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2章 2度目の人生の目標

15話 やっぱり魔法が使えない?

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「う~ん、刺激的な昼食だったね~。それじゃあ、実験を始めようか?アル、よろしく頼むよ」

 最近のバール様の実験は僕がメインだ。

「それじゃあ、いつも通り魔法を使

「分かりました」

 魔法を使うコツは、家系や個人によって違うけど、属性が同じなら、コツが似通っている。水の魔法属性だったら、水関連といった感じ。

「コツは毎度言っているから分かるね」

「はい。暗い洞窟、暗い夜の恐怖を思い出すですね」

「そうだ。さあ、やってみたまえ」

 暗い場所なら、6年前まで入っていたので、否が応でも想像できる。暗くて、冷たくて、固い地下牢。今でも思い出すだけで、過呼吸を起こしてしまいそうになる。

 なので、過呼吸にならない程度まで思い出し、闇の怖さを思い出す。すると、どうだろう。ほんのわずかにだけど、けまで感じた事のない力を感じ取れるんだ。

 その力こそ、魔力。僕が13年前に地下牢へと入れられる原因となった力。13年ぶりの成功に最初はとても喜んだ。おんなにも欲していたんだ喜ばないわけがない。

 喜びしかない・・・のだが。

「う~ん、魔力量がやっぱり少ない・・・」

「どのくらい少ないんですか?」

「常人の5分の1程度しか出せてないねぇ。やっばり、コツがあっていないんだろうか」

 バール様が教えてくれる、闇属性の人の魔力の掴み方がまるで合わない。

 同属性なので、ほんの僅かに掴めてはいるんだけど、魔法が使える量に達していないらしい。

「これで、もう2478パターンも試したんだけどねぇ・・・わたしが知ってるコツはあと、5847パターンしか無いぞ・・・」

「すみません、バール様」

「気にする事じゃない。コツが掴めないなんてよくある事だ。諦めずにゆっくり探していこう」

 バール様は、僕にまだ期待してくれている。この期待を裏切らないように頑張らなければ・・・。

「出生から割り出す事はできるんだけど、いかんせん君は水属性から生まれた異端児イレギュラー。その方法は使えないから、地道に探すしかないね。それじゃ、次の方法を試してみようか」

「はい、では教えてください」

 この後も何パターンか、コツを試したけれども、掴める魔力量は少なく、今日もバール様の期待に答える事が出来なかった。
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