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2章 2度目の人生の目標
18話 ヒュームの襲撃
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「それじゃあ、3999パターン目のコツで魔力を掴んでみようか」
「はい!よろしくお願いします!!」
バール様と研究に没頭していた時。そう、いつも通りに生活していた時だった。
ドオォォォォォン!!
という爆発音が、要塞城下町ゴレイムの壁から聞こえてきた。あまりにいきなりな爆発だった事、城が揺れるくらいの大きさだった為、バール様が無造作に積んでいた本が倒れてしまった。
「ああ!わたしの大事な資料がー!!」
「一体何が起きたんですか?バール様、無事ですか?」
「大丈夫、ちょっと足捻っただけ。それよりも、何だい今の爆発音は。城内から聞こえた音じゃなかったけど・・・」
爆発音自体はそこまで珍しい音ではない。城内の研究者の中には日夜爆弾の開発を行っている者もいるからだ。
しかし、今回爆発が聞こえてきたのは、城内ではなく、外。研究者は非常識な者が多いけれども、要塞を怖そうとする者はいないはず。
だとすると、考えられるのは・・・。
「敵襲!?」
「だろうね。アル、知ってると思うがわたしはめちゃんこ強い。君の守り無しでもそこらへんの雑魚なら簡単に蹴散らせる。でも、他の者は違う。なら、どうする?」
「助けに行きます!!」
「よろしい。行ってきなさい」
はっきり言って、僕よりもバール様の方が圧倒的に強い。新魔王軍の幹部を任される程だから当たり前と言われたらそうだけど。
部屋を出て、駐屯所に向かうと、既にもぬけの殻。既に他の兵士達は爆発音がした方向へと向かったみたいだ。
僕も追いかけるように剣とナイフだけを装備して、外へと向かった。
聞こえてくる悲鳴、子供の泣き叫ぶ声。聞いているだけで胸が締め付けられる。幸い、まだ被害は少ない。火が上がっているのは、爆発音がした方向のみだ。
急いで向かうと、爆発音の場所では、バール軍が、人間の鎧兵達と戦闘を繰り広げていた。壁には穴が空いている事から、爆弾か魔法かで穴を開けたのだろう。
フルフェイスの兜を被っている為、種族は分からないけど、確実に魔族ではないだろう。
魔族は、現在新魔王軍を結成したことで、他種族から再び標的とされている。
これまでも、何度か襲撃はあったけど、壁が破壊されて、侵入されたのは、僕がゴレイムに来て初めての出来事だった。
「と、とにかく戦わなきゃ・・・!!」
剣を抜き、戦いに参加しようとした時、何者かに腕を掴まれた。やや強引だが、若干の優しさも感じる掴み方だった。
「おい、貴様。我々の部隊ではないな?それとも、鎧を剥がれたのか?」
掴んだのは、敵兵だった。ヒュームである僕を、仲間であると勘違いしてるらしい。
その事に気づいた瞬間、脳裏にゴップとカルー将軍の言葉がよぎった。
彼は同族だ、僕と同じ種族だ。
しかし、敵だ。闇属性の僕には彼らの中に居場所は無い。
なら、やる事はたった1つ。
「その汚い手を離せ」
「何を言ってるんだ?貴さm────」
「離さないなら・・・!!」
斬る!!
剣を振り上げると、僕の手を掴む敵兵の腕を切断した。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!な、何を・・・!!」
狼狽える敵兵。僕は、躊躇なく、その首を刎ねた。初めての人殺しだ。けれども、あまり心苦しくは無かった。
刎ねた首が、地面に落ちる。地面とぶつかった衝撃で兜が外れる。露わになった生首は、驚いた表情で固定されていた。
「はい!よろしくお願いします!!」
バール様と研究に没頭していた時。そう、いつも通りに生活していた時だった。
ドオォォォォォン!!
という爆発音が、要塞城下町ゴレイムの壁から聞こえてきた。あまりにいきなりな爆発だった事、城が揺れるくらいの大きさだった為、バール様が無造作に積んでいた本が倒れてしまった。
「ああ!わたしの大事な資料がー!!」
「一体何が起きたんですか?バール様、無事ですか?」
「大丈夫、ちょっと足捻っただけ。それよりも、何だい今の爆発音は。城内から聞こえた音じゃなかったけど・・・」
爆発音自体はそこまで珍しい音ではない。城内の研究者の中には日夜爆弾の開発を行っている者もいるからだ。
しかし、今回爆発が聞こえてきたのは、城内ではなく、外。研究者は非常識な者が多いけれども、要塞を怖そうとする者はいないはず。
だとすると、考えられるのは・・・。
「敵襲!?」
「だろうね。アル、知ってると思うがわたしはめちゃんこ強い。君の守り無しでもそこらへんの雑魚なら簡単に蹴散らせる。でも、他の者は違う。なら、どうする?」
「助けに行きます!!」
「よろしい。行ってきなさい」
はっきり言って、僕よりもバール様の方が圧倒的に強い。新魔王軍の幹部を任される程だから当たり前と言われたらそうだけど。
部屋を出て、駐屯所に向かうと、既にもぬけの殻。既に他の兵士達は爆発音がした方向へと向かったみたいだ。
僕も追いかけるように剣とナイフだけを装備して、外へと向かった。
聞こえてくる悲鳴、子供の泣き叫ぶ声。聞いているだけで胸が締め付けられる。幸い、まだ被害は少ない。火が上がっているのは、爆発音がした方向のみだ。
急いで向かうと、爆発音の場所では、バール軍が、人間の鎧兵達と戦闘を繰り広げていた。壁には穴が空いている事から、爆弾か魔法かで穴を開けたのだろう。
フルフェイスの兜を被っている為、種族は分からないけど、確実に魔族ではないだろう。
魔族は、現在新魔王軍を結成したことで、他種族から再び標的とされている。
これまでも、何度か襲撃はあったけど、壁が破壊されて、侵入されたのは、僕がゴレイムに来て初めての出来事だった。
「と、とにかく戦わなきゃ・・・!!」
剣を抜き、戦いに参加しようとした時、何者かに腕を掴まれた。やや強引だが、若干の優しさも感じる掴み方だった。
「おい、貴様。我々の部隊ではないな?それとも、鎧を剥がれたのか?」
掴んだのは、敵兵だった。ヒュームである僕を、仲間であると勘違いしてるらしい。
その事に気づいた瞬間、脳裏にゴップとカルー将軍の言葉がよぎった。
彼は同族だ、僕と同じ種族だ。
しかし、敵だ。闇属性の僕には彼らの中に居場所は無い。
なら、やる事はたった1つ。
「その汚い手を離せ」
「何を言ってるんだ?貴さm────」
「離さないなら・・・!!」
斬る!!
剣を振り上げると、僕の手を掴む敵兵の腕を切断した。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!な、何を・・・!!」
狼狽える敵兵。僕は、躊躇なく、その首を刎ねた。初めての人殺しだ。けれども、あまり心苦しくは無かった。
刎ねた首が、地面に落ちる。地面とぶつかった衝撃で兜が外れる。露わになった生首は、驚いた表情で固定されていた。
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