんですかね?遠い目~
厘/りん
ファンタジー
ある休日、家族でお昼ご飯を食べていたらいきなり異世界へ転移した。俺(長男)カケルは日本と全く違う異世界に動揺していたが、父と母の様子がおかしかった。なぜか、やけに落ち着いている。問い詰めると、もともと父は異世界人だった(らしい)。信じられない!
☆第4回次世代ファンタジーカップ
142位でした。ありがとう御座いました。
★Nolaノベルさん•なろうさんに編集して掲載中。
魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで
ひーにゃん
ファンタジー
誰もが魔力をもち魔法が使える世界で、アンナリーナはその力を持たず皆に厭われていた。
運命の【ギフト授与式】がやってきて、これでまともな暮らしが出来るかと思ったのだが……
与えられたギフトは【ギフト】というよくわからないもの。
だが、そのとき思い出した前世の記憶で【ギフト】の使い方を閃いて。
これは少し歪んだ考え方の持ち主、アンナリーナの一風変わった仲間たちとの日常のお話。
冒険を始めるに至って、第1章はアンナリーナのこれからを書くのに外せません。
よろしくお願いします。
この作品は小説家になろう様にも掲載しています。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
転移世界のトラック神と、ひかれたようじょ
寝る犬
ファンタジー
ある日トラックに轢かれた雨宮りん(4歳)の目の前に、トラックに轢かれた人間をチート能力を与えた上で異世界へと転移させる「転移トラック神」が現れた。
トラック神にエセ関西弁の精霊も加えて、異世界で子育てに励むハートフル異世界ファンタジー。
異世界でスローライフを満喫
美鈴
ファンタジー
タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です!
※カクヨム様にも投稿しております
※イラストはAIアートイラストを使用
婚約者を奪われて冤罪で追放されたので薬屋を開いたところ、隣国の殿下が常連になりました
今川幸乃
ファンタジー
病気がちな母を持つセシリアは将来母の病気を治せる薬を調合出来るようにと薬の勉強をしていた。
しかし婚約者のクロードは幼馴染のエリエと浮気しており、セシリアが毒を盛ったという冤罪を着せて追放させてしまう。
追放されたセシリアは薬の勉強を続けるために新しい街でセシルと名前を変えて薬屋を開き、そこでこれまでの知識を使って様々な薬を作り、人々に親しまれていく。
さらにたまたまこの国に訪れた隣国の王子エドモンドと出会い、その腕を認められた。
一方、クロードは相思相愛であったエリエと結ばれるが、持病に効く薬を作れるのはセシリアだけだったことに気づき、慌てて彼女を探し始めるのだった。
※医学・薬学関係の記述はすべて妄想です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる